ルーントルーパーズ〜国防軍漂流戦記〜   作:匿名

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今年度中には2巻が完結するよう頑張りますのでできなかったらごめんなさい

そう言えばセイロード湾から人魚の海までどれぐらいの距離があるんですかね?そこは勝手に決めていいのかな?


オペレーションセイレーン7

伊吹のとある一室で3人の海軍将校が詰めていた。

 

縦長の机を2つくっつけており、机上にはキーボードが着いたタブレットと紙の資料、3人分の軽食と赤い翼のエナジードリンクが置かれていた。

壁に取り付けられたタッチスクリーンには各種情報が写し出されていた。

 

「射程距離...ダメだ。これでは遠すぎるし、これは近すぎる」

 

髪を掻きむしりながらタッチペンでタブレットに書き込む加藤。

 

「これは対潜駆逐艦には負担が重すぎる。やるとしたら犠牲覚悟で20隻投入しないと」

「相手は弱ってると思うがヘリを飛ばすのは現実的でないな。東海(90式対潜哨戒機)オライオン(62式対潜哨戒機)があればな」

 

軽食のタマゴサンドイッチを頬張る勅使河原作戦参謀と、2本目のエナジードリンクのプルタブを開ける新谷情報参謀。

 

下士官食堂で和やかな騒ぎが起きていることなど3人が知る由もなく目の前にある情報と睨み合っていた。

 

「前例なんてない上で作戦を立てるなんて無茶にも程がある」

「前例が無くても作戦を立てるのが俺たち作戦屋の仕事だ。やるしかないんだよ」

 

勅使河原と新谷はそう愚痴りながら頭をフル回転しながら作戦を立てる。

 

「どう出る?奴はこの場合、どう行動する?考えろ、何かあるはずだ...」

 

レヴィアタンと言う規格外な巨大海棲生物を撃滅する、史上前例もない作戦を立てる難題に取り掛かっていた。

 

知能もそこそこある相手だ。

既存の装備で対抗するには難しい上、作戦が上手く行ったとしても想定外の行動を取ることすらも有り得る。

 

作戦のアイディアが思いつく度に、タブレットに書いては新たなシートを作成し書いていく。それの繰り返しだった。

 

「そもそもなんだが、何故奴はあの海域にこだわるんだろうな。餌なんて外に行けば豊富なのに」

「あの海域に何か秘密があるんじゃないのか?」

 

勅使河原と新谷の疑問に加藤はの頭に何かが走る。

 

「生贄...」

「どうした加藤?」

「生贄だ」

 

勅使河原の心配そうな声かけを無視し加藤はタブレットにデカデカと生贄と書き殴った。

 

「生贄...要はあの人魚に固執してるのか」

「奴はあの図体の割に少食なのかな」

 

勅使河原と新谷は推察する。

 

「奴の習性を利用すれば叩けるな」

 

加藤の発した言葉に3人は全身を凍らせた。

悪魔のような作戦を思いついてしまった。

 

「いや、いやいや...」

 

加藤は仰ぎ見、椅子の背もたれに全身を預けた。

 

「でも、人魚側も協力を惜しまないって言ってたし大丈夫なんじゃないのか?」

「奴を確実に仕留めるとしたらこれしかないな」

 

勅使河原と新谷はそう結論づけていた。

 

(仮にだ、作戦として成功する確実性からすれば、その悪魔の囁きは何点だ?)

 

加藤達はこの作戦案で行こうとする自分達のクズさに理解していた。

 

“確実に仕留めるためなら犠牲は仕方ない”

“彼女らも協力を惜しまないと言ってたから”

 

彼らの脳裏にはそんな言葉で埋め尽くされていた。

 

彼らは自分達のやろうとしている事を正当化しようと、平然に保とうとしていた。

 

「...司令は怒るな。絶対」

「加藤、俺達も同罪だ。そう悲観にするな」

「悪魔に魂を売るのか...僕達、死んだら仲良く地獄行きだな」

 

加藤、勅使河原、新谷は覚悟を決め作戦のアイディアを元に作戦を立てていく。

3時間後には詳細な作戦案のシートが完成していた。

 

シートの表紙にはデカデカとこう書かれていた。

 

『作戦名:セイレーン』

 

 

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