幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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第三十九話『ビバ!修学旅行!Ⅱ』

「オイ見てみろリオン、あんなところにクリスがいるぞ」

 

「あ? ……ああ、そうだな。何やってんだか」

 

 暫くダーツに興じて稼ぎまくっていたが、やり過ぎると紅茶の契約も怪しくなるだろうとそこそこで切り上げてハーレムに押し潰されかけてたリオンと紅茶を嗜んでいた。

 リオンと言えばルーカス師匠から茶を習っているだけあって作法が美しく、共に飲んでいても際立つので非常に過ごしやすい。

 

 いつもの女子三人組+クラリス先輩は四人で紅茶を飲みながら雑談中、セミエンとマルケスもお互い共通の友人がいる事で親睦を深めている。

 尚、勿論だがステファニーは投獄中なので時折マルケスはそれが気掛かりなのか不安な表情になる事もある。

 ちゃんと裏取り取れたら解放されるから安心しろ。

 

 そんでもって俺達二人が自然とグループになっているという状況だ。

 

 そんな折に見つけたのが今回この船に唯一乗ってる馬鹿レンジャーの青ことクリスだった。

 そもそも候補が三ヶ所ある中で原作でも馬鹿レンジャーは221で分散していたがここでも同じ流れを踏んでいるらしい。

 ただマリーは俺と一緒のとこじゃないと嫌と言ってくれたのでブラッド、グレッグ組ではなくこの世界線ではあの五人の中でクリスが唯一の勝ち組になるが。

 

 そのクリスが心底つまらなさそうな顔で甲板に出ていったのだからそりゃ気になるってもんだ。

 原作から一番成長してそうなのもクリスだから気になるというのもあるが。

 

 ……ま、色々アイツもアイツで悩む事があるんだろう。

 今はそっとしておくか、紅茶もまだまだ嗜みたいしな。

 

「やっぱりウチの紅茶は最高だな、なあリオン?」

 

「ディーンハイツの紅茶はいつ飲んでも最高だからな。これで宣伝すればお茶会も少しは……!」

 

 リオンよお前の希望を打ち砕く様で悪いが俺とリオンはこの年齢で空賊討伐した事に表向きなってるから畏怖の対象なんだ済まない。

 代わりにクラリス先輩を送り込むからそれでチャラにしてくれ。

 

 

 

 

 

「ど、どうですかリオンさん? 似合いますか?」

 

「ふむ……少し歩きにくいがゆったり見て回るには好都合か。……あ、あんまりジロジロ見るなリオン」

 

「私こういうの着るの初めてなんだけどどうかな、リオン君?」

 

「え!? え、えーっと……ぜ、全員凄く……綺麗……です……はい……正直めちゃくちゃびっくりした……」

 

 あーこれだよこれ、俺が見たかったのは浴衣姿でイチャラブするリオン御一行だったんだよ。

 全力で仲直りと後押しして良かった、ありがとうあの時の俺、ありがとうネズミくん。

 

「あ……アル? アタシも着てみたんだけど……似合う?」

 

「似合い過ぎてて昇天しそう」

 

 まあ一番見たかったのは何を差し置いてでもマリーの浴衣姿だった訳ですがね。

 と言うか本当に似合い過ぎててヤバいだろこれ。

 普段下ろしてる髪は束ねられててポニーテールになってるし、お陰でうなじが見えて艶やかさが出てるし、マリーの浴衣は派手なピンク色だが色に負けない美少女オーラが寧ろベストマッチしていてとてつもない美少女が誕生している。

 現に周りの視線もリオン側の三人に負けず劣らずの釘付け状態にさせている、どうだこれが俺の嫁だぞ可愛いだろ。

 

「その、アルも……似合ってるわよ」

 

「サンキュー。この浮島はこういった独特な風習があるからマリーに是非着てほしかったんだよね。叶って嬉しいよ」

 

 洋風も確かに良いが、やはり魂が日本人とあらば和を求めるのは当然の感覚だろう、なのでこの浮島には是非とも滅んでほしく無い。

 

「おーいアル、一緒に回るか?」

 

「そうだな……セミエンとマルは別行動してるしダブルデートも映えるか」

 

「そういう意味で言った訳じゃねえよ!? しかもダブルデートって言ってるのに俺のとこだけで四人になりそうなんだが!?」

 

「フハハ、実はそれが狙いだったりな。つーかリオン、お前も満更じゃない癖にー。三人とも積極的に来てくれてるんだろ?」

 

「いやそれが心臓に悪いんだろうが! 美少女三人だぞ!?」

 

「だってさ御三方」

 

「あぅ……り、リオンさん……」

 

「……褒められて、悪い気は……しない」

 

「あ、ありがとうリオン君……」

 

 俺とリオンのコントを聞いていた三人の恥じらい方もやはり、和の雰囲気に呑まれているのか普段よりお淑やかさが出ている気がする。

 やはり和は全てを救うのだよ諸君。

 

「んじゃ決まりって事で。マリーも良いよな?」

 

「え、ええアタシは構わないけど……」

 

「クラリス先輩なら大丈夫だ、もう吹っ切れて元のお淑やかな先輩に戻ってるから」

 

「ご、ごめんねあの時は……」

 

「あ、アタシも元凶だった訳だし……その……先輩が大丈夫なら……アタシも大丈夫……です」

 

 うんうんこの二人もしっかり和解出来たみたいで何より。

 ここだけ原作より関係性が悪化してたから先輩を元に戻した暁にはタイミングを見計らって何か動こうと思ってただけにこうなってくれるなら願ったり叶ったりだ。

 

「私ももう、新しい恋を見つけたからあの事はもう全部吹っ切れたの。だからこれからは仲良くしましょ?」

 

「は、はいっ」

 

 それにしてもジルクの事を完全に諦めてからのクラリス先輩の変わり様が凄まじいな、いや変える最後の一打放ったの俺だけど。

 あれだけ気を張ってオラオラ系演じてたとか相当苦しかったろうに……因みにこの変わり様にアンジェも相当驚いていたがすぐに仲直りして、婚約者に裏切られた者同士で何か良い感じになっていたから問題は無い。

 

「つー訳でダブルデートって事で」

 

「はいはい分かったよ……まぁ、嫌じゃないし……」

 

「もっと素直になれば良いのにー」

 

 リオンも大分このハーレム的状況を受け入れる様になってきたな。

 良い兆候だだからもう全部受け入れちまえ。

 

「ふふ、それでは最初はどこから行こうか。みんなはどうだ?」

 

「そうね……良い匂いもするし何か食べたいわね」

 

 脇で何だかんだ言いつつも満更では無い様子のリオンと俺を見つつアンジェがやはりリーダー格となって最初の行き場所案を催促。

 俺としちゃどこでも良いが……ふむ、マリーの言う通りこの香りに釣られるとどうにも腹が減ってしまう……

 

「良いですね」

 

「屋台特有の雰囲気もあるしお腹空いちゃうね」

 

「ま、俺達はこの雰囲気を味わいたかっただけだから女性陣のリクエストに添いますよ」

 

「右に同じく。あとアルなら『女性陣の親睦を深める為にもここは引くべき』なーんて言いそうだしな。実際その通り過ぎてそれを実践してる訳なんだが」

 

 実際その通り過ぎてってのは俺のセリフだリオン。

 女性陣四人でワイワイやってる姿は正に友達のあるべき姿って感じで見てて実に眼福で素晴らしいものだからな。

 特にお淑やかクラリス先輩×マリーの組み合わせとか原作沿いで進めてたら理論上不可能な組み合わせだからな、これを、しかもこの段階で拝めるとかあまりにも尊過ぎる。

 モブせかファンならあまりの素晴らしさに卒倒してもおかしくないだろう、俺はしっかり死にかけてるが。

 

 あと、本来リオンがダッシュで買いに行く御守り売りの青年とそのおばあちゃんには俺が着替える前に事前に話を付けて青年の方から四つとおばあちゃんの方から二つ予約済みなのでここでその狂気的なまでのゲーム脳が暴走する事は無い。

 この人の固定観念発動すると厄介だからなあ……特にアルトリーベ関連は。

 

「そうか、ならお言葉に甘えて我々で決めよう」

 

「それじゃああそこの串焼き屋さんとかどうですか?」

 

「う~んタレの良い匂いが食欲をそそるわね~」

 

「良いね、私もそこが良いかなぁ」

 

 お、目を付けたのはここから一番近い串焼き屋か。

 値段もリーズナブルで食欲を一番促進する匂いを発してるから自然とそこに目がいったか。

 

 しかし串焼き屋と言うと学園に入る前を懐かしく思うな。

 あの頃は会う度に俺とマリーと二人きりでディーンハイツ領の庶民街に出ては一緒に串焼き屋巡りをしてたんだよなあ。

 一応名目上お忍びだったのにおっちゃん達にしっかり認識されてた上で常連と化してたっけか。

 夏休みは婚約の正式な決定やらマリーを男爵家の養子に入れる準備等でてんやわんやしていたから行けなかったけど冬休みは行きたいもんだなあ。

 

「串焼き屋を見ると、学園入る前のマリーとの思い出が呼び起こされるなあ」

 

「ほーん、食べ歩きデートってやつか?」

 

「ま、そんな感じ」

 

「ちょっと、あんまり人前でそういうエピソード言われるのは恥ずかしいから……」

 

「俺とマリーの関係に隠すものなんて何も無いぞ」

 

「もう……本当にアルはアタシの話になると調子が良いんだから」

 

 そしてこういう話をすると……ほら、他の三人がリオンをチラチラ見始めるんだよね。

 俺的にはこういうのも狙っての出せるエピソードで惚気けてる面もあったりする。

 

「褒めても惚気話しか出ないぞ」

 

「もう出さなくて良いわよ」

 

「俺はもっと話したいのに」

 

「やめてくれないと今日耳かきしないわよ」

 

「分かった今すぐやめるからそれだけは勘弁してくれ」

 

 そんなコントみたいな話をしながら串焼き屋に到着。

 紅茶みたいな上品さは無いが、屋台はこれで良い寧ろこれじゃないと落ち着かない。

 気前の良いおっちゃんとシンプルながらタレの効いた串焼き、この組み合わせこそ最強なのだ。

 

 そしてお味はと言うと……くーっ、これだよこれ!

 この大雑把で濃い味がムードを良くするんだ。

 これぞ思い出の味ってやつだな。

 

「おいひいです!」

 

「ああ、私はこういったものを食べるのは初めてだが……殿下が気に入るのも分かる気がするな」

 

「美味しい~!」

 

「アルと一緒に食べた味と良く似てるわね」

 

「ああ。ウチの領地の串焼き屋と甲乙付け難い」

 

「はぁ……貴族貴族したのよりこういうのが落ち着くわ……」

 

 リオンとしては特に元日本人ともあって、欧州貴族の風習より日本の一般庶民な味の方が好みらしい。

 かく言う俺もふとした時に日本食が恋しくなる時があるからそれは良く分かる。

 

 ここの浮島を管理してる貴族は何故か日本食文化も豊富らしいから定期的にここから米とか買おうかな……

 

 日本に想いを馳せながら祭りをじっくり見て回るのだった。




アニメでリビアが思い描いた、リオン達とのデート(ここではクラリス先輩もいるけど)
せめてここでくらい実現してあげても良いじゃん?って思わずにはいられなかったよね
イチャラブしてるように見えていれば幸い

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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