デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

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第7-6話,現代Ⅵ 急転Ⅱ

『必殺読破!』

 

 セイバーは紅蓮の炎を纏った刃を使い襲い掛かってくるシミー達を切り裂いていく。戦闘をしながら美九や士道たちの方を確認すると十香は士道を守りながら戦っているが少しずつ劣勢になって来ている

 

「このままじゃ流石にまずいか……なら──」

 

【ワンダーワールド物語 土豪剣激土】

【玄武神話】

 

 セイバーが土豪剣のブックを聖剣にスキャンすると剣の形状が火炎剣から土豪剣に変化する。時間をかけるわけにはいかない為、取り出したライドブックをリードするとライドブックから溢れ出たエネルギーが溢れ出し巨大な刀身を作り出した

 

「全員、伏せろぉッ!」

『激土乱読撃!』

 

 セイバーはその言葉と共にトリガーを引き、土豪剣を横薙ぎに振るう。声を聞いた十香や美九たちはその場に伏せて耶倶矢と夕弦の二人は空に飛びあがることでその一撃を避けた。避けきれなかったシミーは斬撃を受けると同時に爆発した

 

「物量で押す作戦も、無駄だったみたいだな」

「これで形成逆転ですねぇ」

 

 セイバーと、彼の隣にやってきた美九がそう言うがイザクは余裕の表情を崩さない

 

「何か言ったらどうですかぁ?」

「えぇ……そうですね、この勝負──私の勝ちです」

 

 イザクがその言葉を発した瞬間、二人の背後にカリュブディスが現れる。咄嗟の事で油断してしまっていたセイバーは振るわれた戦斧の一撃避けきる事が出来ず弾き飛ばされ、美九はカリュブディスに拘束される

 

「美九ッ! トーマッ!」

「貴様ッ!」

「おっと、動かないでください」

 

 十香たちは美九を拘束しているカリュブディスの元まで向かおうとするが、そんな彼女たちを制するようにイザクは言葉を発した

 

「ディーバの命は我々が握っている……あなた達が迂闊に動けばどうなるかは──理解していますね?」

「くっ──」

「物分かりが良くて助かります。それじゃあ私も早急に目的を果たすとしましょうか」

 

 美九が人質に取られているという状況で不用意に動くことのできない士道たちを見たイザクは笑みを浮かべると、カリュブディスが拘束している美九の元まで近づいていく

 

「何を、するつもりですか?」

「貴方に危害を加えるつもりはありませんよ。ただ──貴方の持っている力を頂くだけです」

 

 その言葉を発すると同時に手をかざすと、美九の身体から淡い水色の光ヶ溢れ出しカリュブディスの中に流れ込んでいく

 

「な、何ですかこれ──身体の力が────」

「貴方の霊力を頂いているだけです。ただ……霊力が完全に消え去った結果どうかるかは、私にもわかりませんがね?」

 

 辛うじて意識を保っていた美九だったが、霊力を奪われ続けている影響か少しずつ意識が薄くなっていく。このままでは彼女の命も危ないのではないか、そう思わせるほどに美九が消耗を始めた瞬間、吹き飛ばされていたセイバーの方から放たれた弾丸がカリュブディスに当たり火花を散らす

 攻撃が放たれた方にイザクが目を向けると、そこにいたのは銃形態にした音銃剣を構えているセイバーの姿、セイバーに意識が向いた瞬間、耶倶矢と夕弦によって美九は救出され、獲物を奪われたカリュブディスは少し忌々し気なリアクションを取り攻撃を仕掛けようとするがイザクがそれを制す

 

「殺せてる……とは思っていませんでしたがしぶといですね、貴方も」

「……お前、美九に何をした」

「先ほども言ったでしょう? 私はディーバから霊力を頂いただけです……本当はもう少し欲しかったのですが、まぁ妥協点でしょうね」

「お前ッ!」

 

 その言葉を聞いた瞬間、セイバーはイザクの方へと向かっていくが。意に介した様子の無い彼はカリュブディスに腕を突き刺し一冊の本を取り出し、開く

 

【泡沫のマーメイド】

 

 開いた本から放たれた衝撃波はセイバーを吹き飛ばし、本の中から現れた泡が怪物を形作る。女性的なラインをした怪物は歌姫を思わせる装飾に身を包み全身を魚の鱗が覆っていた、醜悪な人魚姫を思わせるその怪物は誕生と同時に悲鳴のような声を会場全体に轟かせる

 

「くっ、はは……やはり、やはりかッ! はっはっはははははッ! やはりそうだッ!」

「お前、何を笑って──」

「いや、失敬。仮説が立証され少々舞い上がってしまいました──さて、それでは次はその剣を頂きましょう。行きなさい」

 

 イザクのその声に反応するように新たに生まれたメギド──マーメイドメギドとカリュブディスはセイバーに襲い掛かる

 

「トーマッ!」

「俺は大丈夫だ! それよりお前達は──」

ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!! 

 

 二体のメギドを相手に戦っていたセイバーだったが、彼が士道たちに対して言葉を発する前にマーメイドメギドが叫び声を上げた。悲鳴を思わせるその叫び声を聞いた瞬間──セイバーの身体から急激に力が抜けていく

 

「なんだこれ──力が……ぐぁッ!」

「ど、どういうことだ。身体が重いぞ!?」

「困惑。力が……抜けていきます……」

 

 急激に体から力が抜けていく感覚に襲われたセイバーはその直後に受けた攻撃によって吹き飛ばされ、トーマの姿へと戻った、そして、力が抜けていく感覚に襲われたのはトーマだけでなく、士道や十香たち精霊にも同様の現象が起こっているようだった

 イザクは目の前で起こった現象を興味深げに見ていると、彼の隣に立つようにDEMのウィザード──エレンが舞い降りた

 

「成る程、これが新たなメギドの力ですか。本がメギドの体内に取り込まれている以上一度召喚した後の取り回しが面倒ですが強大な力である事に変わりはない」

「検証は終わったようですね、イザク」

「……お陰さまで、貴方はこれからお仕事ですか? エレン」

「えぇ、今回の目標は夜刀神十香、そして五河士道なのですが……あなたのお陰で随分と捕獲しやすい状況のようですね」

 

「させると……思うか?」

 

「おや?」

「……ほう」

 

 顕現装置を身に纏ったエレン、そして二体のメギドを引き連れたイザクの前に立ちふさがるようにトーマは立ち上がると聖剣の切っ先を向ける

 

「随分と消耗しているご様子ですが、その状態で私たちの相手が出来るとでも?」

「出来る出来ないじゃない、やるんだよ……耶倶矢、夕弦、四糸乃。三人は十香と士道を連れて逃げろ」

「トーマ、でもッ!」

「いいから、早く行け」

 

 無銘剣へと戻った刀身で身体を支えるように立ち上がったトーマはエターナルフェニックスのライドブックをベルトにセットすると炎に包まれファルシオンへと姿を変える

 それを見たエレンと二体のメギドはまずファルシオンが障害になると判断し、襲い掛かる

 ファルシオンは、斬りかかって来たエレンのレーザーブレイドを無銘剣の刀身で受け止め滑らせるように前に移動し戦斧を振り上げたカリュブディスの腹に蹴りを入れ後退させる

 

ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!! 

 

 少し離れた場所にいたマーメイドメギドは衝撃波を放ちガルシオンを攻撃しようとするが炎の翼を展開すると同時に聖剣を納刀、襲い掛かってくる衝撃波を回避しながらもう一度抜刀し炎の斬撃を放つ

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 三人に対応していたファルシオンだったが今までの消耗が影響しているのか戦いを続けるうちに劣勢を強いられながらも視線を背後に向ける。そこには既に士道たちの姿はなく逃げられたのだと安堵する

 

「……イザク、私は彼らを追います。ここは──」

「えぇ、私もメギドの力をもう少し見たい」

 

「待て──ッ!?」

 

 士道たちを追うためにこの場所を離脱しようとするエレンをファルシオンが追おうとする──しかし、それを二体のメギドに挟まれ思うように移動することが出来ずカリュブディスの放った一撃を受けたファルシオンは、変身が解除されトーマの姿になると同時に意識を失った

 

 

 

 

 

 

 トーマが意識を失ったことを確認したイザクは、笑みを浮かべながら地面に突き刺さっている無銘剣へと歩みを進めていく

 

「くっ、はは。これで、聖剣も私のものに──」

 

 無銘剣の眼前までやってきたイザクは、笑みを浮かべながら剣の握りに手をかけ、引き抜こうとするが無銘剣は大地に根を張ったかのように動かない

 

「──なに?」

 

 力を込めて剣を引き抜こうとするイザクであったが何度試しても聖剣が地面過多引き抜ける気配はない。最初は余裕を見せていたがいつまでたっても抜けない聖剣に対して次第に苛立ちが募っていく

 

「何故だ、私は聖剣の──全知全能の力を引き継ぐ正当な後継者だッ! なのに、なぜ聖剣を引き抜けないッ!」

「──貴方が聖剣に認められていないから」

 

 イザクの耳に届いた声の方向を見ると、そこに立っていたのは白いセーラー服を来た少女。彼女は長い金色の髪を揺らしながら歩みを進めトーマの近くまでやって来ると、意識を失っている彼の髪を撫でる

 

「……全知全能の書の司書が、一体何の用です? 既に全知全能の書は失われている。貴女が出てくる必要などどこにもないでしょう?」

「只の気まぐれと、一応忠告しに来ただけよ。貴方じゃその力は掴めない」

「──なに?」

「その力は既に彼が掴んでいる。それをあなたが奪い取ることは出来ない」

 

 少女の言葉を聞いたイザクは一瞬だけ顔を歪ませるがすぐに元の表情に戻り、諦めたように無銘剣から手を放した

 

「……成る程、大変不快だがどうやらそのようだ。エレンもプリンセスの回収を終えたようですし、私もこの辺で失礼するとしましょう」

 

 その言葉を最後にイザクは二体のメギドを伴い姿を消した。そして一人取り残された少女もトーマを撫でていた手を止めて立ち上がる

 

「これから大変だと思うけど、頑張ってね」

 

 その言葉を最後に少女にトーマの前からその少女も姿を消した

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