幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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第十話『決闘という名の蹂躙タイム』

「両者、決闘前の名乗りを」

 

「リオン・フォウ・バルトファルト」

 

「ブラッド・フォウ・フィールド」

 

「それでは始め!」

 

 あれから試合開始までずっと原作通り殿下サイドや観客にアロガンツが馬鹿にされ続けてブラッド戦。

 俺としてはもう分かりきってる戦いだからアロガンツさえ見てりゃどうでも良いが、マルケスの場合は別だ……アイツ目を輝かせて現代の最新技術機体と旧時代のオーパーツの戦闘を見てやがるし。

 

(しかもネズミくん持ち込んでるのか……)

 

 更に録画録音の為のメカまで持ってきていた、アロガンツはメカニック技術屋にどこまでの価値を見出させているのやら。

 

「一撃で仕留めてやる! 死ねェ!」

 

「ふっ」

 

 そしてメインのブラッド対リオンだが……

 

「……へ?」

 

 哀れ紫ナルシスト、最後に断末魔すら上げられず原作通り脱落。

 機体性能自体は他四人より多少劣るがあのスピアは面倒というのが俺の評価だったが……原作通りとはいえここまで圧倒的だと同情したくなるレベルだ。

 

「あっ」

 

 同情と言えば……いくらハーレム軍団が俺以外全員クズとはいえ本性を全部は知らずに付き合っていたマリー、紫ナルシストが何も出来ずに落ちたのを見てやはり焦ってるご様子。

 最後に俺が何とか引き分ければ良いが、それまでに溜まるあの子の心労は大きいだろう。

 後で癒してやるとしますかねえ。

 

「あれ、審判? 気絶したみたいだぞ?」

 

「……せ、戦闘不能! 勝者バルトファルト!」

 

 シンと静まり返る闘技場。

 そりゃそうだ、お前らほぼ全員勝つと信じて疑わなかった殿下ブラザーズの先鋒が何も出来なかったんだこうなるのも必然って訳だざまぁみろ。

 

 そんな中でも拍手を送る者が一人……いや二人。

 リオンの師匠ルーカス……と、マルケスだ。

 ルーカスさんに関しては単純にリオンの勇姿に対する惜しみない賛辞だと思われるが、結構ビビりな方のマルケスが無我夢中で拍手を送る姿は初めて見た。

 察するに、その見た事も無いリオンの鎧の性能に胸が踊り、興奮していると言ったところか。

 

 流石トップクラスの技術力を持つサンドゥバル家の男、スコップの時の能力は大まか把握してるなあの興奮度合いなら。

 

「く……」

 

 今すぐにでもマリーを慰めたい気持ちを抑える。

 ここで本性はまだ出せない。

 

「どういうこと?」

 

「次は絶対勝てるよな?」

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙俺はブラッドに全財産賭けたんだぞおおおおおおおおおお!!!」

 

 そして観客側も酷い事になっていた。

 これでもまだ次は勝てると思い込んでる連中はなんなの、馬鹿なの?

 この圧倒的な力を見てまだ立ち向かえると思うならそれは勇気じゃなくてただの蛮勇なんだよ。

 そしてブラッドに全財産賭けた奴は賭博が下手過ぎるからこれを機に二度と賭博をやらない事をオススメします。

 

「バルトファルト……あれほどの鎧を持っていた故の自信だったのか」

 

「おそらくロストアイテムでしょう。ですがここまで強い鎧が残っているなど聞いたことがありません」

 

「ライバルが一人減る分には好都合だ、俺が片付けてきてやる」

 

 うわぁ隣にいる脳筋クソ野郎とかまだ余裕綽々でライバルが減ったのを好都合とか言ってるよ……これだから頭まで筋肉の阿呆はダメなんだよ……精々華々しく散ってきてくれ。

 

「それでは二回戦」

 

「リオン・フォウ・バルトファルト」

 

「グレッグ・フォウ・セバーグ」

 

「バルトファルト! ブラッドに勝ったのはお前の力じゃない! 鎧の力だ!」

 

 はいそうですね大正解だわ脳筋クソ野郎の癖にやるじゃん。

 

 ……で?

 

「まぁ正論だけど理屈で勝負したいなら今度お茶会でも誘ってくんない?」

 

「ぶっ潰す!」

 

 自分から舌戦仕掛けておいてあっさり負けるのか……

 リオンの煽りはそりゃ強いけどそんな簡単に負けるのはダメでしょうよ……自ら相手の手のひらに乗りに行ってる様なもんだぞ。

 

「両者始め!」

 

「オラァどうした! そんなもんかよ!」

 

 うんまあそれ以前の問題だったわ。

 グレッグの槍術は荒々しくも高いクオリティに纏まっており、決して弱いものではないし攻撃力だけで言うなら五人衆屈指だ。

 ……まあそれだけで単純な槍術以外の攻撃手段がほぼ無い上に機体はオンボロだから威勢だけ良くてもリオンに歯が立ってないが。

 

「もっと道具にこだわれや!!」

 

「グハーーー!!」

 

 ほんとそれな。

 鎧の素材と武器のレパートリーに柔軟性さえ持たせれば殿下とくらいは良い勝負になると思うんだが頭筋肉だからかそんな事全く持って発想に無いらしく無様に吹っ飛ばされていた。

 

「現にその鎧も旧式の量産品じゃねぇか! そのよく分からんプライドを捨てろ!」

 

 あーあーリオンさんお怒りですねこれは。

 攻略が地獄になったのも大抵は変なプライドが弱点化してる事だしそりゃキレたくもなるよなあ。

 

 てな訳でこの後はお解りの通り鎧の四肢をもがれて戦闘不能でリオンの勝利。

 

「ふざけるな!俺たちがいつ弱い者いじめなんか!」

 

「うっわ~無自覚って怖いよね~。やだやだ。これだから特別扱いの貴族様は」

 

 あ、そう言えばコイツ鎧破壊されても醜く抗おうとするんだった。

 本当に醜い上にイジメの自覚すら無いとか馬鹿通り越して呆れるんですよねえ、何せ同じマリエハーレムとはいえ俺その対象になってたんですけどねえ、分かりませんかねえ。

 

 まあそんな事もあったけど後は特に何も無くリオンの勝利判定がしっかり下された、そりゃそうだろうよ。

 

 因みに三回戦の剣キチは特に誰が何をするでもなくリオンのビット攻撃と精神攻撃で撃沈したので割愛する。

 まあ、一つ言っておくなら今までの中で一番マシな倒され方だったとは言えるか……無様には変わりないが。

 

 さてさてこれでライバルは半数以上が脱落か。

 残りは腹黒緑とポンコツ殿下の二人……と、休憩時間か。

 ここで確か腹黒緑が人……リオンの姉のジェナを使ってリオンの鎧に爆弾仕掛けるんだったな。

 

 ちょっとリフレッシュがてらちょっかい掛けに行くかね。

 

「お、丁度良いところに」

 

 とはいえ虱潰しに探しても埒が明かない為どうしようかと思案していたところ、丁度アンジェリカの取り巻き改め友人連中と遭遇。

 人を探すなら人に聞くのが一番だろうと、周りに人がいないのを確認し早速話し掛けてみる。

 

「やあやあお二人さん」

 

「あら、ディーンハイツさん」

 

「何してるのよ、こんなとこで」

 

「いや、少し怪しい噂を聞いた人間がいてね……今回のアンジェリカさんの代理のリオン、その姉のジェナが不審な動きをしてると聞いたもんで探していたのさ。俺の出番が来るまでに万が一でもリオンがリタイアしてしまう可能性があるなら排除しときたいし」

 

 もう二人とはすっかり普通に話すくらいの関係性にはなっていた。

 二人ともアンジェリカさえ絡まなければ冷静な判断が出来るまともな人間なのが分かってきたので非常に話しやすい。

 いやこの世界の人間特定の人間が絡むと頭おかしくなり過ぎだろ。

 

 ところで本題だが、二人は俺にはあまり聞こえない様に少し考えながら話してるご様子。

 まあ二人がそれぞれ見掛けたならそこから今どの辺にいるか、その時何をしていたか、不審な点は無かったか等の擦り合わせを行っているのだろう。

 連中にしたってアンジェリカさん、引いてはリオンには勝ってもらわなければならない為真剣そのものだ。

 

「どうよ?」

 

「確かにさっき……合流する前に見ましたね、少し挙動不審だったので印象に残っています」

 

「アタシは見てないから……場所は絞れそうね」

 

「成程……そうなるとやっぱリオンの鎧が置いてある部屋に行った可能性が高いな……ジルクの差し金か」

 

 万が一このタイミングで何もしてなかった場合逆に俺が疑われるからな、念入りに確証を持って詰められるところまで詰めて脅しに行かないと意味が無い。

 

「な、ジルク様が!?」

 

「アイツはああ見えてあの中じゃ一番性格悪いからな、何をしでかすか分かったもんじゃねえ。俺だって毎度毎度見えないとこで色々言われたもんさ、子爵家如きがマリエに近付くなとか何とか」

 

「そんな……」

 

「まあリオンの鎧は特別性だから心配する程でも無いだろうが……俺が少し脅しに行ってくるわ。邪魔されるのは不快なんでね……せめて君達の時みたいに精神的に攻撃くらいしても文句は言われないっしょ」

 

『ま、君達は安心して観客席から眺めてると良いよ』と言い残し手をヒラヒラ振ってその場を後にする。

 なお二人は揃ってドン引きしていたもよう。

 さて時間からしてジェナは既に爆弾セットはし終わってる頃だろうし後はルートを予測して……

 

「……予想的中ってね」

 

 走ってくるジェナと『偶然にも』鉢合わせる感じで遭遇に成功。

 流石俺、アンジェリカの時と言いルート予測が完璧だ。

 

「あ、貴方は……」

 

「……リオンくんのお姉さん、ですよね?」

 

「え、あ、はい。と言うかなんでそれを……」

 

「さて……もしかしたら、ジルク様と密談しているのを見てしまったからかも知れませんね」

 

「な……にを……!?」

 

 制裁はバルトファルト家で喰らうし何もしなくても因果応報で苦しむ事になるのかもしれないが、個人的に腹黒緑の言葉にまんまと乗せられたのが気に入らないから脅す事は辞めない。

 まあリオンのこの世界での身内には変わりないから軽くでやめといてやるが。

 

「……もしも何か下手な事をするのであれば、アンジェリカ様を敵に回すと言う事を念頭に置いて行ってください」

 

「べっ、別に貴方の敵に何をしようが……」

 

「少なくとも。僕の敵はリオンさんではありませんので……もしもリオンさんがジルク様との戦いにおいて貴方のやった事でリタイアする等があった場合……我がディーンハイツ家はバルトファルト家程度片手で捻り潰せる事を忘れないでくださいよ」

 

「ひっ……」

 

 こんなもんで良いかな、脅しだけしっかり入れて闘技場に戻る。

 相手は簡単に怯えていたが所詮は子爵家の力という事だけだろうな。

 残念ながらウチは専ら伝統的なトリガーハッピー

揃いなもんなんで使用人含む一家全員が通常兵士の数倍から数十倍の戦闘力があるんだよなあ、人数は少ないけど。

 

 なにはともあれ気分転換も済んだところで腹黒緑とポンコツ殿下の無様なやられザマでも見ましょうかね。

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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