デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー 作:SoDate
ゲームセンターを堪能した二人は外に出ると、再び散策を開始する
「さてと、次は何処に行くか思いついたか?」
トーマがそう声をかけると隣を歩いていた万由里はきょろきょろとあたりを見回し、とある建物が目に映るとそこを指さす
「あそこ、行ってみたい」
「……コスプレショップ? そう言うのに興味があったのか」
「別に、そう言うわけじゃないけど……どうせなら体験しておきたいなって」
「どうせならって、これから先いくらでも機会はあるだろ?」
「そうも行かないのよ、私はノーザンベースの守護者。今は緊急時だからこうして外に出てるけど、本来ならノーザンベースの中に留まってないといけない」
万由里はそう言うとトーマよりも先にコスプレショップの中に入っていった。彼女の後を追ってトーマも中に入るとそこには多種多様な衣装が置かれていた
「はー、凄いもんだなぁ」
「そうだね、ホントに色々ある」
「だなぁ……あっ、そう言えば万由里の着てる制服って、どこで見つけたんだ? あんまこういうこと言いたくないが制服なんておいそれと手に入るもんでもないだろ?」
「あぁ、この服はノーザンベースに残ってたカタログを見て作ったの」
「カタログを見てって、そんなことできるのか?」
「精霊だって自分の霊力で霊装を形作るでしょ、それと同じ原理よ……私も霊力は持ってるし」
そんなことを話しながら店内を見回ってみると、二人の目にとある衣装が映る
「あれ、これって……」
「士道の通ってる高校の制服だな。何でこんなもんまで」
「そう言えば店の前に、中古コスチューム販売もしてるって書いてあった気がする」
「……これを売った人は相当金に困ってたのか、それとも単純にいらなくなったのか」
それでも制服を売るのはいかがなものかとトーマが考えていると、万由里が来禅の女子制服とは別にもう一着を持ってやって来る
「男子の制服もあったよ」
「なんであるんだよ……」
「どうせなら、一緒に着てみる?」
「サイズ合わないだろ」
「着てみないとわからないよ、ほら行こ?」
制服を渡されたトーマは万由里に引きづられる形で更衣室の前までやって来ると、そそくさと隣の更衣室に消えていった万由里を見送り軽く息を吐いた後、自分も更衣室の中に入り制服を試着してみる
「……サイズ、合っちゃったよ」
自分はそこそこ体格が良いと思っていたトーマだったが、試着してみた制服は自分にピッタリだった。その事実に少しだけ引きながら更衣室から出ると、同じタイミングで来禅高校の制服を纏った万由里も出てくる
「どう?」
「似合ってる、新鮮な感じだ」
「ありがと、そっちも案外様になってるね」
「そうか? 多少無理がある気もするんだが……」
「そんなことないよ、似合ってる」
万由里にそう言われたトーマだったが自分の実年齢すら正確に把握していない以上、なんとも微妙な感情が心の底から湧き上がってくるがとりあえずこの場においてはそれを無視して質問をする
「それで、このくらいで良いのか?」
「どうせなら、一枚くらい写真撮りたいかも……ほら、あそこに撮影スペースあるし」
「あんであるんだよ……って、そりゃコスプレショップなんだからあって当たり前か、当たり前か?」
疑問を感じつつも、万由里に引きづられる形で撮影スペースまで向かい、店員に写真を撮影してもらう。最初は何とも言えない表情をしていたトーマだったが写真を撮られていくうちに自分の中でものっていき最終的にはかなりノリノリで撮影に興じていた
「はぁ、なんか少し興がノリすぎた気がする……」
「凄い楽しそうだったね」
「多分変なスイッチが入ったんだろうな、一生の不覚だ」
「あっ、そうだトーマ」
「どうした?」
「折角だから、お祈りしていかない?」
そう言いながら万由里が指さしたのは神社だった。万由里から提案されたのだから乗らない手はない
「そうだな、折角だし祈っていくか」
二人で神社の境内まで向かうと、万由里に手持ちの百円玉を一枚渡して二人で賽銭箱の中に投げ入れ鈴を鳴らした後、二礼二拍手一礼で祈る。トーマはひとまず知り合った全員の健康を願い目を開けると、隣の万由里はまだ祈っているようだった。少し待っていると万由里はゆっくり瞼を開く
「随分と熱心に祈ってたな」
「うん、みんなが平和に暮らせますにって……」
「そうだな、それが一番────」
「悪いが、その祈りが叶う事はない」
トーマの言葉を遮るように言葉を放ったのは季節外れの黒いコートを羽織った一人の男。その男を認識した瞬間、トーマは無銘剣を引き抜いていた
「本能で気が付いたか、流石は聖剣が選んだだけの事はある」
「お前……誰だ」
「ん? そうか、この姿ではわからないか」
そう言った男は禍々しい黒い翼をはためかせると同時にその身体をボロボロの紙片が覆う。そして漆黒の波動が晴れ、トーマたちの前に姿を現したのは禍々しい龍の姿をした戦士──
「──アスモデウス」
「次こそ貴様の持つ本の力を貰うぞ、剣士」
召喚したカラドボルグを構えるアスモデウスを見据えながら、万由里を後ろに下がらせたトーマは無銘剣を構え、本を開く
【エターナルフェニックス】
『――抜刀』
炎がトーマの身体を覆い隠し、ファルシオンへとその姿を変化させる。互いに剣を剣を構え、僅かな膠着の後剣をぶつけ合う
「はぁッ!」
「ふんッ!」
剣同士がぶつかることで火花を散せながら、剣をぶつけ合う。純粋な剣の腕のみで戦いを続けていくと、最初は互角だった戦況が少しずつアスモデウス有利に傾き始める
「どうした、そんなものか」
「まだまだッ!」
「その気概だけは称賛に値するが、これならどうだ」
そう言いながらアスモデウスはファルシオン──ではなく、後ろで避難をしている民間人へ向けて斬撃を放つ。アスモデウスに向かおうとしたトーマだったが炎の翼を展開すると咄嗟に民間人の盾になり攻撃を受ける
「ぐあぁぁぁッ!!」
「やはり、守ったな」
ファルシオンの装甲は所々ひび割れ、許容しきれないダメージが原因で膝をつく。そんなファルシオンを見つめながらアスモデウスは近づくとファルシオンの胸ぐらを掴み持ち上げる
「ぐ──っ」
「剣士、貴様と始めて出会った時、貴様は俺の放った最初の一撃からあの守護者を守った。それがわかっているからこそ、貴様ではなく貴様の周りにいる奴等を狙えば勝手に傷を負ってくれると思ったよ」
「おま、え──」
「欲を言えばもう少し楽しみたかったが、仕方ない。貴様の持つ本の力を貰うぞ」
アスモデウスはそう言うと、ファルシオンのベルト────ブレードライバーにカラドボルグを突き立てる。突き立てられたベルトには僅かながらヒビが入り。オレンジ色の光が漏れ始める
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────ッ!!」
トーマが上げた叫び声を上げると同時に、血飛沫のように紙片が溢れ出す。紙片は一枚一枚がこれまで集めたワンダーライドブックへと姿を変化させると地面に落ちる。紙片が溢れ出した後、ファルシオンはトーマの姿に戻り、地面に倒れ伏す
「ふん……さぁ、散らばりし紙片よ。我が元に集い大いなる力を──俺の手に!」
アスモデウスが放ったその言葉と共に、漆黒のオーラが放たれ散らばったワンダーライドブックから一枚づつ紙片が切り取られていく。切り取られた紙片は集まり漆黒の本を形成し、アスモデウスの手に収まる
【ジャオウドラゴン】
漆黒のオーラが晴れ、現れたのは新たなワンダーライドブック、そしてその本を掴んだ瞬間アスモデウスの腰に現れたのはブレードライバーとは異なる錆びついたベルト──ドゥームズドライバーバックル
「これが、大いなる力ッ!」
声に歓喜の色をにじませたアスモデウスはジャオウドラゴンを装填すると、ベルト上部のスターターをカラドボルグの剣底で押し込む
【Jump out the book】
【Open it and burst】
【The fear of the darkness】
【You make right a just,no matter dark joke】
【Fury in the dark】
漆黒の龍がアスモデウスの周りに集まり、禍々しい鎧を形作る。かつて存在した戦士──カリバーをそのまま怪物にしたような姿へと変化したアスモデウスは、黒いオーラを放ちながら倒れ伏したまま動かないトーマへと、斬撃を放つ
アスモデウス〘ジャオウドラゴン〙
新たに生み出されたジャオウドラゴンWRBと錆びついたドゥームズドライバーバックルで変身した姿
見た目はカリバー ジャオウドラゴンに近いがあくまでも鎧や頭部の形状がジャオウドラゴンに寄っただけで他はアスモデウスのまま
カリバーへ変身したというよりはカリバーを怪人にしたアナザーカリバーに変身したと言った方が近い
ジャオウドラゴンWRB
アスモデウスがトーマの持っていたWRBの力を奪い生み出した新たな本。しかし本来黄金に輝いている箇所は漆黒で塗り潰されており、召喚される龍も黄金の龍ではなく漆黒の龍
本来のジャオウドラゴンよりも、禍々しい本になっている
錆びついたドゥームズドライバーバックル
目次碌を手にしたものが手に入れると言われている武具だが、全知全能の書は喪失し、この武具の持つ力も錆びついてしまっている