ルーントルーパーズ〜国防軍漂流戦記〜   作:匿名

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初投稿です。原作とは端折ってるところがあります。
(特に書くことは)ないです。



派遣艦隊出航1

武蔵州神奈川県横須賀市はこの日快晴であった。

今横須賀はたくさんの人でゴッタ返してた。

そんな人々の中にテレビ局の取材チームの女性リポーターが実況していた。

 

「私たちは今ここ帝国国防海軍横須賀海軍基地からお送りしています。この横須賀海軍基地からアフリカに派遣される帝国平和維持軍第一次派遣艦隊は現在出航寸前となっています」

 

リポーターは淡々と語っていく。

 

「今回の派遣艦隊は過激派武装組織「神に選ばれし軍隊」とアフリカ大陸全国家を巻き込んだアフリカ大戦に対し国連安保理で決議で国連兵和維持軍に参加するための艦隊です」

 

もうちょっと緊迫感ある口調で話しても良いのにと思うが彼女はこれを売りにしているので仕方ない。

 

「巡洋艦伊吹を旗艦に空母1隻、巡洋艦5隻、駆逐艦12隻、潜水艦5隻、揚陸艦3隻、輸送艦9隻、補給艦6隻、作戦支援艦2隻の計43隻の艦隊です。空母には戦闘機を含み95機の艦載機に加え輸送艦と揚陸艦には陸軍と海兵隊の部隊が搭乗しており兵員約13000人、車両約1800両、航空機約300機の混成師団で編成されています」

 

「ただこれらの部隊はただの先遣隊に過ぎず第二次、第三次を含めると艦艇数約200隻、兵員数約11万人、車両約6000両、航空機約1500機の大部隊になります…あっ、たった今派遣艦隊が出航しました。港や周辺からは今回派遣される兵士の親族や地元住民が手を振りながら見送っています。それに対し艦上に整列している帝国兵士が敬礼で返礼しています」

 

相変わらずの口調である。そしてレポーターはフリップを出した。そこには戦略ミサイル潜水艦とミサイルらしき物の画像があった。

 

「今回我々が注目してるのは戦略ミサイル潜水艦の派遣です。この戦略ミサイル潜水艦は「神に選ばれし軍隊」に対して牽制を目的としています。この潜水艦には36発の潜水艦発射弾道ミサイルが搭載されておりその内18発が100kt級N2弾頭を搭載しています。なお戦略ミサイル潜水艦の派遣に対しては少数の反対意見がありますが政府の本気度が伺えます」

 

レポーターは最後に締めくくる。

 

「帝国政府は「もしこの派遣が失敗すれば次は我が帝国ひいては62億の帝国臣民に牙を剥くかもしれない。そのための派遣である」としています。無事に任務を終え彼らには再び祖国の土を踏むことを願っています」

 

艦隊は横須賀から遠ざかっていく。これから起こるであろう苦難を知らずに。

 

 


インド洋洋上

帝国平和維持軍第一次派遣艦隊はインド洋を航行していた。

艦隊から7キロ先にインド帝国平和維持軍派遣艦隊が併走していた。インド帝国も今回の国連兵和維持軍に参加していた。

巡洋艦伊吹艦内では乗員が昼食していた。

打撃ミサイル巡洋艦伊吹、全長263メートル、満載排水量41000トン、主砲に50口径31cm三連装電磁加速砲3基を搭載した大型艦だ。艦内は自動化が進んでおり人員の省略化が進んだいるががそれでも乗員は多い。比較的に賑わっている科員食堂とは反対に幹部専用の士官室は粛々とした雰囲気となっている。

 

「司令臨場、気おつけっ!」

 

その声に長テーブルに座る幹部たちが姿勢を正した。

そこに1人の男が入って来て上座に座った。

彼は蕪木紀夫海軍少将、この帝国平和維持軍第一次派遣艦隊の最高責任者だ。

 

「休ませ」

「休めぇ!」

「あぁ、あとはいいさ。とっと食べてしまおう。皆食べてくれ。ふむ、今日は金曜カレーか」

「相変わらずですね、蕪木司令は」

 

向かいの席に座る艦隊参謀部の主席参謀である加藤修二海軍中佐が蕪木に声をかけた。

 

「指揮官の私が良いと言っているんだ」

 

蕪木はニヤリと笑う。

しばらくして粛々していた雰囲気から和やかな雰囲気となり幹部たちは和気藹々と食事を摂り始めた。

加藤が蕪木に報告がてらに話をする。

 

「インド帝国平和維持軍派遣艦隊は1330に艦隊から1キロまで接近し併走するとのことです」

「両軍合わせて56隻の艦隊が航行するのか。壮観だな。他にはないか?」

「今のところないですね。強いて言うなら昨日僕が見た奇妙な夢ぐらいですかね」

「奇妙な夢?」

 

平静を装い蕪木に顔を向け話す。

 

「よく覚えてはないんですが背中に羽が生えた女の子が血を流して...」

 

士官室に居る幹部全員が、ぎょっとして彼に目を向ける。

流石の加藤も苦笑しながら謝罪する。

 

「あはははっ。すみません食事時にこんな話するべきではなかったですね」

だが蕪木は違った。

「私もその夢を見たよ。確か生け贄にされてたな」

「ふぁっ!?」

「実は自分もその夢を見ました」

「なんか魔法陣らしき物もありましたね」

 

そこに伊吹の航海長と砲雷長が話に加わる。

 

「儂は見んかったな」

 

定年間近の古参の機関長も話に加わる。

 

「司令!その子ロリでしたか?それともJKでしたか?」

「この馬鹿っ!」

 

オタクな通信長がロリかJKだったか蕪木に質問してきてそれを主計長が嗜める。

 

「小学1年生ぐらいだったかな」

「ロリっ子キタコレ!」

「だめだこりゃ」

 

蕪木は質問に答え通信長が歓喜し主計長が呆れると言うカオスになっていた。

 

「個人差があるみたいですね」

「いわゆるシンクロニシティですわね」

 

女性軍医長も話に加わりそう判断する。

 

「司令お疲れではないのですか?しっかり睡眠はとれてますか?」

「私は大丈夫だよ」

 

軍医長は蕪木の身を心配するも蕪木からは問題ないと返す。

 

「司令と僕が普通に見えたら危険信号だから気おつけてくださいさいね」

「よしなさい」

 

軍医長に茶化す加藤を蕪木は苦笑しながら嗜める。

 

(こいつは変わり者だな。まあ砲雷長時代に仮装標的だった自艦が対抗部隊に反撃して全滅させてしまうような問題兵だったからな)

 

彼は苦笑しながら口に伊吹カレーを運ぶ。艦に乗って30年、食べ慣れた味が彼の心を落ち着かせる。

蕪木は先刻の加藤達幹部を反芻していた。

 

(背中に羽が生えた女の子…)

 

彼女は何かを求めてた気がした。

 

(とても切実に…)

 

蕪木はカレーを食べることを忘れ思考に囚われてた。

船乗りの勘だろうか。何か胸騒ぎがする。

 

『そう…貴方達なんですね』

「えっ?」

 

少女の声が聞こえた。空耳ではないかと混乱した。

だが彼はすぐにはっとして顔を上げた。

加藤達幹部は驚愕した顔で一点方向に目を向けていた。

蕪木も視線を移した。長テーブルの真ん中に薄衣を纏った少女が立っていた。

 

「なっ!?」

 

自分達は夢を見ているのか。背中に冷たい汗が伝う。

ガタガタと幹部達が椅子から立ち上がる。

 

「お前は誰だっ!どうやったら艦内に入った!?」

「なんで海軍にロリが乗ってるんすか!?」

「あれ喜ばないのか」

 

「司令おさがりください。危険です」

 

部下の1人に制されるが、蕪木は少女の顔を見つめたまま動かなかった。

 

「君は…」

 

彼はつい昨日彼女を見た。夢の中で。

 

『貴方達に託すしかないです』

「一体何を託すと言うんだ」

 

蕪木はその言葉に理解できずに問いかけた。

冷静を装っていた加藤を少女の優しげな瞳が捉えた。

加藤の真剣な眼差しを前に寂しげに呟いた。

 

『ごめんなさい…』

「お、おいっ!?」

 

瞑目した少女に何かを感じた蕪木が咄嗟に声を上げる。

その瞬間士官室が薄暗くなった。

その場の全員が背中に嫌な汗を伝った。

少女は小さな声で不思議な旋律の歌を口ずさみ始めた。

そして彼女の足元に緑色に淡く輝く魔法陣が浮かんできた。

 

「何をしてるんだ!やめやがれ!」

 

1人の幹部が彼女を止めようとテーブルに上がった。

 

「ダメだよせ!」

 

嫌な予感がした蕪木が叫んだ、その時だった。

士官室の空間が歪み全員が目の錯覚か毒ガスによる攻撃だと思った。

 

続いてタールのような闇が彼女の全身に刻まれた紋様から溢れ出ていき、あっという間に士官室全体を蝕んでいく。

 

「ひ!」

「た、退避っ…や、やめろぉー!?」

「きゃぁぁぁぁ」

「海軍に入るんじゃなかったぁぁー!」

「同感だぁぁー!」

 

意志を持っているかのように、ぬめった闇が逃げ惑う幹部達を呑み込んでいった。

まさに阿鼻叫喚と言える光景だった。

 

「ひゃぁあああ!?お、おたすけぇー!?」

 

逃げ遅れた加藤も悲鳴と共に闇に消える。

士官室で最後まで残った蕪木と機関長は闇から距離を取り、司令として冷静に抵抗を試みていた。

機関長は自前のレンチを武器に抵抗し、蕪木は入り口のそばの壁にある艦内電話を握った。

 

「こ、こちら士官室、蕪木…総員…救命ボートを…」

 

総員退艦命令を出そうとした。

 

「のわぁあああー!?か、艦長ぉおおおー!?」

「機関長ぉおおおー!?」

 

機関長の抵抗は虚しく闇に呑み込まれその矛先は蕪木に覆い被さってきた。

 

「く、繰り返す…総員…くぅ…」

 

闇は士官室だけでは飽き足らず窓や出口を通って外へとその手を伸ばしていく。艦全体、そして艦隊そのものを呑み込もうとしていた。

蕪木は最後の手段とした伊吹の撃沈命令を出そうとしたが遠のいていく意識の中、艦内電話を握る手から離れ、やがて絶望の淵に追いやられた

 

 


インド帝国平和維持軍派遣艦隊

空母ヴィクラント艦橋

 

空母ヴィクラント艦橋は荒々しくなっていた。

そこにインド帝国平和維持軍司令官と艦長含む幹部達が上がってきた。

 

「お食事中の所、呼び出してしまい申し訳ありません」

「いや、大丈夫だ。緊急の要件らしかったからな」

「副長一体全体どうしたんだ?」

 

副長は司令官に謝罪をし艦長は副長に状況の説明を促す。

 

「大日本帝国派遣艦隊との通信が途絶えました」

「…故障ではないのか?」

「我が艦隊全体で大日本帝国派遣艦隊との通信が途絶えてます」

「敵の電子戦攻撃と言う可能性は?」

「「神に選ばれし軍隊」にそんな力はないので違うかと」

 

司令官と艦長は頭を悩ます。

 

「ですが、空母桜龍から混乱した口調で「旗艦伊吹から黒い何かが発生。艦隊全体に…」と言う通信を最後に途絶えました」

「黒い何かとはなんだ?」

「私にもさっぱり」

 

そこにヴィクラントの通信兵が話に割り込む。

 

「副長!ミサイル巡洋艦ローレンスの下士官がたまたま撮影した大日本帝国派遣艦隊の通信途絶前の動画が来ました!」

「艦長…」

「再生してくれ」

 

下士官がたまたま撮影した大日本帝国平和維持軍派遣艦隊の動画を再生した。

そこには伊吹から発生した黒い何かが艦隊全体を呑み込んでいくところだった。

 

「何なんだこれは!」

「アトランティスの新兵器か?」

「事故なのか?」

 

司令官の他に居合わせていた艦橋要員が動画に食いつきながら見ていた。

艦隊全体を黒い何かが完全に呑み込んだ後、大日本帝国平和維持軍第一次派遣艦隊は消失していた。

 

「き、消えた?」

「艦長…」

「えぇ...」

 

司令官は絞り出すような声で艦長に問いかけた。

 

「直ちにムンバイ海軍司令部及び近くにある大日本帝国軍基地に向け大日本帝国派遣艦隊消失を報告!各艦から発艦可能な機体を発艦させろ!全艦直ちに現場に向け急行せよ!生存者を捜索せよ!責任は私が取る!」

 

司令官は艦長と副長に向け命令を飛ばし艦長が復唱する

 

「CDC!ムンバイと関係各所に向け大日本帝国派遣艦隊消失を報告!」

「全艦発艦可能な機体を全て上げて現場に迎向かえ!急げ!全艦直ちに現場に向け急行せよ!生存者を捜索する!艦隊回頭!」

 

空母からはインド帝国海軍所属のHF–90艦上戦闘機と64式早期警戒機とSFH–60哨戒ヘリが、ミサイル戦闘艦からは72式偵察攻撃ヘリがスクランブルしインド艦隊全艦艇が現場海域に向け回頭した。

 

 

 




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