幻想縁起   作:葬炎

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弾幕なんてなかった

「いてて......」

「......ねえ桂一」

「なんだレミリア? 今猛烈に頭が痛いんだが」

「......あなた本当にただの人間?」

 

なんかいきなりとんでもなく失礼なことを言われた気がします。桂一です。

レミリアおぜうさまはなにが不満でそんな変な者(誤字にあらず)を見る目でこっちを見ているのか俺にはさっぱりわからない。

 

「なんで弾幕ごっこのルールで作ったものではなく純粋に妖力を込めて作ったグングニルで叩いたのに生きてるのかしら?」

「これがいわゆるギャグ補正ってやつだ」

「......」

 

スパーン!

 

「いたっ!? なにするんd」

 

スパーン! スパーン!

 

「ちょっやm」

 

ブスッ

 

「!?!?!?!?」

「......ギャグ補正ってすごいのね」

 

どこかで\ミンチよりひでぇや!/って声がした気がしたが、気のせいだろう。

なにがあったかというと、まだ手元に残っていたグングニルで脳天のあたりをぶっ叩かれた後、顔を横から二発叩き、最後に尻にアッーーーーーされた。

そんで冷静に説明してるようだが本気で痛い。痛すぎて逆に冷静になってくる。今がギャグパートじゃなかったら俺絶対に死んでた。

 

「ふう、危なかったぜ」

 

「......あなた、実は不死者の一族だったりしない?」

 

 

あんだけ叩いた上に刺しておいて酷いものである。

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

「そんなこんなで」

「どれがどうなのよ」

 

そんなこんなで、結局どうするかだ。

前回のあらすじを言うと、俺は博麗神社に行こうとしたが護衛が遊びに行ってしまったので行けないのである。

 

「まぁ、しょうがないわね。今回はフランの不手際だし、また明日行ってもらおうかしら」

「急ぎではないのか?」

「ええ、私はいつでも余裕を持って行動してるのよ。別に1日2日遅れたって問題ないわ」

「ふーん。運命を操るなら余裕とか関係なく必然にして行動できるんじゃないのか?」

「......それはそれ、これはこれなのよ」

 

ついっと右上のほうに目を向け子供の頃よく母親に言われたことを言うレミリアである。まぁそれはそれこれはこれなら仕方ない。

 

『〜〜!』

「よく言った妖精E! てことでとりあえず今日はいいのかな?」

「ええ、別に構わないわ。用事があったらまた咲夜に呼んでもらうから」

 

妖精Eの言葉になんとなくテンションが上がった桂一はレミリアに一言断って走り出す体制になった。

ちなみに妖精Eが言っていたのは『チョコレート!』。お前か。

 

「よし、じゃあ大ちゃん行くぞ!」

「ほぇ?」

 

ガシッ

 

「ラディカルグッドスピード! アリーヴェデルチだ!」

「ふわ〜〜〜〜!?」

 

なんか色々混ざった台詞と共にぼーっとしていた大ちゃんの腕を掴み走り出す。腕だ。胸ではない。そこ間違えないように。

目的地は......庭だっ!

 

「私は寝ようかしら......あまり紅魔館の中を走るんじゃないわよー」

 

なんかレミリアが言ってた気がするが俺には聞こえなかった。

 

 

 

 

「とーちゃっく」

「あのー、庭でなにをするんですか〜?」

 

とりあえず庭に着いた俺は大ちゃんから手を離し、頭上の妖精たちがしっかり居ることを確認する。

1、2、3、4、5..........全員いるようだ。

 

「いやなに大ちゃん、俺は考えたわけだよ」

「?」

「俺が弱いのはなぜか? それは戦闘、弾幕ごっこの経験がないからじゃないかって」

 

まぁこの場で今考えたことだが。

だが桂一が言ったことは間違っていないだろう。なぜなら桂一は今まで弾幕ごっこをやったことも見たこともない。それっぽいものを遠目に少し見たことはあるが遠すぎて弾が出てるのかすらわかっていなかった。唯一まともに見たのはレミリアに最初会った時に披露した妖精が偶然作った花火弾ぐらいだ。

確かに範囲は広かったが早さはそんなでもなかった。だから、俺は勝つことができなくても逃げることはできるんじゃないか? と。そしたら一人で人里に行けるんじゃねえかな?と。

 

「..........え、え〜とですね」

「だから大ちゃんにちょっと弾幕回避練習のために弾を撃ってもらおうと思ってね! じゃあよろしく頼む!」

「えと、それはいいんですけど〜..........」

『〜〜〜〜!』

『〜〜!』

『〜〜〜〜〜〜!』

「よしじゃあやるぞ!」

 

相変わらず突拍子もないことを言い出す桂一によくわからないままノリで騒いでる妖精sたちは、大ちゃんが何か言いたそうなことを無視して弾幕ごっこの開始を合図した。

 

桂一、初の弾幕ごっこである。

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

「..........まじで?」

 

どーも。桂一です。桂一です。大事なので二回言ってついでにまた桂一です。三回目も言いました。

ちょっと待とう、自分でも混乱してるのがわかる。確か俺は大ちゃんに弾幕を撃ってくれと言った。そして撃ってくれたわけなのだが―――

 

「なんだこの量はああああぁぁぁぁあああ!?」

「避けてくださいね〜!」

 

パラララララとでも音がするかのように降ってくる弾の雨、雨、雨。

数撃ちゃ当たる的な感じで広範囲にバラまかれる弾を大ちゃんは時々ワープをして場所を変え様々な角度で撃ってくる。弾と弾の隙間はあるしスピードも普通に捉えることができる程度のものだ。しかし、

 

「弾多すぎるううううううう!」

 

そう、多すぎるのだ。弾が。正直"弾幕"って言葉を舐めてた。

そんなことを考えている間にも大ちゃんの手のひらから大量の弾が、意味があるかわからないがたまに色を変えつつ降ってくる。

 

「あ! 桂一さんそっちは―――」

 

ぴちゅーん

 

「..........当たっちゃいました」

「..........」

 

一回目の被弾。

弾幕ごっこ用の弾なせいなのか、当たった衝撃はあれど痛みはない。とりあえず練習ってことで三回当たったら終わりってことになってるんだが―――

 

「え〜っと、えーい!」

「あ、待ってまだ俺の考察ターンは終了していない―――」

 

ピチューン

 

「くっ! 考えてる暇はねぇか!」

 

愚かにも当たった衝撃で棒立ちになり考えていたところあっという間にまた当たってしまった。

あと一回当たったら負け。なんとか男としての威厳を保ちたいがために逃げ切りたいーーーーーー!!

 

もはや逃げてる時点で威厳もなにもあったものではないが。

 

「..........私、こんなに弾幕を当てれたの始めて..........嬉しいですっ!」

「..........くすん」

 

なんか大ちゃんに遠回しに馬鹿にされつつ、始めてだし空飛べないししょうがないじゃん! と頭の中の誰かに言い訳しながらまた走り出す。

 

あ、ちょっと待って。今気づいたんだけど、

 

「俺の勝利条件とか設定してなくね..........?」

「え〜い!」

「ちょっっうおおおおおおお!」

 

とにかく走る。ただ走る。ひたすら走る。

勝ちの無い勝負だったことに絶望しながら。

 

 

ピチューン

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

「しくしくしくしく..........」

「えーと、..........ふえ〜〜」

 

人間ではないといえ小さい幼女に負けたことで、弾幕に当たった衝撃でうつ伏せに倒れたまま腕で顔を覆い静かにシクシク泣きだす桂一。それを心配しあわあわと手を動かしながらどうにか慰めようとしている大妖精。

今の桂一の姿は爆笑を巻き起こすほどみっともなかった。

 

「え〜と、大丈夫ですか..........?」

「俺の心はズタボロだよ大ちゃん..........」

「あわわわわ!? ごめんなさ〜い!」

「あ、いや謝らないで。俺が悪いだけだし今度は心とついでに良心がズタボロになっちゃうから」

 

さすがに自分で頼んだ上に泣かせたくはないので起き上がる。おそらく今夜は枕がびしょ濡れになることだろう。

 

「んー、にしてもあれが弾幕ごっこか..........」

「どうでしたか..........?」

「んー?」

 

なんか少し期待の眼差しで桂一の顔を見る大ちゃん。

なんだろう、と考え弾幕ごっこの趣旨を思い出す。

 

「ああ、大ちゃんの弾幕綺麗だったよ。それに俺にはむずかしかった」

「..........!! やった!始めて褒めてもらえました〜〜!」

 

照れながらえへへと笑う大ちゃんに思わず手が伸びて―――撫でた。これでもうロリコン(確定)である。

 

「..........いやこれは可愛いししょうがないだろ!?」

「どうしました〜? えへへ..........」

「..........いやなんでもない」

 

もう諦めたかのように大ちゃんの頭を優しく撫でる。

大ちゃんもまたそれが嬉しいのか首を伸ばすようにして桂一の手に自分の頭を押し付ける。

平和だが、危ない光景がそこにあった。

 

「..........それにしても、弾幕ごっこってあんなにいっぱい撃たなきゃいけないの? 妖力の無駄じゃね?」

 

これは桂一の感じた疑問。あんなに妖力で作った弾をばらまいていたらすぐ妖力切れになるんじゃないかなと考えたのだ。もっとシューティングゲームの自機みたいに狙って一直線に打たないのかと。

 

「? でも弾幕ごっこですから〜」

「弾幕ごっこだからかー」

 

結論:そういう遊びらしい。

 

「でも、人によるかもしれません〜」

「と、いうと?」

「えっとですね、前に異変解決に来た博麗の巫女さんと戦ったことがあるのですが〜」

 

なんとアノ巫女さんと大ちゃんは戦ったことがあるらしい。てか異変解決とかしてるのかあの巫女さん。めんどくさがりっぽいイメージだったから少し意外だ。あー、そいやいつだったか見せてもらった文々。新聞の異変解決者の名前があの巫女さんの名前だった気が..........実はすごい人?

 

「えーと、その時は後ろから不意打ちでやられてしまったのでなにもできなかったんですが〜」

「なにやってんだ聖職者!? 正面から堂々とヤれよ!」

 

思わず叫んでしまった。それでいいのか巫女。ことごとく俺の幻想をぶち壊していってくれる。

 

「落ちていく中で見たのは弾幕を作ってるチルノちゃんにまっすぐ打ってる巫女さんでした〜」

「ほほう、なるほど」

「あとその次にすぐ来た魔理沙さんっていう魔法使いの人も同じ感じでしたね〜」

 

ふむふむ。つまり俺のシューティング理論(今適当に考えついた名前)も間違ってはいないのかな?

そしてこの二人の共通点は..........魔理沙って人は知らないけどたぶん異変解決? すると予想できるのは、大ちゃんが霧の湖にいるはずだからその先異変を起こしたレミリアのとこまで行くための障害物、紅さんに咲夜さんにレミリア。パチュリーは図書館から出ないから除外して、フランはその異変が解決するまではずっと監禁されてたみたいだからこれも除外。でもそうしたとて複数人の強敵と連戦になるわけだからあまり無駄なことをしていられない。だから巫女さんはなるべく節約するような戦い方をした?

だからそんな異変解決とかのために動いてたりでもしてなければ弾幕ごっこはその名の通り弾幕を派手にぶちまけて遊ぶゲームだと。

 

完全な推測で作った型に妄想で固めてできた推論だが、まぁ合ってるんじゃなかろうか。合ってなくても別に問題ないし。

 

「..........えーと、なんかわかりましたか〜?」

「ああ、ごめん。自分の中で完結しちまった。まぁたぶん強敵と連戦するために華やかさを捨てて効率を重視したってことだと思う」

「..........???」

 

どうやら大ちゃんに今の説明は少しむずかしかったようだ。笑顔のまま小首をかしげてる。

 

「つまり..........そういうことさ!」

「そーなんですかー」

 

勢いで誤魔化した俺は悪くない。




これ(幻想縁起)意外がまったく手がつけれてません。葬炎です。
いやー、どうしたものか。文の短さ含め早くなんとかしないといけませんね。
そして他にも書きたいSSの妄想ががが。短編で作りますかね。


撫でるとこの描写にちょっと力入れてたのは私が猫を撫でるのが大好きだからです(理由になってない)

あ、そういえば霊夢のとこへ行けって言われた最初のほうの文で意味が伝わってるか不安なとこがあったので補足です。


「霊夢のとこにいってきて欲しいのよ」

ほう? 俺に死んでこいと?
未だチョコ二つ創るのが限界な俺にその願いは死ねと言ってることと同義だった。どうしろと?


という文がありますが、これは「チョコが二つしかないから腹ヘリの霊夢に襲われて拉致監禁されて死ぬ」ではなく単純に「俺一人であの神社まで行けって死んでこいってことかよ」という意味です。桂一はまだ霊夢とあんまり交流がないので彼女がどういった状況や性格なのか知りません。霊夢もそもそも桂一の能力を知りません。(レミリアが面白がって教えそうですが、教えると桂一が帰ってこれなくなりそうだから教えてない。ってことで)

これ以外にもわかりづらい表現とか部分とかあったら質問してくれると嬉しいです。ではノシ
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