幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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前回予約投稿時間を間違えてたらしいですが大体は朝6時投稿です


第十一話『きっと、これからは』

「君は強い、敬意を表しましょう」

 

「そりゃどうも」

 

 第四戦……まあ恐らく原作と同じ事が繰り返されるだろうし腹黒緑は何せ空中戦が主だろうから話も聞き取れない。

 つまりは暇になるだろうからここで少し、俺が何故ここまで戦闘力としての評価値が低いかの説明でもしておこう。

 

 そもそも俺の主要武器というのが腹黒緑と同系統のライフル、それとスナイパーライフル1丁、ショットガン数丁、二丁拳銃用拳銃数丁、マシンガン1丁だ。

 その為+銃をメインとした戦闘が主の為防御性能とバックパックを重視し俺の機体はかなりデカい物となっている。

 リオン程では無いが従来の機動性重視の中型細身とは掛け離れ無骨でずんぐりした鎧はそれだけで評価値が一気に下がる。

 

 だがそれに関してはある程度リカバーが可能だ。

 それこそ決闘の数回でもすれば多少は見直されるのだ。

 そして俺は既に数回の決闘で荒稼ぎさせてもらっているので低い事は低いが俺単体の評価は低過ぎる程でも無い。

 

 では何故俺の評価が殿下達から見てあそこまで低かったのか。

 

 それは腹黒緑にある。

 思い出してもらいたいのがアイツの戦闘スタイルだが……アイツはバトルアックスと『ライフル』を使用する。

 中遠距離ならライフル、近距離ならバトルアックスと器用に切り替え、加えて煙幕等小細工も躊躇無く使い巧みに試合を運ぶ試合巧者として名を馳せている。

 

 で、だ。

 お分かりの通り奴はライフルを使用して闘う事も多いのでどうしても俺は比較されがちなのだ。

 しかも俺は大抵実力の五割出してるかどうかレベル、つまり腹黒緑の実力と比べても大分弱い力で軽くいなして最低限の損傷だけ与えて勝利しているので、同系統の戦闘スタイルで腹黒緑の完全下位互換だと言う認識を持たれているのが最大の要因になる。

 

 因みにそれも今日までの布石だった訳だが。

 

「仕方がない。この手は使いたくなかったが……」

 

 と、決闘の方も順調に進んでるな。

 序盤で奥の手使うとか本当にやる事に躊躇は無いなあの腹黒緑。

 

 その直後轟音が響き渡りアロガンツの背中部分が大爆発、普通の機体ならアレで木っ端微塵、パイロット諸共吹き飛ばして殺す予定だったらしいが……哀れ腹黒緑、アロガンツは旧時代戦闘鎧の中でも飛び抜けてお馬鹿チートなんだ。たかがそんな爆弾で傷が付く訳が無い。

 

「悪く思わないでください。これも殿下の為ですから」

 

 ジェナのいるだろう方角を見る……お、いたいた。

 自分が脅された事、自分のやった事の重大性、腹黒緑が弟を本気で殺そうとしていたのに今更気付いた事で色々感情が入り交じって青ざめてるな、まあ自業自得過ぎて何も言えないが。

 心配しなくてもリオンは無傷だからお前は死ぬ程反省して謝っとくんだな。

 

 で、砂塵が晴れるとそこにアロガンツは無く空中に居て無傷ですと。

 

 もう声も聞こえないが今多分舌戦でもしてるんだろう。

 それも腹黒緑が自分で墓穴掘ってノックアウトされてるところの。

 

 確か掘った墓穴の脅しの内容としては

 

『よかったなぁ。ライバルが1人減るぞ?』

 

 に対して

 

『私も殿下も本当に彼女を愛している! もしも殿下に何かする気なら君の家族にも責任を取らせるぞ!』

 

 なんて事を言ってたかアイツ。

 ほんとやっすいやっすい言葉な上に三下としか思えない発言。

 脅しは最早さておき、なーにが私も殿下も本当に彼女を愛している、だよ馬鹿じゃねえの。

 奴らは所詮表のぶりっ子マリーしか見ずに、高貴な自分ではなく一人の人間として見てくれたから好きになったとかいう引っ掛けられたボンボンのテンプレみたいな惚れ方してる癖に。

 

 本気でマリーを好きなのは前世から本気で大好きで、今世でもしぶとく諦めずこの場を作り出してまでマリーを自分だけのものにしようと命懸けでやってきた俺だけだっつーの。

 悔しかったらなりふり構わずライバル蹴落とせって話。

 そういうとこ分かってない甘ちゃんだからアイツの庶民的な口説き文句に落とされる上に俺に足元掬われるんだよ。

 

 マリーもマリーだ、世界的に見ても最上位の地位と顔を持つイケメン集団なのは分かるがあんな奴らでハーレム構成するなんて趣味が悪いったらありゃしねえよ。

 

 あーあ、さっさと負けねえかなあ。

 

 その瞬間、今度は緑色の物体がいきなり闘技場のド真ん中に落ちてくる。

 

「うわぁ、ビックリした……って、じ、ジルク様まで……!」

 

 予想は付いてたが案の定無様に落ちてきたか、フン馬鹿め。

 言葉では驚愕と焦りを三文芝居で打って心の中では嘲笑しておく。

 これで残るは殿下ただ一人、コイツさえ居なくなれば後は俺のもんだ。

 

「ジルク……」

 

「大丈夫ですか? 四人とも何も出来ずに負けてしまいましたよ?」

 

「だ、だだだ大丈夫よ! ユリウスなら……!」

 

「そうだマリエ、何も案ずる事など無いのだ。俺の鎧は王国最高の技術で造られている。心配するな」

 

「そ、そうよね!(全員からほぼ同じ事聞いた気がするんだけど……)」

 

 可哀想にマリー……だがそのポンコツ殿下からはすぐに解き放たれ楽になるだろうから心配するんじゃないぞ。

 

「では行ってくる」

 

「はい。ユリウス様の勝利を願っています」

 

「ぼ、僕も殿下の事応援しています!」

 

「アルフォンソ……お前の出番は無い、座って見ていると良い」

 

 カッコよく気取っちゃってあの殿下。

 何がお前の出番は無いだよクソが、出番が無いのは決闘後のお前の事だよポンコツ野郎。

 精々無様に負けてくると良いさ。

 

「……はぁ、なんでアタシこんな事になっちゃったんだろ」

 

「ご主人様……まあ俺は何があっても貴方の使用人と言う立場は変わらないので着いていきますよ」

 

「カイル……」

 

 俺とマリーとカイルだけになった空間に重たい空気が流れる。

 そしてカイルのフォローが原作だとほぼ無い癖に今回はマリーの性格が変わってるお陰でこっちも柔らかい言い方に変わってるみたいだな。

 

 んじゃ俺もカイルに見習ってフォロー入れますかね。

 

「オイオイしんみりしてんなよ。アイツが負けてもまだ俺がいるだろ?」

 

「アル……そうよね、ユリウスが負けるかどうかはさておきアルなら何とかしてくれるわよね……」

 

「毎回思いますがディーンハイツ様? 表と裏で性格違いすぎて気持ち悪いんですけど……」

 

「うっせー、俺でも似合わない猫被り続けてると思ってんだよ」

 

「ふふ、全く二人とも呑気なんだから……」

 

 よし、多少は元気出たかな。

 やっぱり好きな女には焦燥しきった顔より笑顔の方が似合うんだよなあ。

 

「さて、それでは俺はお二人の邪魔をしたくはないので一旦ディーンハイツ様の出番まで離席していますよ」

 

「お前……別にそこまでしなくても良いんだぞ?」

 

「いえ……俺としてはご主人様とくっ付くならディーンハイツ様とが良いと思ってるので、その応援の意味を込めて僭越ながら下がらせていただこうかと思います」

 

「か、カイル!アンタそんな事を……!」

 

「ほーん、気が利くじゃねえか流石カイル」

 

 そしてカイルの気の使いが尋常じゃ無くなっている件について。

 何コイツ本当にカイルか?

 そんな事を思いたくなる程で、更に俺とマリーがくっ付くのを希望しているだと……

 確かにコイツは俺とマリーのイチャイチャを結構近くで見てきたがそこまで気に入ってもらえてるんだとしたら嬉しい事この上無い。

 

 そそくさとその場を後にするカイルを見送り二人きり。

 今は真面目にポンコツ殿下が蹂躙される様を見届ける。

 

「殿下、誰かを本気で愛するってどういう気持ちですか? 俺そういうのよく分かんないんですよね」

 

「だろうな。だから他人の邪魔ができる。本当に愛しているのなら潔く身を引けばいい!」

 

「それってアンジェリカさんのこと言ってます? いやぁ彼女は本気で殿下を愛してると思いますよ?」

 

「違う! アイツは俺の気持ちなど察しなかった! 王宮の女と同じ――」

 

 聞くに耐えないので一旦セルフシャットアウト。

 聞いてるだけで虫唾が走る程のワガママ殿下だよ。

 

「……アタシ、アンジェリカさんと真っ向勝負して、それで勝って、ユリウス達と、そしてアルとも一緒になれたらなって思ってたの」

 

「お前が本当にただの尻軽な訳じゃねえのは分かってたよ。こんな世界で生きてるんだから実家がハズレならそれ以外で楽しく暮らしたいよな」

 

 マリーに関してもそんなところだろうとは思っていた。

 前世も今世も人生上手く行かなくて、苦しくて。

 だから学園であのイケメンボンボン連中を手に入れて幸せに生きたい、そんなの前世から含めて何十年も幼馴染やってるんだから分かるに決まってるだろうが。

 

 あとBGM代わりに聞いてるリオンの煽りに関しては一言一句その通りワガママポンコツでマリーを奪い合うライバルにある殿下をボコボコにしてくれるなんて最高だわ。

 それに男子も下っ端貴族故の辛さを吐露したリオンに同調したのか何割かリオン側に付いたっぽいのもいるみたいだ。

 

 ……そろそろオリヴィアのターンか。

 

『ま、間違ってます!』

 

 なんでただの平民で特殊な魔力も無い様な子がこんな闘技場に響き渡らせられる様な声出せるんでしょうかねえ。

 

『確かに殿下はマリエさんを愛しているかも知れません。でも…でもアンジェリカさんだって殿下を愛してます! ずっとずっと苦しそうにこの戦いを見守ってるんです!

いくら辛くてもどれだけ悲しくても目を背けずに殿下を見てるんです!

それを愛じゃないなんて言わないでください!』

 

 うーんよう言った、アンジェリカの愛を認めずして何が愛か。

 愛を語るなら俺を見習うかアンジェリカを見習うかの二択だぞ小僧共。

 

「……オリヴィアちゃんには敵わないなあ」

 

 横で少し悲しそうな目でそう呟くマリー。

 

「アタシだって本気で幸せになりたいと思って、だからここまで来たのに……何やってたんだろ……」

 

 

「アンジェリカの、俺を王子としてしか見ない女の気持ちが愛だと?

俺は俺自身を見てくれる女性を見つけた。そして理解した。これこそが愛だと……アンジェリカ、お前の気持ちは愛では――」

 

 あまりにも聞くに耐えない(二回目)。

 ぐう聖オリヴィアがあんなに声を張り上げて、勇気を振り絞って良い事言ってくれたのに全く聞き入れようとしない馬鹿の言葉なんて聞いたところで意味が無さすぎる。

 それより今はマリーの傍にいてやる事が優先だろうが。

 

「マリー、お前は間違ってたのかも知れない。でもな、本気で幸せになろうと頑張ってた姿、そんで俺もその中に入れてくれた事めちゃくちゃ知ってるしめちゃくちゃ感謝してる」

 

「アルぅ……」

 

「だから今度は、正しく幸せな道を。俺と二人で歩んで行こう」

 

「……でもアタシ」

 

「今は答えなくて良い。幸せになりたい一心で必死だっただろうから、俺に対して恋とかそういうのを本気で抱けてるのか自分自身に疑念を持ってるだろうし」

 

 

「ぐあああああああああ!!!」

 

 今良い雰囲気だったのに叫ぶんじゃねえよポンコツが。

 まあだが朗報だ、俺がマリーに愛を語らってる最中に最後のライバルも綺麗に落ちてくれたらしい。

 これで俺にライバルは居なくなった。

 

「ユリウス……」

 

「釣れないなあ、過去の男の事を気にするなんて」

 

「あ、ごめ……」

 

「冗談だって、曲がりなりにも気にするのは悪い事じゃない。だが今は俺だけを見てほしい」

 

「……ほんと、決めるとこだけは無駄にカッコイイんだから」

 

「言ってろ、そんでさっきの続きだが……」

 

 改めてさっきの言葉の続きを紡ぐ。

 それは、最早プロポーズと捉えられる様な言葉かも知れないが。

 今言わないと行けない気がした。

 

 

「俺と一緒にいたい……そう思える答えを一緒に探してやる。だからこれからの人生を俺と幸せになろう。絶対この決闘負けねえからさ」

 

 さあ、俺の運命を決める時が来る――

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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