デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

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第7-7話,現代Ⅶ 準備

 トーマが目を覚まし、最初に映ったのはすっかり日は沈み暗くなっている空。痛む身体を起こしてあたりを見回すと意識を失った場所と変わらない会場の中だった

 

「いっつ……」

 

 立ち上がろうとしたところで想像以上に自分の身体がダメージを負っていることに気が付いたトーマはその場所から動くことが出来ず倒れたまま空を見上げていると視界の外から声が聞こえてくる

 

「あら、随分と手ひどくやられたみたいですわね」

「……一体何の用だ、時崎狂三」

 

 少しずつ近づいてくる足音はトーマの視界ギリギリで立ち止まると、闇のような漆黒に浮かび上がる少女──時崎狂三へと敵意を込めた目を向ける。その視線を感じた彼女は軽く肩をすくめ口を開く

 

「あらあら、折角親切心でやってきてあげたのに、つれない反応ですわね」

「親切心……だと?」

「えぇ、トーマさんが無様にも意識を失ってからの事を、教えて差し上げようと思ったのですが」

 

 狂三は意地の悪い笑みを浮かべながらそう言うと、トーマの方は少しだけ顔を歪める。彼が意識を失ったのは士道たちが逃げてから少ししての事……フラクシナスからの連絡もない以上何かあったのではないかと予想することは出来るがトーマは現状何が起こっているのかを把握できていない

 

「教えてもらえるのは有り難いが……お前に何のメリットがある」

「それは教えてからお話しますわ」

 

 そう言うと彼女はその場に軽く座り込んで話を始めた

 

「まず、トーマさんがその身を挺して逃がした士道さん達ですが、十香さん以外は無事逃げ切る事が出来ましたわ」

「十香以外って、どういうことだ?」

「あのDEMのウィザードから士道さん達を逃がすために十香さんが殿を務めたんですの、まぁ結果は負けてしまい十香さんは連れ去られてしまったわけですけれど」

「……そうか」

「えぇ、士道さん達は今頃十香さん救出の為に作戦を立てている所でしょうね」

 

 十香が連れ去られたということを知ったトーマは少しだけマシになった身体を起こし、少し離れた場所に突き刺さっている無銘剣の場所まで歩いていき、剣の握りを掴む

 

「それで、オレはお前に何を協力すればいい?」

「あら、案外素直ですのね」

「……情報を貰った以上、その分の恩は返す。それにこの話をした以上、オレとお前の目的は同じだろう」

「えぇ、そうですわね。協力して頂きますわ……私の目的の為に」

 

 トーマがそう言うと狂三は蠱惑的な笑みを浮かべ、それを見たトーマも地面に突き刺さっていた無銘剣を引き抜き肩に担ぐ

 

「それじゃあ協力する前に教えて貰おうか、お前の目的を」

「そうですわね、信頼関係構築の為には必要なことですものね」

「信頼関係? ただ利害が一致してるだけだろ」

 

 会場から出る為に歩きながらトーマと狂三は会話を始めた、その中でトーマが狂三に問いかけたのは彼女の目的

 

「……私、とある方を探しておりますの」

「とある方?」

「えぇ、あの方の存在は私の目的達成のために必要不可欠」

「成る程な……それでソイツがDEMにいるかも知れないってことか」

「えぇ、その通りですわ」

 

 時崎狂三の探し人、彼女が一体何を目的に動いているのかは少しの間彼女と交流を深めたトーマですら現在に至るまで判明していない。それがトーマが彼女を信用することの出来ない一番の理由になっているのだが

 

「それにしても、あまり悠長に構えている時間はありませんわ。急いで動きましょう……と言いたいところですが、生憎と十香さんの居場所は現在私たちが探っている最中」

「それじゃあ準備期間って訳だ……場所がわかったら教えろ、その時は手を貸す」

 

 そこまで言うとトーマは狂三と別れ、フラクシナスへと連絡を取る

 

「フラクシナス、聞こえるか?」

『……えぇ、聞こえてるわ、無事で何よりよ。それよりもさっきの会話だけれど──』

「──やっぱり聞いてたか。そう言うわけだ、オレは今回時崎と動く」

『今回ばかりは仕方がないわね……わかったわ』

「それで何だが、士道たちはどうしてる」

 

 トーマが琴里にそれを問いかけると彼女は少しだけ言葉を詰まらせるが、少しずつ話を始める

 

『士道は十香を攫われたのがだいぶメンタルに来てるみたい』

「……そうか、美九たちはどうだ?」

『美九はまだ意識が戻ってないわ、耶倶矢に夕弦、四糸乃も消耗が激しすぎてこれ以上無茶をさせる訳にはいかない』

「そうか、わかった……美九の事、よろしく頼む」

 

 それだけ言うとトーマは琴里との連絡を終えた

 

 

 

 

 

 トーマとの連絡を終えたフラクシナスの艦橋、司令官席に座っていた琴里は背もたれに身体を預けると深く息を吐いた

 

「どう? 十香の行方は掴めた?」

「いえ、依然行方は掴めていないままです」

「本当に厄介ね、DEM」

 

 フラクシナスのシステムを使っても十香が何処に連れ去られたのか、それを掴む事が出来ない現状に多少の苛立ちを隠すことの出来ない。それ以外にも、琴里が感じているのはDEMがどうして十香の事を攫ったのかという点だ

 

「それにしても、どうしてDEMは十香さんを攫ったんですかね」

「何かしらの狙いがあると考えるのが妥当でしょうけど……それにしても敵の狙いが見えないのは厄介ね」

 

 今回に限ってはDEMの狙いがわからない以上フラクシナスは嫌でも後手に回らざる得ないにしても、敵の狙いだけははっきりさせておきたい。それに、十香だけを狙っているのなら予想することも出来るが何故士道を狙ったのか……そこもかなり引っかかる、けど──

 

「士道を狙ったのは、士道の持ってる霊力を封印する力の謎を解明するのが狙い……そう考えるのが一番自然かしらね」

「そうですね。そう考えれば士道くんと同時に十香さんを狙ったのも士道くんの力を解析して十香さんの力を奪うためと考えることもできますね」

 

 そう考えるとDEMの狙いは何となく推測することが出来るのだが、それが正解であるという保証はない

 

「司令! ご報告があります!」

「何かあったの?」

「DEMインダストリー日本支社を時崎狂三が襲撃しました」

 

 その言葉を聞いた琴里の判断は早かった

 

「私たちもDEMまで向かうわよ、狂三が襲撃したって事はそこに十香がいる可能性が高いわ」

 

「……それ、本当か?」

 

 琴里の発した言葉にクルーたちが反応するよりも早く、いつの間にかいた士道がその言葉に反応した

 

「士道……」

「DEMに十香がいるって、それ本当なのか!?」

「えぇ、狂三が襲撃したって事は、少なくともその可能性が高いでしょうね。今はトーマと動いてるわけだし」

「それなら……頼む、琴里。俺もそこに送ってくれ」

 

 DEMの日本支社に十香がいる、その可能性が高いということを知った士道は琴里に頭を下げてその言葉を発した、そんな士道を見た琴里はまっすぐ士道を見つめた後に言葉を続ける

 

「士道、貴方自分の置かれてる状況わかってるの?」

「それは……」

「DEMは貴方と士道を狙って襲ってきたのよ? それで十香が捕まった。これであなたまで捕まったらそれこそ敵の思惑通りになるのよ」

「けど、それでも俺は十香を助けに行く。だから頼む! 力を貸してくれ!」

 

 自分の現状がわかっても尚、頭を下げる士道に対して琴里はため息をついてから話しかける

 

「……言っても聞かないのよね」

「あぁ」

「わかったわ、十香の救出には私たちフラクシナスも最大限のサポートをする……ただし、絶対に無茶はしないこと」

「……わかった」

 

 元々無理矢理止めるつもりもなかった琴里は、士道にそれだけを伝えたが、しかし士道を向かわせるにしても耶倶矢たちは暫く休憩を取らせなければならないし美九は意識を失っている。トーマたちに合流させるにしてもこちら側の戦力に不安があり過ぎるのだが……フラクシナスも十香救出の為に行動を開始した

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