デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

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EX3-18, 自己満足の為の戦いⅢ

 鞠奈の身体の中から現れた茨は、完全に彼女の元から離れると少しずつ空間を侵食し始める

 

「これは、一体何が起こったんだ?」

「お兄さん! 鞠奈さん! 大丈夫ですか!?」

「オレは問題ない、だが……」

 

 そう言ったトーマが鞠奈へと視線を向けると、彼女の背中には大きな傷が出来ており傷口からは血が流れるようにデータが溢れ出していた

 

「これって、今すぐ治療を──「無駄、よ……」──鞠奈さん?」

 

 トーマに抱えられたまま、少しだけ身体を起こした鞠奈は言葉を紡ぐ

 

「まったく……ホントついてないわね……」

「鞠奈、大丈夫ですか!?」

「鞠亜……貴方も、少しは危機感持ちなさいよ……」

「今はそんな事言ってる場合では、今すぐ治療を──」

 

 鞠亜の言葉拒否した鞠奈は、自分の近くに居るトーマたちに視線を向けた後、笑みを浮かべる

 

「……お父様のため、そう自分に思わせてきたけど……私はずっと一人だった……けど、それを認めたくなくて……やり遂げればきっと、褒めてくれるって……けど、それも叶いそうにないわね」

「ずっと一人って事はないだろ」

「えっ?」

「鞠奈が私たちって言ってた通りです……貴方の側には、貴方を心配する人がずっといた」

 

 そう言った鞠亜は、鞠奈の近くに落ちていたプリミティブドラゴンの本を彼女に渡す

 

「あぁ……そうだったわね……この子が、ずっと……」

「……鞠亜、美九。鞠奈の事を頼んだ」

「トーマはどうするんですか?」

「あの茨を、叩き斬ってくる」

 

 そう言ったトーマは無銘剣を手に取り茨の中心部へと向かおうとした瞬間、彼の袖を鞠奈が掴む

 

「……鞠奈?」

「トーマ……この子も、連れて行ってあげて」

「いいのか?」

「えぇ……なんか、この子も怒ってるみたいだから」

「……わかった」

 

 鞠亜の言葉を聞き、プリミティブドラゴンの本を受け取ったトーマは単身茨の中心部に向かっていく。それを見送ると、鞠奈は呆れたような表情に変わる

 

「まったく……次から次に……スイッチの切り替えが、早い男ね」

「鞠奈、もう喋らないで。美九、破軍歌姫の力で──「もう、いいのよ」──ですが!」

「私ね、意外と満足してるの……こうして、最後に手を掴んでくれる人が来て……ただの願いじゃなくて、近くで誰かのぬくもりを感じられる……不思議ね、ただのデータの塊の筈なのに」

「データの塊なんかじゃありませんよ」

 

 鞠奈の言葉を否定した美九は、鞠奈に微笑むと頭を撫でる

 

「鞠奈さんは、こうして生きています。それは鞠亜さんも同じ……現実とかデータとか、関係ないんです」

「美九……」

「何かを願い、誰かを想う。それが出来ているなら……そのことが何よりも、生きている証です」

 

 空間を侵食し、マザールームを覆った茨の先を見つめながら美九はその言葉をかけた

 

 

 

 

 鞠奈の事を美九たちに任せたトーマは一人、茨の中を進んでいくと。その中心部に人型の影を見る

 

「……この気配、ファルシオンですね」

「お前の、その声は……」

「あぁ、いい声でしょう。私の創造者の声を模倣させてもらっているのです」

 

 目の前に現れた茨の化け物の声は、これまで何度もトーマたちの前に現れたイザクのものと同じ。その声を聞いたトーマの腕に力が入る

 

「……お前は、一体何なんだ?」

「私ですか、私は彼女に備え付けられていた自壊措置ですよ」

「自壊措置だと?」

「その通り、彼女と彼女に使用した禁書……その力は強大ですから万が一にも彼女が不要な感情を抱いた際はその存在をデリート出来るよう私は仕込まれた」

 

 

 目の前にいる怪物の言葉を聞いているだけで、トーマは怒りに飲まれそうになるが。それを抑えたのは手に握られていたプリミティブドラゴン、それに気づいたトーマが本に目を向けるとページの隙間から骨の龍が顔を見せていたが、すぐに引っ込む

 それを見たトーマは少しだけ表情を柔らかくし、思考を冷静にした後、目の前の怪物に聞く

 

「一応聞くが、不要な感情ってのは何のことを言っている」

「そんなの決まっているでしょう……希望ですよ。希望、目的を果たす為だけに作られた人形には不要な感情です」

「あぁ……そうかよ。それならもう──話すことは何もない」

 

 普段とは違う、鋭い視線を怪物に向けたトーマの周囲に青い炎が立ち昇り、無銘剣が火炎剣へと変化する

 

「行こう、プリミティブドラゴン……力を貸してくれ」

 

 それに応えるよう、プリミティブドラゴンのページは開かれる

 

【プリミティブドラゴン】

【エターナルフェニックス ゲット!】

 

「…………ッ!」

 

『烈火抜刀!』

 

 蒼炎がトーマの周囲を包み、骸骨の龍が身体を覆い尽くすと同時にトーマは走りだし、自身を包んでいた炎が霧散すると同時に中から現れたセイバーが目の前の怪物に斬りかかる

 

「はぁッ!」

「おや、恐ろしい。そんなに気に障りましたか?」

「当たり前だ……オレもこの子も、吐き気がするぐらい苛立ってるよッ!」

「それは失敬、他人の事を考えられずすみません。何分生まれたばかりのもので」

「減らず口をッ!」

 

 茨の触手を切り裂きながら、目の前の怪物に一撃を加えようとするセイバーだったが。その攻撃が当たる直前で不自然にラグが発生し防がれ続ける

 

「これは……」

「おや、気付くのがお早い。貴方の思っている通り彼女をデリートするついでに世界の権限は私が頂きました。なのでこのようなこともできますよ?」

 

 その言葉の直後、突如としてセイバーの身体は硬直し。触手の攻撃をもろに受ける

 

「ぐぁッ!」

「まだまだ行きますよぉ! ……っとそうでした、貴方のお仲間も苦戦中みたいですよ?」

 

 セイバーへ触手の攻撃を放ちながら、怪物はわざとらしく手を叩くと空間にモニターを表示する。そこに映し出されたのは異なる場所で戦っている士道たちの姿や、溢れ出てきたシミーから鞠奈と鞠亜を守る美九の姿。どちらも身体には無数の傷を負っており、表情も険しかった

 

「! みんな……こんっのォ!」

 

 全方位からセイバーへ向かって来た触手を、彼は背中から炎の翼を出現させることで焼き尽くす

 

「おや、まだそんな力を残していましたか。ですが所詮貴方はプレイヤー、私には────ッ!?」

「……うるさい」

 

 

 余裕の体勢を崩さなかった怪物だったが自身の思考よりも早く接近したセイバーに片腕を切り落とされる。すぐさま触手を使い自身の腕を修復した怪物だったが、目の前にいるセイバーの雰囲気が変わっていることに気付く

 

「おうあ、これはこれは」

「……叩き潰す」

 

 セイバーは火炎剣を一度地面に突き刺し、順手から逆手に持ち帰ると炎の翼を大きく広げて。怪物へと向けて襲い掛かった

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