デート・ア・ライブ feat.仮面ライダーセイバー 作:SoDate
プリミティブドラゴンの本を拭きながら、トーマはため息を吐く
「まさか、本に今川焼きを取られる日が来るとは……」
「不思議な出来事もあるのですね」
「精霊と関わって、本を使って戦ってるオレが言えた立場じゃない気もするが……ホントにな」
食べられなかったことに若干気を落としていたが仕方なしと割り切って気持ちを切り替える
「さてと、思わぬハプニングもあったがデート再開だな。何処に向かおうか!」
「……半分、食べますか?」
「…………貰おうかな」
食べられなかったショックは、トーマが自分で思ってた以上に深く、鞠亜の眼から見てもわかりやすかったらしい
気を取り直してデートを再開したトーマと鞠亜が向かったのは服屋
「色々な服があるのですね」
「人間身だしなみを気にするからな、美九もその日のコーディネートはこだわるからな」
「そう言うトーマはどうなのですか?」
「多少は気を使うが基本的には動きやすさ重視だな」
色々な服を興味深げに眺めている鞠亜を見たトーマは彼女の元に近づく
「せっかくだし、何か買っていくか?」
「そうしたいですが、私にはよくわからないですから」
「……言われてみればオレもファッションはさっぱりだな。基本的に直感で選んじゃうし」
「直感……それなら、こういったものはどうでしょう」
「そうだな、良いと思うぞ」
「それならこちらはどうでしょう」
「それも似合うと思うぞ」
「……トーマ、少し適当になっていませんか?」
「そんなことねぇよ、鞠亜は元々の素材が良いわけだし」
「そ、そうでしょうか」
「あぁ、だから何を着ても似合うと──」
そこまで言ったところでトーマの言葉は背後からやってきた人物に口を塞がれ途中で終わった
「ふっふっふ、下手ですよお兄さん。ファッションがへたっぴさんです」
「美九、どうしたのですかこのような場所で?」
「学校終わりに運よくお兄さんたちを見つけたのでやって来ちゃいました。もしかしてデート中でした?」
「そのまさかだよ、それよりもそろそろ離れてくれないか?」
「おっとすいません、それにしても随分とお困りのご様子でしたね」
「……まぁな」
「私もトーマもファッションは不得手だったので、どうするべきなのかを試行錯誤していたところです」
鞠亜のその言葉を聞いた美九は納得したように頷くと鞠亜の手を取る
「そう言うことなら、任せてください! 私がある──鞠亜さんをコーディネートしちゃいます!」
「いいんですか?」
「勿論です! お兄さんも言ってましたが鞠亜さんは素材が良いですから、腕がなっちゃいますねー」
美九はそう言った後鞠亜の腕を引いて店の奥へと向かっていった。それを見送ったトーマは近くにあった椅子に座って一息ついた
美九による鞠亜のコーディネートが始まりしばらくすると美九からお呼びがかかりトーマも二人の元に向かう
「どうした?」
「鞠亜さんのコーディネートが完成したのでお披露目しようと思って」
「そう言うことか、それで鞠亜はどこに?」
「ここです」
彼女の声が聞こえてくるのは試着室の中、どうやら着替え中であったらしくしばらくすると着替え終わったと中から声が聞こえてきた
「それでは……鞠亜さんのコーディネートお披露目の時間です!」
試着室のカーテンがさっと開かれ中から今までとは違った服装の鞠亜が姿を見せる
「どうでしょうか?」
「凄いな、見違えた……というか凄い似合ってる」
「ほんとうですか?」
「あぁ、こういうとき何て言うんだっけか、馬子にも衣装?」
「お兄さんそれ女の子への誉め言葉としては最悪のやつなので今後ぜったいに使わないでください」
「す、すまん……けど本当に似合ってるよ」
「そうですか、なんというか、少しだけこそばゆい感じです」
「んふふー、鞠亜さんが嬉しそうで私も良かったです」
「嬉しい……これが、嬉しい」
「さてと、私もホントはお付き合いしたいところですが。これくらいで失礼しますね」
「何か予定でもあったのか?」
トーマがそう美九にいうと、彼女は胸の前で両手を合わせている鞠亜へ視線を向け笑みを浮かべる
「今日はお兄さんと鞠亜さんのデートですから、私がお邪魔するのは無粋ってやつです。それじゃあ失礼しますね」
「美九、ありがとうな」
「そう言うなら、お礼は現実でお受け取りします。それじゃあ」
美九が店を出た後、トーマは鞠亜へと近づいて言葉をかける
「それじゃあ鞠亜、その服買っていくか」
「……いいんですか?」
「当たり前だろ、鞠亜も気に入ってるみたいだしな」
「……ありがとう、ございます」
「デートだから気にすんな、それよりもその服着ていくか?」
「できるんですか?」
「あぁ、会計の時に言えば問題なしだ」
そう言ったトーマは支払いを済ませて二人で服屋の外に出て商店街を歩いていると、鞠亜がふと足を止める
「トーマ、あのお店は女性が多いですがどんなお店なのですか?」
「あそこは、女性向けの雑貨屋さんだな、折角だし少し見ていくか」
「いいんですか?」
「もちろん、女の人はこういう小物が好きだからなぁ、ウチも気が付いたらこういう小物増えてるし」
トーマと美九が一緒に暮らしているマンションでも定期的に増えている小物類の事を思い出しつつ、近くにあった雑貨を一つ手に取る
「そういう物なのですね、けど見ていると楽しくなってくるような」
「不思議だよな、本当に……それで、なんか買っていくか?」
「いえ、やめておきます」
「いいのか?」
てっきり何か買うものだとばかり思っていたトーマは少しだけ驚きの表情を見せる
「はい、こういったものは見ている時が一番楽しい……そんな気がしますから」
「そうか……それじゃあ次に行くか」
「そうしましょう、時間は有限です」
自分の目の前を歩き始めた鞠亜の後を追って、トーマも移動を始めた