幻想縁起   作:葬炎

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暇なんてなかった

大ちゃんと弾幕ごっこをした日の翌朝―――

 

 

 

「..........」

「ねーけーいちぃ、聞いてるぅー?」

「..........はい、妹様」

 

 

 

 

―――絶賛大ピンチ中だった。

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

今までなにがあったか振り返ろう。

1、大ちゃんとの弾幕ごっこが終わり紅魔館に戻った。

(ちなみにいつも周りにいる妖精たちは例のごとく大ちゃんとの弾幕ごっこが始まった瞬間に逃げて終わった後に戻ってきた。役に立たねえ。)

2、特にやることなかったから自分の部屋に戻ったら睡魔に襲われベッドの上で撃沈した。

3、起きたら俺の腰らへんの危険な位置に跨がるフランが。

4、おや、フランのようすが..........?

 

某ポケットに入るモンスター的な進化でもするのだろうか? いや冗談だが。

ひyだとかちょっと柔らかい感触がとか朝の生理で息子がやゔぁいとかも最初思っていたが、フランの顔を見た瞬間そんなこと言っていられなくなった。

表情が、笑顔なのに、目が、笑ってないっ....................!

 

「ねーけーいち?」

「なんでせうか? 十六夜冥土長に呼ばれてる気がしなくもないのでできれば手早く「ねー?けーいちぃ?」気がしただけなんで別に手早くなくても大丈夫なんじゃないかなーって思ったり思ってなかったり」

 

速攻で自分の発言を撤回する俺。

情けないとか言わないでほしい。俺が何か言うたびにフラン様の目の光がどんどん失われて単色になってくんだ。もうそろそろ俗に言うレイプ目になる。

 

「あのねー、チルノと遊んでる最中にちょぉーっと嫌な感じがしたのねー」

「へ、へぇー。それはたいそー嫌な感じだったんでしょーねー」

「うんっ♪ 具体的には『私が抱きついてきた時は背中になにも感じなかった』ってけーいちが考えてた感じ♪」

「」

 

............................................................................................................................................................................................................................................................................................................。

アハッ☆とでも言うような満面の笑顔が怖いです。

 

「アハハハーソンナコトナイデスヨー」

「それにねー、おねーさまにも一つ聞いたことあるんだー」

 

なんだろう、嫌な予感しかしない。

 

「けーいちってギャグ補正って能力あるから本気で能力使ったり攻撃したりしても壊れないんだって!! 早く言ってよー♪」

「fばおxj8";おwn^[」

「アハハハ♪ なに言ってるかわからないやっ♪」

 

もう完全にレイプ目になったフランドール・スカーレット様が手のひらを俺の頭に向ける。そんな時、俺の頭の中には走馬灯が駆け巡っていた。

幻想郷にきてまず妖精に絡まれ、その後なんやかんやで紅魔館に着き、わけもわからぬ内にロリッ子吸血鬼により選択肢を一つでも間違えるとDEAD END一直線の尋問があって、気に入られて雇われたと思ったら巫女さんに幻想殺し(イマジンブレイカー)されたり。

..........あれ? もしかして俺って幻想郷に来てからまともな思いでがない?

 

「きゅっとして..........」

「ヤメロー!ヤメルンダー! マダシニタクナーイ!」

「ドカーン!」

 

ぼっ

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

「はっ」

 

ガバッ、と起き上がり周りを見渡すと、なにごともなかったかのような紅魔館での自分の部屋の風景が目に映り思わず安堵のため息を吐いた。

なんか今悪夢を見ていた気がする。それもフランに能力で頭を爆発するかのように粉々にされた夢。

某ゴンさんにパンチされたかのような衝撃だったぜ。いやゴンさんのパンチをくらったことがあるわけじゃないからわからないけど。

 

もぞもぞ....

「..........あれ?」

 

と、ここで一つ気づく。左腕を上げようとすると動かないことに。

恐る恐る目線を右腕から手のひらに向けて下のほうに落とすと

 

「すー、すー、..........けーいちほんとーによみがえったー、すごいすごーい..........すー」

「」

 

フラン様が俺の左腕に抱きつきながら寝ていらっしゃった。

..........え、俺って本当に蘇ったの..........?

 

 

 

 

..........ギャグ補正ってすげー

 

 

 

 

その考えを最後にぷつりと意識が途切れ気絶してしまった。

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

「うーん、なんか夢見てた気がするけど、気のせいかっ!」

「んにゅー、けーいちうるさい〜」

 

おっと、俺の隣でなぜか寝てたフランを起こしてしまった。

ギャグ補正? 爆発? なんのk..........うっ、頭が..........

なんのことだろうか? めがさめたらフランがとなりでねむっていた。それいがいのじじつはそんざいしない。

っと、なんか頭がぼーっとしていた。切り替えなくてわ。ということで改めて起き上がる。

 

「こらっ、なんで俺の部屋で寝てるんだフランっ!」

「んー..........理由、聞きたい?」

 

なんか今一瞬フランが悪魔のような、ニヤリとした笑みを浮かべた気がする。いや吸血鬼だから悪魔みたいなもんか..........?

うん、悪魔の笑みは置いておこう。

さて、フランが俺の横で寝ていた理由だが、それはなぜか俺の中のアカシックレコードに触れる気がするのでフランの申し出は拒否することにした。自分から聞いたことだけど。

 

「いや、やっぱ話さなくていいや。それより自分の部屋に戻りなさい」

「そう、残念。また遊んでねっ!」

 

ちょっと残念そうな顔をした後、なぜか寒気を感じる満面の笑みを浮かべ去っていくフラン。

最後に見た顔、というか目が狂気に染まった真っ赤な色だった気がするが、気のせいだろう。気ニシナイ。

 

「..........はっ」

 

また一瞬ぼーっとなっていた。これじゃいけないな。

俺は自分の部屋から出て咲夜さんを探すことにした。

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

「さーくーやさーん!」

(わめ)かないでください。うざいです」

「いきなりひどっ!?」

 

咲夜さんの後姿を見つけたので大声で呼びかけると、振り返ると同時に罵倒された。しかし俺はそんくらいじゃへこたれない。

今日の俺の予定は昨日中止になった博麗神社へのおつかいクエストだ。なんとなく俺があの巫女さんに会うと死亡フラグというか監禁フラグというかが立つ気がするが、俺なら問題ないだろう(根拠無き自信)。

 

「咲夜さん咲夜さん」

「何度も呼ばなくとも聞こえているので連呼しないでください。存在がうっとおしいです」

「なんか今日の罵倒の切れ味が鋭くなりすぎじゃないですかね!?」

「少しツンデレキャラなるものを目指してみたのですが、駄目ですね。私には似合いません」

 

それはツンデレからデレを無くしたツンドラキャラだと桂一は思うのです。

それにこの上なくはまり役な気がするけど、そうなった場合は俺が標的になるだけだから言わない。Mじゃないからご褒美とかにゃならないし。

と、そんなどうでもいいことは置いといて本題に入る。

 

「昨日中止になった博麗神社へのおつかいクエストはどうなるんだい?」

「ああ、それでしたら結局私と二人で行くことになりました。二人きりだからって昂って襲いかかってこないでくださいね?」

「襲いかかった瞬間俺が塵になる未来しか思い浮かばない」

 

見た目は超美人と言っていいが、美しい物には棘があるを体現したかのような咲夜さんに襲いかかる度胸が俺には無い。ちなみに咲夜さんの棘は直径30cm、長さ3mはある超巨大な棘だ。もはや花ではなく棘が主役になるくらい大きいのが特徴。

 

「......そんなに熱心に見つめられると、例え桂一の視線と言えど恥ずかしいのでやめてください」

「それは悪k―――あぶなっ!?」

 

どうやらさっきの襲いかかるの発言のショックで体が咲夜さんのほうに向いたまま固まっていたらしい。

それは悪かった、と言おうとしたら咲夜さんが頬を赤く染めたので『あ、これはちょっと可愛いかも』と思った瞬間、照れ隠しなのか俺の目に向かってまっすぐVの字に広げた人差し指と中指がすごい勢いでさっきまで俺の目があった位置を通り過ぎた。

 

「照れ隠しにしては過激すぎませんかねえ!?」

「乙女の顔をじっと見つめている桂一が悪いんです。そんな下らないこと言ってないでさっさとお嬢様に博麗神社に向かうことを伝えましょう」

 

乙女という発言に疑問を感じてはいけない。感じた瞬間俺の命はミジンコよりも軽くあっさりと散るのだから。

俺は何かを悟ったかのような顔でなにも考えないようにしつつ咲夜さんについていった。

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

「それで、結局巫女さんとこに行ってなにすればいいんだ?」

「あら、そんなこと昨日は聞いてこなかったじゃない」

「一日空いたら『そういえば昨日巫女さんとこになにしに行くか聞いてなかったな』ってことに気づいたんだよ」

 

応接間のレミリアが座ってるところに着いた。

どうせなので昨日気づかなかったちょっと疑問に思ったことを質問する。そういえば巫女さんに会ってこいって言われたけど、なにをするためなのか聞いてなかったのだ。これでもしなにかを神社に持って行ってほしいというお願いだったらあのくっそ長い神社の階段を二回登るはめになってかもしれない。

 

「あら残念。あなたの運動になるかと思って聞いてくるまで黙ってようと思ってたのに」

「わざとなんでぃすか!?」

「ふふふ、霊夢への用事はこれを届けてほしいのよ」

 

右手の甲で口元を隠しまるでお嬢様のように笑ったレミリアは指をパチン、と鳴らした。

すると、いつの間にか俺の横にいたはずの咲夜さんがレミリアの横に移動していて、手には少し反った形をした長い棒のような物が抱えられていた。

いや、あれは棒じゃなくて......まさか..........

 

「日本刀?」

「見るのは初めてかしら?」

 

そう、ソレは日本刀だった。

まぁ細かいことはわからないけど、無駄な装飾の無い綺麗な日本刀だなと思った。テレビではたまに見たけど実物は初めてだからちょっと刃の部分も見てみたいなーと思ったり。

 

「ふふ、持ってみる?」

「え、いいの?」

「ええ。咲夜」

 

レミリアさんが咲夜さんの名前を呼ぶと、咲夜さんが俺のほうに歩いてきて日本刀を手渡しまたレミリアの斜め後ろの定位置に戻った。

俺の手元には予想以上にずっしりとした重さのある日本刀。いや、鉄の塊なんだし重いのは当然か。

 

「抜いてみなさい」

「え、危なくね?」

「例えあなたが斬りかかってきても片手間に捻りちぎることができるわ」

 

しれっとした顔で恐ろしいことを言うレミリア。

いや、捻りちぎるって..........斬りかかったほうの腕を?

 

「あなたの四肢全部よ」

「こわっ!?」

 

しかしレミリアの恐怖とは別に本物の日本刀の刃を見たいっていう好奇心には勝てなかった。

ちょっとドキドキしつつ鞘の部分を左手に持ち、柄の部分を右手で掴む。

 

 

 

この時俺は油断していた。

レミリアの口の口角が弧を描くように跳ね上がり笑ったことを。

 

 

 

妖精たちが騒いでいたことを。

 

 

 

 

『きけん!』

『あぶない!』

『こわい!』

『よーとー?』

『チョコー!』





Q:この小説にシリアスが入る確立はありますか?
A:萃香が一年間禁酒に成功できるくらいの確立で存在します。

簡単そうでかなりきつい確立。
ちなみにシリアスが入る場合鬱ENDも考えてたりします。最近また二次創作漫画の東方幼霊夢とか見返しちゃったりしたしなあ..........
あれはけっこう好きです。ルーミア可愛い。霊々夢もよかった。


Q:このおつかいでレミリアは"わざと黙ってた"ってことになってるけど本当?
A:ホントダヨー

ホントデスヨー? 実は「とりあえず博麗神社に行かせよう! 用事なんて後で考えればいいんだ!」って考えてたらそのまま忘れてたとかじゃないデスよー?



追加設定

妖精(小) = 桂一の周りにいたりする手乗りサイズタイプの妖精。桂一以外だと同じ妖精同士でしか意思疎通ができない。知能的には小学生低学年
妖精(大) = チルノや大ちゃん、紅魔館のメイド妖精など。人間の子供大の大きさの妖精。知能的には小学生高学年

分布は妖精(小)は幻想郷中のどこにでも存在する(人里、博麗神社など人間の生活園は除外)いわゆる日本のRPGのスライムとかゴブリン的キャラ。
妖精(大)はどこかに雇われてたりする(地底のゾンビの格好した妖精など)。食糧あげれば手伝ってくれるので人数不足の場所などにはけっこう重宝されてる存在(ただ考え方が子供なのは目をつぶらなければいけない)。雇われているやつ以外は例外(三月精など)を除き基本霧の湖にいる。
異変などで興奮して弾幕ばらまいてたりするのは妖精(小)のほう。


唐突ですがチルノの一人称が漢字の私よりひらがなのわたしにしたほうがチルノらしいですね。修正しときました。
それと前話の『弾幕なんてなかった』で、最初のほうの

前回のあらすじを言うと、俺は人里に行こうとしたが護衛が遊びに行ってしまったので行けないのである。

を修正。行き先は人里ではなく博麗神社の鬼巫女さんとこです。


東方のSSなんだし早く異変を進めるなり参加させるなりして常識に囚われない2Pカラーの巫女を早く出したいなーと考えてる葬炎でした。
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