ルーントルーパーズ〜国防軍漂流戦記〜   作:匿名

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ボツネタの実験艦銀河と戦術衛星出せば良かったなと後悔してる。

話を書いてると前話の会話だとか思い出して「矛盾してなくね?」だとか「こんな風に書いたら前話のあれはどうなるんだろう」ってなり修正すべきかなって思ったりするんですよね。
一応修正はしようかと思ってるんですけど



現場の憂鬱2

セイロードに連続で出現するモンスター騒ぎの終息が見えないのに、業を煮やした国防軍の将校達は原因を突き止め落とし前を付けようと動く事になった。

久世に憲兵隊と信頼できる現地協力者と共に、この騒ぎを終息する任務が課された。

 

久世は“海狼の毛皮亭”に向けて60式高機動車を走らせていた。

 

「まさか、憲兵隊が協力してくれるとはね」

「まぁ、警察ほどではないにしろ犯罪捜査にはある程度精通してますからね」

 

憲兵

国防軍内部の秩序と規律を維持する警察的側面を持ち、捕虜取り扱いを行う後方支援兵科。

軍人による犯罪事件が起きた際は警察と協力し捜査する時もある。

 

「憲兵コワイ…」

 

久世が乗る60式高機動車の車内には東が89式小銃を抱えて怯えていた。

 

「そう言えば、よく欲望が暴走して憲兵にこってりと絞られてたよな」

「ケンペイってそれほど怖いのか?」

 

キュロットとニーソを履き半袖型のバルーンスリーブ服姿のアルテミスが話の中に入る。

 

「泣く子も黙る空挺旅団ですら、歯をガタガタさせるほど恐れられると噂されてるからね」

 

そうこうしている内に、久世達が乗る緑の迷彩色の60式高機動車1両と、憲兵隊仕様の青と黒の60式高機動車2両の車列は海狼の毛皮亭に前に着く。

久世達は最低限の人員を車両に残し店に入る。

 

 

「いやーもうルーントルーパーズ様々!あの人らの話、面白おかしく歌にするだけでボロ儲け!」

 

海狼の毛皮亭で真昼間から酒をかっ喰らって、おおよそ美女が発するとは思えない豪快な笑いをする、エルフ女のルーことフェルゥア。

 

「こ、こいつ、ダメすぎる…」

 

店の看板娘、レティアはダメ人間… いやダメエルフを目の前に呆れていた。

ルーは傭兵騒ぎやゴーレム事件以来、この酒場を拠点にルーントルーパーズの話を歌にして稼いでいた。

 

日に日に彼女の話を聞きに来る人間も増え、最近は召喚獣騒ぎでルーントルーパーズの姿を見た者が増えている。

ルーのおかげでルーントルーパーズに対する評価が好意的な方に変わって来てるのは事実だ。

 

今のルーは飲兵衛だが、それに反して恐ろしく歌が上手く、壇上の立ち振る舞いも吟遊詩人が霞んで見えるほどだ。

 

「まぁ、190年も生きてりゃ、自然に上手くなるんでしょうね」

「人生は長いのよぉ。楽しまなくっちゃあ。ケッケッケッ!ひいっく」

 

彼女の場合は人生を楽しんでるのでなく人生を踏み外してると言う方が正しいが。

 

「そりゃあ、あんたの人生はシャレにならないぐらい長いでしょうけど...」

 

━━「やぁ、どうも。ご無沙汰しております」

 

「あら...」

 

レティアの背後にいる青年の姿にルーが目を丸くする。

 

「クゼさんは、今日新しいお仕事でここに来られたそうよ」

 

久世達は足下に酒瓶を転がし酔っ払っていたルーに言葉を失っていた。

ゴミを見るような目で彼女を見る者、どう反応すれば良いのか分からず苦笑している者と様々であった。

 

「あらあら、今日は沢山の人を連れてきてぇ...とりあえず酒飲む?」

「あははは、今は勤務中なので遠慮しておきます」

「もぉ〜真面目なんだからぁ」

「勤務中に飲んだら憲兵さんにコッテリ絞られるんで...」

 

久世は後ろにいる憲兵に目を向ける。

ルーは憲兵を見て「ふ〜ん」と言いまじまじと見る。

 

「あー久世少尉。お酒は勤務外で程々にお願いします」

「えっ、ちょっと待って。なんでそうなの!?」

 

1人の憲兵が久世に優しく注意する。

 

「あぁりがとぅね、お兄さん!今から自由と言う事で一杯飲もうよぉ!」

「支離滅裂すぎる!」

 

弱ったなぁ...

ルーは酒臭いし絡んでくるしで酷いが、美しいのだ。

レティア含めその場にいる女性達は同意せざるを得なかった。

透き通るような白い肌、芸術作品を超える整った目鼻立ち、一体どうすれば美しい光沢と髪質を維持できるのかと思うサラサラの長髪、目を見張る程の胸。

秘訣は何なのか聞きたいほどだ。

 

レティアは久世の女の好みが、世界の恥とも言えるこの女にあてはまってる事に、女の勘で察し愕然とする。

 

「あーはいはい、クゼさんはお仕事があるんですから、お引き留めしちゃダメですよ、お客さん」

「んな!?店員おーぼーだぞー!」

「ははは...」

「クゼさんも、こんな奴をいちいち真面目に相手しない!」

「こんな奴言うなー!お客だぞー!売上に貢献してる上客だそー!」

「人に迷惑かける客は客じゃないの!」

 

ぎゃあぎゃあ騒いでいると、久世に続き誰かが店に入る。

 

「あ、皆さんお集まりですのね」

「久しいなクゼ殿」

 

神官衣に身を包んだリュミと、チャイナドレス風の白いドレス姿のカルダだ。

 

「リュミちゃんにガルダさん、わざわざどうも」

「とんでもありません。これも神の導きですわ」

「何、城で内地軍の老害や青二才と、欲望まみれの貴族どもの顔を合わせないで済むだけでも、ありがたいさ」

 

国防軍との対立、国防軍を自分達のために利用する勢力に身を置く2人は色々と忙しかった。

そんな中で久世から話があると持ちかけられた時は、息抜きができると感じた程。

 

カルダ達の背後から、さらに数人やってくるのが分かる。

 

「邪魔するぞ」

「クゼ殿はお見えかしら?」

「邪魔するなら帰れー!」

「俺じゃなかったら切られてたぞ...」

「朝から酒飲んでいいご身分だこと」

 

内地軍の騎士ユラウスとディアナが、酔っ払って出来上がってたルーに冷静に言葉を返す。

 

「ユラウスさんとディアナさんでしたね。こないだの事件ではお世話になりました。加藤中佐からも噂を聞いております」

「噂になるような事はしておらんさ」

「噂になってるのは貴方達の方ではなくて?」

「ははは…返す言葉もないです」

 

そんな彼らのやりとりに、ルーは酔いが冷めた。

 

(ルーントルーパーズのクゼに王都守備隊と内地軍の将校、教会関係者のリュミが一体全体こんな所に集まってるのかしら?」

 

ユラウスとディアナの後ろに隠れていた、短髪の女騎士が恥ずかしげな顔をして出る。

 

「ヴァレン、礼を言いに来たんじゃないのか?」

「う、うむ…」

「ああ、貴女はあの時の」

「そ、そうだ。部下ともども、世話になったな」

「ご無事でなによりで…と言うほどは無事でありませんでしたが、命を落とす人がいなくて良かった」

「あ、ああ、おかげでな」

 

ユラウスとディアナはまともに久世と顔を合わせれず、モジモジしてるヴァレンにあたたか〜い目で見ていた。

 

「久世少尉、いい加減仕事に移りましょう」

「あっはい、分かりました。レティアさん…」

 

1人の憲兵が豪を煮やし久世に仕事に着くように促す。

 

「上の階にお部屋を用意してます、そちらへどうぞ」

 

レティアが彼らを促した瞬間、ガタンと言う席を立ち上がる音がする。

 

「はーい、アタシもアタシもー!」

「…貴女は部外者です。勝手な事を言わないで頂きたい」

「部外者とは何よー!お堅すぎるわよ。アタシだってクゼと一緒に戦った仲よ?」

「あんたの場合は勝手に来ただけでしょうが!」

 

今や歩くトラブルメーカーと化したルーに、久世と憲兵が対応している。

 

「それに、アタシはエルフよ?話によっては協力できなくもないのよん?」

 

ルーの言葉に久世と憲兵は迷う。

久世はゴーレム事件の時に、ゴーレムに関する情報を言っていた。

憲兵は事件の早期終息のためにも協力者は必要と考えていた。

だが、事前情報もないのに関係者として参加させて良いのか、彼女は信用に値する人物なのかで迷っていた。

 

「いいんじゃないだろうか?」

 

カルダが声を上げる。

 

「エルフの知恵は、古より良き道しるべとなると聞く。この街でルーントルーパーズへの眼差しが変わり始めたのは、彼女の功労もあっての事だ」

 

カルダはルーントルーパーズで巡って内地軍派とやり合っている水軍派の人物。

教会派に劣るとは言え市井を味方に付けており、内地軍派も弱体化している。

ルーは味方同然でもあり、この世界ではエルフに対して幻想を抱いている。

 

「わぁお!騎士さんわかってるぅ!」

 

ルーがパッと表情を輝かせた。

 

久世と憲兵は顔を見合わせる。

 

「ま、まぁ、彼女、ゴーレム事件の時にゴーレムに関する情報を知ってたから、何か分かるかもしれませんよ?」

「我々と対等な友好関係を主張してる水軍派の貴族、それもこの世界に迷い込んで初めて遭遇した人物だから信用に値するか...久世少尉、彼女も参加させましょう」

 

2人の決定によりルーは久世の任務に参加することになった。

 

「んふーふぅ!クゼくん、やっぱりキミは最高だよ」

「わわっ!?」

 

ルーは久世に抱きつこうとしたが、その企みはある者によって阻止させられた。

 

「クゼ殿から離れろ、この痴れ者が」

 

ヴァレンが目にも溜まらぬ速さで抜刀しルーの喉元に突きつけた。

目が本気、殺る気満々だった。

 

終始表情を見せなかった憲兵ですらヴァレンの抜刀の速さに驚いていた。

 

「じょ、ジョークよ、ジョーク!エルフ流のジョークだってば!そう言うマジなリアクションはやめよーよ!ね?」

 

久世は会議を始める前からトラブルが起こっていることに、胃が痛くなった。

 

「だ、大丈夫なの、これ?」

 

レティアも同様だった。

 

 




ヴァレンは久世に惚れてるのかな。
いや、単純すぎる気が…
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