本小説はwordから直接コピー&ペーストしているのでルビ振りの残骸があるかと思いますが、そこら辺は気にしないでいただけると幸いです。
作品向上の為アンケートに答えていただけると幸いです。
1度1話を試験的に上下に分けてみます。1時間後に下は投稿されますので、一日一話という縛りは変わりません1話分毎日投稿します。
いきなりビンタをされた、初対面の人に名前を確認された後、ビンタをされるという経験は、金輪際得られる事のない貴重な経験かもしれない。そのような事を考えてしまう位には、いきなりの出来事であった、早雲さんも口をポカンと開けたまま固まっている、このような間抜け面を晒している彼女はとてもレアだ、すぐにでもカメラに収めようと思ったが、それはビンタをしてきた本人が許してくれない。
「それが、理恵さんがお前から受けた痛みの一部だ。次に理恵さんを悲しませてみろ、こんなもんじゃすまさねぇーからな?」
そう告げると早雲さんを連れて、そそくさと歩いていってしまう、早雲さん、彼女に俺の何を告げ口したんだ…。
その事を引きずり寮に帰ると、彼女達はまだ帰ってきておらず、叩かれた理由の心辺りも無い為、ここは同じ女性二人の知恵を借りる事にした。
「それで私達に頼った訳と…」
「そういう訳なんです」
「なんか失礼な事、理恵に言ったんじゃないか?」
「まぁそれ以外に原因はないでしょうね」
余りにも不可解だった為、通話アプリを起動し助言を求めたが、片や紙にペンを走らせながら、片やゲームの音を流しながら答える。説明中にも本のページを捲(めく)る音やまるでゾンビの呻き声を出しながらカチャカチャする音が聞こえている、開始時点で真面目に聞く気はないのだろうとは思っていた。
「少しは気遣ってくれてもいいんじゃないかな?」
「瞬ならどうにかなるって」「そーね」
投げやりな返答が返ってきた瞬間通話を切った。その後二件のメッセージが入ったが、頑張れという看板を持ったゲームキャラと可愛いウサギのスタンプが送られてきた瞬間、今度はスマホをベッドに投げた。
シミュレーション室に入り相も変わらず天成もせずに、因縁深い人形の前に立ち、抜刀する。カウントダウンが終わり、人形は一瞬で間合いを詰めてくる、人形の刃はこちらから見て右から左への一閃、それを右手の木刀で受け止め、そのまま人形の刃を抑えたまま左手の木刀で真上から斬りおとす、しかし人形は抑えていた木刀から強引に抜け出し左手の攻撃を防御する、ならばと今度は開いた右手で人形の胸を突く、しかしそれも寸での所で軌道を逸らされ、そのまま相手のカウンターに繋がってしまう、人形は突きに行った体制で前のめりになっている所を左に避けてから頭に一撃を食らわせようと試みるが、こちらも左の木刀で相手の刃の軌道を逸らし今度は防御が間に合わないように左手で相手の刃を下に向けさせ、体を捻りながら渾身の一撃を右手の木刀に乗せ首を斬り抜く。今度は前の様にこちらの攻撃など、気にもせず次の攻撃を仕掛けてくる事無く、そのままシミュレーションが終了した。
すると後ろから拍手が聞こえてくるが、まぁ相手は大体察せる、彼女であろう。
「お疲れ様です」
タオルを差し出してくれる彼女、俺はそれを快く受け取る。
「早雲さん…ありがとう」
タオルで汗を拭くと、彼女は手を差し出しタオルを回収する、恐らくここに来たのは十中八九白鳥さんに関わる話であろう。
「それで意味も理解できず、ビンタをされた後輩を慰めにきてくれたんですか?」
「それは二つ目の理由ですね、一つ目の理由はまた天成もせずに、人形と戦っていることを叱りに来ました」
ごもっともな意見だ、いくら安全面に配慮されているといっても木刀対木刀である事は変わらない、基本的身体性能が上昇した天成後であれば、蚊に刺される程度かもしれないが人体にその衝撃を受ければ最悪死ぬ可能性もある。
「まぁ勝つ自信もありましたし、実際勝てましたし…」
「そんな屁理屈を捏ねてもダメです、もう二度とこんな真似しないでくださいね」
「分かりました…」
彼女の不安そうな顔を見て、堪らず了承してしまう。
わかればよろしいと満足気な表情を残し、申し訳なさそうに今回の本題に入る。
「銃美さんの行動は、私を想っての行動だったんです、それだけは理解してあげてください」
「それは…そうでしょうね、流石に俺もあの人が誰彼構わず人を叩くような性格とは、思ってもいないですし、理由があるとしたら早雲さんが俺の何かを、言ったんでしょうね」
そもそも誰彼構わず暴力を振るう人間であるならば、早雲さんは禁(いさ)めこそすれ、あれほどまで尽くしはしないだろう。ならば理由は俺に対する愚痴か、苦言かそれともアレか。
「昨年までの私と貴方の関係性を話してしまいました、ごめんなさい」
正面を向き深々と頭を下げる早雲さん、やっぱりアレの話かそれならば、彼女の怒りも打倒な気もする。
「別にいいですよ、早雲さんがこの人になら、打ち明けられると思って話したんですよね?なら文句は無いですよ」
「でも…この話題にはもう触れないと、ただの先輩と後輩に戻る事を約束したのに、私は貴方の了承も得ず貴方の過去を話してしまいました、きっと私は誰かに自分の弱さを、晒し楽になろうとしただけなんです」
「お相子ですよ、それなら俺も刃菜子先輩と流氷さんに話しちゃいましたし」
すると彼女は驚いたような顔をし、すぐに嬉しそうな顔をする。
「そうですか…瞬君がこの話を他人に…それは嬉しいような、悲しいような」
「喜んでください、貴方のお蔭で虐められ痛みを知った子供が、これを話せるような友人を持ったんですから」
「だからですよぉ、瞬君に友人が出来たら一緒に居られる時間も、減っちゃうじゃないですかー」
早雲さんとこの関係になれただけで、姉弟としての家族としての、縁を切った事への後悔がほんの少し軽く感じられる。
「でもだから、白鳥さんはあれだけ怒っていたんですね、納得です」
この話には裏がある。表だけの事情を聞けば青池瞬は、拾ってもらって、育ててもらって、助けてもらっておきながら、自分が辛かったからという理由だけで、家族という大切なものを捨てたという屑になり。
裏を知れば、青池瞬はその家族から大切なものを与えられ、育てられ、自分の意志で進む事を許してもらった、これまた勝手な子供にはなるが、決して捨てた訳ではなく、手に入れる為に行動する事を認められ、親や姉から与えられたものを、返そうとするただの親孝行の一環に過ぎないのだ。
「まぁ、でもそんな第一印象じゃ、仲良くなるのは到底難しそうですね」
「そんなことないですよ、貴方が仲良くなりたいならそれも可能です」
どうやってだろうか?この恥ずかしい想いを、彼女に打ち明けろとでも言うのだろうか?
「本当の事を言う必要はありません、ただ貴方は私を私達を、傷つけたくなかったそう言うだけでいいんです」
それは殆ど全て話しているのと、変わらないのではないだろうか?本人も納得してもらってその上、俺の本音を隠すためにはどうすればいい事かを考えると、自分にとっても、彼女にとっても、悪くはない案を思い付いた。
「白鳥さんって、もう激しい運動とかしても大丈夫なんですか?」
「ええそれは大丈夫だと思いますよ、元々精神的に追い詰められていたというのが、一番の要因ですし」
ならばと、早雲さんに少しお願いをする、これは代弁者としてある程度の地位を持ち、守人の監督責任も任されていて、守護省にもよく行くことの多い彼女にしか頼めない事だった。
「それくらいの事ならすぐにでも許可もでると思いますけど、一応何時がいいとかありますか?」
「んー、じゃあ明日でお願いします、白鳥さんには俺から伝えておくので」
わかりましたと言い、彼女はトテトテと足音がなりそうな小走りで寮を後にする。
早雲さんがこんなに積極的に行動してくれているのであれば、俺もしっかりと彼女の所に行かなければならない。
早雲さんが一階で暮らしていはするものの、二階というのは女子専用という事もあって少しドキドキしながら登る、特に一階と変わっている所は無い、強いて上げるのであればフローラルな香りがする位だろうか?
1号室は流氷さん、2号室は亡くなってしまった円山さん、3号室は刃菜子先輩、そして4号室が白鳥さんと、部屋番号の下に書かれている表札を見ながら、4号室の前に立ち、一度深呼吸をする、そしてドアをノックしようとしていた時、隣から肩を叩かれる。
「なにしてんだ?お前…」
「白鳥さん?てっきり部屋に居るのかと思ってたんだけど…」
「風呂に入ってたんだよ、んで戻ろうとしていたら挙動不審にしているお前が、アタシの部屋の前に居た」
確かに幾ら寮とは言え、女子の区域に入り、あろうことか深呼吸をしてからノックをする姿は、大層変質者そのものであっただろう。
「これには理由があってね」苦しい言い訳が始まる。
「今日白鳥さんにビンタされたからもう一度、ビンタをされる事への心構えというかなんというか…あはは…」
「ああ昼のあれか、謝れって言うんだったら謝らねーぞ?それはお前が受けるべき報いだ」
そうその報いに関連する話をするために、遥々二階までビンタをされる覚悟で来たのを忘れていた。
「それの事なんだけど、もう少し詳しく話せば本当は誤解っていうのがわかるんだよ」
「誤解?どういう事だよ」
「いや早雲さんを悲しませたのは確かなんだけど、それにはれっきとした理由があってね」
「へぇー?どんな理由だって言うんだよ?あぁん?」
早雲さんやっぱり無理そうだよ、怖いよ?この人。今すぐにでも胸倉を掴まれて、殴られそうだよ。しかし本題はしっかり伝えなくてはならない。
「その理由を知る、チャンスを上げるよっていう、話をしにきたんだ」
「チャンスだぁーあ?そんな事関係ない、理恵さんを悲しませた理由を、もし本当に説明できるならここで証明しろ、ここで、今!」
「嫌だよ、話したくない。早雲さんを慕ってくれる気持ちは嬉しいし、俺は早雲さんと共通の趣味も持ち合わせていないから、そういう話をしてくれる人が居るっていうのは、早雲さんにとっても俺にとっても、早雲さんの気を休める事のできる友人は貴重だと思うから」
「理恵さんの気を休ませないようにしてるのが、お前だって言ってんだけど?」
話が進まない、だから結論だけ話して後は、乗ってきたら良し、乗らなかったらその時はその時だ。
「明日の昼、守護省が受け持つ森の中で実践的な戦闘訓練をする、もちろん俺と白鳥さんの二人でね。それにもし、白鳥さんが勝てば早雲さんと俺の事全て話すよ、俺に負けても俺の本心は話してあげる」
「あぁん?なんでだ?その条件を出されようが、アタシにはそれを飲む意味が無い」
「意味はあるよ?一つ、白鳥さんは、次から俺たちと一緒に任務にあたるから、特徴を知る必要がある、二つ、入院で鈍りに鈍った体を動かせる、そして三つ、白鳥さんは仲間を救えなかった、だから白鳥さんが弱くて救えなかったのか、それとも指揮系統の問題なのか、それとも二人がよわっ」
バシンという音が響く、昼のビンタとは比べ物にならない位には痛かった。
「全員生還したからって、調子に乗ってんじゃねーぞ?お前」
ドスの聞いた声で迫られドアを背にする、息が顔にかかり、恋愛小説であれば、さながら女子から迫られたキスシーンともいえる距離感で彼女は怒りを必死に抑えつつも、滾らせた視線を向ける。
「わるかったよ、言い過ぎた。でも一つだけ言わせて白鳥さん、明日の訓練は12時から始まって暗くなり始める16時には終わる、その間一本でも取れたら白鳥さんの勝ちでいいよ」
「なめてんのか?」
「なめてなんかいないよ、ただ本当に俺は早雲さんや両親以外にその理由を言う気がない。白鳥さんが早雲さんから感じた、何倍もの悲しみや苦しみを俺は直接見て感じた。だから言っておく。たかだか早雲さんが白鳥さんに話した情報のみが全てだと思うんじゃねーよ」
こちらも早雲さんの痛みは、自分だけが知っているという態度に腹が立っていたので、少し怒りの気持ちを混ぜて言い返す、実際彼女には俺が理由を言ったところで納得はできないであろう、そもそも理由も言うつもりが無い。
「だから明日一度でも俺に勝って、それは杞憂だったって思わせてよ、それじゃ」
迫られていた腕をどけ、俺は一階に戻る。少々言い過ぎたかも知れないと、後悔するのは今日の夜にしておこう。
*
アイツの言葉には何一つ嘘を言っているようには思えなかった、本当に理恵さんの事を想い、理恵さんを気遣っているように見えた、ならばなぜ?アイツは彼女を傷つけたのだろう、昨日までは真意がどうだろうと彼女の心に深い傷を残した奴を一発叩けばいいと思っていたが、あの目あの言葉を聞くと、真意が気になった。アイツの策に乗るのは癪だがそれを知るためにアタシは、残る時間を稽古場やシミュレーション室での訓練に充てた。
本日はこの小説を読んでいただき更に後書きまでも来ていただき本当にありがとうございます。
あらすじでも、申し上げたようになろうでも投稿はしていますので一日一話投稿はしていきますが待てないという、大変ありがたい感情を持って頂いた方は、なろうに行けば今書けている部分までは投稿されています。
そして毎度毎度ではございますがよろしければ、この作品の私的でも構いません、あんまり小説を読んだ事無い方でも構いません、できれば読みづらかったり、理解しづらかった文があればお教えいただけると幸いです、一先ず完結まで残り数歩という所まで来ているので直すのはすぐには出来ないと思いますが、ご指摘頂いた所を直せるよう精進していく所存であります。
小説の文字数について
-
このままの文字数でよい
-
5000字の方がよい
-
3000字の方がよい
-
2000字の方がよい