ルーントルーパーズ〜国防軍漂流戦記〜   作:匿名

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2,3年後にはこの作品は完結してそう

一応、最終的に物語はどうなるかは決まってます。
ネタばらしになるので、2,3年を楽しみにしてください。
エタってなければ良いんだけど

伸びねぇかな二次創作増えねぇかな日本国召喚二次投稿してぇ


疾走5

陽動作戦は失敗に終わった。

 

陽動で使ったエンシェントゴーレムが早く破壊されるとは思っていなかった。

いや、突入する時間は十分にあったはずだ。

 

昼間に目の当たりにしたあの光景に魅入られたからだ。

 

音楽と土煙と共に現れた8輪の車輪で走る鉄の塊。

馬や陸鳥より速く走るそれは、轟音を響かせて火を噴いた後にゴーレムの両腕が吹き飛んだ。

教会の連中が矢に付加した貫徹魔法をものともしなかったゴーレムをだ。

 

伝説の豪槍以上の威力だった。

 

ゴーレムもただでやられる訳にはいかなかった。

重要部分である胸部に障壁魔法を集中展開し鉄の塊の攻撃を防いだ。

 

次に8輪の鉄の塊とは別の鉄の塊が現れた。

先程の鉄の塊より遅いが、何か重厚感と威圧感のよう物を感じた。

 

直後に轟音と火が噴きゴーレムの両脚が吹き飛んだ。

自律できるものを失ったゴーレムは前に倒れようとしたが、鉄の塊は正確無比に重要部分である胸部を貫きゴーレムは破壊された。

 

帝国軍で噂されていた正体不明の敵の存在を思い出した。

マリースアに侵攻した南伐混成軍が命からがらに逃れてきた兵士達が話していた。

島のような巨大な鉄の船群、空を飛ぶ鉄の虫、竜より速く強く飛ぶ鉄の竜、意志を持ち追いかける光の槍、百発百中の大砲。

 

最初は何かの見間違いか尾鰭の着いたホラ話だと思っていたが、彼らの言ってたことは間違ってなかった。

 

「ルーン...トルーパーズ...」

 

鉄の塊を操っていた連中の名前で異世界からやってきた軍勢だ。

 

 


『海狼の毛皮亭』は賑わっていた。

昼食だけの営業につもりだったが、客が押し寄せたため夜も開けることにした。

 

「そしてぇ!迫り来る100人の荒くれた傭兵共を相手に、2人で現れたのがその英雄よぉ!」

 

店のテーブルを立ち台にして、昼間に起きた光景を話す女エルフであるルー。

客達はは酒を片手に話を聞いていた。店の外にまで溢れていた。

 

「そんなにいなかったでしょう?せいぜい20人そこらで...」

 

店の売上に貢献しているルーを邪険に扱えない看板娘のレティア。

それを横目に酒をあおりながらルーは続ける。

 

「彼の名前はクーゼ・ヒロユゥキ!異世界では世界最強と呼ばれた伝説の英雄らしいわ!」

「国防コウムインと言う役人じゃなかったけ?あ、麦酒(エール)お待ち」

 

レティアのボヤきはルーには届いていなかった。

レティアにしても、彼らが英雄扱いされる事には違和感なかった。

命をかけて自分の友達を救ってくれたからだ。

 

「でも楽しいと思うわ、レティア」

「ファルアちゃんまで、もう...」

 

レティアは友達の隣に腰を下ろした。

客は酒を飲むよりエルフの話に熱中している。サボっても問題ないだろう。

 

「いや、ファルアの言う通り、面白い話だな」

「父さん?」

 

松葉杖をついた大男...レティアの父が立っていた。

 

「俺の手当をしてくれたルーントルーパーズとか言う連中に改めて会ってみたくなった」

 

「お前も一緒に来てくれないか?」

「え?」

「俺のようないかつい男が1人で行っても、門前払いされるかもしれん。お前もいて欲しい。ああ、ファルアもどうだ?クゼとか言う男のところに」

「え、良いんですか?行きます!レティアちゃんも行こうよ?私、家の焼きたてのパン持っていく!」

 

クゼと言う異世界の将校を気に入ってしまったファルアとは対照的にレティアは戸惑っていた。

父が助かったのは、神の奇跡ではなく彼ら...国防軍もといルーントルーパーズの尽力のおかげだった。

 

彼女は釈然としない心の靄のようなものがあった。

 

「行ってみたらどうです?」

 

彼女の心を見透かしたようにリュミがレティアの顔を横から覗き込んだ。

 

「リュミ司祭?」

「きっと、それを神もお望みです」

「で、でも...」

 

リュミの言葉に矛盾を感じた。

 

「きょ、教会は彼らを異教徒だと...」

 

教会を信仰していた彼女は教会の言葉は絶対だと信じていた。

父親とファルアの件、リュミの言葉を聞いたレティアは複雑そうな顔をしていた。

 

リュミは苦悩しているレティアの隣に腰を降ろした。

 

「教会にいるのは神に仕える人間。人間は過ちを犯すものです。たとえ、聖職者でも...。だから、本当に正しいと思うことをなすのは神は望むと、私は思います」

 

美辞麗句に彩られた説法よりもリュミの言葉に重み、いや、鬼気迫るものを感じた。

 

「私は神に仕えています。けれど...神の権威に仕えている訳ではありません」

 

リュミは祈る姿勢を取る。レティアには彼女が戦いに赴く前に決意した戦士のように見えた。

 

「司祭様もこう仰っている。決まりだな」

 

腕を組んで満足そうにしている父が珍しく笑みを浮かべていた。

 

「そうだ、あのイチノセとか言う小僧にも、イイ腕をしていたと言いたい」

 

自分に兄がいたら、きっとこんな顔をして成長を喜んでいただろう。

イチノセと言う兵士の弓──ではないけれど、大きな音と煙を出しながら遠くを狙う武器の腕前は確かに凄かった。

そんな彼がファルアを救った事に父は感謝しているのだろう。

 

(まあ、いっか...)

 

躊躇いがないと言えば嘘になるが、自分が信じているものが本当は何なのか、答えを知りたいと言う気持ちもある。

 

(それでも、きっと...)

 

レティアはテーブルの上に立っているルーを眺めた。

自分が見てきた事を面白おかしく脚色して話、その度に聴衆から爆笑や感嘆の声が聞こえてくる。

 

 


「名前を教えてくれますか?」

 

久世は宿営地の一角にあるテントで昼間に中央広場で制圧し現地協力者(捕虜)として連れてきた傭兵の1人を聴取していた。

 

久世が相手にしている協力者は中学生ぐらいの少年だ。

伸びきった髪は目を覆い隠していた。

 

「ア、アルテミス...」

「一応聞くけど男で良いんだよね?」

 

久世の質問にアルテミスと名乗った少年は頷く

 

「年齢は?」

「14歳...」

「出身は?」

「カルコシスタ王国...」

「その国はどこにありますか?」

「今はない。継承帝国の地となっている」

 

アルテミスが口にした継承帝国と言う単語を聞き苦い表情をする。

 

「...何故傭兵に?」

「家族は死んでしまった。屋敷も継承帝国に接収されてしまって一文無しで放り出された。ハルバード使えるから、あの傭兵団に入った」

「なるほどね。今まで大変だったろうに」

「同情など要らん」

 

アルテミスからの辛辣な答えに久世は言葉選びを間違えたと後悔する。

 

「余計な事を言ってしまって申し訳ない。僕の国では君ぐらいの子は学校に通ってたり不自由なく生活してる物だから同情してしまってね」

「学校は貴族か富裕層しか通えない特権だ」

「ところがどっこい、僕の国では義務教育として臣民全員が受ける事になってるんだよ」

「貴族と富裕層全員?」

「いや、臣民等しく庶民から富裕層の子供全員が受けてるよ」

 

アルテミスは久世の祖国である大日本帝国の教育水準に目を丸くしていた。

 

「裕福な国なんだ」

「まぁ一応」

「じゃ、じゃあ貴族はおらんのか?」

「居ないよ。僕の国では華族と呼ばれてたけど、60年前に廃止されたよ。族が付くなら天皇陛下の皇族ぐらいだけど」

 

「あとは暴走族とかだね」と久世は付け足す。

 

「不思議な国だな。興味湧いてきた」

「ははは、ありがとね」

 

一通りの聴取を終えた久世はアルテミスに確認を取る。

 

「君は一応協力者って事になってるけどこれからどうするの?ここから出ていっても良いしここに残っても良いよ?その代わり僕たちに何かしらの情報を提供してもらうことになるけど...」

「ここに残る。最初はあのおb...じゃなくてお姉さんに脅されて来たけど、貴方の国の話を聞いて興味が湧いたんだ」

「そりゃあどうも」

 

──「ようこそアルテミス君。国防軍は君を歓迎するよ」

 

久世はそう言いアルテミスに手を出す。

アルテミスはそれが握手だと理解し握り返す。

 

「こちらこそ、世話になる」

 

 


「久世少尉、アルテミス君について何ですが」

「どうした西本、東?」

 

将校用に割り当てられた天幕内で提出書類を作成していた久世の元に西本と東が来ていた。

 

「アルテミス君の髪と服どうします?」

「髪は誰かに切ってもらう必要があるからな...そう言えば、桜龍に散髪屋あったよな」

「桜龍の散髪屋は予約制ですよ。切ってくれるか分かりませんが」

「そうなると、ウチでやらなくちゃいけないのか...そう言えば補給科に理容師学校出て開業した兵士が居たような」

「それじゃあ、その人に任せてみてはどうでしょうか?」

 

髪に関しては解決した。

残ってるのは服だけだ。中学生ぐらいのサイズならあるはずだ。

 

「服は官給品の作業服にするか」

「でも、アルテミス君に合うサイズの服ってありましたっけ?」

「女性用しかないな。しゃーない、補給科に服の在庫ないか聞いてみる」

 

服は解決しようと思えたが、ここで異議を唱える者が居た。

 

「久世少尉、私がアルテミス君用に服を作ります!」

 

東だった。

 

「え?作るの?」

「はい!官給品である作業服を着させて後々何か言われたらどうしますか?これ以上少尉の仕事を増やしたくないのです!」

「まあ、たしかに言われるかもしれないけど...」

 

東は間髪入れずに答弁する。

 

「それに、アルテミス君に作業服を渡して受け入れてくれると思いますか?嫌々着させられて今後の情報提供に影響が出てしまったらどうします?」

「え、アルテミス君見た限りそんな感じはしなかったけど」

「要するに東が言いたいのはアルテミス君用に自分好みの服を作ると言いたいんですよ」

 

東の説明に納得した久世。

 

「東君さぁ...アルテミス君の事を何だと思ってるんだ?」

「可愛い男の娘です!」

「君のそう言う素直のところ嫌いじゃないけどさ」

 

「それに、アルテミス君に東の作った服を着させたとして受け入れてくれると思うかい?言ってしまえば、東が言った情報提供に影響が出てしまうかもしれないよ?」

「グヌヌヌッ...」

 

東は久世に説得した内容で反論されてしまい、言葉が出なくなってしまった。

 

「こう言うのはどうです?官給品の作業服と東の作った服をアルテミス君に選んでもらうのは?」

「本人の好みで選んで貰う事か...」

「良いですね!」

 

西本の妥協案を聞いた久世と東はその案を飲む事にした。

ただし東の方は2日以内に服を完成させる事を条件が出され早速作る羽目になった。

 




私事何ですが、内定もらいました。

アルゲンタビス4の時は落ちる自信しか無かったのに...
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