幻想縁起   作:葬炎

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実際みなさんは『気がついたら見知らぬ場所』という状況のとき、どんな反応するでしょうか? 少なくとも、この作品の主人公である桂一君のように冷静な判断はできないでしょう。私は普通に現実が認められなくて混乱すると思いますね。





会話なんてなかった

「ほぉ……」

 

俺は現在中国さん? がいるところの下に来ていた。どうやら中国さんは女性のようで、服装はチャイナ服だった。さて、ここから導き出される答えは?

ヒント、俺は地上にいる、中国さんはどうやってるのか空中、中国さんはチャイナ服、そうだね。中が丸見えなんですはい。詳しくは言わないが、とても可愛らしかったとだけ言っておこう。

と、あまり下ネタに持っていくと規制されてしまうのでここまでにしよう。とりあえず中国さんの下についた俺は彼女を呼ぶことにした。

 

「おーい! そこの、中国さーん」

「誰が中国ですか!」

「うおっ!?」

 

俺が中国の中g、と言ったところらへんですごい勢いで空中からこっちへと迫ってきた中国さん。さっきいた場所からここまで結構距離があったのに一瞬で目の前に現れたのは驚いた。

と、とりあえず聞きたいことを聞き出さなければ。ついでにちゃんとした名前も聞いておこう。

 

「これはこれは申し訳ない、妖精たちがみな中国と言っていたのでそれが名前だと思いまして」

「妖精たち……? あなたの周りにいる妖精のことですか?」

 

『〜〜!』

『〜〜〜〜!』

 

俺を怪しい者を見る目で見てくる中国さん。うーむ、妖精たちが『遊び相手』って言っていたからある程度の交流があるはずだし、それにしては中国さんは戸惑いと疑惑の目で見てくる。やっぱ妖精たちの言葉は普通はわからないのだろうか? だとすると、俺がわかるのはやっぱ『通じる程度の能力』っていう意味不明な能力のおかげか……?

いや、それはとりあえず置いておこう。それより俺が聞きたいのは、現状と町の場所だな。

 

「ええ、まあ私は少し特殊でして、妖精たちの言葉がわかるわけですよ。それよりもお名前を伺っていいですか? 中国、で構わないのでしたらいいのですが」

「構います。私の名前は(ほん) 美鈴(めいりん)です。妖精の言葉がわかるですか、そういう能力なんですか?」

 

おっと、どうやら能力はここだと一般的なのかな? いきなり『通じる程度の能力を持ってますので』なんて言っても頭のおかしいやつとしか思われないだろうから言わなかったんだが、どうやら心配なさそうだ。

あと、俺は今できるだけ敬語、というかある程度失礼にならない程度のしゃべり方をしてる。口調がおかしいのはそういうことだ。

 

「ええ、『通じる程度の能力』というもので、妖精の言葉がわかるので便利です」

 

『〜〜〜!』

『〜〜〜〜〜〜?』

『〜、〜〜〜!』

 

「妖精の言葉がわかる、ですか。なんともあまり意味のなさそうな能力ですね。もっと違う使い方があると思うのですが……」

 

 

意味がないと言われた。うーむ、この紅さん? 美鈴さん? 親しくもないし紅さんでいいか。紅さんの妖精の認識はどうかは知らないけど、結構使っている本人からすれば便利なものである。少し通じないときもあるが、まぁ妖精だからしょうがない、って考えればある程度は寛容に受け止めれるから問題ない。

 

「いいえ、これは結構便利ですよ? そんなことより、色々と聞きたいことがあるのですがよろしいですか?」

「ええ、いいですよ。あと口調を戻してもらって構いませんよ」

「……あれ? 違和感あった?」

「ええ、すごい違和感でした」

 

手厳しいものである。自分では結構丁寧にしゃべれてたと思ってたんだけどなあ……やっぱこういうことは俺には似合わない、と。

じゃあ紅さんの許可ももらったし、色々と根掘り葉掘りナニ堀り質問させていただきますか。

 

「じゃあ、まずここについてなんだけど―――」

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

「・・・・・・です。他に質問は?」

「……なんと」

 

父さん事件です。どうやら僕は異世界に来てしまったようです。

いや、厳密に言うと異世界というわけではないが、似たようなものだから別にいいだろう。

さて、現状についてだが、まずここの地名、世界名? は幻想郷と言うらしい。名前の由来はこの幻想郷という場所を生み出した妖怪の賢者さんがごちゃごちゃした理由とともにつけたんだと。理由は聞いたがよくわかんなかったので割愛する。それよりも、俺の予想は当たっていたようだ。

『妖怪』、この世界にはその生物がいる。当然危険。危険が危ないって言っちゃうくらい危険でアグレッシブルな存在。見つかったら逃げの一手しかない。中には人間に友好的なのもいるらしいが、友好的なのを装って近寄るやからもいるみたいなので油断はできない。

ちなみに、目の前にいる紅さんも妖怪だそうだ。そう聞いた瞬間思わず『えっ?』と聞き返した俺はおかしくないはずだ。こんなに綺麗な女性の姿でも妖怪、うーむ、人間と見分けがつかないな。もし紅さんが人食い系の妖怪だったら俺はもう死んでただろう。

 

「桂一さんは外来人ですか。理解しました。だから妖精たちになにもしなかった、と」

「外来人?」

 

なにやら新しく知らない言葉が出てきた。言葉の意味からすると、『外から来た人』か。まあそうだな。俺は外の世界から来たわけだし、これ以上ないくらいぴったしだろう。それより、『外来人だから妖精になにもしなかった』というのが気になる。どういう意味だ?

 

「妖精たちになにもしなかった、とはなんのことだ?」

「ええ、まずは妖精たちについて説明しますね」

 

俺は静かに聞くことにした。ちなみに、その間にも妖精たちは俺の頭の上でやいのやいの騒いでいたが無視する。

 

「まず妖精たちはですね、イタズラが大好きなんですよ。弾幕を急に撃ってきたり、なにかしらの能力を使って道を迷わせる妖精もいると聞きます」

「ほー」

 

……ん? 弾幕? 一般人の俺からしたらそれだけでイタズラの域を越して恐怖なんだが、ここの人たちからしたら常識なのだろうか? どうも認識の違いが多そうな予感がびんびんしてるのは気のせいじゃないだろう。

そんで道を迷わせる、か。これは妖精たちにここまで案内させたのは正解だったかな? 妖怪だけど、いい妖怪そうな紅さんに会ったわけだし。どうやら俺のチョコという尊い犠牲は無駄じゃなかったようで一安心。

しかし、妖精がそこまで危険だったとは知らなかったとはいえ身震いせざるをえない。まあ俺の周りにいる妖精はチョコ目当てで俺になにかするつもりはないようなのでそこは安心だ。

 

「なので、だいたい妖精と会うと皆さん退治か無視をしますね」

「なるほど。だけど俺の周りにいるのは安全だから大丈夫だ」

 

『〜〜!』

『〜〜〜!』

『〜〜〜〜〜!』

 

「そのようですね」

 

俺の言葉に反応する妖精たちを見て苦笑する紅さん。ちなみに、今の妖精の言葉を訳すと『危険!』『中国が!』『襲われる〜!』だ。紅さんがわかってないのをいいことに好き勝手言っている。

 

「それにしても、私外来人を見るのは始めてですね」

「そうなんですか? あまりくる人はいないと?」

「いえ、人里にはいるのでしょうが、私の住んでいるところ―――紅魔館というのですが、そこに人間がくることはありませんので。咲夜さん、紅魔館のメイド長なのですが、咲夜さんが言うには外来人は大抵どこかに迷い込んで食われるか、偶然行き着いた場所が人里だったり逃げ延びて博麗神社だったりした人はいると聞きますね」

「へ〜」

 

メイドまでいるのか。すごいな幻想郷。へ? そこじゃないって?

でもそんなものだろう。究極的に言うと運が悪いと死ぬ、そういうことだ。どうやらそもそも幻想郷にくる人間自体少ないし、その時点で運が悪いのだろう。そして妖怪に襲われ食われる、この世界ではそういうルールなのだ。

運が悪いと死ぬのは現実だって同じだ。君は1年間の自動車事故等で死んでる人数を知ってるかな? 関係者にいて腹立つ人もいると思うが、つまりは『運が悪かった』のだ。いかに相手に、自分にどんな理由があろうと運が悪かった、つまりはそういうこと。まあ自分の家族にそういうことがあったら言ってられないと思うけどな。

 

「あ、一番重要なことを聞き忘れてた。紅さん、人里の場所ってわかります?」

「ええ、知ってますよ。ですが、私には門番の仕事がありますし……そうですね、紅魔館まで同行をお願いできますか? 確か咲夜さんが人里に買い物に行くはずですのでそれに着いて行けばいいと思います」

「そうですか、お願いできますか?」

「任してください。乗りかけた船です」

 

紅さんから頼もしい言葉が出てくる。これで安心、かな? とりあえず行ってからだな。

 

 

 

 

にしても、紅魔館ってどうゆうとこなんだろ? 紅さんからは昔すごいことした、とだけ聞いたんだが。まぁ紅さんがいるようなとこだから大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここです」

「ほー……」

 

俺は紅魔館の目の前にいる。その建物は紅魔館という名に恥じないくらい真っ赤に染められている洋館だった。こりゃすごい……すごい、コメントし辛いな……

 

「それでは、咲夜さんを呼んできますので少々お待ちください」

「あ、はい」

 

さっきまでの面倒見のいいお姉さんというかほんわかした雰囲気の紅さんが紅魔館についた瞬間キリッとなる。それを呆気にとられた俺は反応が遅れてしまった。かっこいいわぁ……。俺もあんな感じに『◯◯を呼んできますので、少々お待ちください(キリッ』と言ってみたいものだ。

と、なにやら妖精たちが騒いでるな。なにを言ってんだ?

 

『危険 危険!』

『きゅーけつき くる!』

『退却?』

『チョコ!』

 

『『『『チョコ!』』』』

 

意味はよくわからないが、なにやら妖精たちは紅魔館に向けて警戒を表している。いったいなにが、きゅーけつき? きゅうけつき? ……吸血鬼? そんな、まさか。

いや、万が一ここが吸血鬼の館だとしよう。だとしても俺がここに来たのは人里まで案内してもらうためだし、吸血鬼というからには館の主かなんかだろう。だったら普通の人間でしかも男である俺程度に関心を示すとは思えない。なんだ、なにも心配は―――

 

「お待ちしました。なにやらお嬢様が会いたいそうです。どうぞお通り下さい」

「……ははっ」

 

―――ないと思っていたときも私にはありました。俺はなにをされるんだろうか……

 

「えと、ただここまで来た人間の顔が見たいって言っていただけですし、大丈夫だと思いますよ? ……たぶん」

「今最後にぼそっと『たぶん』って付け加えたでしょ!? いやー! 俺は帰りたいだけやー!」

 

しかしそうはいかないのが現実。だって紅さんの後ろには綺麗な銀髪のメイドさん―――この人が紅さんの言ってた咲夜さんかな? がすでに待機しているからだ。

 

「おとなしくついて来ていただけると私は嬉しいのですが、どうしても無理とおっしゃるのでしたらこちらにも方法はあります」

「ひゃっ!? 咲夜さん、いつの間に私の背後にいたんですか?」

「あなたがお嬢様に報告した後すぐよ」

 

なにか二人で会話してるが俺は知ったこっちゃない。あのメイドさんが言う方法というのが怖すぎる。なぜこんなことに……ああ、これが自分で言っていた『運が悪い』ってことか。なるほど、自分で体験してみると理不尽しか感じないものであるな。

と、現実逃避している間にも二人の会話は終わったようだ。腹を括るしかないか……妖精たちも協力してくれるみたいだし。どこまで役に立つかわからないけど。

 

「どうやら決心してくれたようですね。それではついて来て下さい」

「はぁい……」

 

俺はメイドさんの後ろに着いて行く。たぶん絶対ドナドナのBGMが流れてる。売られていく子羊の気分だ。門の近くで手を振ってる紅さんが、今だけ悪魔のように見えてくる。

さて、俺は無事に帰れるのだろうか……? それは神の溝知ることだった。




なんか中途半端な終わり方やなー

この作品のタイトルですが、『幻想郷縁起』から『幻想縁起』に変更しました。理由は幻想郷縁起か公式設定にあったのを忘れてたからです。なので一時的に幻想縁起として、いいのを思いついたり提供してもらえれれば変更する予定です。しかし予定は未定です。

それではまた次回。またね!
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