ルーントルーパーズ〜国防軍漂流戦記〜 作:匿名
レティアに通された久世達は海狼の毛皮亭で1番良い部屋で会議が開かれようとしていた。
椅子やテーブルは予め多く用意されており、サービスで飲み物や国防軍の軍人から教わった軽食のフライドポテトが出されていた。
「ところでクゼ殿、先程から居るその者達は一体...」
「ああ、まだ、紹介してませんでしたね」
ユラウスは久世と一緒にいる4人の憲兵に気になっていた。
2人の憲兵が立ち上がり姿勢を正す。
1人は国防陸軍の迷彩服を着込み、憲兵を表す“MP”の腕章を付けた黒髪ロングのキツい目つきをした憲兵。
1人は国防海兵隊の迷彩服を着込み、腕章を付けた茶髪のパーマかかり、女性の母性本能をくすぐられそうな憲兵。
「4人は今回の会議で協力してもらう国防軍の憲兵です。他にも4人居るのですが、店の前に停めてる
「国防総省憲兵庁葦原憲兵総軍第2陸軍遠征旅団監査中隊所属の錠前蓮美上級曹長」
「同じく第1海兵遠征軍監査中隊所属の源亮上級曹長です。」
2人は自己紹介を終え国防軍式の敬礼をする。
「その憲兵だけは分かったのだが、その前の国防何とかとは一体...」
「国防総省は国防軍とその関連組織を統括する最高機関で、我々憲兵を統括する憲兵庁もその1つです」
「葦原憲兵総軍は帝国の葦原管区を担当する陸海空軍を監査する総軍です。他にも高麗憲兵総軍や北米憲兵総軍などの各方面の総軍もありますよ」
錠前と源がユラウスに説明する。
「なるほど、いきなり長い名前を聞かれて混乱してしまったもので」
「あははは、憲兵は国防軍の規律を維持する組織なのでしっかりしてる人が多いですよ」
源はユラウスと会話し、錠前は最低限の事は説明したと思い、目の前にあるフライドポテトを食べている。
久世はショルダーバッグからタブレットとキーボードを取り出しパスワードを入れていく。
「クゼ殿、その魔導具は何だ?」
カルダが好奇心を宿らせた瞳で久世に聞く。
「これですか?軍用情報端末“ミリタブ君”です」
「そのミリタブ君って何に使うの?」
正式名称ME800軍用情報端末。防水・防塵・耐環境・耐衝撃・対電子妨害機能を備えており国防軍全軍の将校の必須装備となっている。
憲兵である錠前と源もミリタブ君を持って来ている。
「この取り付け可能なキーボードで文字を打ち込んだり、動画や写真を見たりしますよ」
久世はデモストレーションでワードを起こし文字を打ち込んだり、写真フォルダから見られても問題ない動画や写真を見せたりする。
「文字がこんなに早く書けるとは...しかも複製できるのか!?ほ、欲しい...」
「このドウガは動いているぞ! 内容は祭りか何かか?」
この世界の人間にとっては電子機器は、見たことも触れたこともないし刺激的になっている。
「クゼ殿!これを私にくれないか?もちろん対価は払うぞ!」
「こ、これは官給品なので渡せません。本国にある家電量販店…商店に行けば誰でも手に入れられますけど」
「む、無念!」
カルダは残念がる。
「このドウガは魔法で動いてるのですか?これって私でも扱えますか?」
「ギャアハハハハハハハ!イッチーが女物の給士服着てるんだけど!?結構似合ってるわよ!」
「クゼ殿、このシャシンに映ってるのはか
カルダに続き、リュミやユラウス達が矢継ぎ早に質問して来てしまい結果、会議が始まるのが遅れる事になる。
空母桜龍
「ウチに収容していた、フィルボルグの傷病者は?」
「強襲揚陸艦大隅への収容を終え、先程オスプレイが本艦に帰投しました」
「専門医官も大隅への移艦を完了しています」
マリースア・ルーイエ大陸周辺の地図を制作する“1815作戦”を行うため、セイロードから出航する準備が進められていた。
戦略空母“桜龍”を旗艦に、防空重ミサイル巡洋艦“青葉”、ミサイル駆逐艦2隻、防空駆逐艦2隻、対潜駆逐艦2隻、攻撃型潜水艦1隻、補給艦1隻の艦隊がルーイエ大陸の地図作成を担当する。
「艦長、蕪木司令から“準備完了次第、出港せよ”とのことです」
「出港準備はできてるか?」
「全艦、出港準備が完了との報告が上がっています」
空母桜龍の艦長兼作戦艦隊上級指揮官の牛込が腕時計を確認する素振りをする。
「出港用意」
「出港よおぉーいっ!」
「全艦出港用意!」
艦内放送を担当している海軍中尉と艦隊通信を担当している海軍中尉が叫ぶ。
艦首の錨が巻き上げられる。
全ての作業が終わり艦隊はゆっくりとセイロード湾を離れる。