デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

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第7‐13話,現代XIII 終幕

士道たちが上空にいる十香を見つめている中、少し離れた場所の瓦礫が崩れ、随意領域(テリトリー)に身を守られたウェストコットたちの姿が露わになる。どうやら攻撃が当たる直前でエレンが随意領域を張り攻撃から身を守ったらしい

 

「すまない、助かったよエレン」

「いえ。今あなたに死なれるわけにはいきません」

 

 エレンは依然として十香の事を警戒しながら、ウェストコットの言葉に応えた

 

「どうかね。プリンセスは」

「えぇ、以前に戦った時とは比べ物になりません。あの時は少々拍子抜けでしたが、これならばAAAランクというのも納得です」

「ほう。それで──勝てるのかね?」

「無論です。私に勝てる生物など、この世界には存在しません────万全の状態であれば、ですが」

 

 その言葉を聞いた士道たちがエレンの方に目を向けると胸元から腹部にかけて深々と付けられた傷口から夥しい血が溢れ出ていた

 

「防御に気を取られ、ここに来る前の戦闘で負った傷が開きました。痛覚操作は施していますが、この状態では少々分が悪いかと」

「ふむ……そうか。ならば仕方ない、ここは退こう。まだ時間はある。じっくりやろうじゃないか」

 

 ウェストコットのその言葉に問いかけをしたのは、彼の近くで十香の事を見つめていたイザク

 

「良いのですか? 事を焦る必要はないと言っても……絶好の機会なのでは?」

「君も知っているだろう。待つのには慣れている。プリンセスを反転させることが出来ただけでも上々さ。それに今日は──予想外の顔にも会えたしね」

 

 そう言うとウェストコットは士道の方に視線を寄越す

 

「──というわけだ、悪いが我々はここで失礼させてもらうきおとにするよ。生き延びたならばまた会おう。タカミヤ──いや、イツカシドウ」

「え……?」

 

 ウェストコットの発した名前に、士道は眉をひそめる。祟宮という苗字は士道の妹を自称する真那の姓であったから

 

「ちょっと待て、あんた、俺の事を知っているのか!?」

「いいや、知らないさ。──イツカシドウの事はね」

 

 それだけ言い残すと、ウェストコットはエレンの肩に手を置く。そうすると同時にエレンの周りの空気が揺れ、ウェストコットを浮遊させるとそのまま空の彼方へと飛び去っていく。残されたイザクも軽く肩をすくめると無数の紙片を出現させて姿を消した

 

「あ……っおい!」

「……士道。気になるのはわかるが今は十香だ」

 

 セイバーがそう言うとともに、上空に浮いていた十香は地に足をつける

 

「あとは……貴様等か」

 

 そう言う十香の目は、いつもとは違う冷たい視線をこちらに向けてくる

 

「士道、どうする?」

「どうするも何も────」

 

 これからどう対処をするかを相談しようとした瞬間、十香は手に持っていた暴虐公(ナヘマー)を振り抜き。二人の元に衝撃波が襲い掛かる

 

「ッ!」

「ぐ……っ」

 

 セイバーと士道はそれぞれ手に持った火炎剣と鏖殺公(サンダルフォン)で防いた。その光景を見た十香は士道の方に目を向け、その視線を鋭くする

 

「やはり鏖殺公……何故貴様がその天使を持っているのだ?」

「十香! おまえ……どうしちまったんだ! 俺の事を覚えてないのか!?」

 

 明らかに敵を見る視線を向けてくる十香に対して、士道が叫ぶと、彼女は眉をひそめる

 

「十香……? 私のことか?」

 

 士道の顔をまじまじと見るようにそう言ってくる。その様子は士道だけでなく自分の名前すらも忘れてしまっているようだった

 

「一体、何が……」

 

 士道が困惑の表情を浮かべると、右耳に付けていたインカムからザザッというノイズが走り、いつの間にか聞こえなくなっていた琴里の声が響いてくる

 

『士道! 応答しなさい! 士道! 一体何があったの!?』

「琴里か!? それが俺にもわかんねぇんだ! 俺がエレンに刺されてる間に……十香の様子がおかしくなっちまって……あれも霊力の逆流なのか!?」

『いえ……恐らく、違うわ』

「じゃあ、何だってんだよ! あの十香も、封印できるのか!?」

「士道、一旦落ち着け」

 

 セイバーは士道に向かってそう言うと彼はハッとした様子でセイバーの方を見る

 

「ひとまず、今は琴里から十香をどうにかする方法を聞け。その時間位オレが稼ぐ」

「トーマ……」

「オレじゃなくて、そこはオレたちじゃないんですか? お兄さん」

「美九?」

「耶倶矢さん達はもう少し休ませておくとして、私は霊力も戻って完全復活! ですからね」

 

 セイバーの隣までやってきた美九はそう言うと、視線を士道の方に向ける

 

「というわけなんで、貴方はさっさと琴里さんから十香さんをどうにかする手立てを聞いて、ちゃちゃっと元に戻しちゃってください」

「……すまん、恩に着る」

 

 美九に頭を下げた士道は一歩後ろに下がり、改めて美九はセイバーの隣に並び立ち手を天に掲げる

 

剣爛撃弾(けんらんげきだん)! 神威霊装・九番(シャダイ・エル・カイ)!」

 

 その言葉と共に美九の身体を薄桃色の霊装、そしてスラッシュの装甲が覆っていく。剣士と精霊を一体化させたその装束を美九が身に纏い。手元に現れた音銃剣を掴む

 

「……それ、自在に使えるんだな」

「はい、一回やったらこれからは自由に使えるって感じがしたので」

 

「……随分と可笑しな連中だが、ここで屠れば済む話だ。先程の女もいないようだしな」

 

 そう言って十香が暴虐公を振るおうとした瞬間、セイバーが暴虐公を握っていた右手に攻撃を仕掛ける

 

「小癪な」

「美九!」

 

 セイバーの攻撃を十香が回避した直後、セイバーの背後から出現した美九が銃奏モードにした音銃剣で射撃攻撃を仕掛ける

 

「鬱陶しい」

 

 その攻撃を暴虐公で防いだ十香は、今度はこちらの番と言わんばかりに暴虐公を振るい衝撃波を発生させる。それをセイバーは美九を庇う形でその攻撃を受けると肩の装甲に僅かだがヒビが入る

 

「ッ!」

「大丈夫ですか!?」

「あぁ……大丈夫だ」

 

『トーマ、聞こえる?』

「琴里か」

『えぇ、十香を元に戻す手立てが決まったわ……と言っても、一か八かだけどね』

 

 インカム越しに聞こえてきた琴里の声を聞いたセイバーは仮面の奥で笑みを浮かべ、士道の方に視線を向ける。それに気づいた士道は頷くと、ゆっくりと歩いて十香たちの方に向かってきた

 

「十香」

「…………」

 

 士道が言葉を発すると、十香は僅かだが視線を士道の方に向ける

 

「もうじき朝だ。家に帰って飯にしよう、今ごめんなさいって言えば、朝昼晩、お前の好きなメニューで統一してやるぞ」

 

 一応戦場と言って差し支えない場所で、場違いなことを言う士道を見た美九は何とも言えない表情を浮かべた

 

「……アレ、何してるんですか?」

「打開策って要はいつも通りって事だ」

「あぁ……そう言うことですか」

 

 一方の十香は士道のその言葉を聞いて怪訝そうな表情を浮かべてから、手に持った剣を軽く振るった。僅かに近づいた士道だったが、その一撃で元居た位置まで押し返される

 

「くそ、少しはマシだと思ったのに」

「……ホントに大丈夫なんですか?」

「多分、大丈夫……だよな? 士道」

「あぁ、けど、まずはアイツの近くに近寄らないと」

「近くに寄る、それが必須条件なんだな?」

「あぁ」

 

「そうか、それなら──」

「それなら、我ら颶風の巫女の出番だな!」

 

 その言葉と共に近づいてきたのは限定霊装を展開した状態の耶倶矢、夕弦、四糸乃の三人

 

「もう大丈夫なのか?」

「首肯。もう休息は十分です」

「今まで休んでいた分、しっかりと役目を果たすとしよう」

 

 耶倶矢と夕弦がそう言い、その隣で四糸乃が頷く

 

「よし、それじゃあこっからは総力戦だ……士道、しっかりな」

「おう!」

 

 

「それじゃあ、大雑把に役割分担だ。オレと美九、それに四糸乃で十香を足止めする」

 

 その言葉に美九と四糸乃が頷く

 

「それで士道はあつらえ向きな状況が出来たら──」

「我と夕弦が十香の元へ送り届ける」

「そう言うこと」

「奮起。派手に送ります」

 

「……よし、それじゃあ、行くぞ」

 

 その言葉をセイバーが発するとともに、二人が十香に接敵する

 

「ふん、ようやく無駄話が終わったか」

「律儀に待っててくれて感謝するよ!」

 

 ガンッという鈍い金属同士のぶつかりあう音が鳴り響く。セイバーの攻撃を自身の剣で受け止めた十香はそのままセイバーの腕を掴み投げ飛ばす

 

「こっちにもいますよ!」

 

「オレも、一筋縄じゃいかねぇよ」

 

――抜刀』

 

 美九が銃撃を、セイバーは一瞬だけ変身を解除するとすかさずファルシオンへと姿を変え上空からの斬撃を放つ

 

「無駄だ」

 

 その攻撃ごと二人を斬撃で吹き飛ばす

 

「今だ! 四糸乃! よしのん!」

「今です! 四糸乃さん! よしのんさん!」

 

 二人に視線を集中させている隙に、氷結傀儡を顕現させた四糸乃が冷気を十香へと向けて放出する

 

『ごめんねー十香ちゃん。でもこれも十香ちゃんの為だからさー』

「……ごめんなさい」

 

 冷気を受けた十香は、足先や指先から徐々に凍り付いていく、それを見て少々苛立たし気な表情を浮かべると自身の身体に漆黒の霊力を纏わせる

 

「小賢しい真似を!」

 

 その言葉と共に、霊力を放出させ身体を覆い始めていた氷を無理やり引き剥がした。しかしその行動が仇になったのか十香は左手で額を抑え、少し苦し気な表情を浮かべる

 

「……ぅ……なんだ、この忌々しい感覚は……」

 

「なんだ?」

「もしかして、十香さんの記憶が──」

 

 その言葉を聞いたらしい十香は、ファルシオン達三人の方を見ると苦々し気な表情で言葉を紡いだ

 

「そうか、この感覚は貴様らが原因か……ならば──我が一撃にて、塵も残さず粉砕してくれる!」

 

 そう言うと十香の上空に波紋が現れ、それから巨大な玉座がその姿を現した。その玉座はバラバラの欠片になると十香の持つ剣に纏わりつき、同化し、禍々しい巨大な剣に姿を変える

 

「我が、終焉の剣(ペイヴァ―シュヘレヴ)で!」

 

「あぁ、これは──」

「そうですね、あの時と限りなく似てる──」

 

「「──おあつらえ向きな状況」」

 

 四糸乃はファルシオンと美九の言った言葉に疑問符を浮かべるが、二人は今の状況をあの夕暮れの光景と合わせて思わず笑みを零した。しかしあまり時間は残されていないのは明白……そのためファルシオンは変身を解き、全力で叫ぶ

 

「耶倶矢! 夕弦! 思いっきりやれぇ!」

 

「うむ! 出陣だ! 士道!」

「健闘。気張ってください、士道」

 

「なにを────ぁ────」

 

 巨大な剣を片手に持った十香が上空を見るといつの間にか十香よりも上にいた耶倶矢と夕弦、そして自分の方に急降下してくる人影が見る。そしてその光景は酷く懐かしい感じるもので

 

「私は、この光景を、どこかで──」

 

 十香の意識を、その認識を、今の彼女ではない、もう一人の彼女の記憶を呼び起こすのには、十分な光景であった

 

(十ぉぉぉぉ香あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ──ッ!!)

 

「く……」

 

 いつかの光景、いつかの記憶、あの時も、今と似たような状況で、目の前の少年はこうして上空から自分の元に──頭の中に映る情景を振り払おうと頭を軽く振った一瞬の隙に

 

「──十香!」

 

 あの少年は、彼女の目の前までやって来ていた

 

「よ、助けにきたぞ」

「貴様……っ!」

 

 眼前まで肉薄している、この状況では自分が切り札で目の前の少年を消し炭にするよりも早く、彼の手に持った天使が自身を切り裂くだろう。そう考えていたが次に少年の取った行動で呆気にとられる。そう、彼は自身の持っていた剣を空中に投げ捨て、完全に無防備な状態になったのだ

 

「貴様、何を──」

「こんなの持ってちゃ……痛いだろ」

 

 士道はそう言うと、眼前の少女を抱きしめ──

 

「な……貴さ──」

 

──彼女に口づけをかわした

 

 その瞬間、彼女の脳内に溢れ出したのは混乱。目の前の男は何をしているのか、自分は敵で、自分を殺そうとした存在に、キスをしている。そんな不可解な行動を何のために行っているのか、意表を突くならもっといい方法がある、理解が出来ず、少女の視界がぼやけていく

 

──シドー

 

 不意に、頭を掠めた名前のような単語でさらに少女の混乱は加速していく。しかしそれは悪い気分ではなく、目の前の少年がどんな存在だったのか──それを思い出す、そう、目の前の少年は(五河士道)は、(名もなき精霊)に名前をくれた

 

──存在が、ひっくり返され……

 

「シ、ドー……?」

「……おう」

 

 目を覚ました少女(十香)は、喉を震わせ目の前にいる少年の名前を呼ぶと、彼もまた返事をする

 ゆっくりと上空から地面に降り立つ、それと同時に士道の身体から力は抜け、崩れ落ちそうになった。十香は慌てて彼の身体を支えるとそのままぎゅっと身体を抱きしめる

 

「し、シドー! 大丈夫か!?」

「おう……なんとかな」

 

 十香が元の様子に戻ったのを確認した士道は安堵の息を吐き、少し離れた場所にいたトーマたちはようやく気が抜けたと言わんばかりにその場に座り込んだ

 

「十香……大丈夫か?」

「む……? 大丈夫とは、どういう事だ?」

「それは、いや……いいか。そう言うのは琴里や令音さんに任せよう。今は──おかえり、十香」

「……うむ」

 

 士道の声を聞いた十香は頷き今までよりも強く士道の事を抱きしめる

 

「ただいまだ……シドー」

 

 その言葉と共に、崩れた街並みに朝日が昇り、二人の影を長く映し出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの死闘から、時は流れて天央祭三日目。観客たちが集団で意識を失うというアクシデントがあったものの無事、三日目を開催することが出来た

 そして、本来であれば未知の事象に見舞われた十香や、無理言って参戦した耶倶矢たち三人、それに霊力を奪われたかと思うと剣と霊力を一つした新しい力(剣爛撃弾)を扱えるようになった美九は、検査やらなにやらで少なく見積もっても一週間は入院しなければならないのだが……せっかくの天央祭ということで、フラクシナスが全力でバックアップをしながら全員で残り一日を楽しめることになったのだ

 

「美九、本当に大丈夫なんだな?」

「全くお兄さんは過保護ですねー、心配しすぎですよ」

 

 時刻は午後三時前、ステージの控室にいたトーマは、ステージ衣装に身を包んだ美九の事を見つめるが、当の本人はいつもの調子で笑みを浮かべている

 

「それにしても、少し予定とはズレちゃいましたね」

「……それに関しては仕方ないだろ、昨日は本当に濃い一日だったし」

「ホントですねー、正直まだ夢だったんじゃないかって気がしてますもん」

 

 昨日の事を振り返りながら、二人そろって少し遠い目をしていると控室の扉がノックされ、スタッフが美九の事を呼びに来た

 

「時間みたいです、それじゃあお兄さん。行ってきますね!」

「おう、ファンに見せつけてやれ。お前の歌で、お前の声で、お前自身(誘宵美九)の在り方を」

「はい……けど、お兄さん、少しだけ、勇気を貰ってもいいですか?」

「…………今回だけだからな」

 

 

 

 

 その後、トーマが観客席までやって来ると。耶倶矢に夕弦。それにつられて十香と四糸乃も完全装備の状態でステージの開幕を待っていた

 

「随分と気合入ってるな」

「トーマ、美九は大丈夫そう?」

「あぁ、少し不安はあるみたいだったが……逆境には強いタイプだし問題はないさ」

 

 チュッパチャップスを加えながら美九の様子を聞いてきた琴里二そう言うと、ステージが暗くなりスポットライトが中央に集まった

 

 

『皆さん! 本日は来てくれてありがとうございます! 短い時間ですけど、全力で楽しんでいってください!』

 

「ほらな」

「えぇ、確かに大丈夫そうね」

 

 いよいよ曲が始まり、会場が盛り上がる中、トーマ一人背を壁に預け瞳を閉じる

 

──始めて会ったのは、店の路地裏だったけか。あの時はもう少し可愛げがあったっけ

 

 一曲目が終わり、二曲目が始まる

 

──そんで、美九の境遇を知って色々調べて、ゆきさん拉致って

 

 今思えば、随分と無茶をしてたなと、一人心の中で苦笑する

 

──あの時から、何だかんだで心開いてくれて、一緒に祭りに行って

 

 二曲目が終わり、三曲目、四曲目と進んでいく

 

──少しは平和になったと思ったら今度は美九が誘拐されて、ちょっと事務所の連中と話をして(脅して)

 

 あらかじめ指定されていたタイムテーブルが終わり、一度美九が退場すると観客たちのアンコールが、ステージ全体を覆った

 

──次の再会した時は、美九が精霊になってたっけな

 

 スポットライトが再び集まり、新たな衣装に身を包んだ美九がステージの上に現れる

 

『みなさーん、また会いましたねー!』

 

──今思えば、あの時から振り回されっぱなしだな

 

 実力行使してきた美九を救うって決めて

 

『皆さん、今日は本当に素敵な日です──ですから特別に、私の大事な曲を歌おうと思います』

 

──戦ってる中で、アイツの不安を知って、それを受け止めて……そうして今、ここにいる

 

 スピーカーから流れだしたのは、彼女が彼女になる前(誘宵美九が宵待月乃だった頃)の曲、彼女の心に残っていた誘宵美九(宵待月乃)の僅かな心残り

 普段とか違う彼女の歌声に、観客たちは少しだけ困惑したが、困惑はすぐに熱狂へと変わり今日一番の拍手と歓声が美九に届く

 

 その拍手と歓声を聞いた美九は、ギュッとマイクを握りしめ、瞳からは涙が溢れ出した

 

『皆さん……ありがとう、ございます……ッ!!』

 

 その様子をトーマが見つめていると、ふと自分の方に目を向けた士道が声をかけてきた

 

「トーマ、なにかあったのか?」

「……いや、ホントに、輝いてるなと思ってさ」

 

 トーマはそう言うと、再びステージへと目を向ける。そこにいた美九の笑顔は、今まで見た何よりも輝いていた





長々と続いた原作7巻もこれにて終幕です
……なんか最終回感出てしまいましたが、まだまだ続きます
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