デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー 作:SoDate
フラクシナスの艦内、バイザーを外した士道は息を吐き、近くいた琴里に話しかける
「琴里、どうだった?」
「駄目ね、こっちからじゃ中の様子は見えないわ。それより士道の方こそどうだったの? トーマと会えた?」
「あぁ、けど自分がゲームの中にいるって事をまるで覚えてない様子だった」
それを聞いた琴里は顎に手を当てて少しだけ考えた様子を見せると、近くにいた令音に声をかける
「令音、確か強制ログアウトは無理なのよね?」
「……あぁ、現在システムそのものが外部からの干渉を受け付けない状態にあるからね」
令音が現在の状況を口にした直後、部屋の扉が開き美九が中に入ってくる。それから少し遅れる形で他の精霊たちも入ってきた
「琴里さん! お兄さんは大丈夫ですか!?」
「美九……えぇ、命に別状はないわ」
「そうですか……」
「琴里、トーマを起こすことはできないのか?」
「下手に装置から身体を切り離すと何が起こるかわからない状態なの」
「むぅ」
美九だけではなく他の精霊たちもトーマのことを心配そうに見つめていると、システムの調査を続けていた令音が僅かに目を見開く
「……これか」
「何か分かったの?」
「これが原因だという確証はないが、フラクシナスのメインコンピュータ内にイレギュラーな存在が確認できた」
「それって、サイバー攻撃ってやつですかぁ?」
「いいや、フラクシナスのメインコンピュータはDEMだとしてもハッキングを仕掛けるのは不可能だ……人間には、ね」
「疑問。どういう意味ですか?」
『人間じゃなければ、できるかもしれないんでしょ? つまり、そう言うことなんじゃないのぉ?』
「むぅ? 一体どういう事なのだ、よしのんよ」
「人間じゃないなら、決まってるでしょ。ようするに未確認の精霊の仕業……そう言うことね」
「せ、精霊……の? 機会に強い精霊さんが、いるん……ですか……?」
困惑した表情を浮かべている四糸乃とは違い、美九は顎に手を当てる
「私の
「……あぁ、大体君たちの予想通りだよ。しかし、どうやら精霊と呼ぶのも少し違うかもしれない」
「どういうこと?」
「……この精霊らしき存在は現実世界に現界していない。プログラムそのものが霊力を持っている状態だ……それに、トーマの使っている力に類似した反応も検出されている」
「データ上のみで活動しているってこと!? ……そんな特殊なことが──いえ、ちょっと待った!」
令音の言ったデータ上にしか存在しない精霊。その情報を聞いた琴里は一つの答えに辿り着く
「どうした琴里?」
「人工的な精霊……っていう可能性は?」
「……実は、私もその可能性があると考えていた。精霊の霊力を悪用するDEMのような組織であれば、そういったものを生み出しても不思議ではない」
「あのぉ、人工的に作られた精霊さんが、お兄さんの使ってる力と似たような反応が出るなんてあるんでしょうか?」
「美九よ、トーマの力は我らより別れたもの。であるならば人工的に作られた精霊がそれを宿してるのが道理なのだろう」
美九の疑問に耶倶矢が自身の考えを返すが、それでもまだ美九の納得のいかない様子を見せる
「ともかく、霊力を持ったデータ体として侵入した……これならフラクシナスのセキュリティを抜けられた理由もわかるわ」
「……他に考えられるのは、メインコンピュータへのアクセス権を持ったものの仕業だが……これはないだろう。ラタトスクを──琴里を売るようなクルーはうちにはいない」
「ふん、当然よ。とにかく、これで少し糸口は見えてきたわ。結局いつもと変わらない。──そいつと私たちの
「……違いない。外部からのイレギュラー、その狙いがトーマなら必ず彼と接触するはずだ。シン、きみがトーマを見つけた時他に誰かいなかったかい?」
「いえ、特にそう言った人は居なかったと思います」
「……そうか。だが今出た情報でも糸口が見つかるかも知れない、こちらで探ってみよう」
少女の手を取ったトーマは彼女の名前を聞いていないことを思い出し、問いかける
「改めて、オレはトーマ。君の名前は?」
「名前……わたしの名前は……
「或守?」
「はい、わたしの外見データと一致する名称です」
「……わかった、よろしく。或守」
「はい、よろしくお願いします」
「とは言ったものの、愛を教えるって言ったってどうすべきか」
愛の教え方何て知らないトーマがどうするべきかと考え始めた所で、或守のお腹からかわいらしい音が聞こえてきた
「腹減ってるみたいだし。とりあえず、飯にするか」
「これが、空腹なのですね」
「もしかして、始めて空腹になったのか?」
「はい、始めての経験です」
少しだけ困惑しつつ、彼女から僅かな霊力を感じたトーマはそう言うことかと納得する、それと同時にページに文字が書き込まれるような奇妙な感覚に襲われる
「? 今のは……」
「どうかしたのですか?」
「いや、何でもない」
さっきの感覚が僅かに気になったトーマだったが、今は或守の空腹を満たすためにマンションに向けて移動を始めた