ルーントルーパーズ〜国防軍漂流戦記〜   作:匿名

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何か書いてないような気がする


疾走2

司令部となっている天幕内に陸軍・海兵隊の将校達が集まっていた。

 

「状況は?」

「巨大人型物体は周囲の建物を破壊しながら偵察隊を追いかけています」

「偵察隊は、この宿営地を目指しています。巨大人型物体もここに向かって来てます」

 

陸軍情報将校が偵察隊と巨大人型物体の予想進行ルートを挙げていく。

 

「そいつあまずいな…あと何分でここに来る?」

「おおよそ15分ほどかと」

「部隊の状況は?」

「全部隊に出撃待機命令を出しています。武器弾薬も行き届いています」

 

陸軍計画将校が宿営地に駐屯している戦闘部隊の状況を報告していく。

 

現在、宿営地に駐屯している戦闘部隊は陸軍の2個歩兵中隊計402人、2個戦車小隊、1個高射砲兵小隊、海兵隊の2個歩兵中隊416人、2個装輪戦車小隊が戦力として駐屯している。

 

「迎撃に関してはどうだ?」

「迎撃に関してですが、現在内地軍の警戒にあたっている海兵隊の1個装輪戦車小隊4両で対処します」

 

海兵隊作戦将校が海兵隊による迎撃作戦を提案した。最もすぐに動ける戦力が内地軍の動向で警戒にあたっている海兵隊の装輪戦車小隊と陸・海兵隊の歩兵だ。

 

「あのデカブツ倒せるの?いや、まぁウチでも対10式を想定した訓練プログラムあるけどさ、先の戦いで魔法でシールド張られて6.8mm弾を跳ね返されたり、銃弾が効かなかった例があったからね。あのデカブツにもその類があるかもしれないよ?」

「情報が少ないので何とも言えません。バックアップ用意しますか?」

「そうだな。バックアップを用意しよう。陸軍から1個戦車小隊4両、海軍に近接航空支援を要請してくれ」

「分かりました。安浦大尉に出撃命令を出します」

 

習が恐れてたのは魔法の存在だ。

 

王城戦で敵であったフィルボルグ継承帝国軍に対人狙撃銃のライフル弾を跳ね返した魔導障壁なるもの、実体のない元人間だった生命体が数万発の弾を通り抜けた例が上がっていた。

 

国防軍兵士はこう考えた。

もしその魔法が広く普及し、道具として発明される可能性もあるのでは?それが軍事技術に応用されてたら?我々が保有する銃や戦車や火砲や大口径レールガン、果てはN2兵器などのありとあらゆる攻撃にすら耐えれる物だったら?今ある国防軍装備で対処できるのか?

 

こう言った科学や常識が通じない物に対して国防軍軍人は恐れているのだ。

 

習もその1人である。

 

「海軍が応じてくれますかね?あっちは内地軍の航空戦力で制空権を握られてますし」

「雷電なら出してくれんじゃねぇかな?あれは大口径の対空砲や対空ミサイルで落ちなかったって言うし」

「雷電か...あのデカブツどころか街を破壊しそうな未来しか見えないのですが」

「とりあえず要請だけはしてくれ」

「了解しました」

 

今、マリースアの制空権は内地軍の巨鳥部隊に握られている。制空権がない状態で海軍が艦載機を出してくれるのかが疑問だ。

 

「野戦病院と上陸拠点はどうなんだ?」

「こちらも、全部隊に出動待機命令が出されております」

 

宿営地以外にも野戦病院に陸軍の1個歩兵中隊計201人、1個戦車小隊、1個高射砲兵小隊が、上陸拠点に陸軍の4個歩兵中隊804人、1個戦車中隊、2個高射砲兵小隊、海兵隊の2個歩兵中隊416人、2個海上強襲中隊410人が駐屯している。

 

「内地軍の動きは?」

「今の所大きな動きは確認できておりません」

 

「...事情を話すしかないか。あいつら聞く耳持たんだろうな」

 

『こちら監視塔。内地軍に動きあり。攻城兵器を展開してしいます』

 

監視塔から内地軍に動きがあったことが報告された。

送られてきた映像には内地軍の兵士が忙しなく増援のカタパルトやバリスタを配置していく様子だった。

 

『教会から武装した集団が出てきました』

 

教会から出てきた武装集団は教会の関係組織だろう。

映像には人数からして30人、中央に居る蒼い長髪の女性らしき人物が武装集団のリーダーだと思われる。

 

内地軍の後方には海兵隊の80式装輪戦車4両が横隊を組んでいる。こちらの迎撃準備は既に整っている。

 

『装輪戦車小隊の小隊長と内地軍指揮官が口論しています』

 

装輪戦車小隊の小隊長が内地軍の指揮官と口論している様子が映っている。それぞれ護衛の兵士が付いているが内地軍の方は敵意剥き出しとなっている。

 

「恐らく、内地軍が迎撃するから引けと言っているのだろう」

「まぁ、彼等にも面子がありますし」

「どうします?強行しますか?」

「いや、一旦、連中に迎撃に任せてもらおう」

「良いのですか?」

「ここはお手並み拝見と行こうか」

 

土居はニヤリと笑いながら内地軍の力を期待していた。

 

 


海兵隊装輪戦車小隊の阿久津小隊長と内地軍の指揮官との口論は激化していた。

 

「今向かっているデッカイロボットは我らが海兵隊が迎撃するから退いてやがれください!」

「お前らこそここから立ち去れ!何も余力も残ってない蛮族がゴーレムを倒せるものか!」

「そうだ!美しき王都にふんぞり返る邪教徒どもめ!」

 

「てめぇ、こっちが下手に出りゃあ調子乗りやがって!」

 

「ふん、蛮族らしい行動だな」

血気盛んな海兵隊隊員と敵意剥き出しの内地軍兵士。

今にも乱闘に発展しそうな様子だった。

 

阿久津はイライラしながら無線機を手に取り司令部に報告を入れた。

 

「こちら阿久津!内地野郎共の説得が未だにできてません!指示を願う!オクレ!」

 

『こちら、司令部。迎撃は彼等内地軍に任せよう。阿久津大尉は一旦引いてくれ。なーに心配しなさんな、連中の迎撃が失敗したら我々が迎撃すれば良いだけの話さ。オクレ』

 

「こちら、阿久津。了解した」

 

司令部との通信を終えた阿久津は内地軍の指揮官にその趣旨を伝える。

 

「司令部から、そちらに迎撃を任せるようにお達しが来た。ただし、そちらが迎撃を失敗したら我々が迎撃を行うがよろしいか?」

 

「ふっ、大人しく聞けばいいものを。我が軍が失敗する訳が無い。お前ら蛮族に出る幕はないと思え」

 

口論が終息し阿久津らは装輪戦車に、内地軍は迎撃陣地に戻った。

 

その様子を見ていた内地軍の兵士が指を指しながら海兵隊を笑っていた。

 

「クソッ!上層部がいなければハチマルでぶっ潰してたのに!」

「全くだな。久世との約束果たせそうにないな...」

 

阿久津と部下達が内地軍に対して悪態を付けながら装輪戦車に戻っていく。

 

 


「こちら、偵察一号車!司令部、オクレ!」

 

ゴーレムの追跡を逃れながら牽制射撃を行っている久世達偵察隊。

久世が無線機を手にし宿営地の司令部に通信を行っている。

 

『久世少尉、こっちでも事態は把握済みよ。こちらでも迎撃準備を整えているわ。あとどれくらい時間がかかりそう?』

 

無線に出たのは久世の上官の板井だった。

 

「板井大尉ですか!?じ、時間ですか!?」

 

『そう、どれぐらいかかりそうか聞いてるの』

 

「あと10分...いや15分です!」

 

言い切った瞬間、ゴーレムのパンチが降りかかる。

東の操作テクニックで難なく避けたが、衝撃が襲いかかり車体が傾く。

 

『分かったわ。15分後に、公園の正門からデカブツを招き入れなさい。絶対に一般市民に被害を出さないように。了解か?』

 

「りょ、了解!」

 

『よろしい...それと、正門前に内地軍と教会の武装集団が迎撃体制を取っている。誤射の恐れがあるから話をつけてちょうだい。信じてるわ、久世少尉』

 

板井からの報告では国防軍以外にも内地軍と教会の武装集団が迎撃体制を取っているようだ。共同作戦かと思ったが、今の国防軍と内地軍の関係は最悪の一言に尽きる。そんな関係性で共同戦線を張るとは思えない。

通信にあった教会の武装集団とは一体何だ?教会に武器を持った組織が居るとでも言うのか?

 

久世は考えを途中辞めてどうするべきかと模索した。

 

「リュミさん、ここから近い大通りまでの案内をお願いします!」

「お、大通りですか?」

 

リュミは青い顔をしながら答えた。

 

「ここからだと中央広場に繋がる道ぐらいです!人目につきますよ!?」

「人的被害を出すより人目に付かれる方がマシだです!」

 

「じゃ、じゃあそこの角を右!」

「東!」

「がってんでい!」

 

スピードを維持しながら慣性の力でドリフトをかけ高機動車が大通りに出る。

 

背後から行く手を挟む建物を破壊しながらゴーレムが突き進んでくる。

 

「な、何だぁ!?デカい石像が暴れとるぞ!!」

「帝国軍の奇襲か!?」

「内地軍と教会は何をしているんだ!?」

 

ゴーレムの姿を見るなり民衆は逃げていく。

 

高機動車が通れる道ができ緩やかな曲がり角はドリフトをしながら突っ走る。

 

「東、どこでその運転テクニックを?」

「幼稚園の頃から通ってたゲーセンです!」

 

土埃を上げながら石畳にタイヤ痕を残しながら高機動車は公園を目指している。

 

「今、走り去っていたのは何だ?」

「馬車にしては早すぎるぞ」

 

ゴーレムの背中を見送り、街の人々のざわめきが広がる。

 

魔法学校の学生の一団が声をあげた。

 

「あれって中央広場で騒ぎを起こした連中の乗り物よ!」

「そうだ。女の子をならず者から守った連中だ」

「今度はゴーレムを自分達に引き付けているみたいだぞ」

 

「おい、学生さんよ。詳しく聞かせてくれよ」

「中央広場の事なら、ミランダおば様から聞いたわ。流れの勇者が助けたんじゃないの?」

 

学生達は、街の人達が言うことを否定した。

実際にあったことを説明しだす。

 

「全然違うよ!緑色だか茶色だかの変な服を着たやつが──」

 

 

 

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