遊戯王ZEXAL 熱き魂のデュエリスト   作:魔女っ子アルト姫

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第9話

あの後九十九家へと何とか逃げ帰った遊次、そこで明里の励ましを受けて何とか精神的なショックから立ち直る事が出来たので改めてデュエルの相手を求めて外に出る事にした。明里からも今日は大人しくしてた方が良いとは言われたが……正直、あれを忘れる為にもデュエルで記憶を吹っ飛ばしたいというのが素直な本音なのである。

 

『いい遊次、無理はしなくていいんだからね!?いやだったらすぐに帰って来て良いから、後何かあったらすぐに聯絡しなさい助け行くから!!!』

「なんか情けねぇなぁ……ハァッ……」

 

ナンバーズで狂っていたと思った女性がまさか素であんなアブノーマルだったとは本気で思わなかった。全く……本当にこの世界のデュエリストは如何なっているのだろうか。

 

「……今更か」

 

このハートランドシティで今更過ぎた事かもしれない。何故ならば公式サイトの紹介文でサディストと書かれていたファンサービスお兄さんだって居るんだ、あんな変態が居ても可笑しくはない……それにターゲティングされたのは想定外だが……。

 

「さてと……そう言えば今BKデッキがメインだけど他にもデッキあるんだよな」

 

そう、遊次はこの世界に来た時に自分が使っていたデッキと共に此方の世界に来ている。その中でも一番好きなデッキであるBKを使っているが、他にもデッキはある。

 

「……使っても大丈夫なのかな……」

 

アストラル曰く、自分のカードからは何も感じないと言われたので普通のカードのままではあるとは思うが……新星のカイザーが本物のナンバーズ化しているように変異する可能性も捨てきれない。特に……

 

「神のカードなんて使ったらどうなるかしれた物じゃねぇぞ……」

 

余りにも怖くて確認もしていないが、デッキの一つには神のカードを組み込んだ物もある。コピーカードだとしても神の裁きが落ちてしまうのが遊戯王の世界、安易にこのデッキは使わない方が良い……と言うかもう封印した方がいいのでは……と思う遊次であった。

 

「おいそこのアンタ、デュエリストだろ!?相手してくれよ!!」

「良いだろう丁度やりたかったんだ、悪いが俺の八つ当たりの的にさせて貰うぜ。デュエルだデュエル、デュエルをやってやらぁぁぁぁ!!」

 

 

『遊馬、遊馬』

「―――っえっへっ!?な、なんだよアストラル」

『あそこを見ろ、遊次ではないか?』

 

遊次と同じようにデュエル・カーニバルへと参加している遊馬。順調に勝ち進んでおりハートピースも集められている彼だが、何やらボンヤリとしたまま友人の小鳥と共に歩いている時にアストラルによって声を掛けられた。そして指をさされた方を見つめるとそこには遊次がデュエルしている姿があった。

 

「これでとどめだ、ダイレクトアタックゥ!!!」

 

―――ォォォォォッ!!!

 

「ギャアアアアアアアッッ!!!」

 

もう最終局面だったのか、ダイレクトアタックの瞬間しか見る事は出来なかったので僅かに見れたのは翼を持った人型のモンスターが相手のライフを大きく上回る攻撃力で蹂躙した所だった。

 

「俺の勝ちだな」

「あたたた……アンタ馬鹿みてぇに強いな……本当に蹂躙されちまったぜ」

「悪いな、少し前にトラウマ級の相手と当たっちゃって……忘れたかったんだ」

「なんかよく分からないけど、頑張れよ?」

「おう」

 

なんだか不穏な空気が流れ掛けていたが、爽やかな終わりを迎える事が出来たのか互いに握手をしてから遊次はハートピースを受け取った。

 

「お~い遊次~!!デュエルしてたのか!?」

「なんだ遊馬、見てたのか?」

「いいや最後のダイレクトアタックだけだったよ」

「そっか、そりゃ助かったかもな。ちょっと穏やかなデュエルじゃなかったからな」

 

そう言いつつも困ったような笑顔を浮かべつつもスッキリしたのか、遊次はデッキをケースへと収めると遊馬の隣の少女へと目をやる。

 

「んで遊馬、隣のお嬢さんは?」

「あっそっか遊次にはまだ紹介してなかったな、俺の幼馴染の小鳥だ。小鳥、学校で話はしてたよな。今俺の家で居候してる遊次、料理もすげぇ美味いしデュエルも超強いんだぜ!!」

「初めまして観月 小鳥です、遊馬から色々とお話は伺ってます」

「これはご丁寧に……天道 遊次です」

 

そんな自己紹介をしながらも遊次は気分もスッキリしたし今日はこの位にしておくか……と遊馬に付き合ってから家に戻ろうと思う。

 

「遊馬、お前さんはこれからデュエルの相手探しか?」

「んっいや違うんだよ、なんか姉ちゃんから駅にいるおっさんを捕まえといてくれっていうから駅に行く所なんだよ」

「おっさんねぇ……中学生だけでこの時間をうろつくのもあれだ、付き合うよ」

「サンキュ遊次!!」

 

それを聞いて大体の事情は察する事が出来た、という事は……これはあのナンバーズが関わっているのだなとさり気無くデッキをショルダーポーチの中へとしまっておく。

 

「そうだ、遊馬これ渡しとくよ」

「これって……ナンバーズじゃん!!戦ったのか!?」

「ああうん、戦ったよ……うん戦った……」

「ゆ、遊次さんどうしたんですか。何か顔色が……」

『それ程までに激闘だったという訳だな……遊次、感謝する』

 

普段は何処かズレているアストラルの言葉だが、今回ばっかりは的を射ていた。色んな意味で激闘だった……。そんな話をしていると駅へと到達して明里が捕まえておけと言っていた男性を遊馬たちは見つける事が出来た。

 

「へぇっ~お前の姉ちゃんが俺をね、相変わらずだな」

「そうなんだよ~……俺だってデュエル・カーニバルで忙しいのにさ」

「まあまあ、明里さんだって色々あるんだろ」

「―――へぇっ……?」

 

遊次の発言に何故か男は面白い玩具を見つけたような瞳を作った。

 

「自己紹介が遅れちまったな。俺はチャーリーだ、お前さんは?」

「遊次、天道 遊次。今は色々あって遊馬の家でお世話になってる」

「へぇっそうなのか……彼女の寝相の悪さ治ってる?」

「へっ?」

「だってお前―――明里のコレだろ?」

 

悪い顔をしながらも小指を立てるチャーリー。遊次は色恋には縁が無かったがその意味が知らない程に疎くはないので苦笑いしながら否定しておく。

 

「お生憎様、違うよ。まあ寝落ちしてた明里さんを起こしたりはしてるけどさ」

「なんだよ間違ってないじゃないか、なんだったらあいつの事色々教えてやろうか」

「おっと、中学生の前でする話題じゃないぜチャーリー」

「フフフッ確かにな」

 

遊馬は何言ってんだろと頭に?を浮かべているが、小鳥はある程度察しがついているのか顔を赤らめている。

 

「遊馬か遊次、俺とデュエルしねぇか」

「あれ、チャーリーも出てるのかデュエル・カーニバル?」

「いいや、唯このカードの運を試したくてな」

 

その時、チャーリーは遊馬と遊次と言っていたがその瞳は真っ直ぐに遊次を射抜くように向けられた。

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