デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー   作:SoDate

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EX3-7, 青い炎

 トーマたちの知っている或守とは違う、黒い或守と出会ってから何日かの時が過ぎたものの特に変わったことはなく平和な日常を過ごしていた

 

「なんか、本当に平和だな」

「……あんまりこの平和に慣れたくはないけどな」

 

 今日、士道と共に通学をしているのは十香や琴里たちではなくトーマ、その横には或守の姿もあり彼女はジッと話している二人の方を見ていた

 

「っと、俺はここら辺までだな」

「あぁ、仮想空間とは言えしっかり勉強はしろよ」

「わかってるよ……そう言うトーマの方こそ勉強は大丈夫なのか?」

「記憶失くしてまっさらな状態だからな。人一倍知識の大切さは身に染みてる」

「……すまん」

「気にするな、この状態はこの状態で慣れたし楽しんでる。お前らにも会えたしな」

 

 そう言ったトーマは士道と別れて商店街の方へ向けて歩く

 

「トーマは何処に行くのですか?」

「あぁ、生活用品を買いにな。色々となくなってたからな」

「成る程」

「せっかく一緒にいるんだし或守にも手伝ってもらうかな」

 

 トーマが或守に向けてそう言うと、彼女は少し困惑したように頭を傾げる

 

「手伝うとは……どういう意味でしょう?」

「商店街で生活用品のセールをしてるんだが、安い代わりにおひとり様一つまででな。せっかくだし付き合ってくれ」

「成る程……つまりトーマは私で数合わせを行いたいということですね」

「間違っちゃいないが、そうして言葉にされると悪いことをしてる気分だな」

「いえ、極めて合理的であると思います」

 

 或守のその言葉を聞いたトーマは何とも言えない表情の笑みを浮かべた後、二人で並び歩き始めた

 

 

 

 

 

 場所は移り、商店街内にあるスーパーの中。トーマと或守の二人は特売開始の合図を今か今かと待っている主婦の中に紛れていた

 

「これは、凄い人ですね」

「特売ってのはそう言うもんだから……っと、そろそろ時間だな」

 

 トーマが時計を確認したすぐ後、特売品の近くに店員がやって来る。それを見た主婦たちの間にピリピリとした空気が流れ始めた時……店員のハンドベルが鳴らされ特売開始が宣言され、主婦の大群が雪崩のように移動を始めた

 

「ッ!」

「わ、わわわ……あっ──」

 

 最初は一緒に移動していた二人だったが徐々に勢いに飲まれていき、勢いに飲まれた或守が体勢を崩しかけた瞬間、それに気付いたトーマが彼女の手を掴み自分の側に引き寄せる

 

「すまん、気が回ってなかった。大丈夫か?」

「は、はい……大丈夫です」

「よし、それじゃあこれから突っ込むけど手を放すなよ」

 

 彼女を手を引いたまま、トーマは特売の波へと突入する

 

 

 

 

「ふぅ……疲れました」

「悪いな、付き合ってもらって」

「いえ、興味深い経験でした」

「なら良いんだが、或守は愛が知りたいんだよな?」

「はい」

「……それなら、オレじゃなくて士道に付いてった方がいいんじゃないか?」

「何故ですか?」

「いや何故って……ってそうか、十香たちはこっちの世界にきてないのか。失念してた」

「トーマ、私は貴方が適任だと思い一緒に行動しています」

「? どうしたんだ、急に」

「いえ、何故か伝えておかなければならない気がして」

 

 唐突にそのような事を言った或守に対し、トーマは困惑の表情を浮かべていると──周囲の空気が変わる

 

「……これは」

「トーマ、あれを」

 

 彼女が指をさした先に現れたのはノイズのような亀裂。そしてその中から湧き出すような形でシミーが現れる、それはトーマにとってある種見慣れた光景だったが今までと違うのはその中に混じりゴーレムメギドやピラニアメギドの姿もある事

 

「どういうことだ、何でメギドまで……って考えてる場合じゃないか。或守は逃げろ」

「トーマは逃げないのですか?」

「あぁ、剣は使えるからアイツらを倒す!」

 

 無銘剣を出現させたトーマは接敵しシミー達を切り裂いていくが、ゴーレムメギドに斬撃を受け止められ拳をもろに喰らう

 

「ぐっ……ッ!」

 

 その一撃を喰らい後ろに吹き飛ばされたトーマは何とか空中で体勢を立て直し、血液の混じった唾を吐きだす

 

「やっぱメギド相手は生身じゃキツいか……けど、今のオレに変身は──」

 

 できない、そう言葉にしようとした瞬間。彼の目の前に一冊の本が現れる、そしてその本の出現を離れたところから見ていた或守は目を見開きトーマに向けて叫んだ

 

「いけませんトーマ! その本は!」

「或守? 急に何を────えっ?」

 

 視線を或守の方に向けた一瞬で本はトーマの手の中に収まる。その瞬間、彼に巻き付くよう骨のような腕が出現する

 

「なん……だッ、これ──」

 

 身体に巻き付いた骨がトーマの自由を奪い、身体を操作して腰にベルトを出現させる。瞬間、無銘剣は青い炎を纏い火炎剣へと姿を変える

 

「剣が勝手に──ッなんなんだ……この本──ぁっ」

 

 正体不明の力に抗おうとしたトーマだったが、唐突に力が抜ける。そんな彼をお構いなしに本はベルトへと収まると骨の腕を出現させ懐からエターナルフェニックスライドブックを取り出した

 

【エターナルフェニックス ゲット!】

 

『烈火抜刀!』

 

「ッ……ァ ァァアァアァアAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

 

 叫びを上げたトーマのことを焼き尽くすように青い炎は全身を包み込み、肉体を再形成するように焼き尽くされた身体を骨が覆っていく

 

バキッ! ボキッ! ボーン! ガキッ! ゴキッ! ボーン! プリミティブ────

 

「Gaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」

 

────ドラゴン! 

 

 炎が四散し、その中から現れたのは全身を薄水色の骨のようなアーマーで覆った戦士──セイバー プリミティブドラゴン。彼はゆっくりとした動作でメギドの方へ視線を向け、襲い掛かった

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