「はぁ......はぁ......!」
「へぇ....」
隣から感心したような声が聞こえてくる。
そう、俺は目を覚まし気づいた瞬間まず能力を試してみた。結果は__
「__二つも創れたのね」
「あんまりじゃああぁぁぁ!」
両手に現れたチョコレートだった。
ーーーーーーーーーー
「まぁパワーアップしたと言っても今すぐになんでもかんでもできるようになるわけじゃないわ。少しずつ力が体に馴染んでくのよ」
「それは.....俺が能力を.......試す前に言っ......てくれないか.......」
全力を出した結果、俺は今虫の息だった。あぁ、なんでこんなことに......
「いう前にあなたが勝手にやったんじゃない。私は悪くないわよ」
「それでも実験する前に言うとかいくらでも手段があったじゃないか!」
「なんでそこまでしなきゃいけないのよ。パワーアップしてあげただけでも感謝しなさい」
くっ、そう言われると反論しようがない。
まぁ、そだな。パワーアップできただけでもよしとしよう。だが礼は言わん!
「それより、その創ったチョコはどうするのかしら?」
「ん? 催促しなくても一個はパチェリーにあげるよ。もう一つは妖精たちにあげるがな」
『〜!』
『〜〜!!』
歓喜の声をあげる妖精たちに少し顔を赤らめながら手を差し出すパチェリー。うむ、おにゃのこは甘いものが好きなものだのう。ういやつういやつ。
そこには気持ち悪くニヤニヤしている桂一と口元を隠しながらハムハムとチョコを食べているパチェリーの姿があった。
そしてチョコを食べ終わったパチェリーに桂一が殴られたのは言うまでもない。
「で、お望みだったパワーアップした感想はどうかしら?」
「パワーアップしたいなんてレミリアに言ってったけか? それに、結果はどうせわかってんだろ?」
パチェリーに殴られて図書館から追い出された俺は自分の部屋に戻ろうとしたところ昨夜さんに捕まり、またレミリアのいるテラスに連れてこられた。
「ええ。私は全ての運命を見る能力を持ってるもの」
「さらっとすごい事言ったな。それに、俺の質問をはぐらかさないでくれよ」
「ふふ。隠したいわけではないのよ。ただ、あなたの表情から力を欲してるのがわかっただけ」
「俺、表情に出やすいのか? 無表情には自信がったんだけど」
中二病でシャイニーな学生だった俺は無表情に自信があった。これは男児ならわかるはず。
「無表情ね。あなたには正反対の言葉だと思うわ」
「そんなに!?」
「だってさっきパチェリーをニヤニヤしながら見てたじゃない」
見てたのか!?
やばい、このままでは俺の尊厳g
「そんなもの最初からないわよ?」
「orz」
俺は沈んだ。高笑いしてるレミリアの声を聞きながら。悔しいのぅ....!
「__ああ、久しぶりに面白い冗談を聞いたわ」
「くっ、この恥辱は忘れないっ」
「〜〜」
顔を後ろに向かせて少しプルプル震えているレミリアを見て可愛いなと思ったが、同時に自分が笑われてることに一発殴ったろかと思った。しかし思うだけだった。
「ーーふぅ、桂一に少し頼みたいことがあるの」
「賢者モードですねわかりま。で、なに?」
「霊夢のとこにいってきて欲しいのよ」
ほう? 俺に死んでこいと?
未だチョコ二つ創るのが限界な俺にその願いは死ねと言ってることと同義だった。どうしろと?
「大丈夫よ。同行者がちゃんといるわ」
「ほほう? パチェリーか? 昨夜さんか?」
「いえ、ついて行くのはーー」
ーーーーーーーーーー
「ーーで、同行者は?」
「私だよ?」
どうやら俺は竹林に行った方がよさそうだ。
だって目の前にいるのは
「むー、私だと不安だって言うの?」
「いや不安不満はないけど、太陽の元歩いて大丈夫なのか? ーーフラン?」
「心配ご無用なんだよけーいち! 傘はしっかり持ってきてるの!」
そんな問題じゃないんだよ昼間は常にピンチな吸血鬼っ娘。その傘が吹っ飛ばされたらどうすのさ?
「文句言うならキュッとしてドカーンだよ?」
「さ、行こうか」
こちらに手を向けてくるフランから逃げるようにせっせと出発する。
あ、でもフランって博麗神社の場所わかるのか?
「けーいち、疲れた」
「だからって抱きついてくるのやめてくれない?」
「飛ぶことできないけーいちが悪いの。我慢しなさい」
あらやだこの子ったらレミリアの妹。見事な暴論である。
今の状況は霧の泉の近くの森を横断中、フランが覆いかぶさって背中にはっついてきたのである。俺としてはいつフランの能力が暴発するかわからないので気が気でない。
別に俺に合わせて歩かなくとも飛んで案内してくれりゃいいんに......
「ぶー。だって飛んだらけーいち見失わないために低空飛行になるでしょ? そしたら羽が木に当たって邪魔じゃない」
「それもそうか。だけどこんな少し歩いたくらいで疲れる吸血鬼じゃないだろ?」
「いやっ、女の子にそんなこと言わせるの?」
と、顔を赤らめ乙女のように言ってくるフラン。
だが実際はそんな甘酸っぱいものなわけがなく。
「本音は?」
「495年も引きこもってたせいで運動不足」
こんなものである。
しかし少しドキッとしてしまうのはしょうがないだろう。
「あ、霧の泉だ。氷の妖精はいるのかな?」
「ん?知り合いなのか?」
「うん。たまに紅魔館に侵入してくるの」
それでいいのか紅魔館。警備が薄いんじゃ?
それにしても、氷の妖精か。俺についてきてる子たちから情報は知ってるけど本物を見たことがないな。
『チルノちゃん!』
『さいきょーの妖精!』
『チョ・チョ・チョコレート!』
「へえ。氷の妖精の名前はチルノか」
「あれ? 知ってたの?」
「んにゃ、今妖精たちから聞いた」
「え、妖精の言葉わかるの!? すごーい!」
そういえばフランの能力とかはレミリアから聞いて知ってたが俺のことはあまりしゃべったことないな。てかそもそも話さないし。フランは会った時たいがいぼーっとしてるから。
「ねえねえ、妖精たちは私のことどう思ってるのかな!?」
「ん? だってよお前ら?」
『きゅーけつき?』
『きけん?』
『ニート?』
まて最後の妖精、久しぶりにチョコ以外の発言したかと思えばそれか。容赦ねーなおい。
「ねえねえ、なに言ってるのかな!?」
「ん、可愛いってよ」
「本当!?」
はしゃいでるフランを生暖かい目で見る俺。
うん、強くなれ。
「あ、氷の妖精のとこに行こう! もしかしたら友達になれるかもしれないし!」
「あ、フラン!」
フランは傘をほっぽり出して霧の泉の真ん中に向かって飛んでいく。ちょっ、霧で覆われてて太陽の光が通らないとはいえ危ないって!?
「ちっ、しゃーねえな」
そう呟き俺は足に霊気を込める。
パワーアップした俺なら!
「とうっ!」
俺は思いっきりジャンプする。そしてーー
「のわあああああ!」
ーーまっすぐ泉の中に落ちていった。
......どうやってフランのとこに行こう。
久しぶりの執筆でござる。どうも葬炎です。
フランの性格は私の願望が多大に混ざってます。お許し下さい。
それと前話のフラグでなにか思いついてたはずなのですが、すっかり忘れてしまいました。どうしよう.....メモ帳にでも書いておけばよかった.....
次回がいつになるかわかりません。気の長い方はこれからもお願い致します。凍結する時はしっかり報告しますので。