遊戯王ZEXAL 熱き魂のデュエリスト   作:魔女っ子アルト姫

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第7話

「ふぅっ……これでハートピースは三つか、取り敢えず順調に勝ちは拾えて安心だな」

 

突然参加する事になってしまったWDC、しかし遊次はその中でも順調に勝ちを拾う事が出来ていた。既に3連勝中だが、内一つで得る事は出来たハートピースは既に持っているパーツなので相手に返却してお互いに頑張ろうと健闘を称えた為にハートピースは三つ。これからはデュエルの前に相手に望みのハートピースがあるのかを提示してからデュエルした方が良いかもしれない。

 

「しっかし……お金、貰っといて正解だったな」

 

遊次は自販機でスポーツドリンクを購入しながらそんな事を口にする。突然この世界にやって来た遊次にはこの世界の通貨が無い、円である事は共通なのは助かるが使用出来る通貨を持っていない。元から財布なんて持っていなかったが……そんな自分に明里は取材協力の謝礼としてお金を渡してくれたのだが、居候の家賃として取って置いて欲しいと言ったのだが……

 

『何言ってるのよ、お金が如何会っても必要なんだから取っておきなさい。これは貴方への御金なんだから、それに家賃は身体で払えばいいでしょ』

 

と有難い言葉と共に渡してくれた事に今は感謝している。身体で払うという語感は良くないが、労働で払うと思えば……悪くはない、寧ろ正当な筈である。

 

「さてと、取り敢えず今の段階で明里さんにデュエルデータを送信するか……というかマジでこの腕時計どうなってんだよ……」

 

改めてデュエルディスクに変形したままの腕時計を見る。一般的なDゲイザーの機能を内蔵していて携帯の代わりにして電話やデータの送信まで出来ている。腕時計というか、最早可変式の小型コンピューター的な何かに見えてくる。一応これもアストラルに聞いてみたが素直に分からないと返答された。そしてデータを送信し終えると同時に明里から連絡が飛んでくる。

 

『データは受け取ったわ、順調みたいで安心したわ。それでこれからは如何するの?』

「そうですね、あと一回ぐらいデュエルをしようかなぁって思って」

「今デュエルと言ったよね!!いったね、言ったよねぇ!!」

 

と何故かどこかで聞いた事のあるようなフレーズを掛けられたの振り向くとそこにはスタイルが抜群でショートパンツと青と白のストライプのシャツの上にアウターのみというかなりセクシーな服装の女性が声を掛けてくる。

 

「だったら私とデュエルしなさい!!いい、一度挑まられたからには受けなきゃいけないのよ!!」

「デュエル・カーニバルの参加者って事か」

「そう、つまりもうあなたは私から逃れられない……私の愛の牢獄からは!!」

「コイツナニイッテルンダ」

 

何処かの狐のようなセリフが思わず出てしまう程に遊次は困惑した。いきなり何を言い出しているんだこの人は、これが俗にいう残念美人なのか。

 

「さあデュエルよ、私とデュエルしなさい!!そして私に囚われなさい、私の愛に!!!」

『何、何が如何したの遊次!?なんか愛に囚われろとか聞こえたんだけど!?』

「いやなんて言えばいいんだろ……デュエルしろって言われたんですけど、なんか突然愛が如何たら牢獄が如何たらって……」

『ハァッ!?何それ、普通に危ない人じゃないの!?逃げなさい!!』

「すいません、デュエル断れないのでデュエルはします。また後で連絡しますね」

『あっちょっと!!?』

 

何だかややこしい事になりそうなので一旦連絡を切って此方に集中させて貰う事にする。明里には……後で謝ろうと決める。

 

「まあデュエルをして欲しいなら相手してやる、俺は天道 遊次!!」

「まぁっ天道……太陽なんて素晴らしいの!私に相応しいじゃない、私は桜 融。良いわっ貴方のアプローチお受けします!」

「いやアプローチしてきたのアンタ」

「さあ始めましょう、私と貴方で奏でる愛の一幕を!!」

「ホントハートランドのデュエリストは人の話聞かねぇな!!ああもういいや、兎に角デュエルだデュエル!デュエルをやってやらぁぁぁ!!」

 

もう無理矢理テンションを上げて其方へと持って行く事にする。

 

「デュエルターゲット、ロックオン!!!」

「ロックオン……何て良い響き……」

「(あかん俺やべぇ人にデュエル申し込まれたんじゃね?)デュエル!!」

 

今更ながら凄まじい後悔の念が沸き上がって来た。まあ取り敢えず……デュエルはしなければならないのだからやるしかない、色々と吹っ切れてやるしかない。

 

「俺の先攻、ドロー!!俺はBK グラスジョーを召喚!!更にこいつはバトルフェイズを行わない代わりに特殊召喚出来る!!来い、BK スパー!!」

「あっという間にレベル4が二体、来るのね!!」

「ご希望通りに!!俺はレベル4のBK グラスジョーとスパーでオーバーレイ!!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!!!魂に秘めた炎を拳に宿せ!その拳で敵を討て!BK 拘束蛮兵リードブロー!!!」

 

BKの基本とも言える流れ、シンプルだがリードブローは強力なモンスター故に最初から出す価値はあるしスパーの効果を考えると最善の筈。が、リードブローを見て融は何故か顔を紅潮させながら身体を抱きしめている。しかも何やら震えながらハァハァ言っている。

 

「いぃぃ……なんて熱いのかしら、その熱をもっと、もっと私を蕩けさせてぇ……」

「うわぁっ……カード二枚伏せて、ターンエンド……」

 

遊次、仮にも美女がエロい表情と言葉を言っているのにガチ引きである。ある意味正常な反応かもしれないが……。

 

「イケズぅ……でもいいわ、私は貴方の事を待つわ。私をもっと虜にしてくれるのを―――」

「コイツナニイッテルンダ(2回目)」

「私のターン、ドロー!!私は手札から未界域のサンダーバードを貴方に見せての効果を発動、さあ私の手札からランダムにカードを選ぶのよ」

「(未界域デッキかな)んじゃ……一番左の奴で」

「これね―――フフフッ貴方が選んだのは暗黒界の狩人 ブラウよ。私はブラウの効果でカードをドロー……そして、サンダーバードは捨てたカードがサンダーバード以外だった時……特殊召喚出来るのよ!!おいで、サンダーバード!!さらに私は未界域のビッグフットの効果を発動!!」

「うっげぇッ……」

 

この構成を見て遊次は相手のデッキを察した。あれは未界域と相性のいい暗黒界やらで構成されている、手札を捨てる、そして捨てられる事で効果を発揮するカード同士の相性はいい。しかもサンダーバードとビックフットはステータスも良いのだ。

 

「さあもう一回選んで♡」

「……一番右で」

「アハッこれはサンダーバードよ、そしてこの子は手札から墓地に行った時に貴方のセットカードを破壊するわ。私から見て左側を破壊♪そしてビックフットをこのまま特殊召喚!!」

 

あっという間に攻撃力2800の鳥と3000の巨人が揃い踏みになった。不幸の幸いなのが割られたのがスキル・プリズナーだった事だろうか……。

 

「バトルよ、私の愛を届けるのよビックフット!!リードブローに攻撃!!」

「リードブローの効果!!破壊されるときにエクシーズ素材を一つ使って、それを無効に出来る!!」

「無駄ッ♪ダメージまでは防げないわ」

「ぐぅっ!!」

 

遊次 LP3200

 

「だが無駄にならん!!リードブローはエクシーズ素材が取り除かれた時、攻撃力を800上げる!!」

「まあ素晴らしいわ!!私の愛で貴方が強くなるのね!!」

「コイツナニイッテルンダ」

 

本気で意味が分からなくなってきた、こういうのを狂人というのだろうか……この世界だとこういうタイプの人間は少ないのだろうか、そう思うと途端にこの世界が怖くなってきた。

 

「これで攻撃はもう出来ないわね―――でもね、私の愛は此処からよ!!私はレベル8のサンダーバードとビックフットでオーバーレイ!!」

「なっ!?」

 

遊次が驚いたのはオーバーレイにではない、その瞬間に太腿に光る文字が浮き出た事だった。それは―――ナンバーズの刻印、この人もナンバーズに侵食されていたのだ。

 

「二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!!おいでなさい、№68!!魔の空に浮かび続ける決して壊れる事のない私と貴方の愛の牢獄……魔天牢サンダルフォン!!」

「出やがったよナンバーズ……!!」

 

紫色をした禍々しい光を放つ牢獄のようなモンスター、これが憑りついているナンバーズ。これは是が非でも勝たなければいけなくなった―――その時、遊次の小指に赤い光が伸びて融と繋がった。それを見て更に顔を紅潮させながらも息を吐く。

 

「何の光ぃ!?」

「アハァッもう逃げられないわ、この子を召喚したデュエルで貴方が私に負ければもう二度と離れない永遠の愛で結ばれるの!!」

「何、だと……!?訳が、訳が分からんぞ!?」

「私は一目見た時から決めているの、貴方の恋愛がしたいの、いいえそれを越えた愛を育みたいの!!」

 

普通ならば妄言と一蹴するのだが……生憎此処はデュエルが全ての遊戯王のZEXAL次元。しかもナンバーズ関連でそう言う事を言われると説得力が出てしまって本当にやばい。絶対に負けられなくなってきた。

 

「ええい、勝手な事を言うな!!」

「ウフッアハハハッ!!!」

「何なんだよこの世界のデュエリストは!!人の話を聞かないバカばっかりかぁ!!」




分かりやすい遊戯王次元の恐怖。デュエルによって人生が左右される。
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