デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

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第Ⅸ章, 七罪チェンジ
第9-1話, 紆余曲折


 今までとは異なる姿を目にし、困惑している士道たちの視線を受けた七罪は。息を呑むと贋造魔女を顕現させ、話しかけられるよりも先に姿を消す

 

「あっ──」

「……あー、とりあえず。時間も時間だし、今日の所は解散にした方がいいんじゃないか?」

「それもそうね。トーマ、七罪について、後でゆっくり聞かせて貰うから」

 

 琴里の見せた鋭い視線を受けたトーマは、背中に冷や汗をかきながら軽く頷いた

 

 

 

 彼女たちと別れた、美九に先に帰るよう言ったトーマはポケットに入っていたエターナルフェニックスを取り出して、その場に投げるとポンと言う音と共に煙の中から七罪が現れる

 

「やっぱ隠れてたか」

「…………」

「それで、どうだった?」

「別に、変な連中だなって思っただけ。聞きたいこと聞いたんなら、アンタもさっさと帰れば?」

「いや、まだ聞きたいことがある」

「聞きたいこと?」

 

 七罪の疑問が疑問符を返すと、トーマはその場に座り胡坐をかく

 

「七罪、お前は士道たちに自分の霊力を託しても良いと思うか?」

「思わない。それに、五河士道の事をまだ許してないし」

「そこに関してはお前の意思を尊重するから何も言わない……けど、やっぱそうだよな」

 

 そう上手くはいかないだろうと思っていたトーマは、苦笑すると七罪は不審そうにトーマのことを見る

 

「それより、アンタは結局何がしたかったわけ。中立とか言ってたと思ったら今度はアイツらにヒントを出したいとか言ったり。やってることがチグハグ過ぎるのよ」

「そうだな、確かにチグハグだ」

「わかってたわけ?」

「わかってた、けど、今回のオレの目的はお前にアイツらの事を知ってもらいたかっただけだからな」

 

 トーマの言葉を聞きた七罪は、わけがわからないと言った様子で彼の方へと視線を向けてくる

 

「オレはさ、そろそろ交友関係を広げてもいいんじゃないかって思ってるんだ」

「必要ない」

「まぁそう言うな」

「必要ないって言ってるでしょ……それに、アイツらだってどうせ今の私じゃ相手したくないでしょ」

 

 それだけ言い残し、七罪は姿を消す

 

「やっぱ、難しいか」

 

 彼女の心の中に積もってしまった負の感情、それをどうにかしようとトーマは思っていない。けれど、他者との関わりを通じてそれを少しでも和らげることが出来たら……そう思っていても、今の彼には具体的にどうすればいいのかわからなかった

 

 

 

 

 

 翌日、呼び出しを受けたトーマがフラクシナスまでやって来ると、琴里と令音が彼の事を迎える

 

「……突然呼び出してしまって、すまないね」

「いえ、オレも色々と話したほうが良いと思ってたので」

「そうよ令音、勝手に黙って動いてたんだもの、謝る必要ないわ」

「返す言葉もない」

 

 挨拶もそこそこに、トーマたちは会議室まで移動すると改めて彼に問いかける

 

「それで、今まで勝手に動いてたわけだけど……アンタは何がしたかったの?」

「それ、七罪にも昨日聞かれたな」

「つべこべ言わないでさっさと答えなさい」

「わかった……オレも目的は、七罪の交友関係を広げる事だ」

 

 その言葉に対して、琴里は疑問符を浮かべているがトーマは気にすることなく話を続ける

 

「オレがお前らと初めてあった時はそんなこと、考えてもなかったんだけどな。お前らと過ごして、少しだけ考えが変わった」

「そう」

「それで、少し希望を持ったんだよ。お前達なら七罪の中にある負の感情を和らげるんじゃないかってさ」

「成る程……それであんなわけわかんない行動してたのね」

「あぁ、オレの前にはお前達も見た本当の姿で来るんだが、士道の前に大人の姿で来たって聞いてな。中立って事にしてお前らの事を七罪に知ってもらおうとしたんだが」

「……あの様子じゃあ、見事に失敗したのね」

「そう言うことだ」

 

 情けないと言った様子のトーマを見た琴里は、軽く息を吐いた後、言葉を紡ぐ

 

「けど、トーマなりにどうにかしようとしたのはわかるわ……そもそも、一人でやろうとするのが間違いなのよ。私たちが何の為に存在してると思ってるわけ」

「……そうだな、オレがお前らの真似をした所で本職には及ばないか」

「わかればいいのよ、それで、これからどうするの?」

「とりあえず七罪を探して、お前らと話してみないかって聞いてみる」

 

 トーマがそう言うと、琴里は令音の方に視線を向ける

 

「まぁ、それしかないわよね。令音、七罪の居場所は見つかりそう?」

「……彼女の霊波隠蔽は高度なものだからね。広範囲に観測機をを回しているが、未だ反応は見受けられない……無論、既に臨界に消失(ロスト)しているという可能性もあるが」

「そう、トーマの方は何か見つける方法を知らないの?」

「基本的にはアイツからオレに会いに来ることが多いからな。近くに居れば何となくわかるが広範囲だと微妙だな」

「そうなると、やっぱり七罪からの接触を待つしかないか」

 

 姿を消した七罪を探す方法に関して、目立った意見も出ないまま時が流れ、気が付けば日も暮れる頃になっていた

 

「とりあえず、今日はここまでにしましょう」

「……そうだね、これ以上話をしても建設的な出ないだろう」

「あぁ、オレも帰って夕食を作らないといけないからな」

「夕食って、今日は美九も居るの?」

「少し前まで働き詰めだったらしいからな、今日の午後はオフらしい……また何かあったら連絡する」

「よろしく、こっちも七罪の所在がわかったら連絡するわ」

 

 琴里たちとの話し合いを終わらせたトーマは、フラクシナスから降りると商店街で買い出しをしているとスマホに着信が入る。美九あたりから連絡が来たのかと画面を見ると表示されていたのは万由里の名前

 

「何かあったのか?」

『何かあったわ、メギドが出た』

「メギドが? 場所は」

『商店街の近く、何を考えてるのかわからないけどとにかく急いで』

「あぁ」

 

 万由里から地図アプリを通じて情報を送ってもらったトーマは、すぐにその場所へ向かおう……としたが、現在自分の押しているカートに目をやるとカートを端まで寄せてから地図の場所まで向かった

 

 

 

 

 

 商店街から少し歩いた場所にある人通りの少ない路地、そこへやってきたトーマが周囲に目をやるがそれらしい影は見つけられない

 

「っと、場所は……ここの筈だが────!」

 

 背後に感じた悪意、それを感じ取ったトーマは咄嗟にその場から離れると火花が散り、ビルの影から二体のアリ型のメギドが姿を現した

 

「見た事ないメギド……いや、考えるのは後か」

 

【エターナルフェニックス】

 

 オレンジ色の炎から無銘剣が出現すると同時に浮かび上がったブレードライバーへ、トーマはエターナルフェニックスの本を装填する。瞬間、装填された本が開き、オレンジの炎がトーマの身体を覆い隠す

 

「はぁッ!」

 

 炎の中から斬撃が飛び、アリ型のメギドを弾き飛ばすと同時に炎は飛散しファルシオンの姿が露わになる。その姿を見て臨戦態勢へと入る二体のメギドに対しファルシオンも無言で剣を構え、戦いが始まる

 

「ッ!」

 

 一体目のアリメギドがファルシオンへと向けて放った拳をかわし、斬撃を放った後もう一体へと向けて蹴りを放ち距離を取り、無銘剣に音銃剣の本をリードする

 

【ワンダーワールド物語──音銃剣錫音】

 

「錫音、銃奏」

【重奏!】

 

 無銘剣から変化した音銃剣を銃モードへと変形させ、二体のアリメギドを銃撃し続けながらニードルヘッジホッグを音銃剣にリードする

 

『ニードルヘッジホッグ! イェーイ!』

 

 一度銃撃を辞め、銃口に金色のエネルギーがチャージされると近くに居た一体目のアリメギドに向けて銃口を引く

 

『錫音音読撃! イェーイ!』

 

 軽快な音声と共に放たれた黄金の針に貫かれたアリメギドは、腹に穴を開けたまま地面に倒れると泡となって消滅する。その様子を見た二体目のメギドはその場から逃げようとする

 

「逃がすか!」

 

 それを見たファルシオンは二体目のアリメギドの足を撃ち抜き、地面に叩きつけると音銃剣を剣モードに切り替え、エターナルフェニックスを音銃剣でリードする

 

『エターナルフェニックス イェーイ!』

 

 音銃剣の刀身にオレンジの炎が這い、集中したエネルギーが刃の上でビートを刻む。それを聞きながらファルシオンはアリメギドを見据え、トリガーを引く

 

『錫音音読撃! イェーイ!』

 

 振るわれた音銃剣の刀身から放たれた斬撃がアリメギドを真っ二つにすると一体目と同じように二体目も泡となって消失する。完全に敵を倒したファルシオンはその場で変身を解きトーマの姿へと戻る

 

「……どういう事だ?」

 

 目の前で倒したメギドの消滅の仕方、今までとは異なる消え方に疑問を覚えたトーマは泡となって消滅したメギドの跡を見つめながら、怪訝な表情を浮かべた

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