デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

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EX2-5, 閑話Ⅱ

 琴里が司令室に戻ってきたことを確認した神無月は頭を下げて彼女の事を出迎える

 

「お疲れ様です、司令」

「えぇ、彼女は?」

「医務室での検査を終え休憩室で待機してもらっています」

「そう、それじゃあ話を聞きに行きましょう」

 

 

 

 

 

 神無月を伴い休憩室までやってきた琴里は、そこに座っていた万由里の姿を確認する。彼女の方も琴里たちの姿を確認したらしく視線を向けてくる

 

「貴方が万由里ね」

「えぇ……それで、何か聞きたいことがあるんじゃないの?」

「話が早くて助かるわ」

 

 琴里は彼女の前に座り、神無月は琴里の一歩後ろで控える

 

「それで、早速で悪いんだけど貴方は一体何者?」

「私はノーザンベースで作られた存在」

「作られた存在って、どういうこと?」

 

 琴里が万由里に疑問を投げかけると、彼女は特に隠すということもなく話を始めた

 

「私は元々世界を繋ぐ存在の模倣として生み出された……最も、私が生み出された時には既に世界を繋げるための鍵はなくなっちゃってたから意味はなかったんだけど」

「世界を繋げるとか、鍵とか……一体どういうこと?」

 

 彼女の説明を聞いた琴里は、その内容の意味がいまいち理解できていなかった

 

「確かに、そこから説明した方が良かったか」

 

 万由里は殺気の言葉だけでは説明が不足していたことに気付くと、懐からトーマが使用している物と同じ一冊の本を取り出す

 

「それって……」

「これが世界を繋ぐ鍵、この本とトーマの持ってる聖剣の原典がって言う方が正しいけど……ねぇ、ノートとペンを用意してもらえる?」

 

 万由里の言葉を聞いた琴里は神無月に指示を出すと、彼は一度退室し程なくしてノートとペンを持って戻ってきた

 

「どうぞ」

「どうも、それじゃあ改めて──」

 

 万由里は受け取ったノートに剣と本のイラストを描く

 

「遥か昔、この世界には一冊の本があった。名前は全知全能の書……この世界の始まりから終わりまで、世界の全てが書き記された一冊の本」

「世界の全てが記された本、そんなものが本当に実在したの?」

「聖剣とワンダーライドブックが存在している時点で実在したのは間違いないよ……それで、話を続けるけど全知全能の書は元々二つの世界の狭間に存在したの」

「全知全能の書に二つの世界……次から次へと、ホントに色々あり過ぎて頭が痛くなってくるわね」

 

 軽く頭を押さえる琴里を見て、万由里は少しだけ表情を柔らかいものに変化させると、少しだけ黙り、改めて口を開く

 

「大丈夫?」

「えぇ、続けて頂戴」

「わかった、私たちの今いる世界ともう一つの世界、その狭間にあった全知全能の書を手に入れようとした一人の男が世界の狭間に向かい……本は失われた」

「じゃあ、その全知全能の書はもう存在しないって事?」

「えぇ、本そのものは完全に失われ、今残っているのはその欠片だけ……それに欠片を集めたとしても、修復は不可能」

 

 全知全能の書は完全に失われた、それを聞いた琴里は驚愕と少しの安堵を混ぜた表情を浮かべたが、その後すぐに欠片が残っているという言葉を聞き……一つの結論に辿りつく

 

「欠片が残っているって、もしかしてそれが──」

「えぇ、本と聖剣の二つ」

「……ホント、とんでもないわね」

「最も、その力は完全に分散しちゃってるけどね。本は無数に、聖剣は名前のない一本を残して他はその力を本に封じ込められた」

 

 無数の本と無銘の剣、そして本に封じ込められた剣の力……その話を聞いた琴里は現在進行形でその力を振るう人物に心当たりがあった

 

「もしかして、トーマの力の正体って」

「……貴方の思っている通りよ、彼の扱う力は全知全能の書に至る鍵、そしてその力は他でもない彼を選んだ」

 

 琴里は、ここでトーマの力が何処から来ているのか、その力の正体が一体何なのかを知ることが出来た。けどその力は彼女たちが考える以上に強大なものだった──そうである以上、琴里はここで彼女に聞いておかなければならない事がある

 

「……ねぇ、剣の力が封じられた本は、全部で何冊あるの?」

「本の総数は全部で十冊」

「十冊……もしその力が集まったら──」

「わからない」

「わからない?」

「力が一か所に集まった時に何が起こるのか……それは私にもわからない────」

 

 少しだけ目を伏せていた万由里だったが、今度はまっすぐ琴里の目を見て言葉を続ける

 

「──けど、彼なら何があってもその力を正しく使いこなせると思う」

 

 万由里のその言葉を聞き、琴里は今までの彼がどのように力を使っていたのか。それを思い出し目を閉じ軽く頷いた

 

「そうね、今までの事もあるし……ひとまず彼の事を信じてみるわ」

「……ありがとう」

「感謝される筋合いはないわ、この判断は私たちにとってもトーマの存在が有益だからこそよ」

 

 それだけ言うと琴里は席を万由里に視線を向ける

 

「それじゃ、私から聞きたいことが終わったわ。万由里、貴方の方から何か聞きたいことはある?」

「特にないわ」

「そ、部屋は後で用意させるから事が落ち着くまではそこで生活してちょうだい」

 

 万由里との話を終え、部屋の外に出た琴里は軽く息を吐くとずっと話を聞いているだけだった神無月が声をかける

 

「お疲れ様でした、司令」

「えぇ……それにしても、中々に頭が痛くなる話ね」

「そうですね、今は失われた世界の全てを記した本とは……中々に突拍子の無い話ですね。それで、今回の件上層部に連絡は」

「必要があると判断したらするわ、けど今は……私たちの心の中に留めておきましょう」

 

 そんな話を続けながら、二人は司令室へと戻っていった

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