「お茶よ」
「あ、ありがとうございます....」
目の前にお茶の入った湯呑がゴトッと置かれる。......はぁ......
俺は博麗神社の中にいる。あの幻想を見事にブロークンされた後、咲夜さんに連れてこられたのだ。帰りたい......
俺は巫女さんに出されたお茶を飲んで落ち着く。あ、おいし......
「さて、レミリア。今日はなにをしにきたのかしら?」
「暇つぶしよ」
「退治するわよ?」
落ち着いている間になにやら不穏な空気が。え、てか本当にお茶たかるためだけに来たの!?
それと、巫女さんが言った『退治』というのが気になる。確かこの世界には妖怪がいたはずだし、もしかしてこの巫女さんは妖怪退治するのだろうか?
「それと、桂一 ーーあなたがさえない顔って言ったこの男ね。桂一が外の世界に帰れるか聞きに来たのよ」
「え」
俺が外の世界に帰れるか......?
もしかして、レミリアはそれを聞くためにわざわざここまで来たのだろうか? だとしたらすごい嬉しい。それはとびっきりに。しかし、なんでそれを聞くのが巫女さんなんだろうか?
「はぁ? そいつが外の世界に帰れるか? じゃあ外来人なの? 普通の外来人なら今すぐにでも帰れるわよ」
「いやったーーーーーー!」
巫女さんの言葉に思わず両手を上げてガッツポーズしてから叫んでしまう。それに巫女さんは顔をしかめ、なぜかレミリアはニヤニヤとーーまさか!?
「ええ、普通の外来人なら、でしょ? 桂一は能力持ちなの」
「あ、じゃあ駄目ね。諦めなさい」
「あああああーーーーー!」
orz
実はというと、紅魔館で暮らしていて少しわかっていることがあるのだ。それはーーレミリアはSだと。上げてから下げて相手が落ち込むのを見て楽しむすごいSだと。今回をまんまと引っかかってしかった........ん、待てよ?
「レミリア、まさか.....;」
「ええ、桂一のリアクションを見たくてここまで来たのよ」
「うがああああああああ!」
激しくなにかを殴りつけたい衝動にかられる。が、ここにいるのは皆女でなにかできるわけでもなく、叫んだら座る。ってか殴りかかっても確実に返り討ちにされるのが目に見えてるし。
「ありがとう霊夢。あなたのおかげでなかなかイイ桂一の反応を見ることができたわ」
「そのためだけに来たの? あなたもたいがい暇ね。あとお礼ならお賽銭しなさい」
笑顔でそんなことを言うレミリアに、特に表情を変えないままそう言う巫女さん。どうやら幻想郷とは酷い世界のようです。
俺は溢れ出そうな涙を我慢しながらお茶を飲む。こころなしか、ちょっとしょっぱく感じた。
ーーーーーーーーーー
「さようなら霊夢。またくるわ」
「ええ、さよなら。二度と来るんじゃないわよ」
あのあと、特に雑談するまでもなくまったり過ごしてから帰ることとなった。
どうやら巫女さんとレミリアは敵対してるわけではないが、仲がいいというほどでもないらしい。吸血鬼と巫女、なんともおかしな組み合わせである。その二人がちゃぶ台を挟んで座っていたと言うのだから幻想郷はある意味すごいところなのだろう。
「さて、次はいつ行こうかしら?」
「お嬢様、あまり頻繁に行きすぎますと本気で退治に来ますよ?」
「あら、だったらこっちも本気で対応するだけだわ」
......しかし、俺には合わなそうだ。巫女さんは能力持ちの俺は外に帰れないと言っていたが、本当だろうか? 能力と言っても言葉が通じるのとお菓子をつくれるのだけだし、あっても少し便利だな程度で問題ないと思うのだが......
「桂一、そんなところで立ち止まってなにしてるのかしら? 早く帰るわよ」
「あ、悪いレミリア。......でも、またあのクソ長い階段だよな......?」
「ええ、そうよ。早く降りないと私たちは先に帰るから速めにね」
「ちくしょーーーーーー!」
俺は階段を全力で駆け出す。転んだら即死だろうなと考えつつ。
くそ、あんなこと考えている暇はなかった....!
ーーーーーーーーーー
「ただいま、美鈴」
「おかえりなさいませ、お嬢様ーー桂一さんはなんでそんなに死にそうなんですか?」
「......こひゅー..........こひゅー..........」
「ただの体力不足よ。気にしなくていいわ」
「.....し......どい......」
あの階段を全力で駆け下ったのだ。一言ぐらいねぎらいの言葉があってもいいと思う。
「あんな『早くこないと先に帰る』なんて嘘よ。里の外は妖怪だって出るし、まだあなたを失うわけにはいかないしね」
「.........」
これは謝罪を求めてもいいと俺は思う。
しかしレミリアにそんな文句を言うわけにもいかず、黙るしかなかった。なにごとも力がないとできないか.....
「えぇと、桂一さん、お疲れ様です」
「俺の味方は紅さんだけだよ..........」
本気でそう思う。
俺は紅さんの言葉でちょっと体力が回復し、しっかり歩けるようになった。
さて、紅魔館に帰るとしますか!
「あ、桂一。元気になったところ悪いけど早く妖精たちの様子を見に行きなさい」
「咲夜さんの馬鹿ーーーーーー!」
上がっていた気分が一気に落とされ、俺はダッシュで紅魔館の中に入っていく。
絶対いつか仕返ししてやる! と心に決めながらーー
ーーーーーーーーーー
「ふう、危なかった......」
『〜〜〜〜』
『〜〜.....』
『〜〜〜!』
俺が紅魔館に入って最初に見たのは妖精たちの喧嘩に巻き込まれていまにも割れそうなお皿だった。たしかうん百万とか咲夜さんが言ってたような......おお怖っ!
「まったく、こんなとこで喧嘩しちゃいけません!」
『〜〜〜......』
『〜〜〜!』
『〜〜!』
「まったく......」
いまのは『は〜い......』『いや〜!』『え〜!』だ。反省してるのは一人だけじゃないか......反省したのも数時間したら忘れているだろうが。
妖精についてわかったことだが、妖精とはまんま『人の子ども』と同じという考えでいいだろう。自分の興味を持ったことをし、暇を嫌う。なんとも羨ましいことだ。
俺は妖精たちに指導しながら『今日の晩飯はなんだろうな....』と考えていた。
22時からスイートポテトを作り初めたら朝の5時までかかりました。葬炎です。
なんてーか、疲れた......
私はもうそろそろバイトを始めますので、始めたら更新がさらに遅くなるかもしれません。ご了承くださいm(__)m..zzzZZ
ではノシ