デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

122 / 128
第9-3話, 撤退戦、そして……

 プリミティブドラゴンへと姿を変えると、ベルトに装填された本より出現した骨碗が周囲に居たアリメギドを薙ぎ払う

 

「……大丈夫だ」

 

 本に触ったトーマがそう言うと、骨碗は動きを止めると本の中へと戻っていく

 

「その姿……大丈夫なのか? トーマ」

「あぁ、問題ない。事前に和解済みだ」

「安堵。それはよかったです」

 

 近くに降りてきた耶倶矢と夕弦に対して言葉を返した後、セイバーは改めて眼前に居る敵に視線を向け……エレンへ接敵する

 

「はぁッ!」

 

 セイバーが振るう火炎剣の刀身をカレドヴルフで受け止めたエレンは、刀身がぶつかり合った瞬間に感じた重みに眉をピクリと動かす

 

「剣が重い?」

「今のオレが剣に乗せてる思いは二人分だからな!」

 

 更に重量を力を込めて振るわれた火炎剣の刀身をエレンが逸らすと、セイバーは剣を振るった勢いを利用し回し蹴りを放ち、エレンの身体を大きく後退させる

 

「くッ────」

「まだだッ!」

 

 エレンを追撃するようにプリミティブドラゴンから骨碗が出現すると、真っすぐエレンに襲い掛かる。周囲から更に出現したアリメギド達がエレンを守るように骨碗に群がっていくがそれも薙ぎ払われる形で一掃されると、骨碗が振り下ろされる。

 一撃を避けた後、随意領域を操作して上空へと対比したエレンを追従する形で骨碗が彼女を追いかける、周囲の事へ意識を向けずセイバーはエレンと戦闘を行っているとそれを隙と見たアリメギドが次々と襲い掛かった……が、攻撃がセイバーに直撃するよりも先にアリメギド達は光弾で貫かれる

 

「お兄さん!」

「美九、そっちは大丈夫だったか?」

「はい、四糸乃さん含め皆さん撤退完了です、なので後は私たち四人が逃げれば任務完了です」

「わかった……耶倶矢! 夕弦!」

 

「どうした?」

「オレたちも撤退するぞ」

「質問。この化け物たちは放置して構わないのですか?」

「……あぁ、心苦しいが親を倒さないと無限に湧いてきそうだからな」

「ならば、ここに湧き出ている雑兵どもだけでも殲滅しておくとしよう」

「同意。そうですね、トーマ、夕弦たちに風双剣の本を」

「あ、あぁ」

 

 彼女たちに風双剣の本を渡すと、耶倶矢と夕弦の二人は手を繋ぎ、もう片方の手で本を包み込む

 

「ゆくぞ、夕弦」

「首肯。行きましょう、耶倶矢」

 

「「──双刀、分断!」」

 

 その言葉を紡いだ瞬間、二人の間に淡い緑の風が吹き、纏っていた限定霊装に忍者服のような意匠が追加される。霊装を纏った二人は片手にそれぞれ風双剣の片割れを構え、高らかに宣言する

 

「殲滅。行きます、夕弦たちの新奥義」

「八舞式疾風剣技────」

 

「「──回転ッ!」」

 

 互いの手に持った風双剣をブーメランのように投げると、風双剣の刀身が風を纏い周囲に居たアリメギド達を次々と切り裂いていく。まるで剣そのものが意思を持ったかのように木々を避け、周囲に展開していたアリメギド達を殲滅しきると風双剣はそのまま耶倶矢と夕弦の手元に戻って来る

 

「どうだ! 恐れいったか!」

「誇示。これが夕弦たち八舞の力です」

「凄いな……っと、とりあえずオレたちも撤退するぞ」

 

 周囲にいたアリメギドは耶倶矢と夕弦の手により殲滅されたことで、セイバーたち四人も撤退するために移動し、フラクシナスの手で回収された

 

 

 

 

 

 エレンやメギドたちと交戦をしていた同時刻、自宅のリビングいた折紙は玄関の外に何者かの気配を感じ取り、警戒をしつつ立ち上がる。

 折紙の住んでいるマンションはエントランスにもオートロックが施されているため、居住者が許可を出さなければマンションに出入りする事は出来ない。誰かが訪ねてきたわけでなければ、宅配便やセールスの可能性も低い

 

「…………」

 

 無言のまま壁の後ろに身を潜ませた折紙は、玄関の方に注意を払いながら、レッグホルスターに収めていた小型の自動拳銃を抜いた。

 それから程なくして、カチャリと小さな音が鳴ったかと思うとドアが開け放たれ、数人の男たちが部屋に入ってきた……が、その瞬間、ドアに取り付けられていたワイヤーが引っ張られ、男たちに向かって催涙スプレーが勢いよく噴霧された

 

「ぐわッ!?」

「な……これは……」

 

 まさか普通のマンションに侵入者防止用のトラップが仕掛けられているとは思っていなかったであろう男たちは狼狽の声を上げる。

 一方で、その様子を見ていた折紙は微かに眉を寄せた。入ってきた男たちの数が自身の想定より多い、交戦をしても、確実に勝てるかは微妙なライン。それを一瞬のうちに判断すると折紙は部屋を突っ切り、窓から外に出る。

 万が一の事を考えマンションの壁面には、無断で設置した簡単な足場がある。折紙はリズミカルにその足場を使って地面に降りた

 

「逃げたぞッ!」

「追え!」

 

 上方から聞こえてくる男たちの声を後目に、折紙は敷地内に隠していた靴を履いて街の方へと走り出す

 

「彼らは……」

 

 自分を襲撃してきた人物が一体誰なのか、逃走しながらそれを考えていた折紙だったが、思い当たる存在はいない

 

「いたぞ! こっちだ!」

 

 それをゆっくりと考える暇もなく、折紙の行く手を阻むように複数の男が行く手を塞いでいた。恐らく襲撃をかけたのとは異なる別動隊が居たのだろう。仕方なく脇道へと逃げるがその先は行き止まり

 

「……まったく、アレほど穏便にと言ったのに、結局はこうなるのですか」

 

 折紙の耳に聞こえてきたのは男の声、その声が聞こえたすぐ後、自分を囲んでいた男たちの背後からやってきた人物が姿を見せると優雅さを感じさせる動きで頭を下げる

 

「無礼を失礼しました、鳶一折紙さん」

「……あなたは?」

「私の名前はイザク、縁あってDEMインダストリーに所属している……しがない一般社員です」

 

 DEM、その言葉を聞いた折紙は僅かに眉を動かした。天央祭──ディーヴァの一件でDEMが動いていた事は聞いている……が、かの企業が自分に接触してくる理由がわからない

 

「一体、何の用」

「そうですね、端的に言えばスカウトです」

「……どういうこと?」

 

 警戒と困惑の表情を浮かべている折紙に対し、イザクは胡散臭い笑みを浮かべながら言葉を続ける

 

「実は、ウチにもあなたの戦闘技術を買っている者が居ましてね。その方が現在以上の待遇を約束した上で貴方をスカウトしたいと」

「……貴方達は、士道に危害を加える組織。信用はできない」

 

 士道が精霊と関わっている以上、目の前に居る組織が彼に危害を加えない保証はない。それこそ彼を人質にして精霊を手中に収める……といった手を取ることも考えられる

 

「あぁ、それならばご心配なく。五河士道及び彼の周囲に居る精霊については、当面の間、積極的攻撃をしない方針なので」

「……そんな言葉を信じろというの?」

 

 その言葉を聞いたイザクは、彼女の返答がわかっていたかのような反応を見せた後、言葉を紡ぐ

 

「信じるか信じないか、それは貴方の自由です……ですが、貴方が私たちの元に来るメリットは十分あるのですよ?」

「……メリット?」

「えぇ、我が社には貴方が現在使っているCR-ユニットものとは比べ物にならない性能のCR-ユニットが配備されています……それこそ、貴方のご両親の無念を晴らすことが出来るほどの、ね」

 

 その言葉を聞いた瞬間、折紙の表情が変わる。自分の過去を探られたことに関する不快だったらしい……だが、その直後、イザクによって発せられた言葉を聞き、彼女の表情は現在とは別の表情に変わる

 

「──五年前に天宮市南甲町を襲った大火災。そのとき、現場には複数の霊波反応が確認されていました。無論、この情報はDEMの極秘資料……ですが、あなたが私たちのスカウトを受けるのであれば、それを開示しても構いません」

「────ッ!」

 

 その言葉を聞いた折紙は、目を見開き息を詰まらせる。

 複数の霊波反応。それは他でもない士道の言葉を裏付けるものだった。五年前の大火災は士道の妹である五河琴里──イフリートが引き起こしたもの、そして折紙は炎の精霊を両親の敵だと追ってきた。

 だが、士道はそれを否定し、あの場にはイフリートとは別の精霊が存在したと言った。目の前に提示された情報、そして自分が今持っている以上の力。それを考えた後、折紙は目の前の男に視線を向ける

 

「──わかった。スカウトを受ける。だから……私に、力をちょうだい」

「ようこそ折紙さん、DEMインダストリーへ」

 

 その言葉を聞いたイザクは、笑みを浮かべたまま折紙の方へと手を差し出し、彼女もまた、差し出された手を取った

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。