本小説はwordから直接コピー&ペーストしているのでルビ振りの残骸があるかと思いますが、そこら辺は気にしないでいただけると幸いです。
作品向上の為アンケートに答えていただけると幸いです。
右目で外を見る、太陽が雲の隙間から光一つ見せない生憎の空模様。左目で外を見る、右目で見た時とはまるで違う、夜の様な暗い景色が広がる。刃菜子先輩はレイダーとの戦いに出向いた、なのにどうして俺は戦えずにいるのだろうか?自分が傷つくのはいい、だけど他の皆が傷つくのは見ていられない。考え、考え続ける。なぜ今の自分は戦えないのかを。
その時急に扉が開く、理恵ちゃんだった。
「お元気ですか?瞬君」
「元気ではないかな、刃菜子先輩が戦いに行って俺だけが戦えずにいる、こんなもどかしい気持ちは初めて?なような気がする」
「そうですか…では銃美さん達が、寮に居なかったのもそういう事なんですね」
決して自ら死地に行きたい訳ではない、だけどなぜだろう?皆が行って自分だけ行けないのは嫌なんだ。
「瞬君は、なぜ今、自分が戦えないのかわかりますか?」
「何か大切な事を忘れているから?」
「ええ、そうだと思います」
優しく彼女は頷く。
「瞬君、貴方は私を早雲さんと呼んでいた事は覚えていますか?」
「俺が理恵ちゃんを?苗字で?覚えてないなー、初めてあった時とか?」
「いいえ、高校に入る前いえ貴方が虐められている事を隠し、それを私が助けてから少し経ったとき貴方は、私を早雲さんと呼ぶようになりました、それまでの姉弟という関係性ではなく、他人として生きる為に」
全く記憶にない、なんで俺は理恵ちゃんにそんな事をしてしまったのか、虐めを受けていた事を申し訳なく思っていたとしても、他人扱いする必要はないはずだ。
「覚えていないという様子ですね、ではお教えします、これは簡単な話です」
そういい彼女は淡々と説明していく、なぜ俺と理恵ちゃんが他人となったかを、俺は虐めを受け、しかし理恵ちゃんや両親には、一切バレないように隠し続けた、ペンが無くなれば買い足し、痣が出来れば肌を隠し、顔に傷ができてもそれは違うよと理由を作って、理恵ちゃんがなぜわかったかというと、川に落とされる俺を目撃し、彼女は懸命に川を泳ぎ俺を助け。なぜ今まで隠していたかを俺に聞いたという。それに俺は。
「「迷惑をかけて、ようやく持てた関係性を失いたくなかったから」」
二人の声が同時に聞こえた、自分では無意識であったが自分の口でも発していたらしい。そして思い出す、なぜ失いたくなかった関係性を捨てたのかを。
「自分も幸せじゃないと、理恵ちゃん達に俺から幸せをあげる事はできないから、だから自分が幸せになる方法を探したんだ」
そして空に亀裂が発生する。
「思い出したよ、早雲さん…自分がどうやったら幸せを感じられるか、だから…行ってくるね」
「はい、瞬君…行ってらっしゃい、どうか無事に帰ってきてくださいね」
早雲さんはいつもこんな苦しい想いをして、俺達を見送ってきたのか、ならばやはり皆を無事に連れ帰って安心させてあげなくては、そう想い天成をする。
警告アラートが響き渡る、なんとも不快な音であった。これを聞かなくてもいいよう、夜景空間にすぐ入りたいが、解放はまだする必要はない、亀裂へ急ぐがその時、小型サイズの物体が落ちている事に気づき、もしかしたら人型レイダー関連で詳しい事がわかるかもしれないと急行する。
それがレイダーでもなく、近づくと人である事が目視でき、地面に落ちるより先に抱きかかえる、それが刃菜子先輩だと気づくのに時間はかからなかった。
お腹から血を垂れ流しながら彼女は目を虚ろにし、意識がない。
「刃菜子先輩?刃菜子先輩!」
必死に呼びかけ、彼女の体を揺する。
「んぁ…私は…今どこに…?」
意識が戻るが彼女の焦点は合っていない。
「刃菜子先輩!俺ですわかりますか?」
「あぁ…声が聞こえる…でもすまない…上手く聞き取れないんだ」
必死に抱きかかえるが彼女は刻一刻と呼吸が浅くなり、血が流れ続ける。
「せっかく刃菜子先輩に言われた通り、思い出せたんですよ?皆を助けに行けるようになったんですよ?なのにこんなのって、あんまりじゃないですか…」
「ごめんなぁ…私の言葉を後で瞬ってやつに伝えてくれ…」
いきなり名前を呼ばれドキッとする。
「瞬…私は死ぬと…思うけど…全然…お前のせいじゃ…ないから……私が…望んで…戦えたんだ…あんなに…怖がっていた…私が…お前のお蔭で…戦えたんだ……お前の居る世界を守りたいって…思ったら…戦えたんだ」
刃菜子先輩が俺の為に?なんで、どうして?それより血を操る力を使って何とか血を止められないか、輸血できないかを模索する。
「瞬…私はお前にとっての…理恵に…なりたかった。お前の憧れを一心に背負う…理恵に…でも理恵には敵わないって…わかってたから…違う方法で…お前の心に残りたい」
血を一時的に止める事には成功する、あとは輸血を上手くできるかどうか、絶対に、絶対に死なせはしない。皆で帰る、皆と一緒に居る、それが俺にとっての幸せなんだ、だから死なないでくれ…。輸血が無事に上手くいったのか彼女の瞳に光が宿る。
「あぁ瞬…お前だったのか…ずっと抱きかかえて…くれてたのは…私はお前達にわがままばかりいって…子供みたいな事をし続けた…両親にも…弓にも…銃美にも…理恵にも…そして瞬にも沢山迷惑を…かけた…皆に悪かったって…代わりに…伝えてくれ…そして…最後のわがままだ…許してくれ」
「最後なんて言わないで、絶対に助けるから生きる事だけに集中してよ、刃菜子先輩!」
その言葉とは裏腹に彼女は、輸血して一瞬奇跡的に覚醒をしただけで、弱り続けている事は、火を見るよりも明らかだった。だけどそれでも現実から目を背けて自分にできる限りの治療をし続ける。
「はは…やっぱ優しいなぁ…瞬は………」
そう言うと少し黙り、もう手を動かす事もままならないだろうに、彼女は手を俺の頭の後ろに回す。
「刃菜子せんぱ?」
「瞬…………」
小さな胸で俺の頭を抱きかかえる、まるで子供を抱くように優しく、赤ん坊を泣き止めさせる様にゆっくりと、彼女の微弱になりつつある心臓の音が、とても心地よく感じる。
「へへっ…親愛のハグだ…皆に…伝えてくれ…理恵…銃美…弓…そして瞬…皆、皆…大好きだ!…へへっ…私が…唯一父さんに…胸を張って…報告できる…事…だからな…最後に良い…思い出がで…ぃ…ぁ……」
彼女は最後の力を使いきったのか、俺の頭を抱きかかえていた腕が力なく解ける、目も虚ろになりいくらさすっても、再び呼吸をすることも目を動かす事も無い。
「あぁぁっ…あああああああ…あぁああ」
涙が止まらない、早雲さんに一度別れを告げたあの日の何倍も心が痛い、もう少し早く来ていれば、もう少し早く止血と輸血の考えに至っていれば、沢山の後悔が押し寄せる、しかしこのまま泣いているだけでは、彼女の命がそれこそ無駄になってしまう、でも一度彼女を安全な所へ移そう。
バーニアで飛びながら最初に出て来た病室に戻る、そこには早雲さんが座って待っていた。ベッドに寝かせる時に彼女に聞かれる。
「刃菜子さんに何があったんですか?大丈夫なんですか?急いで医師に処置をお願いしに行かなくては…」
急いで病室を出ていく彼女を止めこちらを向かせ、静かに首を振る。
「そんな…なんで…こんな事に…」
彼女の瞳から涙が滝の様に溢れる、それを見て全ての覚悟は決まった。
誓おう、もう誰も犠牲は出さないと、そう頭で考えると世界が移り変わる。初めて天成した時も初めて解放をしたときもここにやってきた。綺麗な青空がどこまでも広がる空間。
「おい、全部やるよ…俺の全て」
いつもは、言葉は発せないだが今は、今の俺であれば言葉を発せると分かっていた。
『それがどういう意味か、理解して言ってますか?』
「知るか、けど大体の予想はつく、けど一つだけ条件をだす」
『できる限りは譲歩します、それでもできない事はありますが…』
この条件が飲まれないなら飲まれないでもうどうだっていい。
「過去も未来もくれてやる、だけど守人になってからの記憶だけは忘れないようにしてくれ、今回もそれがなかったら大切な人を守れた」
『わかりました、けれど本当にいいんですか?貴方が言っている事は、ひょっとしたら今よりもっともっと辛い思いをする事になるかもしれないのに』
「それでも、やるよ。だって俺の幸せは、願いは皆の幸せを守る事なんだから、それが今回はできなかった、だからもうこれ以上の犠牲は出さないと、刃菜子先輩に誓って俺はこの信念を抱き続けるよ」
『わかりました、証明は完了し、契約も完了しました、後は貴方が思うように進んでください、行きつく先がどれほど悲惨で苦しいものだとしても』
世界が元に戻る、早雲さんが心配そうにこちらを見ている。
「じゃあ今度こそ行ってくるね、早雲さん…刃菜子先輩をよろしく」
「これ以上の犠牲は…すみません…わかりました、留守はお任せください」
窓から外に飛び立つ。
「『新星(しんせい)解放(かいほう)』」
そう唱え、解放のもう一つ先へと至る。服装が変わっていく、羽織は外れ極限にまで動きやすい装飾に変わり、左手には盾を、右手には2mはあろうかという大太刀を持つ、俺はバーニアを起動し夜景空間に入る。
まず夜景空間に入り驚いたのは、高さ数十メートルはあろうかという大剣が地面に突き刺さりそこには血だらけの、白鳥さんが居たのでそこに急いで向かう。
「白鳥さん!大丈夫?流氷さんは?」
「青池か…私は大丈夫だ、早く弓の加勢に行ってやってくれ」
そういうが、これ以上犠牲は出さないと誓ったのだ、刃菜子先輩にやったように血を操る力を使い止血し、不出来ではあるが簡易的な義足を血で作る。
「これで先に地上に戻っていて、そして病院に行ってすぐに治療を受けて」
「ああ?そんな事できるかよ!敵を前にして尻尾を巻いて逃げろってのか?」
「そう言ってるんだよ、誓ったんだ、早雲さんと刃菜子先輩に、それとも白鳥さんは、早雲さんをこれ以上悲しませたいの?」
「なんで刃菜子が?って、刃菜子になんかあったのか?」
「今は気にしないで自分が生きる事だけ考えて、何があったかは全部終わらせてから話すから…」
「チッ、わーったよ、理恵さんを悲しませない為って言うなら我慢する、刃菜子の事は後でなにがあったかしっかり教えろよ?」
「わかってるよ」
そう言うと彼女は納得する、わかりやすい性格だ、彼女は自分を助けてくれた早雲理恵という人物に、とても一回じゃ返せない恩を抱いている。だから彼女の望まない事はしない、端的に言ってしまえば、早雲さんという人物に嫌われる事を、極度に恐れているという事が理解できた。刃菜子先輩の事は、今は伝えるべきではないと言う事も、理解してくれている。
「それでも早く弓を援護してやってくれ、なんとか牽制しつつ時間は稼げているがもう体力は限界の筈だ」
「わかってる、それじゃあ行ってくる」
「ああ!行ってこい」
右手で背中を思い切り叩かれる、より一層集中できる…ありがとう白鳥さん。
*
車石先輩のお蔭で、天成がもう一度でき、解放もいつでも使えるだろう、しかし彼女からの通信がないのが気がかりだ、しかも使えた所で当たらなければ何の意味もない、誰かが動きを止めてくれなければ、アイツを一発で消し飛ばす威力の矢を射っても、一度外したらそれこそ終わりだ。それに先ほどは上手く使えた未来予知も、アイツは視た未来とは違う動きをしていて、この能力も対して当てにはならないことに苛立ちを覚える。
「流氷さん?聞こえる?俺ができる限り動きを制限させるから、全力の一撃をアイツに打ち込んで」
「青池君?なんでここに?……いいえわかったわ、任せるわよ」
私がそういうと彼は残像を残して私の前を横切る、そのまま狼に近づき高速で切り刻む。しかし車石先輩が相対した時もそうであったが、奴の回復速度は異常だ、だからこそ車石先輩の大剣も余り効果が無かった、彼の言う通り彼がアイツの動きを完全に予知すら要らない位動きを制限してくれる事を信じて、今一度あの力を使う。
「『解放』」
*
流氷さんが解放と言ったと言う事は、彼女も俺と同じ様な力を使えるのか、だったら頼もしい事この上ない。ならば俺もコイツの動きを止めてやる。ハエを落とすが如く俺自身を叩き落とそうとしてくるが関係ない、盾で受け止め逆にカウンターを入れる、喉元を斬り、そこからはこちらの独壇場だ。
「お前が原因なのはわかっているだから…お前は手も足も出せずに殺す!」
高速で縦横無尽に動き残像を作る、狼はどれが本物かわからずに攻撃をし続ける、どれを攻撃しても正解だ、だって質量はそこに残り続けてあるのだから。しかしその攻撃をいくら続けようと先頭に居る俺こそが本体と見破られなければ、俺に攻撃が直接当たることはない。前脚を斬り狼は仰け反る、まるで誰かに斬られた事を思い出して恐怖するように、棘が生えている尻尾も危険だろう、だからこそ斬る、斬る、斬る、斬る、斬る。そうして足の全てと尻尾も消え。顎の筋肉も斬りおとし口を開く事しかできないダルマを作る。
しかし狼も諦めない、何かを口の中で溜めて撃ち込もうとしている、なにかがマズい、奴の狙いは攻撃を当てる事の出来ない俺では無く、ただ向こうで力を溜め続ける流氷さんである事に気づくのは、そう時間はかからなかった。
「流氷さん!撃って!」
俺はもし間に合わなかった時の為に、流氷さんをいつでも回収できる位置まで移動する、あの狼が何をしようとしているかはわからないが、用心するに越した事はない。
*
彼からの合図が聞こえ、彼はこちらに向かってくる。未来を視てもコイツはその場から動けずにもがき苦しむだけ、しかしこちらに向けて何かを撃とうとしている。私の一撃とお前の一撃どちらが強いかの勝負。彼がこちらに向かってきたのは、もしもの時に、私を助ける為なのであろう、しかしそれは余計なお世話だ、私の残っている力を全て乗せる、これに撃ちかてるものなら、撃ちかって見せろよ…犬野郎!
「これが私達人類の一撃だ!くたばれぇえええええええ」
怒りを、憎しみを込め、あのレイダーという存在に向かって射つ。あちらも何かを撃って来はしたが、そんなものは意味も無く撃ち消される。狼は跡形もなく消え、そして無限に続くと思われていた夜景空間に風穴があき、どこまでも続くトンネルの様なものが見えて私の意識は遠のく、最後に誰かに抱えられた気がしたが、それが誰かなんて聞くまでもないであろう。
第八話 完
本日はこの小説を読んでいただき更に後書きまでも来ていただき本当にありがとうございます。
あらすじでも、申し上げたようになろうでも投稿はしていますので一日一話投稿はしていきますが待てないという、大変ありがたい感情を持って頂いた方は、なろうに行けば今書けている部分までは投稿されています。
そして毎度毎度ではございますがよろしければ、この作品の私的でも構いません、あんまり小説を読んだ事無い方でも構いません、できれば読みづらかったり、理解しづらかった文があればお教えいただけると幸いです、一先ず完結まで残り数歩という所まで来ているので直すのはすぐには出来ないと思いますが、ご指摘頂いた所を直せるよう精進していく所存であります
小説の文字数について
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このままの文字数でよい
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5000字の方がよい
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3000字の方がよい
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2000字の方がよい