幼馴染はどうやら転生しても続くらしい 作:ぶり大根(元・孤高の牛)
「それでは第六回戦、最終戦。両者名乗りを」
「リオン・フォウ・バルトファルト」
「アルフォンソ・フォウ・ディーンハイツ」
「子爵家如きが殿下を倒した相手に勝てる訳無いだろ!」
「モブは引っ込んでろ!」
「こっちはもう賭ける金もねーんだぞ!」
今までリオンに対する野次だったのが今度は俺に変わってら。
一応俺殿下組なんですけどねえ、どうしてアウェーになってるんですかねえ。
あと賭ける金無い奴こそ引っ込んでろ。
「……あー、アルフォンソだっけ?」
「はい、そうですが」
「なんかお互い大変だな」
「分かります? ……てかアイツら黙らせても良いですかね」
「お前、そっちが本性か? ……まあ良いけど」
「猫被るのって案外疲れるんですよ……んじゃ神聖な戦いの前にいっちょ『ネタばらし』しちゃいますかね」
リオンと初の1対1の会話だったがやはり中身が中身だけあって良い意味で察しが良いらしい。
観客席では今だにこの旧時代vs旧時代の大型機体同士のバトルに納得行かないのと所詮子爵家如きが出しゃばっても勝てる訳が無いみたいな野次が飛び交っているのでうるさいったらありゃしない為ネタばらしの意味を込めて黙らせる。
「うっせえんじゃテメェら!!」
その瞬間観客席が静まり返る。
何せいつも気弱で一歩後ろを歩く様な性格のアルフォンソくんからは想像も付かない怒声だったから思考が追い付いてないんだろうが。
「な……なに?」
「今のアルフォンソ?」
「でもアイツ気弱な性格のはずじゃ」
「なーにが気弱な性格じゃボケ!! 今までずっとこの日、この展開になる様に誘導して便乗する事でマリエを俺のものにする為に猫被ってただけじゃい!!」
「馬鹿な……それでは私達は……」
「やあやあクリスくぅん、どうだったかなぁ俺の演技はぁ?」
お、唯一退場宣告も受けず大した怪我も負ってないクリスが来たか、これは良いところに来たとばかりに煽りを叩き込む。
正直コイツは一番マシだったとはいえあの五人の中ではの話であり別に何か言ったところで罪悪感が湧くとかそんなものは無い。
「お前裏切ったのか!?」
「裏切るぅ? 人聞きの悪い事を言わないでもらいたいねえ……俺は一度たりともお前らの味方なんかした覚えは無い!」
「なに!?」
「俺が一人一人に賭けさせたのも、俺が六番手になったのも、全てはお前らが負けるのを予想して誘導したんだよぉ!! だからこうなったキッカケは俺でもやらかしたのは殿下達なんで☆」
「そんな……私は……私達は……ずっと……」
ガックリ項垂れるクリス。
お前らは何もかも甘かったんだよ、ライバルなら蹴落としてでも一番を狙うしか無かったのに仲良しこよししてた、そんな甘ちゃんじゃなきゃ運命は変わってたかもな。
「卑怯だぞアルフォンソ!」
「殿下達を利用するなんて!」
「はぁ? 寝惚けた事言ってんじゃねーぞ! 俺は好きな女の為に手段を選ばなかっただけだ! 相手が格上貴族だろうが殿下だろうが、この世で最も愛する女の為に立ち向かうそれの何が悪い!」
「うぐ……」
「た……確かに……?」
「いや卑怯は卑怯だろうが! 手段選ばなさ過ぎだろ!」
「ありがとよ! 卑怯卑劣は褒め言葉だぜ!!」
「あのお馬鹿……」
クリスも煽り切り観客席も黙らせる事に成功。次いでにマリーは呆れていた。
これで雑音は消え去ったも同然だろう、リオンに振り返る。
さあここからがメインディッシュだ。
「悪いな、待たせた」
「良いって良いって、お陰で面白いモン見れたし」
「なら良かった。だが俺としちゃさっき言った様に負ける訳にはいかないんでね」
「お手並み拝見と行きますか」
お互い顔は見えずともニヤリと笑ったのが分かった。
頼むぜ俺の鎧……
「初めッ!!」
「先手必勝!!」
試合開始の合図と共に俺が出すのはマシンガン。
大型の両手持ちタイプだが威力は破格のものを持つ。
「ビット展開!」
「ビット、展開します」
そして相手も予想通りビット展開、これで序盤はビット落としゲームになる……なるんだが如何せん一機一機が強過ぎる。
「ぅぐ……ったくほんと予想してた通り強いったらありゃしねえ」
「いやこのビットに対応出来てる時点でお前も相当バケモンだと思うけど」
まだクリスの時みたく全方向から包囲されてる訳ではなく俺の射撃対応で全機正面方向からの攻撃になってるのがまだ救いか。
それにしても涼しい声でバケモンとか言われても嬉しくねえわ、余裕過ぎかよ。
「ぐっ……まだまだ……!」
少し被弾するがこの程度なら問題は無い。
とにかくビット攻撃は試合が膠着するだけだと思わせる事が大事だ。
「お、オイオイまだこのビット捌くのかよ……」
「恐らくこのまま撃ち続けても効果的なダメージが通るまでには相当な時間が掛かるかと」
「えー……正直アルフォンソってボコる意味合い無いんだよなあ……殿下の味方じゃなく私利私欲で利用してただけみたいだしさ……まあいっか、ビットは埒が明かねえし下げるか」
よし、これで心理的にビット攻撃は封じる事に成功。
あっちが完全優勢なのと、俺との決闘はアンジェリカの賭けの対象外と理解しただけあって長引く行動は自重してくれるのが救いだ。
「はぁ……はぁ……いてぇってのっ」
ディーンハイツ家に代々継承されてきた鎧『クロカゲ』。
その名の通り漆黒のボディに大柄な体格で機動力より防御力を重視したタイプであるのが功を奏したか、近代の機動力重視タイプだと一発貰うだけでもかなりの痛手にも関わらず何とかボディ、パイロット共に軽傷程度で済んでいる。
「んじゃスコップで……」
「やらせるか!」
ほぼ弾切れ状態のマシンガンを捨てバックパックから飛び出してきたのは中距離ライフル。
距離と攻撃力の兼ね合い上最強のこれで接近させない様に撃ち続ける。
「うおっ、中々威力あるな~」
「四戦目の相手のライフルとは比べ物にならない程の強さはありますね」
「そりゃどうも!」
とか言って、アロガンツのサブ武器ですら無いスコップ相手にいなされてるんですけどねえ……
今から旧人類戦考えても仕方ないんだろうけど、こりゃどっかで旧人類側から銃型の武器パクりでもしないとインフレには着いていけないかもな。
「って言っても飛べばこっちのもんだろ」
「ライフルの射程範囲外に飛んだ訳か」
今度は空中戦か……だが悪いがわざわざお前の土俵に乗るつもりは無い。
クロカゲは空中戦が苦手という訳ではない、寧ろサーカスしろと言われたらやれる程度には空中機動力は高い。
だがアロガンツはそもそも空の戦いを主にしている巨大戦艦ルクシオンから作成された代物、そんなのと空の戦いなんて真っ平ごめんだ。
使えなくなったライフルを捨て即座にバックパックから新しい武器を取り出す……スナイパーライフルだ。
これぞ対空中戦、対超遠距離射撃の真骨頂。
「しかもコイツはバインド魔法付き……だ!」
「……データに無い上にかなりの手練れって事か。一年でここまでの実力を持ってる奴なんてゲームにはやっぱりいない……」
「悪いが俺だって意地があるんでね、本気で落としに行かせてもらうぜ!!」
俺が狙うのはスコップの一番細い取っ手部分だ。
いくらお馬鹿チートなアロガンツと言えど本来非戦闘用武器のスコップの手元なら折るくらい何とかなると言う予測の元の攻撃だ。
……ここで一応俺のこの決闘における絶対条件、引き分けに付いて思い出してみよう。
一つ、所謂何をやっても膠着状態が続いてしまう時。
これは俺の実力が劣る為ほぼ不可能。
二つ、双方同時戦闘不能になった場合。
これは鎧戦闘の場合鎧を動かす事が出来ないと審判が判断した場合に認められるがこれも俺側からアロガンツを機能停止若しくはリオンを気絶させられる方法が無い為不可能。
三つ、双方に甚大な不利益が生じる双方が判断した場合。
俺が狙えるのは恐らくこれだ。
リオン絶対優勢の状況でそもそもリオンが勝っても負けても既にアンジェリカとの契約は達成されてる上に、勝てばマリーを単独で放置する事になり負ければ学園での立場が若干危うくなるとありまあまあどちらに転んでも面倒になるはず。
今でこそ調子に乗ってるが、後に王妃様から「もう少し穏便に収められたはず」と咎められてるところからやろうと思えば利益優先で引き分けの提案はしてくるはず。
(格好悪い終わり方だろうけど……勝てないならどれだけ意地汚くても引き分けを狙う。腹黒緑のやり方と似てるがアイツの勝ちへの執念だけは見習うところがあるだろうな……つーわけで)
「吹き飛べスコップゥ!!」
遥か上空にいるアロガンツのスコップ目掛けて引き金を引く。
超遠距離でしか威力を発揮出来ないこのスナイパーライフルだが、威力だけに絞ればライフルより格段に強い、通常弾でも最強のものを持つ。
しかも放つのは俺の切り札である魔力弾による更に全弾中最強の威力を持つ弾、つまり最強×最強。
旧人類に対しても相当な脅威になる予測を立てて編み出したこれはアロガンツへの致命的ダメージは与えられずともスコップをへし折る程度余裕。
そう思ってました。
「は? なんでスコップが飛んできて……」
気付いたらスコップがとんでもない速さで地上……俺の元に飛んできてるのが見えました。
しかもその過程で俺の知識と努力の結晶こと最強の一撃さんは消し飛ばされてて……
「あ、まず……つい本気で投げちまった」
(う、嘘だろ……? いくら何でもこんな展開俺の予測には――)
【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?
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大丈夫だ、問題無い
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無理
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アルマリでイチャイチャしろ