幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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アンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ(主人公への印象と原作との差異)
原作同様ポンコツ殿下に見向きもされずそれでいて勝手にマリエイジメの容疑者にされたりと不憫な立ち回りをするポジションだったが、他五人の攻略対象と比較しアルフォンソへの不満は少なかった
ポンコツ殿下に泣かされた後偶然(をアルフォンソが装い)出会ったところで話を聞かれ、他五人とは明確に違う事を認識しアルフォンソ及びマリエへの嫌悪感はより少なくなった
アルフォンソ曰く『マリーには及ばないがめちゃくちゃ良い女』


第四話『ファーストキス?そんなの俺に決まってるだろ』

「で、何よこんな時間に呼び出すなんて」

 

「さっき猫被りモード使わざるを得ない状況があってめちゃくちゃ疲れた。マリーで癒されたい」

 

「あーはいはい、そんな事だろうと思ったわよおバカ」

 

 いくら作戦や計算の内として猫被りモードを使う……ガラじゃないキャラをやるのは相当な労力を要する。

 先程までアンジェリカからの印象を良くする為に徹底的に猫被って演技していたから疲れるのは当たり前だろう。

 幼馴染であると同時に二人揃って人前で猫被りモードを使うのでそう言った苦労と言うのはマリーも重々理解していた。

 

「よっしゃーマリーの耳かきだー!」

 

「全く、こんな事出来るのはハーレムの中でも幼馴染のアンタくらいなんだから感謝しなさいよ」

 

「殿下もされた事の無い特権とか感謝してもし尽くせないわ」

 

「そりゃアンタ、殿下の耳掃除なんてアタシがやれる訳無いでしょ!?」

 

「それもそうか」

 

 俺が疲れた時、マリーはいつも膝枕をしながら耳かきをしてくれる。

 前世のアヤの時から変わらず、生意気な口を叩いていても気遣いの出来る良い子に育ってくれて俺は嬉しいよ。

 

「ほら、やるから来なさい。最初は右からよ」

 

「ほいほい。それでは失礼して……うーんやっぱ寝心地最高だ」

 

 正座をしながらポンポンと自分の太ももを叩くマリーのその太ももに頭を乗せる、毎度思うが殿下すら味わった事の無い景色と感触には流石の俺も歓喜を抑えきれない。

 

「はっ倒すわよ変態」

 

「俺は率直な感想を述べたまでだが?」

 

「はぁ……まあアルだから許してあげるけど。アタシ以外に言ったら即座に殺されるから気を付けなさいよ」

 

「何を言うか、俺はマリー以外に言う気は毛頭無いぞ」

 

「……ブレないわねぇ」

 

「ことマリーの事においてブレないのが俺の美徳だ」

 

「はいはい……それじゃ始めるわよ」

 

「はーい」

 

 軽口を叩き合いながらもマリーの頬が少し赤くなってるのが分かりついニヤニヤしてしまう。

 コイツこう見えて俺の事ハーレムに入れるくらいには好きでいてくれてるから、ちゃんと甘い雰囲気にもなれるのが心地良い。

 これだから猫を被ってまでハーレム要員として存在したいんだよ。

 

 赤くなるマリーを脳内フォルダに永久保存し、今度こそ耳かきの快感に身を預ける。

 

「まずは濡れたタオルで耳を解して……」

 

 程良く温かい湿ったタオルが耳を包む。

 それだけで耳の凝りが大分和らいだ気がする。

 と言うかそれだけでめちゃくちゃ眠たく……

 

「今日は外にも結構汚れが溜まってるわね……」

 

 ザリザリ……ザリザリ……

 

「ま、人間どうやっても汚れは出るから仕方ないけど……よし、外側はこんなもんかしらね。次は中を……」

 

 ガリ……ガリ……ガリガリ……ペリッ

 

「ほんと、掃除し甲斐のある耳ね」

 

 ガリガリガリ……メチメチ……

 

「傷付けない様に……そーっとそーっと……」

 

 カリ……カリ……ペリッ

 

「よしっ、大物ゲット……!」

 

「後は……細かいのがあるからそれを梵天で取る感じかしら」

 

 ゴシュゴシュ……ゴシュゴシュ……

 

「うんうん、こんな感じね。流石アタシ、完璧じゃない。どーよアル……って、あれ?」

 

「くぅー……くぅー……すぅ……」

 

「……いや寝てるんかいっ」

 

「全くコイツは……アタシの事ずっと振り回してた癖に……」

 

「ゲームに登場するキャラでも無ければ、妙に最初から距離感が近くて、でも素のアタシの事を好きって言ってくれた唯一の相手」

 

「……顔も声も財力も普通、なのに一緒にいると心地良い」

 

「だから……ファーストキスも……」

 

「ほんと、アイツに似てムカつくんだから……ばーか」

 

「…………仕方ないから反対もやってやるわよ」

 

 

 

 

 

「そんじゃ後は耳に息を吹き掛けて……ふぅ~……はい、起きなさーい」

 

「んぁ、ああ悪ぃ寝てたか」

 

 目が覚める。

 すっかり熟睡していた様で、マリーは呆れながらも優しそうな目で相変わらず膝枕をしてくれていた。

 眠気眼に見てもやはりマリーは天使だった。

 

「そりゃもうぐっすりとね、疲れは取れた?」

 

「お陰様でな。いくら好きでお前の傍にいるって言っても格上貴族相手にヘコヘコしながら生きるのは色々心労が溜まるんだよ」

 

「アンタも大変ねえ、アタシの争奪戦ライバルが上級貴族ばっかなのに諦めないんだから」

 

「お前の事を諦めたら一生後悔する。だから俺は上級貴族だろうが殿下だろうが諦める訳には行かねえんだよ」

 

 疲労の原因は間違いなく猫被りと殿下達によるプレッシャーだ。

 もしも俺がマリーを諦めて元幼馴染の関係で一人生きていたら、ずっと素もこれでこの何倍、何十倍も楽に生きられたんだろう。

 

 だがそれとこれとでは話が違う。

 

 俺は、俺のこの三度目の人生はアヤに、マリーに伝えられなかった想いを伝えて今度こそ幸せになるから意味があるんだ。

 だから諦める訳にはいかない。

 

「ほんと……殿下達と違って素のアタシを見ても好きとか言えるなんて物好きよね」

 

「物好きで結構だ……それに、体裁上ファーストキスは殿下ってなってるが本当のファーストキスは俺のものなんだから……だろ?」

 

「そ、それはっ……あ、アルなら失敗しても笑って許してくれると思ったし……安心できるから……んっ!?」

 

 赤くなってモジモジするマリーの唇をそっと塞ぐ。

 言った通り俺はマリーのファーストキスを貰っている、勿論俺のファーストキスもマリーだ。

 前世でも結局男経験0だったコイツは原作と比べてキスはド下手だった。

 それでも最初に俺を選んでくれた事を俺は一生忘れない。

 どんな理由であっても、あの日のマリーのぎこちなく、それでいて言葉に出来ないくらい真っ赤に染まった頬のマリーの姿を忘れない。

 

 そんな事を考えていたらつい我慢が出来なくなってしまったのだ。

 

「んん……ぷはっ……ちょ、不意打ちはやめてよっ!?」

 

「すまん、マリーが可愛過ぎた」

 

「アホかお前!?」

 

「そう言いながら満更でも無い癖にー、顔真っ赤だぞ?」

 

「わ、悪いっ!?」

 

「悪くない、幸せです」

 

 反省はしている、後悔はしていない。

 だって可愛過ぎる方が悪いだろこんなの。

 畜生体裁上ファーストキスが俺なのを公表出来ないのが悔やまれ過ぎる、今すぐ俺の女可愛過ぎって自慢して回りたいのに。

 

 しかしもう暫くの辛抱だ、決闘が終われば奴らは廃嫡されて俺より格下になるのだ、その時に全てネタばらししてしまえば良い。

 奴らは馬鹿でクズでポンコツだが馬鹿故に下手に素直なところがあるからリオンと協力すれば何とでもなるはずだ。

 

「アンタほんと馬鹿正直よね」

 

「お前にだけ、だがな」

 

「ふ、ふん……気の良い事ばっか言っちゃって……あ、アタシもう帰るからねっ」

 

「おう、また明日な」

 

「ば、ばいばい!」

 

 マリーは気恥ずかしくなってしまったのか嵐の様に去っていってしまった、急に静かになった部屋は少し寂しく感じる。

 因みに俺の使用人は体裁上シーシェックがいるが大体はラーファン家の財政確認やポンコツ殿下含む馬鹿五人衆の動向チェックの為に来てもらってるから掃除等は全部自分でやっている。

 まあそんなだから部屋に一人でいる事も多い。

 

「別に友達がいない訳じゃないんだがな……」

 

 何故か殿下達に混じって格落ちの子爵家がマリエハーレムにいる、容姿や財力は凡、性格も(表向き)控えめとあり周りから浮きに浮きまくった俺は学園に入ってから出来た友人はいない、0だ。

 だが入学前に偶然出来た友人が一人いる。

 名前を『マルケス・フォウ・サンドゥバル』、ディーンハイツ家領地の近くの領地を治めている……リオンの家、バルトファルト家並の極貧男爵サンドゥバル家の出のぽっちゃりした体格の優男だ。

 

 旅行でたまたま立ち寄った先がサンドゥバル領だった為に挨拶に行った時に意気投合、その後もちょくちょく会っていたが学園で再会した為に口封じと暇潰しを兼ねて友人として付き合いをさせてもらっている。

 まあ今日は夜も遅いから早々呼び出せはしないが、サンドゥバル家は機体作りを応用した小型メカ作りが上手くマルケスもそれに長けている為一番細かい情報を集める為に報酬ありで色々協力してもらっている。

 

「ま、マルケスだけど!」

 

 と、呼んでもないのにマルケスの方から何故か来た、珍しい。

 しかも焦ってる様子だし何があったのやら。

 

「マル? 入って良いぞ、どうした?」

 

「ご、ごめんこんな遅くにっ。僕が学園内で隠密行動させてた小型メカにこんな映像が……」

 

 手のひらサイズのネズミみたいなメカ。

 遠目で見たらただのネズミにしか見えないそれは目で映像を録画保存、鼻が盗聴器のアンテナとなっており足は瞬間移動にも見える程の神速とも呼べる俊敏性とその俊敏性を保ったままカーブや急停止、直角を駆け上がれる程の柔軟性と力強さを兼ね備えた魔法とはまた違う、しかも魔法感知もされないハイパーテクノロジー、科学の結晶とも言えるトンデモ物体だ。

 

 殿下達がマリーに如何わしい事をしていたり浮気していたら告発してやろうとマルケスに協力してもらっていたのだ。

 まあハイリスクハイリターンだからある程度報酬は高いがマリーの為に使う金なら問題は無い。

 

 さてそれが何を記録していたのやら……

 

「なっ……これは……!」

 

 そこには予想外のものが記録されていたのだった――

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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