幻想縁起   作:葬炎

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やばい、半端なく短いです


人権なんてなかった

俺は今、困惑しているーー

 

 

 

「そうなんですか。ではでは次の質問なのですがーー」

 

「....まだあるのかよ」

 

「当たり前ですっ! あとたったの100くらい質問するだけですので安心してください」

 

「多すぎるわボケーーー!」

 

 

ーーなぜなら、自称天狗の女性に絡まれて質問攻めにあってるからだ。

いやいや、安請け合いしたのが悪かったかな。人里を散策してるときに天狗の少女が目の前に現れて『少しお聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか?』と言われたので受けたのだが、まさかこんなにも時間がかかるとは....

 

 

「いいじゃないですか。この質問が終われば人里の案内だってしてあげますよ?」

 

「む、それは....」

 

「それと、なにかありましたら協力しますから!」

 

「うぅむ....」

 

 

そこまで言われると、あと少しくらい我慢してもいいかなと思えてくる。

まぁいっか。どうせ暇だったんだし。

 

 

「あ、そうです。ついでにこれを差し上げますよ」

 

「ん? これは....新聞?」

 

「はい。これが私の書いている『文々。(ぶんぶんまる)新聞』です!」

 

「そんな読み方なのか。どれどれ.....ん? 『紅霧異変』?」

 

「ああ、それは一番最近にあった一番大きな出来事ですね」

 

「主犯がレミリアって書いてあるんだが....」

 

「そうですよ? その異変ーーああ、事件のことです。は、紅魔館という館に住むレミリアという吸血鬼が起こした事件なわけです」

 

 

どうやら見間違いではなく、レミリアがやったことらしい。

内容は....要約すると『幻想郷が紅い妖霧で覆われ、太陽が遮られてしまったため薄暗く寒い夏になった。妖霧は幻想郷の人間の里の中にもおよび、人間は短時間しか妖霧に耐えられず、家の外に出られなくなってしまった。この事件は後に「紅霧異変」と呼ばれるようになる。』らしい。

他にも誰が解決したかとか書かれているが、それはどうでもいい。

いやレミリアから『ちょっと最近派手なことしたーー』とかの話しは聞いていたが、まさか幻想郷全体を巻き込む事件だったとは....

 

 

「あなたは外来人でしたよね? そんなに異変が珍しいですか?」

 

「ああいや、今紅魔館に住んでるからな。その住んでるとこの住民がなにかしたのかと思って」

 

「....ほほぅ」

 

 

あ、なんか不味いこと言ったかな?

 

 

「まさか、私がそんなでかい話題を見逃してたとわ。いやー、ネタに困ったからといって椛の張り込みなんてするんじゃなかったわ。これといってなにもなかったし。まぁちょっとギリギリな写真を売って懐は潤ったけど」

 

「うん?」

 

「ああ、申し遅れました。私の名前は射命丸(しゃめいまる)(あや)。新聞を書いている烏天狗です」

 

「今更!?」

 

 

取材(?)が始まって数時間、ようやく女性の正式な名前と種族を知った。

いや最初会った時に『何者だ?』とは聞いたんだけど『私は天狗の新聞記者です』としか答えなかったし。そこからは俺の許可を取った後、ひたすら質問攻めだったし。

 

 

「これはゆっくり聞き出す必要がありそうだったので、お互いに名前を知っとかないと不便かと。ああ、そちらの名前はしっかり覚えているので改めて自己紹介しなくともいいですよ。桂一さん」

 

「はぁ....」

 

「さて、よろしければちょっと場所変えてもっと話しを聞きたいのですが、いいですよね? 駄目なんて私を生殺しにするようなこと言いませんよね?」

 

「うわっ! ちょっ、近い近い!」

 

 

女性ーー改め射命丸さんは俺に体をずずいと寄せてくる。今にもキスしてしまいそうなくらい近い。ついでに鼻息が荒い。

 

 

「いいですよね? 連れ去ってしまっても。人里内ですると問題なので歩いて外に出てからですが、天狗の人さらいは有名な話しですし。外来人が一人いなくなるぐらいーー」

 

 

「それは少し困りますわ」

 

「.....あやや。紅魔館の方がおられましたか」

 

 

射命丸さんが今にも暴走してしまいそうな時、いつの間にか咲夜さんが射命丸さんの背後に立っていた。ナイフを射命丸さんの首元に添えながら。

 

 

「これはお嬢様のお気に入りでして。無理矢理勝手に連れて行かれると、紅魔館に喧嘩を売ることになりますよ?」

 

「あなたにも色々聞きたいことがあるのですが、今は無理そうですね。それに、吸血鬼ごときに天狗の私が遅れを取るとでも?」

 

 

ナイフを添えられながらも余裕の笑みを浮かべながらまったく怯えた様子のない射命丸さん。それに呆れたような目を向ける咲夜さん。まさに一触即発の雰囲気である。

 

 

「それにしても、気に入ってるとはただの外来人にずいぶんな入れ込みようね。吸血鬼の従者」

 

「別に私もお嬢様も桂一が攫われること自体はどうでもいいわ。ただ許せないのは『持ち物が勝手に盗まれてなにも反応しない』ことによる『他の妖怪たちに舐められる』という事態を危惧してるからよ」

 

 

なんか俺の扱いが酷い気がするのは気のせいだろうか? 『持ち物』だとか『ただの外来人』だとか。

まぁ、俺なんてそんなもんだよな.....

 

 

「ふぅん.....まぁいいわ。私としたことが、少し興奮しすぎて暴走してしまったし。それでは桂一さん」

 

「......ん?」

 

 

俺がorzの体制で落ち込んでいたところ、声がかかったので顔を上げる。

そこには満面の笑みの射命丸さんがこちらを向いていた。

 

 

「今日は申し訳ございません。久しぶりの大きいネタを見つけて興奮しすぎました。このお詫びと取材の続きはまた今度お願いしますね。では」

 

「へ?」

 

 

射命丸さんは背中から黒い翼を生やすと、すごい勢いで飛びだってしまった。

咲夜さんはなにするわけでもなくそれを見逃し、俺のほうに歩み寄ってくる。

 

 

「あなたはトラブルメーカーですか? どうしてこんなにも短時間に変なことに巻き込まれてるのか、是非ご教授お願いしたいところですわ」

 

「いやいや。慧音さんはどっちかっていうと咲夜さんのせいでしょ。射命丸さんも、ちょっと暴走してただけだし」

 

 

確かに色々と危なかったが、そこまで大変なことにならなかったからいいんじゃないかと思う。

にしても、なんで射命丸さんは俺に目をつけたのだろうか?紅魔館に住んでることも知らなかっただろうし....

 

 

「間違いなくあなたの周りにいる妖精のせいですわ」

 

「あっ」

 

 

『〜〜!』

 

『〜!』

 

『〜〜〜〜!』

 

 

慣れてきたせいか、存在感の薄くなっていた妖精たちをまたもや忘れていた。

そのことに抗議してか『チョコ!』『チョ!』『チョコ〜!』と騒いd、いやただの願望だった。

 

 

「はぁ、貴方は少し不注意すぎますわ」

 

「....返す言葉がない」

 

「買い物も終わってますし、帰りましょう。ちょっとパチュリー様に相談したいこともできましたし」

 

「?」

 

 

呆れた顔をしたままの咲夜さんに連れられ紅魔館に帰って行く。

んー、パチュリーにお願いってなんなんだろ....?




ということで復帰しました。葬炎です。

長期更新停止の理由は活動報告見ればおおまかにわかると思います。
前話にも書いてましたが、そっちは邪魔なので消しました。

更新は今まで通り不定期です。それでもよろしい方はお付き合いをよろしくお願いします。

ではまたノシ
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