幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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第一章
第一話『引き続き幼馴染らしいから運命を変えてみようと思う』


 拝啓皆様、今俺はようやく自分の置かれた立場を理解しました。

 

 昨今転生系ラノベとか流行ってて、俺もそんな転生していっちょ大活躍して……なんて考えてた時期とかあったんですよ。

 

 でも流石に……

 

 流石に……

 

「いや転生二回目でここがどの世界か気付くのはキツいって」

 

 不幸にも死ぬまでどの世界で生きてたか知らずに過ごしてたとか有り得んでしょ……

 

 

 

 

 

『幼馴染はどうやら転生しても続くらしい』

 

 

 

 

 

「もう記憶取り戻して十年以上経つとは言え流石にキツすぎんのよ微妙に位のある貴族生活とか」

 

 俺には前世というものが『二つ』存在している。

 一つは『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』がラノベとして存在する世界、そしてもう一つがその上述タイトルの主人公が元々生きていた『現代世界』のものだ。

 そして最初の世界での記憶を辿っていくと俺は『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』略してモブせかのラノベと漫画をしっかり購入しアニメも見ていた事になっている。

 そりゃそうだ、そうじゃなきゃ二度目の転生でいくらゴリゴリの異世界転生したとしてもすぐには気付かねえわ。

 

 しかしあまりにも痛恨な事に俺は、履修していたにも関わらずモブせかの主人公リオンが元生きていた現代世界の背景をすっかり忘れて普通にちょっと前世の記憶があるだけの人間として何の世界とかそういう事全く考えずにエンジョイしてしまっていたのだ。

 

 まあエンジョイと言っても最期は悲惨も悲惨だったが……

 

「あー、シーシェックいるか?」

 

「こちらに。如何なさいましたかアルフォンソ様」

 

「ラーファン家の財状、今どうよ?」

 

「家具やインテリアは相変わらず最高級品を使用しているようですが、やはり懐事情は貧乏男爵家並になっております」

 

「はぁ……やっぱそうか。ありがとうシーシェック、また随時頼むわ」

 

「はっ」

 

 一番信頼してる若き執事長から紙を受け取り細かく記載された資料を読む。

 俺の最期が悲惨だったのはまだ良い。

 何せ元からイレギュラーな存在だった訳だからな。

 だが俺は改変してはならない場所を改変してしまったんだ。

 

 今世でマリエに転生している幼馴染、つまり主人公の妹の死を改悪してしまった事だった。

 

 そもそもあの世界がリオンの前世世界だとは知らずにエンジョイしていた俺はリオンの前世であるお兄さん……タケさんとも仲が良かったがマリエの前世……アヤとの方が仲が良かった。

 というかお互い恐らく両片思いだったのだろう。

 タケさんとアヤの間の年齢だった俺の後ろをいつも付いて来ていたアヤはその影響か腹黒度合いが幾分かマシになりタケさんに憎まれ口を叩いたり件の乙女ゲーを渡して旅行に行くのは同じだったが流石に無理してまでやれとは言わず

 

『アタシが帰ってくるまでに全キャラ全ルートとは言わないけど1キャラオルクリくらい終わらせといてよねー、ヨロシクー』

 

 で済ませていた。

 実際その程度なら半日で1ルート完走ペースだから家に縛り付けとくくらい面倒ではあるが健康を害す程では無い。

 結局アヤの旅行先の飛行機が欠便続きになって全キャラ全ルート走破していたが。

 タケさんの死因もアヤの旅行中ではあったが買い出し途中の交通事故に変化してたし、悲しかったがアイツが責められる展開が無くなったのは今思えば素直に良かったと思う。

 

 そして俺に対しても『顔が普通』『声も普通』『地味』と世のイケメン達と常に比較されながら色々言われてきたが何だかんだ懐いてくれて一緒に過ごすのが心地好くて、いつの間にかアヤに惚れていて。

 そして俺は鈍感では無い上にアヤとはずっと一緒に過ごしてきた仲だから俺に対する変化も分かってしまって、でもどちらも好きとは言い出せず。

 

 

 でもそんなアヤは、顔だけ良い最低男にナンパされて。

 相変わらず面食いなのは据え置きだったしまあ良いかと思ってたらその後クズ男なのが判明して仲違い、そのクズ男にストーカーされて殺されてしまった。

 

 サラッと回想も入れずに語ったがあんなの、思い出したくも無い。

 自分の取り返せない失態に発狂した俺は勢いそのままにそのクズ男を殺しに出向いたが刺し違えで死んで転生。

 

 そして目が覚めると大体七歳くらいになっていて。

 いくら何でもこれは異世界転生だと気付いた俺は世界情勢をそれとなく確認し、全てを悟り今に至る。

 

「つーかラーファン家ほんとバカしかいねえのか? あ、勿論マリエ除くけど」

 

「アルフォンソ様は本当にマリエ様を好いていらっしゃいますね」

 

「心配なんだよ。貧乏で面食いのアイツがいきなり伯爵家子息二人、辺境伯子息一人、王子一人にその王子と関係性の深いイレギュラーな子爵家から求愛されてんのが。良い奴ではあるんだが金とイケメンには目が無いから。よりにもよって上級貴族の中でも特大地雷と言わざるを得ないポンコツ四人と脳内お花畑王子なんだぞ?」

 

「……今のは聞かなかった事にしておきます。それとアルフォンソ様も一応はそのハーレムの一員である事を自覚してください」

 

「近くで監視出来るならそれに越した事は無いだろ? それにアイツは金とイケメンに目が無いのと実は口が悪い以外は良い女なんだ、あんな脳内お花畑連中に渡すなんて死んでも嫌だね」

 

 

 そして今世、俺とアヤ……現アルフォンソ・フォウ・ディーンハイツと、現マリエ・フォウ・ラーファンはまたしても幼馴染として出会った。

 前前世の記憶がある俺はマリエ=アヤと分かるがマリエにその手段は無いからこの構図を把握してるのは俺だけだが。

 俺のポジションとしては『子爵家子息』で、代々旧時代から受け継がれてきた射撃技術でモブ子爵~伯爵家との決闘を何回かして全てに勝利。

 箔がついた事であの馬鹿五人衆……ではなくマリエの方から接近してきて逆ハーレムに取り込もうとしてきたのでこれ幸いにとマリエの近くに居られるようにそれに乗った訳だ。

 

 一番下でも伯爵家だった連中にとって戦績が良いとはいえ『地味な子爵家』『旧時代の技術の家柄』『言う程金持ちでもない』『モブ顔』の俺の事に関しては怪訝な表情をしていたり未だに怪しまれる事も多いのが面倒だが。

 

 まあマリエが俺を取り込んだ理由としては大方『ゲームに登場しない強い異分子モブは抑えておきたかった』『五人衆には劣るが顔は悪くない』『ゲームに登場はしないがそれはそれとして幼馴染として仲良くしてたから』『自分の本性を知ってて気楽に接する事が出来るから』この辺だろうか。

 

 俺としたってマリエの見た目も好みだし中身に至っては前世で長年恋してきた幼馴染、ハーレム入りなんて願ったり叶ったりな面だったりもする訳で。

 あの馬鹿五人衆を出し抜いて俺がアイツを幸せにしてやるんだよ。

 

 ……今度こそ、後悔しない為に、な。

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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