綺麗な星に還るまで   作:鈴川 掌

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 本日はこの小説を開いていただきありがとうございます。
 本小説はwordから直接コピー&ペーストしているのでルビ振りの残骸があるかと思いますが、そこら辺は気にしないでいただけると幸いです。
 作品向上の為アンケートに答えていただけると幸いです。
 1度1話を試験的に上下に分けてみます。1時間後に下は投稿されますので、一日一話という縛りは変わりません1話分毎日投稿します。


第十話 偽りの星(下)

早雲さんが真剣な表情のまま目を閉じ固まっている、メモ帳の類は流氷さんが持っているとのことで、急ぎ彼女に持ってきてもらう、それにしても声が聞こえたとの事だが、もしかして早雲さんも守人になったりしてしまうのだろうか?それは少し嫌だなと考えていると流氷さんがこちらまでメモ一式を片手に持ってき、俺はそれを受け取り早雲さんに手渡す、早雲さんはそれを受け取ると目をつむりながら紙を一切見ずに文字を書き出していく。あれでちゃんと書けるのだろうか?等と疑問に思っていると流氷さんから声をかけられた。

「早雲先輩は何をしているの?」

「わからない、声が聞こえたって言って、それからずっとあんな感じだから…」

「そう、じゃあ終わるまで、待つとしましょうか」

「それもそうだね」

 今余計な事で口を挟んで彼女のやっていることが中断されでもされたら、何か大きなモノを失う可能性もあると考え、彼女を見つつ周囲の警戒をする。

 それから数分経ったのち彼女が目を開くとぐったりとし体が倒れそうになる、汗を滴らせ、息遣いが荒くなっているが、いつぞやとは違い体調は悪くなさそうだった。

「大丈夫ですか?早雲先輩」

「大丈夫です、それより今はここから脱出しましょう、この情報は私達だけで決めていい問題でもすぐに解決できる問題でもありません」

 彼女は少し焦っているような気もするし、そもそも問題とはどういう事だろうか?だが帰る事なら話は早い、彼女を抱きかかえ大穴の外に出ると暇そうにしている白鳥さんが立っていた。

「遅かったなお前ら、こっちは暇で、暇で」

 わざとらしそうな欠伸をするが、そんな事を場合ではないのか早雲さんは皆を一か所に纏める、こちらとしては何一つ情報が入っていないので彼女が何を知って、何を焦っているのかもわからないが、彼女はここに入った時と同じ様に跪き希う。

 早雲さんが夜景空間と現実を繋ぐ道標(みちしるべ)となった所で、普段と変わらす入る前に居た場所、といっても、全員で寮から出発したため全員寮だが、欠員も無く無事に戻ってこられた、早雲さんは帰ってくるなり慌ただしく車の手配をしている、私達だけでは決めていい問題ではないとの事だから、守護省本部に行くのであろう事が予想はできた。

 早雲さんに呼ばれた車に乗り込み、あの場所で何をしていたのかを尋ねる、彼女は少し考え口を開く。

「全ては守護省の会議室で話します、余り多くの人に話してもいい内容でもないですし、ですが唯一、ここで皆さんに皆さんだからこそ、二つだけ話せる事があります」

 それ程までに機密にしたい情報とはなんだろうか?と俄然(がぜん)興味が湧くがそれよりも唯一ここでも話せる内容を尋ねる。

「で、理恵さんその唯一話せる話って?」

「守人の力の源に付いてと、解放とは何かですね」

「守人の力の源って…確かに考えた事はありますけど…」

「それって天成についてって事だよね、理恵さん」

 白鳥さんが問い、流氷さんも興味を示す、俺も口に出さないがこの力がなんなのか、そして解放とは何なのかがわかるのは大きい、彼女は一度整理するように頷き。

「では、お話します」

 彼女は淡々とした口調で語りだす、天成の事、そして解放とはなんなのかを。

「まず私達は全く同じモノから力を得ているという事、を彼女から伺いました」

「早雲先、輩彼女とは?」

「彼女というのは…いえ、これは後程詳しくお話します」

「わかりました」

 彼女というのは誰なのだろうか?俺達が天成した時に出会った女の子を指しているのか、はたまた俺達には知る由もない誰かなのか、まぁそれは彼女が後で話すというのであれば、今聞く事ではない。

「全く同じモノというのは、結論から言ってしまいますと地球です。地球の意志を本来認識もできない所、をなんとか言葉にしてもらい、その意味を理解し言葉を周りに伝える者それが代弁者と呼ばれる人になります」

 地球が俺達を守る為に力を貸してくれているという事か?でも何故?早雲さんの言い方だと守人の力も地球のモノというのであれば、地球が俺達を守る事はできなかったのか?と疑問に思う。

「そして守人、彼女は守護者と呼んでいました。それこそがレイダーから地球を守る為に地球という存在から特別に力を与えられた者、それが貴方達、守人という訳です」

「アタシがすぐに理解できないという話は理解できた、お前はなんかわかったか?」

「思考放棄しないでよ、白鳥さん…でも早雲さん一つだけ疑問がある、レイダーから地球を守る事が地球にはできなかった、だから人間に力を与える事で間接的に地球を守ったそれはわかる、でもなんで俺達が選ばれたの?」

「それは私も思ったわ、肉体的に感覚的に優れている人なんてごまんといるそれなのになぜ私達だったのでしょうか?」

 早雲さんは首を振りながら答える。

「具体的な事はわかりません、ですが私の仮説でもいいのであれば、お話する事はできます、それでもよろしいですか?」

 一同が一度顔を、合わせ確認を取り頷く、それが真実でなくても彼女の仮説であるのならば、聞いておく価値はある。俺達は彼女の問の続きを待つ。

「では私の仮説です、仮説と言っても状況を見てこの話を聞かされて、思った事に過ぎません、貴方達でなくてはいけなかった理由は、恐らくないと思います」

 俺達である必要はなかった?この活動は誰にでもできるという事だろうか?と考えていると彼女はその言葉の続きを口にする。

「ですが、貴方達以外にはできなかったのでしょう、守人で居る資格それは…何かを守りたいと力強く願いそれを行動に移せた人こそが守人となれるのでしょう」

 確かにそれなら少しだけ合点がいくなぜ早雲さんは天成できなかったのか、あの亀裂を見て我先にと逃げる者でもなく、誰かを助ける為にのみ動いた者であるのならばその仮説も通る。

「わかりました、一先ずはそれで納得します、それで早雲さん解放については?」

「解放についてはなぜ瞬君と弓さんにできて、銃美さんと刃菜子さんができなかったのかは、わかりません。わかったのは力の源についてだけです。

「力の源?それが地球って、理恵さんがさっき言ってなかった?」

 確かに代弁者も守人も力の出所は地球と今さっき彼女が言っていたはずだ、それなのに地球以外からも力を借りている?それにしたってどこに借りられる場所がある?

「太陽系の惑星との事です、これは彼女が言っていた事で確定情報ではないですが、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星、この九つの惑星から力を借りる事が解放と呼ばれる行為との事と彼女は地球から受け取ったと言っていました」

「解放が太陽系の惑星と言われても実感はないですけど、レイダーに襲われている、地球である地球はまだしも、他惑星が手助けをするんですか?」

 流氷さんの言う通り、地球という一つの惑星が襲われているのは、俺達にとっては命に係わる重要な事だが、言ってしまえば他惑星にとっては、あずかり知らぬもいい所であろうに。

「それは嫌な話ですが、言ってしまえば地球は今、囮なのだそうです、地球という惑星に意志を持ち知恵を持ちレイダーという存在に抗う術を持った、人という存在それがいる間は他惑星には侵略してこない、自分の所に来てほしくないから力を貸す、恐らくそういう事なのでしょう」

 その早雲さんの返答に言葉を詰まらせる俺達、俺達が囮?その為に俺は記憶を無くして、未来に賭ける約束をした、流氷さんも片目の視力を失い、体半分の触感を失った、それだけじゃない沢山の人が死んだ、その理由が自分達の所には来てほしくないから?お前達でなんとかしろってことなのか?ふざけるなと叫びたくなる気持ちを必死に抑える。早雲さんは、それよりもやるべき事があると言わんばかりに、目的地に着いた車から降り言葉を発する。

「それでは守護省の会議室に行きましょう、いるのは守護省の責任者である円山さんだけです」

 悩むのは後で悩めばいい、だから今は彼女がなんとしても解決したいであろう案件を優先しよう、恐らく彼女というまだ見ぬ誰かも、この案件に深く係わっているはずだ。

「大丈夫?流氷さん」

「ええ、少し嫌な気分になっただけよ」

 言葉通り少し怒りを覚えたような苦笑いを浮かべ守護省の建物に入っていく。白鳥さんはすぐに早雲さんの後を追ったようだ、白鳥さん自体も万全な精神状況でもないだろう、そんな中、彼女が早雲さんを気遣ってくれるのはありがたい事だ。

 会議室に入り、早雲さんが扉に鍵をかけるそれ程までに重要な事なのだろう、円山さんも忙しいだろうに俺達が付く前から待っていてくれたようだ、俺達の飲み物が湯気だっているのに対し彼のコーヒーは湯気だっていない。

「では伝えた通り、緊急会議を私の方から開始しても、よろしいでしょうか?」

「わかっている、詳しく内容は聞いていないが、その口ぶりから凡その想像は付く」

 想像が付くと言っているが、俺達にもわからない事が本当に彼にはわかるのだろうか?会議が始まり、彼女が何故これほどまでに焦っていたのか、なぜ口外したくなかったのかの理由はすぐに語られた。

「この度夜景空間に行く事で手に入った情報は大きく分けて三つ一つは守人の事、これは彼らにも話しましたし、円山さんに話すのは後日でもいい内容でした、ですが残り二つの情報は早急に対処しなければいけない内容だと、私は考えます」

 早雲さんが一度円山さんの顔を見るが、彼はどうぞ続けてくれて構わないと言った表情を見せ、また彼女の口が開く。

「その二つの情報とは、山梨の生存が改めて確認できた事と、山梨の防衛はもう限界という内容でした」

「山梨、確かに代弁者達は山梨だけは、まだ生存反応があると口々にしていたが、まだ耐えているとは…それで君はどうする気なんだ?」

「そうですね、彼女恐らく山梨に居る代弁者が会いたいと口にしていたので明日もう一度大穴へ行き、明後日の12月25日に彼女に直接会いたいと思っています、けれど私だけでは会う事もできません守人の皆さんの協力があってこそです、どうかお力をお貸しください」

 彼女は深々と頭を下げる、自分達の他にはいないと思われていた生き残り、そしてその生き残りも限界を迎えている、確かに助けられるのは今しかないだろう。

「君達はどうしたい?行った時にレイダーの襲撃があれば、我々北海道は人堪りもない訳だが」

 痛い所を付いてくる、確かに行っている時にレイダーの襲撃があれば誰も守る者が居ない、かといって助けられるかもしれない人達を、みすみす見殺しにする事はできない。

「わかりました、ならばこうしましょう私が大穴の前で警戒をし、もし襲撃が来れば防衛もします。白鳥先輩には早雲先輩を運んでもらい、もしこれが敵の罠であれば青池君なら殲滅もできるでしょうし、そしてこちらに襲撃があっても貴方ならすぐ戻ってきてくれるでしょ?」

 こちらを向き確認を取ってくる、成程それは確かにいい案だ。行った先に誰も居なかったで待ち、来なければ来ないで帰ればいい、それはそれで悲しい事だが問題はない。敵の襲撃が来ても俺の最高速度であればすぐに戻る事も可能であろう。

「つまりリーダーは山梨を助けられるなら助けたいって事だよね?」

「リーダーって…貴方ねぇ、いつの話をしているのよ」

「なんだ?アタシらのリーダーって弓だったのか?てっきり、お前だと思ってたんだが」

「リーダー決めは稚内奪還作戦の時に決めたからね、白鳥さんが知らないのも無理はないね、話してもいないし。俺はその作戦に異論はないよ、ただ問題は彼らと会えるまであの大穴が続いてるかだけど…」

「それについては、問題はないと思いますあちらの方でも空間を破る程の攻撃を行い空間に大穴が開き、こちらを認識できるようになったとの事ですから」

「じゃあ決まりだな、アタシらで助けるんだ。山梨を」

「はい」「ええ」

「わかった、ならばこれより山梨救出作戦を始める、各々準備は怠らないように」

 円山さんの了承も得た、ならばもう迷うまい、同じ地球に住む数少ない生き残りを救いに行こう、俺達以外の人間がまだ生きている事を信じて。

 

第十話完




 本日はこの小説を読んでいただき更に後書きまでも来ていただき本当にありがとうございます。
 あらすじでも、申し上げたようになろうでも投稿はしていますので一日一話投稿はしていきますが待てないという、大変ありがたい感情を持って頂いた方は、なろうに行けば今書けている部分までは投稿されています。
 そして毎度毎度ではございますがよろしければ、この作品の私的でも構いません、あんまり小説を読んだ事無い方でも構いません、できれば読みづらかったり、理解しづらかった文があればお教えいただけると幸いです、一先ず完結まで残り数歩という所まで来ているので直すのはすぐには出来ないと思いますが、ご指摘頂いた所を直せるよう精進していく所存であります。
 厚かましいですが、できればこの作品に対する評価をお願い致します、評価を頂く事で自分の励みにもなりますし、低ければ文の書き方の訂正にも繋がりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

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