デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

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EX3-3, 現状

 或守を連れてマンションまで帰って来たトーマは扉を開けて中に入るが、人の居る様子はない

 

「ただいまー……ってやっぱいないか」

「いないとは、美九の事ですか?」

「あぁ……ってそういや知ってるか」

「はい、誘宵美九。精霊としての識別名はディーヴァ。トーマは現在彼女の住むマンションに居候していましたね」

「まぁ、そう言うこと……とりあえず何か作るから座って待っててくれ」

「わかりました」

「えーっと、食材は……ってあれ?」

 

 キッチンの中に入ったトーマはエプロンを付けて冷蔵庫の中を確認すると、昨日消費したはずの食材が戻っていることに気付く

 

「なんで……ッ!?」

 

 疑問を抱いたトーマの頭にノイズが走る。まるで自分が何かを思い出すことを阻害するかのようにノイズは酷くなる

 

「トーマ、大丈夫ですか?」

「……或守」

 

 或守の声を聞いた瞬間、視界一面に広がっていたノイズは晴れる

 

「或守、ここは──何なんだ」

「? 質問の意図がわかりません」

 

 ノイズと共にトーマの中に存在した靄が晴れ、この世界が電子の世界である事を思い出し、自分がその世界に違和感を持たずに生活していたことに気付く

 そして、限りなく現実に近いこの世界における唯一の相違点、それがトーマの目の前に存在する少女──”或守”に他ならない

 

「或守、キミはオレに愛を教えてくれと頼み、オレはそれに最善を尽くすと答えた」

「はい」

「……けど、キミはこの世界が現実でないとオレに教えなかった。それは何故だ?」

「聞かれなかったからです」

 

 あっけらかんとした様子で答えた或守を見て、トーマは怪訝な表情を浮かべる

 

「本当に、それだけか?」

「はい。それよりトーマはこの世界が現実ではないと理解していなかったのですか?」

「あ、あぁ……何というか。そこの部分の記憶と認識にモザイクがかかってたみたいだった」

「記憶と認識に?」

 

 トーマの身に起こったことは或守も心当たりがないらしく首を傾げる、一体どういうことかと思考を巡らせようとしたところで彼の耳に可愛らしい音が聞こえてきた

 

「……そう言えば、腹減ってたんだっけか」

 

 或守の方に視界を向けたトーマはひとまず思考を止めて食事の準備を始めた

 

 

 

 

 

 トーマが自身の囚われている世界を正しく認識したのと同時刻、現実世界でトーマのことを計測していた令音は脳波に変化が生じたことに気付く

 

「……これは」

「令音、何かあったの?」

「……トーマの脳波に僅かながら変化があったみたいだ」

「変化って、どういうこと?」

「……変化と言うより、この場合正常に戻ったと言った方が正しいか」

「それじゃあ、あっちの世界のトーマは」

「……全てではないが、今の状況を認識出来ている筈だ」

「……わかったわ。ひとまずあの子たちにこの事を伝えてくるわ」

 

 電子の世界に囚われたトーマをどうやってこっちの世界に戻ってこさせるか。それを考えていた琴里だったが、その思考を一度止めると、別室で待機している士道や他の精霊たちの元へ向かうため外に出る

 

「さてと、これからどうするべきかしら」

 

 これからの事を考えてながら琴里は艦の廊下を歩いていると目の前に巨大な本が出現し、その中から万由里が現れる

 

「……万由里?」

「久しぶり、この前以来ね。突然で悪いけどトーマのことで話があるの。時間貰える?」

「……えぇ、構わないわ。場所を変えましょう」

 

 万由里の言葉に頷いた琴里は、彼女を伴い近くの部屋まで移動し、改めて彼女と向き合うと。万由里もまた琴里の方を向き話を始める

 

「貴方達は、トーマの現状についてどれだけわかってる?」

「トーマは今、電子の世界に囚われてる。だから私たちはそれを助けようとして──「今の貴方達じゃ無理」どういうこと?」

「今のトーマはただ現実に戻ってこられないんじゃない。彼の精神がある力によって縛り付けられてる」

「ある力?」

「えぇ──」

 

 トーマの精神が力によって縛り付けられているという言葉を聞いた瞬間、琴里は訝し気な表情を浮かべ疑問を口にする。万由里はその疑問が来るのを見越していたかのように手に持っていた一冊の本を琴里に見せる

 

「──その力は元々サウザンベース……って所で封印されてる筈だったものよ」

「封印されてる筈だったって事は、今は封印されていないのね」

「そういうこと。ちょっとこっちに来てもらえる」

 

 琴里の事を近くに呼んだ万由里は、先ほどまで見せていた本を開く。すると本から光が浮かび上がり数冊の本を映し出す

 

「この本は?」

「旧ソードオブロゴスで保管、管理していた禁書よ。そのうちメギドの根源になった三冊と悲哀の書、終末の書の計五冊が奪われ敵に利用されている」

「……まさか、今回の件にもその禁書が関与してるって言いたいの?」

 

 琴里の発した言葉に対し、万由里は頷く

 

「禁書は一つ一つが強大な力を秘めたもの、そして強大な力を秘めているからこそ、利用されたなら私にも存在が感知できる……こうして私から顔を出したのもそれが理由よ」

「成る程、それじゃあトーマを助けるのに貴方も力を貸してくれるのね?」

「えぇ、そのつもりよ」

 

 今度は万由里が琴里の言葉に頷き、彼女へ向け手を差し出す。琴里も差し出された手を握り返した

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