デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

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第9-8話, 絶望が落ちてくる《前》

 人工衛星の落下が告げられてから少し後のフラクシナス艦橋……ではなく、住民たちが避難した天宮市の市街地。一人その場に立っていたトーマはインカムを使って向こう側に居る琴里に声をかけた

 

「琴里、そっちの準備は?」

『もう少し時間かかるわ』

「了解、それにしても空間震警報とは……DEM(あっち)はそこまでして精霊を殺したいのか?」

『でしょうね、それでそれを隠蔽するために今回の一件は空間震の所為にするつもりでしょうね』

 

 人のいなくなった街の上空を見ながら、トーマ一人街の中を歩きながら、現状について琴里に問う

 

「そう言えば、美九たちは?」

『心配いらないわ。地下から脱出準備を整えてるところよ、士道の回収も終わってるから準備が出来次第こっちで回収するわ……それより、そっちはホントに大丈夫なのよね?』

「問題ない。自分の身は自分で守れるし、もしもの時の保険もある……だが、十香たちのいる場所はシェルター並みの強度があるんだろう?」

 

 ふと思った疑問、それを琴里に問いかけると彼女は深呼吸をした後、答える

 

『──そうね、ランクBまでの空間震であれば、ほぼ間違いなく持ちこたえられるでしょうね』

「……と言う事は、それ以上の破壊力を持った攻撃には耐えられないって事か」

『話が早くて助かるわ。普通に考えれば問題ないはずよ。けど、少しきな臭いのよね』

「きな臭い?」

『えぇ、当該の人工衛星から、微かだけど魔力反応が検知されたのよ』

 

 琴里の言葉を聞き、トーマは眉をひそめた

 

「成る程、相手はまだ何かを隠してるって事か」

『そう言うこと、まだ詳しいことはわからない。でも、DEM社がただ人工衛星の残骸を降らせてくるだけとは考えづらいわ。何らかの方法で、大気圏を突破してくることだって考えられる。最悪の事態は想定しておくべきね』

 

 人工衛星の衝突によって考えられる最悪の事態、シンプルに考えるならば避難している人たちの死。ほぼシェルターと変わらない耐久を誇るあの施設から十香たちを逃がしているあたり、シェルターが耐えられない可能性も考えているのだろう

 

「美九たちを──精霊を狙うにしては、今回の手段は思い切りが良すぎるな」

『そうね、DEMも私たちが空中艦を持っていることは知っているはず。精霊が狙いっていうのなら、こんな手段を取るとは思えないわ』

「そうだな……だが、これ以上考えても仕方ない。とりあえず出来る範囲で被害を最小限に食い止められるよう努力はする。そっちも頼んだ」

『当然よ……それでトーマ、一つ聞きたいことがあるんだけど』

「どうした?」

『隔離部屋から七罪の姿が消えてるの、何か心当たりがあるんじゃない?』

「……あぁ」

『やっぱり、それで、大丈夫なんでしょうね』

「問題ない……と思う」

『そこで自信なくなられると不安になるんだけど』

「まぁ、もしもの時は無理矢理そっちに送るから心配するな」

 

 それだけ言ったトーマは琴里との通信をさっさと切り上げて改めて上空を見上げ、七罪へ声をかける

 

「七罪、このままだと場合によっちゃ心中することになるが────」

『アンタと一緒に居るわ』

「……オレとしては、出来れば退避しといて欲しいんだが?」

『する必要ないでしょ、私が死んだところで他の奴らも清々するだけだろうし』

 

 相変わらずと言った様子の言葉を聞いたトーマは、軽く頭を掻いてから言葉を発しようとするが、それよりも先に七罪が言葉を続けた

 

『それに、別にアンタとなら私は死んでも……』

「……そうか。けど、流石に今は死ぬわけにはいかない。だからあの降ってくるのぶっ壊して、絶対にお前と一緒に生き残る」

 

 トーマはそれだけ言うと、火炎剣を顕現させた後、気合いを入れ直して上空を見据える

 

 

 

 

 

 場所は変わりフラクシナスの艦橋

 

「D3地下施設より、十香ちゃんたちを回収しました!」

「随伴機関員十三名も回収完了!」

「遠隔操作で施設隔壁を閉じます!」

 

 空間震警報がなり、地上に降りたトーマ以外の人が街からいなくなってからおよそニ十分、クルーの報告が艦橋に響くのを確認してから、琴里は唇を開いた

 

「よろしい。トーマは?」

「配置についています」

「七罪は?」

「残念ながら、反応確認できません」

「そう」

 

 琴里は短く答えると、改めて現状に目を向ける。元々変身能力を持ち、霊力を完全に隠蔽することの出来る七罪が簡単に見つかると思っていない。それに、七罪が消えたのはトーマとの会話を終えた直後、だから彼女が何処にいるのかはトーマが知っている筈、と考えていると

 

「! 司令! 人工衛星が降下を開始しました!」

 

 モニタに映し出されていた赤いアイコンが点滅を始め、艦橋下段の箕輪が声を上げた。通常であれば人工衛星が落下する際は、徐々に衛星軌道を外れ、地球の周囲を回りながら、大気や重力の影響を受けてゆっくりと高度を下げていき、大気圏に突入して燃え尽きる。

 だが、モニタに表示されたアイコンは、衛星軌道上からまるで垂直線に轢くかのように真っ直ぐ地球に向けて落下していた……それは、明らかに異常な事態だった

 

「──来たわね」

 

 琴里はぺろりと唇を舐めると、手を掲げクルーたちに指令を発する

 

「すぐに落下予測地点を割り出して! AR-008三号機から五号機までを並列駆動、いつでもミストルティンを撃てるようにしておいてちょうだい! それとトーマにも連絡、ポイントを移動させてちょうだい!」

 

 人工衛星の落下地点を正確に予測するのは、通常であれば非常に困難な事である。だが、フラクシナスに搭載されたAI──鞠亜の演算性能を以てすれば、誤差数キロメートル程度の範囲で予測地点を割り出すことが可能。ターゲットが明確に落ちてくるとわかっているのなら、なおさらである

 

「了解! AR-008、三号、四号、五号、魔力生成開始!」

「落下予測地点、出ました! 天宮市東天宮付近を正確に目指しています!」

 

 幹本の報告を聞いた琴里は、すぐさま次の指示を出す

 

「すぐトーマに回線を繋げて」

「了解」

 

 中津川がコンソールを操作すると、モニタの端にトーマの姿が映し出された。背景が絶え間なく動いているあたりどうやら彼も移動中らしい

 

「トーマ、聞こえる?」

『──あぁ、聞こえてるし、どこに落ちるのかも把握済みだ』

「話が早いわね」

『目は良いからな、それで、迎撃準備は?』

「もうすぐ整うわ、貴方がそっちで備える必要も────」

 

 そこまで言ったタイミングで艦橋に設えられたスピーカーから、緊急事態を告げるブザーが鳴り響いた

 

「っ、何事!?」

「こ、これは……人工衛星の落下速度が、急激に上がっています!」

「なんですって……!?」

 

 琴里が眉をひそめると同時に、モニタに件の人工衛星の姿が映し出された。四角い本体の両脇にソーラーパネルのついた機体、その上部に阪神を埋めるような格好で、何やら不格好な丸い物体が取りついていた。そうたらその箇所が知らスターの役割を果たし、落下速度を上げているようだった

 

『どうやら問題発生みたいだな……こっちで時間を稼ぐから迎撃準備を任せた』

「ちょ、トーマ! 待ちなさい!」

 

 そう言った琴里だったがそれを完全に聞くよりも早くトーマとの通信が切られた。いつも通り独断専行をするトーマにこちらが迎撃するのを見越したかのような落下速度の加速。芳しくない状況であることに間違いのない琴里は艦長席の手すりを叩きながら立ち上がり、艦橋下段に声を飛ばした

 

 

 

 

 

 琴里との通信を切ったトーマは上空から落ちてくる巨大建造物を見上げた後、ソードライバーと火炎剣烈火を顕現させる

 

「さてと……気合い入れるか」

 

【ブレイブドラゴン】

【キング・オブ・アーサー】

 

「変身!」

 

 ベルトにライドブックを装填したトーマは勢いよく火炎剣を引き抜くと、自身の正面へ向けて斬撃を飛ばす。瞬間、炎が彼の身体を覆いセイバーへと変化すると、そこにアーサーの鎧が装着され、火炎剣を持っていた腕とは反対の腕に一本の剣──キングエクスカリバーに握られた

 

「……っと、そう言えば七罪は」

『ここよ、ここ』

「やっぱその姿だとホルダーに移動するんだな」

 

 七罪の声が聞こえてきたのはライドブックが収納されているベルト横のホルダー。トーマはそちらに目を向けてから落下を続ける衛星、そして砲撃の準備を進めるフラクシナスへと目を向け

 

「よし、後はタイミングを合わせて────今だッ!」

 

『必殺読破────キングスラッシュ!』

 

 フラクシナスからの砲撃──ミストルティンが放たれるのと同時に、セイバーがキングエクスカリバーを振るう。上空へ斬撃が放たれると同時に、背後に出現した同形状の大剣からも斬撃が放たれる、膨大な魔力の塊と重なり威力を増した巨大な斬撃、その二つのタイミングが上手く重なりターゲットを撃破する……筈だった

 攻撃が衛星と接触しようとした瞬間僅かに歪み、弾かれるような形でターゲットの一部のみを貫いて空へと消え、人工衛星は重力に引かれる形で落下を続けている。

 

 

「攻撃が、弾かれた?」

『弾かれたって、失敗したって事?』

「あぁ……にしてもマズいな。次はどうす────ッ!?」

 

 次はどうするか、それを考えるよりも先に轟音が空に響く。想定外の事が続く中、次に何をするべきかを考えるよりも先にセイバーの眼前に異形の怪物──キリギリスメギドが出現する

 

「メギド……こんな時に──ッ」

 

 出現してすぐに放たれた攻撃を防いだセイバーは上空の様子を伺いながらキリギリスメギドに切り裂く、大きく後退した眼前の怪物を見据えセイバーはソードライバーに装填されている二冊を引き抜き、新たにドラゴニックナイトのライドブックを装填する

 

「あんまり時間をかけるわけにはいかないからな。さっさと終わらせる!」

 

『烈火抜刀! Don`t miss it!』

【Dragonic knight!】

『ドラゴニックナイト! すなわち、ド強い!』

 

 炎を纏いながらドラゴニックナイトへと変身したセイバーはドラゴニックブースターに火炎剣をリードする

 

『スペシャル! ふむふむふーむ……』

 

 特徴的な電子音が鳴り響くと同時に火炎剣の刀身から炎が溢れ出し、荒れ狂う

 

「一撃で、焼き尽くす!」

 

『完全読破一閃!』

 

 火炎剣を全力を振るうと斬撃が炎の奔流と共に放たれ、キリギリスメギドを飲み込んだ。同時に上空でも激しい光を伴う高出力の一撃が人工衛星を影も形もなく消滅させた

 

『次から次へと、何なの一体……』

 

 ライドブックへと姿を変えてその一部始終を見ていた七罪は若干疲れたような声でそう言うと、トーマは若干の明るさを残す空へと目を向ける

 

「さぁな……だが、人工衛星は消滅────してない? いや、違う」

 

 放たれたあの一撃は確実に人工衛星を消滅させるほどのエネルギーを持っているとセイバーは感じていた、にも関わらず人工衛星はそこに存在している

 

「まさか……さっきまで見てたのは囮かッ」

 

 それに気づいたセイバーはすぐさまフラクシナスとの通信を繋げる

 

「フラクシナス! 聞こえるか!」

『……あぁ、聞こえているよ』

「令音さん? あれって人工衛星の二基目であってますよね?」

『……あぁ、その通りだ』

「やっぱり、けど二基目もさっきの一撃で────」

『……悪いが、それは無理だ。先の一撃──グングニルは琴里の力も借りて撃つ一撃、連発は琴里にも、フラクシナスにも負担が大きすぎる』

 

 令音のその言葉を聞き仮面越しに苦い顔を浮かべた後、言葉を返す

 

「わかりました、こっちでも出来る事はやってみます」

 

 それだけ言い残して通信を切ったセイバーは改めて人工衛星へと視線を向け、火炎剣の柄を強く握ると改めてドラゴニックブースターに刀身をリード。炎を纏った斬撃を人工衛星へと向けて放つが、一基目の人口衛星同様に不自然に軌道が逸れる

 

「やっぱりダメか……だが、もう一発!」

 

 その後も二発、三発と斬撃を放ったセイバーだったが人工衛星を破壊することは出来ず四発目を放とうとしたタイミングで身体の力が抜け、膝をつき、変身が解除される。その様子を見た七罪も変身を解除するとトーマの事を支える

 

「ちょっと、大丈夫!?」

「あ、あぁ……大丈夫……それより、お前も早く逃げろ」

「そんなこと出来る訳ないでしょ」

 

 七罪に支えられる形で立ち上がったトーマが、空を見上げもう一度聖剣に手を掛けようとした瞬間、周囲に冷風を感じた直後、背後に気配を感じそちらへ視線を向けると、避難している筈の士道と精霊たちが居た

 

「! 士道……それに、お前らもなんで……」

「一人で無茶してるみたいだったからな、助けに来た」

「助けにって……」

「心配はなっしんぐですよ、お兄さん。ちゃんと琴里さんの許可は貰ってますから」

「くく、そう言う事だ。後の事は我らに任せトーマは休んでいるとよい」

倚信(いしん)。後は夕弦たちにお任せください」

 

 士道たちの言葉を聞いたトーマが上空を見上げると、人工衛星をせき止める莫大な密度の風圧と氷で編まれた壁が静止させていた

 

「そうだな……すまん、後は任せた」

「おう! 任された!」

 

 トーマは身体の力を抜いてその場に座り込むと、彼の近くまで美九がやってくる

 

「お兄さん。いつもの本、貸してもらっていいですか?」

「あぁ、わかった」

 

 美九にそう言われたトーマはアメイジングセイレーンを彼女に手渡す

 渡された本をしっかりと受け取った美九がほんのページを開くと、秘められた力が解放され彼女の纏っていた霊装が本の力で強化された

 

「あ……っ!」

「む? 何だこやつ、急に勢いを増しよったぞ」

「奇異。なにやら作為的なものを感じます」

 

 美九が本を受け取り、その力を解放した直後。落下する人工衛星をせき止めていた三人が声を上げた。それを聞いたトーマたちが顔を見上げると人工衛星は先ほどよりも勢いを増し、落下を続けている

 それを見た美九は両手をバッと広げ、そのまま身体の前で交差させる

 

「これ以上は……させませんよ!」

 

 美九が手でなぞった軌道を追うように光の鍵盤が現れ、背後には巨大なパイプオルガン型の天使が顕現する

 

破軍歌姫(ガブリエル) 【行進曲(マーチ)】!」

 

 美九が叫ぶのと同時、細い指が光の鍵盤の上を踊っていく。すると天使から勇ましい音色が響き渡り人工衛星を押しとどめていた風と氷の壁がさらに強度を増す

 

「ありがとう……ございます」

「くく、やはりこの曲はよい。血沸き肉躍るわッ!」

「渾身。ナイスアシストです」

 

 美九の天使──破軍歌姫(ガブリエル)は音色を変え、その音色に沿った効果を対象に付与することが可能な天使。そして【行進曲(マーチ)】は聞いた者の心と身体を奮い立たされ、通常以上の力を発揮させる効果を持っている

 その曲を聞いた四糸乃と耶倶矢、夕弦は溢れてくる力に声を弾ませ、トーマや士道も自分の身体に力が漲るのを感じていた

 

「よし……これなら! 十香、一緒にあのデカブツを破壊するぞ!」

 

 力が漲ったのを感じた士道は人工衛星を破壊するため十香に言葉をかける、彼女は難しげな顔をして首を横に振る

 

「いや、駄目だ」

「駄目って……あぁ。そう言えば、そうだったな」

「? どういう事だ、士道」

「琴里から聞いたんだが、あの人工衛星には爆破術式が仕掛けられてるらしい。下手に破壊するとそれが作動しちまうから壊すならもっと高所じゃないと」

「成る程……と言うか士道。お前、さっき爆破術式の事忘れてなかったか?」

「……言うな」

「まぁそこはいいか……それよりどうするんだ? ここで壊せないなら────」

「くく、そんなの決まっておるだろう。ここで破壊することが叶わぬならば、空に押し戻せばよい」

「首肯。それしか方法はありません」

「成る程、ここで壊せないならもっと上で壊せばいい……か」

 

 トーマが納得の声を漏らすと、耶倶矢と夕弦は顔を見合わせて笑みを浮かべる

 

「くく、そういう事だ……空へ押し戻す役割は我ら万象薙ぎ伏す颶風の御子、八舞が引き受けた」

「請負。夕弦たちの手にかかれば、この程度のお荷物はポイーです」

 

 自身ありげにそう言った二人だが、その頬にはうっすらと汗が滲んでおり、誰から見ても強がっているようにしか見えなかった。それに気づいたトーマは懐から風双剣の力が秘められた本を取り出し、二人に差し出した

 

「二人とも、この本使ってくれ。少しは役に立つと思う」

「くく、そういう事なら使わせてもらおう」

「感謝。ありがとうございます」

 

 差し出された本を受け取った二人は共同作業で本を開くと、中から溢れ出た風の力が二人を包み込み限定解放した霊装に風双剣の彩りを加えていく。強化された限定霊装を身に纏った二人は互いに頷き合うと同時に両手を広げた

 

「さぁ……いくぞ、夕弦」

「応答。いつでもどうぞ」

 

 二人の言葉と同時に渦巻いていた風が一層勢いを増し、周囲の標識や信号機などを巻き込みながら、巨大な竜巻に変貌していく

 

「う、ぉ、りゃぁぁぁぁぁぁっ!」

「渾身。ていやー」

 

 二人によって巻き起こされた風は人工衛星を少しずつ、着実に人工衛星を押し返していく

 

「お、おぉ……!」

「この調子で行けば────っ!」

 

 少しずつ人工衛星が押し返されているのを見て、自然と士道の拳を握る力が強くなるのを感じた。そして士道の隣でそれを見ていたトーマもこの調子ならばと確信した瞬間、空から八舞姉妹へ向けて小さなミサイルのようなものが飛んできた。ギリギリで気付くことの出来たトーマは咄嗟にファルシオンへと変身し、その攻撃から二人の事を庇う

 

「ぐ……ぅあっ!」

「トーマ!」

「狼狽。大丈夫ですか!?」

「……美九の行進曲のお陰で何とかな」

 

 そうは言ったトーマだったが二人を庇いダメージを受けてからすぐにファルシオンの状態を維持できず、元の姿へと戻った

 一方でトーマに庇われた二人はダメージこそ受けなかった、咄嗟の事態で集中力を欠いた事により風が弱まり、上昇しかけていた人工衛星が再び氷の壁へと落ちてくる

 

「トーマ! 大丈夫か!?」

「あぁ、二人にも言ったが美九の強化の強化のお陰で何とかな……それよりも士道、来るぞ」

 

 ダメージを受けたトーマの視線を追って、士道が上空を見上げ──息を詰まらせた

 

「っ、あれは……!」

 

 空の彼方から現れたのは無数のバンダースナッチ。真っ直ぐとこちらに向かってきた機械の大群は、正確な数こそわからないものの少なく見積もっても五十体以上はおり、それぞれが手足に様々なCR-ユニットを纏い、臨戦態勢を取っている

 全員が無数のバンダースナッチに対して警戒を強めた瞬間、士道たちへと襲い掛かった

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