遊戯王ZEXAL 熱き魂のデュエリスト 作:魔女っ子アルト姫
突然、ハートランドシティへとやってきてしまった天道 遊次。デュエルディスクへと変形する腕時計や何故か普通の人間には見れない筈のアストラルが見えるという異常が次々と襲い来る中彼は―――
「明里さん、買い出し終わりました~」
「有難う助かるわ、次は掃除お願いしてもいい~締め切り迫ってるのよ」
「分かりました。ついでに昼食は此方に持ってこれるような物にしときますね」
ZEXALの主人公である九十九 遊馬の家にお世話になっていた。
カイトとのデュエルの後、遊次は度重なる衝撃によってゼアルリアリティショック、別名現実逃避という名の茫然自失になっていると九十九家で目覚めた。遊馬が突然倒れたので姉である明里を呼んで家に運び込んでくれたとの事。そこで如何してそうなったのかと問われて、色々あってナンバーズハンターとデュエルしていたと話したら新聞記者でもある明里から激しく特ダネ確保!!と質問攻めを受ける事になった。
結局、遊次は記憶喪失という扱いになり明里の新聞でも情報提供をお願いする記事を出す事になりつつ今後も話を聞きたいという事で暫くの間九十九家でお世話になる事になった。
「ふぅっ~遊次の飯って滅茶苦茶美味いよな!!」
「全くじゃの~」
「お粗末様でした」
役割としては明里の助手兼家政婦的な立ち位置に落ち付き、既に三日目だが自炊していた事が役に立って評判は上々であった。
「なあっ遊次、ちょっといいかな、俺のデッキの調整手伝って欲しいんだよ」
「春さん良いですかね」
「掃除も食器洗いも買い出しもしてくれたからね、文句なしだよ」
「シャア!!さあ行こうぜ!!」
と腕を引っ張っていく遊馬に釣られて遊馬の部屋へと連れていかれる、一応自分の寝室でもあり遊馬の隣で布団を敷いて眠っている。
「んで―――遊次改めて色々話をしたんだよ、アストラルが見える事とか」
「ああ、俺も話したい事がある。ホントはもっと前に話したかったけど明里さんの手伝いとか色々あったからな」
「全く姉ちゃんは本当に強引だよなぁ……」
本当にこの家に来て直ぐに話すつもりだったのだが……明里からの追及やら情報提供の記事の作成のための取材やらで色々とズレこんでしまったのでまともに話せるのが今日が初めてである。
『では改めて話をするとしよう。遊次、君は私が見える、これに間違いはないな』
「事実だよ、こうして会話も出来るし見えてもいるけど何でか分からない。当たり前のように見えて聞こえてるし」
「でもなんでなんだろうなぁ……まあつっても俺も何で見えてるのかぶっちゃけ分からんけどさ」
宙に浮きながら此方を見つめる精霊的な存在であるアストラル、遊馬にしか見えない筈の存在が何故か見える。それも自分が別世界の人間であるが故なのか、全く分からない。そして―――
「なあ遊次、アストラルはお前がナンバーズを持ってるって言ってるんだけど」
「此奴の事だろ?」
そう言いながらフィニッシュ・ホールドのカードを見せ付ける。この世界におけるナンバーズはアストラルの記憶、自分の持っているそれらとは全く異なる。
「俺もよく分からないんだよ、俺がこの世界に来て最初にしたデュエルに勝ったら俺の所に来て……マジで意味不明」
「別の世界かぁ……まあアストラルの事もあるしあるんだろうなぁ」
『ああ、遊次の世界にもナンバーズは存在するが何の力も持たないというのも興味深い』
既にこの二人には自分が別の世界からやってきた事は打ち明けている、というか主にアストラルには打ち明けておかないと誤解を招きかねないと思ったからだ。主にRUMとかオーバーハンドレットナンバーズとか。
『―――んっ遊次、まだナンバーズを持っているようだが』
「えっいや、ナンバーズ同士じゃなきゃ破壊されないのはこいつだけの筈だけど」
『もしかしたら、君がこの世界に来た際にカードに宿り一つになったのかもしれない。確認してみてくれ』
「そう言うなら……」
そう言われて遊次はエクストラデッキデッキのカードを広げてモンスター・エクシーズを確認する、中にはアストラルすらも見た事のないカードがあるので興味津々と言った様子。流石にオーバーハンドレットは出さないように気を付けていると……一枚のカードの変化を見つけた。
「あっマジだ!?ナンバーズになってる!!」
『矢張りか……』
「マジで!?どんなナンバーズなんだ!?」
変化していたのは現在主力として使用しているBKデッキに採用しているナンバーズ、№79 BK 新星のカイザーであった。効果欄に「No.」と名のついたモンスターとの戦闘以外では戦闘破壊されない。という文章が追加されていた。
「へぇっ~カッコいいなこのナンバーズ!!」
「だろ、俺のフェイバリットカードなんだよ……ってもしかしてこのカードってアストラルに渡さなきゃいけないのか……!?」
『そうなる。いや、少し待ってくれ』
そう言うとアストラルはカードへと手をかざした、カードからは宿ったと思われるナンバーズの力が光となってアストラルへと吸い込まれていく。そして少しするとアストラルは手を下げた。
『……ナンバーズの力の大部分は吸収し私の記憶のピースの一つが埋まった。そして遊次、そのカードは君に預けておく』
「えっ良いのか?」
『幸いな事に君は私と共にこの家にいる、ならば極端に離れる事が無ければ私から再び№79の記憶が剥がれる事はないだろう』
「良かったな遊次!!そのままそのカード使えるぜ!」
正直ホッとしている。新星のカイザーは遊戯王に復帰してから初めて当てたエクシーズでもあるしBKデッキには必要不可欠なカード。このカードを起点にしたコンボもあるので素直に有難い。
「んじゃ遊次、折角だから俺とデュエルしようぜ!!なあ異世界じゃなくて遊次の世界だとどんな風にデュエルするんだ!?」
「俺の世界だとデュエルディスクもソリッドヴィジョンもなくてな、大体は机の上とかに広げてやるんだよ」
「ええっマジかよ!?どんな風に!?」
「んじゃ試しにやってみっか」
この後は遊馬と共にOCG風にデュエルをしたり、デュエルディスクを用いたデュエルをしたりとデュエルをして過ごしていた。この世界で取り敢えず安心出来るようになった遊次、だが―――
「遊次お願い!!WDCに出てくれない!!?」
「えっ何ですか明里さん突然」
ナンバーズ、そしてそれを狩るナンバーズハンター……それと関わってしまった彼は物語の大きな流れから既に逃れる事が出来なくなっている事に気付いていなかった。