遊戯王ZEXAL 熱き魂のデュエリスト   作:魔女っ子アルト姫

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第13話

チャーリーがナンバーズを求めた理由。それは難病の少女が難しい手術に向かう為のお守りとして渡したいという何とも輝かしい理由だった。そんな理由があるならば……と遊次はチャーリーにナンバーズを渡した、その後には確りと返して貰うと約束をしたうえでマユミちゃんのお守りとしてラッキー・ストライプは傍にいる事になった。

 

「手術、上手く行くのかなぁ……」

『分からない。だがナンバーズには力が残っているのを感じた、恐らく問題はないだろう』

 

病院近くの公園、流石に時間が遅くなりすぎたので小鳥は先に家に帰って行ったが遊馬と遊次はそこに居ながら軽く話をしていた。アストラルとしては確りとナンバーズが帰って来るのかという事が酷く気になっているらしいが、遊次が責任を持って取りに行く事を約束して渋々了承してくれた。

 

「にしても遊次、D-HEROって凄い力だな!!運命を見通して操るっていうのもマジなんだろうな!!」

「有難う遊馬。正直俺もそういう力はあるって思ってたけど、ちょっと想定外な力がある事が分かっちゃったぜ」

「想定外?」

『遊馬、君も見ただろう。デュエルの最中にダイヤモンドガイが遊次に向かって意志を示しただろう』

 

そう言われて思い出すと確かにラストドローの時にダイヤモンドガイは明確な意志を持って遊次を見つめていたように思える。という事はD-HEROはナンバーズのような力を宿しているという事になるのだろうか。

 

「多分だが……カードの精霊が宿ってるんだと思う」

「カードの……精霊?」

『詳しく聞かせてくれ。ナンバーズとは違うのか?』

「俺も明確な事を知ってる訳じゃないんだけど……俺達が住んでる世界の他にモンスターが住んでいる世界があって、その世界と繋がってたりその住人が宿ってる事があるらしいんだ」

 

代表的な物を上げれば遊戯のクリボーや十代のハネクリボーなどだろう。

 

「じゃあ俺のカードにも精霊宿ってたりするのかな!!?」

「流石にそれは分からないけど……カードを大事に扱ってたり信じてあげたりすれば、思いが届いて宿るかもな」

「へぇっ~!!」

『興味深い話だ。モンスターの世界……成程、言い得て妙だ』

 

精霊の話を興味深そうに聞きながらもアストラルは遊次を鋭く見つめていた。よく見てみるとD-HEROを使ってから何やら波動のような物を放っている、精霊と共に戦った事で何かが開眼したのかもしれない。

 

『ナンバーズとは全く異なる力がそのデッキには宿っている。大きな渦だが、自在に流れを変える大河のようだ』

「えっとつまり……すげぇ頼もしいカードって事だな!!」

「まあ、その位の認識が一番いいのかもねぇ」

 

改めてデッキからカードをドローしてみる、そこにあったのはダイヤモンドガイ。チャーリーの突風から戻って来てくれた事を考えるとダイヤモンドガイだけが精霊という訳ではないと思う、だがこれは非常に心強い。何故ならばナンバーズという危険なカードがある世界において対抗手段を新たに得たような物。色んな意味で心強いデッキとなったD-HEROデッキに改めて感謝を捧げる。

 

『(なぜ彼がナンバーズに侵食されないのか、漸く理解出来た。彼はカードの精霊に護られているのだな)』

 

 

「色々と悪かったな明里、迷惑かけちまって」

「全くよ、いきなりバイク持って来てくれだの飯も頼むだの迷惑ったらありゃしないわ」

「悪い悪い」

 

病院近くの橋でチャーリーと明里は話をしていた、ラッキー・ストライプのカードは確りと渡す事も出来たので改めて腰を据えた話を二人は始めた。

 

「世界を旅してる時にあの子のご両親に随分と世話になっちまってな、その縁でマユミとも仲良くなったんだ。マユミのご両親、マユミの手術費を稼ぐ為に世界中を飛び回ってるんだ」

「ふぅん……それであのカードを」

「ああ。マユミの為でもあるし世話になったご両親への恩返しでもあるんだ」

 

そういう事情があるのであれば強くは言えない。今回ばっかりはこれ以上の小言はやめようと明里は口を閉ざす。

 

「本当はもっと此処に居たかったが……派手にやり過ぎたからな、直ぐに退散するぜ」

「本当に派手にやり過ぎよ……」

「だよな、俺もそう思うわ」

 

随分とハートランドを荒らしまわったのでチャーリーは直ぐに此処を発つつもりでいるらしい。まあそれが一番いいだろう。

 

「明里―――いや、なんでもねぇや」

「何よ、言いたい事があるならハッキリ言ったらどうなのよ」

「んじゃ言ってやるよ―――遊次の事、大事にしろよ」

「えっ遊次を?」

 

思っても見なかった言葉に瞳を白黒させる、そんな事を言ったチャーリーの瞳は何処か晴れやかだが寂しそうな色をさせていた。だがそれを直ぐに振り払って少しだけ笑う。

 

「あいつはすげぇ奴だぜ、どんな運命にだって立ち向かう力がある。あいつはお前が望めばどんな力にもなってくれると思うぜ」

「まあ、確かに遊次には色々お世話になってるけど……」

「あと一つだけ忠告、早くあいつの事射止めちまえよ?いい男だから直ぐに他の女が寄って来るぜ?」

「えっ……チャ、チャーリーアンタ何言って……!?」

「ハハハッ!!!じゃあな明里、今度会う時はもっと女らしくなってろよ!!!」

 

最後に明里を軽く抱きしめるとチャーリーは大きく笑いながらそのまま走っていく。呼び止めようとするが、それには一切応じずに走っていくチャーリーに腹立たしげに鼻を鳴らしてしまう。

 

「何よあいつ!!私は別に遊次の事を何も―――って他の女……ってまさか、あのやばい女の人の事なんじゃ……?」

 

 

「フフ、フフフフッ……アハハハハッ……待っててね遊次様ぁ、もう直ぐ私が参りますので……♡」

 

月下にて一人の女が妖艶に微笑む、その手にはあと一歩で完成するハートの器と―――頬に浮かび上がる数字があった。




遊次の女難は続く。
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