デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

73 / 128
第7‐11話,現代Ⅺ

攻撃に精彩が欠けてきましたねぇ、そんなに怒ってるですか? 

「いい加減、黙れ!」

黙りませんよ? せっかくこうして楽しくおしゃべり出来てるのに

 

 マーメイドメギドの攻撃を避け、セイバーは一撃を放つ。一方でメギド側もその一撃を硬質化させた鱗で受け止めるとセイバーに向けて打撃を放たれる

 

「ぐっ……っ!」

やっぱり躊躇っちゃいますか? この声だと

「……うっせぇ」

答えないって事は、正解ってことですね

 

 マーメイドメギドの言葉を聞いたトーマは仮面の奥で奥歯を噛み締めた。理由はマーメイドメギドの言っていたことが当たっていたから、目の前のメギドが美九と同じ声で話を始めてから心の中に躊躇いが生まれ、倒さなければいけないのに倒すことが出来ない、そう言う矛盾が今のトーマには存在する

 

──目の前にいるのは美九じゃない、メギドだ

 

表情は見えないけどわかりますよ? 貴方は絶対に彼女を傷つけられない……でしょう? 

「……あぁ、オレは絶対に美九を傷つけられない」

ついに認めましたね? それじゃあ諦めてください。貴方じゃ絶対に私は倒せ────

「けどな、それが諦める理由にはなんねぇんだよ……なんせ、オレが戦ってるのは、他ならぬ本人を救うためなんだからなぁ!」

 

『必殺読破!』

 

 ほぼ零距離で、メギドの腕を掴んだセイバーは火炎剣を引き抜き、その刀身でメギドの事を切りつける

 

この距離で……正気ですか!? 

「あぁ、正気も正気だよ……この際、死なば諸共だ。一緒に地獄へ落ちようぜ」

このッ! 離せッ! 

「離すわけ……ねぇだろ!!」

 

 刀身に纏われた炎は少しずつ、その勢いを増し……確実にメギドの身体を焼き尽くそうとダメージを与える

 

『ドラゴン! ヘッジホッグ! 二冊斬り! ファ・ファ・ファイヤー!』

「はぁぁァッ!!」

 

 自分諸共焼き尽くさんとする勢いの炎に身を任せながら、今までで最大の力を込めた一撃をマーメイドメギドに叩き込んだ瞬間、爆発がセイバーとメギドの両方を飲み込んだ

 

「はぁ……はぁ……はぁ……ッ」

 

 トーマの身体を覆っていた鎧は炭化し、少しずつ砕け完全に消失した。ボロボロになりながらもトーマは一撃を与えたメギドの方を見ると。メギドの片腕を奪うことには成功したが完全に倒しきる事は出来なかったようで、少しバランスを崩しながらもトーマの方に向かって歩いてくる

 

随分とやってくれましたね

「随分と……辛そうだな、いい加減くたばったらどうだ?」

……死ね

 

 マーメイドメギドはそう言うとトーマに向けて腕を振り下ろそうとするが、その拳がトーマへと当たる直前でその身体は後方へと吹き飛ばされた。何が起こったのか理解できなかったトーマの近くに来たのは少しだけふらついた足取りの美九だった

 彼女はトーマの近くまで来るとボロボロのトーマに手を差し伸べる

 

「お兄さん……大丈夫、ですか?」

「美九?」

「はい、ホントは安静にしてないといけないんですけど……いても経ってもいられないんで来ちゃいました」

「無茶しすぎだ」

 

 そう言ったトーマは美九の手を取って立ち上がると、目の前にいるマーメイドメギドに視線を向ける

 

「そう言えば、ここに来たのは美九一人か?」

「はい、私だけ一足先に目が覚めたので」

 

お前……さっきはよくも

 

「えっ? 何ですかアレ、どうして私の声で喋ってるんですか!?」

「お前の霊力を取り込んだ影響……だと思う」

「うわー、なんか気持ち悪いですねぇ」

 

気持ち……悪い、だと? 私が

 

 美九の一言を聞いたマーメイドメギドは動きを止めると肩を震わせ始める

 

気持ち悪い……私が、あってはならない……そんな、事がァァァァァァァッ!! 

 

「うわ、何ですか急に!?」

「どうやら敵の逆鱗に触れたみたいだな、気を引き締め──」

 

シねぇェェェェェェェェッ!! 

 

 トーマが気を引き締めろと伝えようとした瞬間、マーメイドメギドの放った衝撃波は地面を抉りながら真っ直ぐ美九を狙い向かってくる。それに気が付いたトーマは咄嗟に美九の前に立つと無銘剣へと戻った剣の刀身で衝撃波を受け止める

 

「ぐっ、うぅぅぅぅ────!!」

「お兄さん!」

「大丈夫だ、お前は死なせない!」

「お前はじゃないです! お兄さんも絶対に死なせません! ──破軍歌姫(ガブリエル)! 行進曲(マーチ)!」

 

 刀身で衝撃波を抑えるトーマの手助けをするため、美九は破軍歌姫の能力を使い彼に力を与える。そして、トーマと美九の互いを守りたいという気持ちが一つになった瞬間──剣の刀身から眩い光が放たれる

 

ア゛ァ゛ッ!? 

「なんだ?」

「……剣が、光ってる?」

 

「それは、貴方達の想いに聖剣が反応した証拠」

 

 何処からともなく、トーマと美九の前に現れたのは、スタジアムでも姿を現した白いセーラー服の少女。彼女は士道と美九の二人に微笑むと、再び言葉を紡ぐ

 

「今の貴方たちなら、新しい力を掴み取れる。手を伸ばして」

「新しい……力?」

「そう、消滅した全知全能の書……消えた道筋じゃなく、貴方達の紡いだ新しい物語の結晶──それを掴んで」

 

 そう言いながら、少女は二人に手を差し伸べる。トーマと美九の二人は一度互いに顔を見合わせ、彼女の手を取った──瞬間、ベルトに装填されていたブレイブドラゴン、そしてホルダーにしまっていたキングオブアーサーのブックから無数のページが溢れ出し。一冊の本を創り出した。その本の名は──

 

 

────ドラゴニックナイト! 

 

 

 

「これが、オレたちの新しい物語?」

「……頑張ってね」

 

 その言葉と共に、少女は目の前から消失した

 

「……夢、でしょうか?」

「いや、間違いなく現実だと思う……それよりこの本」

「はい、なんか……とっても温かい感じがしますね」

 

 一度本に目を向けた二人は、ふらふらと起き上がったメギドの事を確認すると、改めてその存在を真っすぐ見つめる

 

何なんですか、さっきから……貴方達の都合のいいようにばかり

「それは、さっきまでのお前も一緒だろ」

黙れ! そんなご都合主義……誰も望んでないんですよ! 

「意見の相違だな、こっちはご都合主義上等だ! どんだけご都合主義でも……それでもハッピーエンドの方がいいだろ」

 

 そう宣言すると共に、新たに紡がれた物語のページを開く

 

『ドでかい竜をド派手に乗りこなす、ド級の騎士のドラマチックバトル!』

 

 物語が高らかと読み上げられると同時に、持っていた剣が炎に包まれ、再び火炎剣へと姿を変える。そしてトーマは本を閉じ、力強くベルトに装填した

 

「は──っ……変身ッ!」

 

『烈火抜刀! Don`t miss it!』

 

 火炎剣を引き抜くと同時に、紅蓮の炎がトーマの周囲を覆い尽くし、紅蓮の龍と白銀の鎧が姿を現す

 

【The knight appears.When you side】

『ドメタリックアーマー!』

【you have no grief and the flame is bright】

『ドハデニックブースター!』

【Ride on the dragon, fight】

『ドメタリックライダー!』

 

【Dragonic knight!】

『ドラゴニックナイト! すなわち、ド強い!』

 

 そして、白銀の鎧はトーマ──セイバーの身に纏われ、新たな姿 ドラゴニックナイトへの変身が完了する

 

な、何ですか……その姿

「オレにも正確にはわかんねぇ……けど、オレたちの物語が生み出した新しい力ってのはわかる」

 

 セイバーがその言葉と共に切っ先をマーメイドメギドに向ける中、美九の視界に映ったのはホルダーに装填されていた音銃剣の本が淡く輝いている様子

 

「……お兄さん、その本何で光ってるんですか?」

「光ってるって……ホントだ、一体なんで──って、そう言うことか。美九! この本を使え!」

「え!? 急に使えって言われてもどうすれば……」

 

 セイバーから本を投げ渡された美九は一瞬困惑するが、使い方自体はこれまでと同じであると理解する

 

これ以上好きにさせるかッ! 

「そっちこそ、これ以上邪魔をすんなッ!」

 

 マーメイドメギドトセイバーが戦闘を再開する近くで、美九は本に残りわずかな霊力を流しパスを繋ぎ、本を開く。すると頭の中に言葉が浮かびあがる

 

剣爛撃弾(けんらんげきだん)! 神威霊装・九番(シャダイ・エル・カイ)!」

 

 その言葉を紡ぐと同時に、本から膨大なエネルギーが放出され、精霊としての美九が身に纏う霊装を形作っていく。唯一違うのは霊装の色が通常とは異なり青色が淡い桃色に染まり、音銃剣を用いて変身する戦士──スラッシュを模した鎧が装着されていた

 

『音銃剣錫音!』

「これって、聖剣?」

なにっ!? ──ア゛ァ゛ッ!? 

「美九、その姿って」

「よくわかりませんけど、これで一緒に戦えます!」

「……よし、行こう!」

「はい!」

 

 二人は火炎剣と音銃剣、二振りの聖剣を構えるとマーメイドメギドへの攻撃を仕掛ける

 

「はぁッ!」

クッ! 

「そこです!」

 

 二振りの剣激を受けたマーメイドメギドは片腕で何とかその攻撃をいなしていくが劣勢を強いられ、一撃を受ける

 

ぐぅっ1この──調子に、乗るなァァァァァァァァァァァッ!!! 

 

────ドラゴニックブースター!

 

 ドラゴニックナイトの腕に装着されているドラゴニックブースターを開き、玄武神話を読み込む

 

『ワン リーディング! フレイムスパイシー!』

 

 迫りくる衝撃波に対してブースターを突き出すと、亀の甲羅を模した障壁がその衝撃波を防ぐ

 

「美九! この本を使え!」

 

 ブースターで衝撃波を防ぎながらセイバーが美九に渡したのはストームイーグル。美九は渡された本をキャッチすると音銃剣のシンガンリーダーに装填する

 

『ストームイーグル! イェーイ! 錫音音読撃! イェーイ!』

「行きますよー、そぉれ!」

 

 紅蓮の音符を纏った刀身を思い切り斬撃を放つと音符と共に弾けた一撃がマーメイドメギドにダメージを与え、動きを止める

 

「美九、これを……一気に決めよう」

「はい! 行きましょう!」

 

 セイバーは火炎剣を納刀し、美九はセイバーから受け取ったブレイブドラゴンのブックをシンガンリーダーにリードする

 

『ドラゴニック必殺読破!』

『ブレイブドラゴン! イェーイ!』

 

 そして、目の前にいるメギドを眼前に捉え、セイバーは火炎剣を抜刀し美九は音銃剣のトリガーを引く

 

「これで──」

「──終わりですッ!」

 

『烈火抜刀! ドラゴニック必殺斬り!』

『錫音音読撃! イェーイ!』

 

 音と紅蓮をそれぞれ纏った二匹の龍が、斬撃と共にマーメイドメギドに向けて放たれ、貫く

 

ア、ァァァァァァァァァァァッ!!! 

 

 斬撃を受けたメギドは悲惨な声と共に爆発し、中から排出されたアルターブックは灰となりその場で消滅した。それを確認した二人は変身を解き元の姿に戻る

 

「ふぅ……終わったんでしょうか?」

「多分な、それより美九、身体は大丈夫か?」

「あ、えっと、大丈夫そうです。霊力も戻ってきたのを感じますし」

「そっか、良かった……よし、それじゃあ早く士道と合流して十香を──」

 

 そこまで言ったタイミングで、トーマたちの居る階から更に上の階で強大なエネルギーを感じ取る

 

「お兄さん、今のって」

「……なんかヤバいことが起こってる気がする。急ごう」

「はい!」

 

 二人は顔を見合わせ、士道たちと合流するために上の階を目指した

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。