デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー 作:SoDate
ちょっとした流れから自己紹介をしたトーマと万由里だったが、一息ついた後に改めて口を開く
「さてと、それじゃあ改めて二つ目の質問をしても大丈夫か?」
「えぇ、何が聞きたいの?」
「そんじゃまずは、ここが何処なのか教えてくれ」
「ここはノーザンベース……って言われてた場所」
「言われてたって、今は違うのか?」
「そう呼んでた人は全員いなくなっちゃったからね……それでもうこの場所も、貴方に渡した本も不必要になった」
万由里はそう言うと少し寂しそうな表情を浮かべる
「この場所は、一体どんな場所だったんだ?」
「……この場所はね、世界の均衡を守る組織が使っていた場所。けど、世界を脅かす存在も、守る存在もずっと前にいなくなったから」
「……世界の均衡を守る組織?」
「えぇ、かつてソードオブロゴスと呼ばれていた、剣士達の組織よ」
ソードオブロゴス、その名前に心当たりはなかったが最後のロゴスという単語には心当たりがあった。イザクのフルネームーーイザク・ロゴス・クラーク。かつて存在したという組織と同じ単語が入っていることに引っかかりを覚え……同時にトーマは思い出す、天央祭での一件で、万由里とイザクに面識があるような会話をしていたことを
「なぁ、万由里。もしかして――」
「えぇ、貴方の考えている人物は間違いなくソードオブロゴスの関係者……正確には、関係者の子孫って言った方がた正しいかもね」
「やっぱりか」
「……それについて話すなら、ここじゃない方がいいか。ついてきて」
立ち上がり、移動を始めた万由里に付いていきながらトーマは話を続ける
「とりあえず何処に向かってるかは後で聞くとして。この場所ってどこにあるんだ?」
「どこって、南極だけど」
「そうか……って、はぁ!?南極!?」
「えぇ、一応言っておくと寒さを感じないのはノーザンベースに結界が張ってあるから、普通に外出たら凍え死ぬわよ」
「……マジで南極なら、どうやってオレはこの場所に来たんだ?」
「それは貴方に渡した本のお陰」
そう言われたトーマは万由里から送られた本、ブックゲートを取り出し、眺める
「その本には場所と場所を繋ぐ力がある……簡単に言うとどこでもドアね」
「成る程、便利だな」
「移動には便利だけど変に目立つからあんまり使い過ぎないように……ついたわ」
「……ここは?」
「ソードオブロゴスの歴史が書かれた本の置かれている場所」
そう言って万由里が扉を開くと、中央の装置にはめ込まれた一冊の本が置かれていた。万由里はその本を取るとトーマの方に渡してくる
「ソードオブロゴスは、太古の昔に存在した大いなる本と、世界の均衡を保つための組織」
かつて、この世界には全てを記された”全知全能の書”と呼ばれる本が存在した。その本を狙う悪しき存在から全知全能の書を守護する為に作られたのがソードオブロゴスであり、何人も”全知全能の書”に触れることは禁じられていた
「なぁ、確かイザクは全知全能の書は失われたって言ってたよな?」
「その答えも、本を読み進めればわかるわ」
時は流れ、初代マスターロゴスがこの世を去り、後を継いだ二代目は世界の均衡を守るために出来うる限りすべてを行った。しかしそれでも尚、争いがなくなる事はなかった……二代目はその惨状を嘆き、力により世界の均衡を守るため、全知全能の書を求めた
初代からその在り処を聞いていなかった二代目は、長い年月をかけこの世界に隣接する世界”ワンダーワールド”へとたどり着き、全知全能の書に手をかけた
しかし、彼が全知全能の書に手をかけた瞬間、本は三つに割け、この世界から完全に失われた
「……こっからのページ真っ白なんだけど」
「当たり前、だってそこからソードオブロゴスの物語が紡がれることはなかったんだから。全知全能の書が失われることで、皮肉にもそれを狙ってきた輩は消え、世界に平和が訪れた」
「……狙われる力が消えたから、そもそもそれを狙う奴らも消えたって事か」
万由里の言う通り、皮肉である。この世界の全てが記された一冊の本、それが持つ強大な力が消えた事で、その力を狙う存在は姿を消し、世界が平和に訪れた。今まで組織が必死に守り抜いてきたものが……すべての争いの元凶になっていたわけだ
「本が三つに割けたって書いてあるけど……もしかして」
「えぇ、三つに割けた全知全能の書は、それぞれを異なる形にしてあらゆる世界、あらゆる時代へと散らばった。そのうちの二つが、貴方の使っている聖剣とワンダーライドブック」
「……だからイザクはこの力を狙って。もしかしてこの本の二代目ってイザク本人だったりするのか?」
「それは明確に違うと言えるわ。彼は全知全能の書に手をかけた二代目マスターロゴスの子孫……だけど、彼は二代目が平和を願うが故に手を伸ばしたことではなく、全知全能の書が持つ力を求めた」
平和を願ったものの子孫が力を求める、これもまた皮肉な話だ
「それで、他に聞きたいことはない?」
「……あぁ、イザクが何でオレの力を狙ってるのかも、この場所が何処なのかもわかったからな」
「そ、それならもう帰る?」
「いや、もう少しここに居ても大丈夫か?できれば本の解析が出来る設備とかあると助かるんだが……」
「それなら、さっきの円卓にある程度の機能は備え付けられてたはず……戻りましょう」
「あぁ――――」
わかった、とトーマが言うよりも早く。ノーザンベースの外から轟音が鳴り響く。それを聞いた二人が今いる場所を離れ外を見ると、そこには禍々しい龍のような姿をした一体の怪物がいた
「あいつは……一体」
「アスモデウス?どうしてここに……」
「万由里?アイツの事を知ってるのか」
「えぇ、アレは――――」
万由里がアスモデウスと呼んだ存在について語るよりも早く、怪物は片手に持った剣を振るい、禍々しいオーラを纏った斬撃を二人へ向けて放った