デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

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EX2-8, vs邪龍

 トーマへと放たれた斬撃が、直撃しようとする数瞬の間に万由里が二人の間に割って入ると、落ちていた本の残滓を使い盾を作りだす

 僅かな力しか残っていなかったが故に直撃コースから僅かに軌道を逸らす事しかできなかったが、その光景を見たアスモデウスは感嘆の声を漏らす

 

「ほう、僅かな力しかなかったとは言え本の力を引き出し、行使するとは……今回の守護者は随分と優秀なようだな」

「うるさい……というより、その力はアンタが持ってていいモノじゃない。だから────」

 

 万由里はそう言うと掌に黒い球体を召喚し、握る

 

「返してもらうよ」

 

 握りつぶされた黒い球体は万由里の身体に纏わりつき霊装を形作り、周囲に雷球を出現させる

 

「出来るものなら、やってみろッ!」

雷霆聖堂(ケルビエル)ッ!」

 

 アスモデウスがカラドボルグを振りかぶろうとした瞬間、万由里は雷球を操作して雷の檻を作り出す

 

「小癪な!」

「そのまま、痺れてッ!」

 

 檻の中でなおもカラドボルグを振るおうとしたアスモデウスに対し、雷撃を浴びせダメ―ジを与えていく……しかし、それが決定打にはならず、少しだけ拘束は出来たがアスモデウスの振るった剣圧によって雷の檻は霧散する

 

「今度はこちらの番だ、ふんッ!」

 

 雷の檻を霧散させた直後、もう一度カラドボルグを振るうと斬撃と共に漆黒の龍が現れ万由里へと襲い掛かる

 

「ッ!」

 

 迫りくる一撃に対して万由里は雷球を操作して雷の網を作ると、近くで倒れていたトーマを抱えてその場から離脱する

 直後、漆黒の龍は地面を抉りながらビルの壁に直撃し大穴を作る

 

「……万由里」

「トーマ、目が覚めた!?」

「あぁ、不甲斐ない姿ばっかり見せてすまん」

「気にしないで、それより身体は大丈夫?」

「あぁ、大丈────! 避けろ!」

「えっ──ッ!」

 

 目を覚ましたトーマに一瞬意識をとられ、万由里に向けて放たれた漆黒の斬撃への対応が遅れる。何とかギリギリで回避は出来たもののバランスを崩し落下を始める

 上空から地上まであまり距離が空いていなかったということもあり、行動を起こすよりも早く地面に激突するかと思われたが……地面ギリギリで風のベールが二人を包み、ゆっくりと地面に下ろす

 

「今のって……」

「……すまん、助かった。二人とも」

「呵々、気にするでない」

「安堵。間に合って良かったです」

 

 その声と共に二人の近くに舞い降りたのは限定的な霊装を纏った瓜二つの姉妹──耶倶矢と夕弦。二人は少しトーマの方に視線を向けた後、アスモデウスに視線を向ける

 

「成る程、アレが此度の難敵か」

「警戒。見るからに危険な雰囲気が漂ってきます」

「不甲斐なさを重ねるようで申し訳ないが、こっちは持ってる本の力を全部奪われちまった……オレの持ってる力がアイツを強化しちまった」

 

 トーマが二人にそう言うが、言われた側は特に気にした様子もなく言葉を返す

 

「気にするでない。寧ろこの前は暴れたりなかったな、難敵程度で丁度良いくらいだ」

「同意。耶倶矢の言う通りです。トーマが気に病む必要ありません……それと、力を全部奪われたというのは訂正した方がいいかと」

 

 夕弦はそう言うとトーマに一冊の本──ドラゴニックナイトのワンダーライドブックを手渡してきた

 

「あっ」

「後生大事そうに机の中に仕舞いおって、その様子だと持ってきて正解だったみたいだな」

「苦笑。そうですね」

「……トーマ、貴方もしかして──」

「……何も、言わないでくれ」

 

 三人の話を聞いてジト―ッとした目線を向ける万由里に対し、トーマは申し訳なさそうな表情を向ける。ドラゴニックナイトは手に入れてから他ならぬトーマ自身が後生大事に仕舞いこみ持ち歩くこと避けていた。それが今回の非常に不甲斐ない事態に至った以上トーマは言い訳の仕様がない

 

「後で十分に説教は受ける、だから──」

「はぁ、わかってる」

 

「どうやら茶番は終わったらしいな」

 

 退屈そうにしていたアスモデウスだったが、トーマたちの話に一区切りがついたのを確認し改めて剣を構える

 

「トーマ、準備は良い?」

「あぁ、この本を使う以上……もう不甲斐ない姿は見せられないしな」

 

『ドラゴニックナイト!』 

 

 本を開いた瞬間、ブレードライバーはソードライバーへ、そして無銘剣は火炎剣へと変化する

 

「変身ッ!」

『烈火抜刀! Don`t miss it!』

【Dragonic knight!】

 

 炎と共に白銀の鎧を身に纏い、セイバードラゴニックナイトへと変身すると、三人の横に並び立つ

 

「「颶風騎士(ラファエル)──」」

「──穿つ者(エル・レエム)!」

「──縛める者(エル・カナフ)!」

 

雷霆聖堂(ケルビエル)!」

 

 それぞれの顕現させた天使を、強く握りしめた剣を、それぞれ構えると全員でアスモデウスへと攻撃を仕掛けた。まずは耶倶矢が先陣をきり突貫する

 

「我の一撃、喰らうがよいッ!」

「早い、しかし動きは単調──」

 

 疾風を纏い、かなりの速度で突撃してくる耶倶矢を見たアスモデウスはその一撃を避け、剣を振りかぶろうとするが動かない。動かなくなった片腕に視線を向けると夕弦のペンデュラムが腕に絡みつき、拘束していた

 

「──なんだと?」

「好機。今です!」

「あぁ、今が好機だな!」

 

 夕弦の声と共に、接敵していたセイバーが火炎剣を振るう。迫りくる刃を見たアスモデウスは拘束されている腕からカラドボルグを手放し、逆の手で掴みなおすとその一撃を防ぐ

 

「惜しかったな、だがいい連携だった」

「──あぁ、そうだな。上手い具合に引っかかってくれた」

「なんだと?」

 

 その言葉を聞き、疑問を帯びた声を発した直後。アスモデウスの腹部に強い衝撃が伝わり、肺から空気が無理やり排出される

 

「──! なん、だと」

「本命は……万由里だよ」

「トーマ! 駄目押しの一撃!」

「あぁ、喰らいやがれッ!」

 

 続け様に着地したセイバーの蹴りを喰らったアスモデウスは大きく後退し、ここで初めて膝をつく

 

「よし! 作戦成功だな」

「安堵。ぶっつけ本番でしたが成功して良かったです」

「……よく思いついたわね」

「我ら颶風の巫女の意思疎通力はこの世で最も高い精度を誇っているからな! この程度大量のメニューを捌くのに比べればなんでもないわ!」

「同意。フミさんの食堂のお昼時に比べればこの程度赤子の手を捻るレベルです」

 

 耶倶矢と夕弦が合流してから、明らかに自分たちの動きが変わったことをトーマは実感すると同時に、心の中にこれまではなかった安心感を覚えているのを自覚する──と同時にちょっとした疑問が浮かんできた

 

「そう言えば、二人はどうしてここに?」

「む? あぁ、ただならぬ気配を感じたからな。物は試しと琴里に連絡を取ったら案の定だ」

「補足。それで耶倶矢と夕弦が救援にやってきた次第です。士道たちは万が一に備えて待機中ですが」

「琴里が良く許したな」

「一瞥。耶倶矢が随分と慌てふためいていましたから、流石の琴里も許可しました」

「別に慌てふためいてないし!? そう言う夕弦もすんごい動揺してたじゃん!」

「一旦話をやめて、来るよ」

 

 万由里がそう言うと、膝をついていたアスモデウスは立ち上がると、ベルト上部のスターターを剣底で二度押し込んだ──刹那、これまでとは比にならない程のエネルギーがカラドボルグの刀身に集まっていく

 

「さっきの一撃は中々に見事……ならば俺も一撃で貴様等を塵へと返そう」

【ジャオウ必殺撃 You are over】

 

 七匹の邪龍と共に放たれた斬撃はまっすぐセイバーたちの方へと向かってくる。セイバーもすかさず火炎剣を一度納刀し、再度抜刀することで炎を刀身に纏わせ斬撃を放った。僅かに拮抗したかに思われたがセイバーの放った斬撃が漆黒の一撃に飲み込まれ──四人に襲い掛かる

 

「ぐっ──ッ!」

 

 斬撃は直撃し、土煙が晴れるとそこに立っていたのは白銀の鎧を所々焦がしたセイバー、そしてその背後にはセイバーに比べ比較的軽傷な三人の姿があった

 

「ほう、精霊と守護者を庇ったか」

「……庇うに決まってんだろ、絶対に死なせない」

 

 既に満身創痍と言った様子のセイバーだったが大地を力強く踏みしめると火炎剣を構え直し、アスモデウスへと向かっていった

 

「──あっ」

 

 そして、その姿を見た万由里の心の中に、炎が灯る。そして、その炎を自覚すると同時に近くにいた二人へ声をかける

 

「あの、二人にお願いがあるの」

「──いいだろう、我らは何をすればいい?」

「えっ、そんなあっさり」

「微笑。信用するかどうかは貴方の目を見ればわかります。それ以前に夕弦たちは既に一緒に戦っている戦友です」

「……そっか、うん。そうだね」

 

 万由里は二人の姿を見て目を閉じると笑みを零し、改めて二人をしっかりと見据える

 

「こんな場所で悪いけど、私は万由里──改めてお願い、力を貸して」

「八舞耶倶矢だ。して、我らは何をすればいい?」

「挨拶。八舞夕弦です、夕弦たちに出来ることなら、お力をお貸しします」

 

「むしろあなた達にしか頼めない」

 

 そう言うと万由里は二人に手を差し伸べる

 

「私の手を、握って欲しい」

「それくらいなら……ね? 夕弦」

「同意。はい、それくらいなら頼まれなくても、喜んで」

 

 そうして耶倶矢と夕弦の二人が万由里の手を取った瞬間──周囲に散らばっていたワンダーライドブックが一斉に輝き出した

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