幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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第四十話『ビバ!修学旅行!Ⅲ~リオンと御守りと目前の問題対策へ~』

「そんじゃここで一旦俺達と女性陣は別行動って訳だな」

 

「うん、また一時間後くらいに戻って来る感じでお願い」

 

「はいよー」

 

 あの後色んな屋台やら何やらを回った俺達は、一旦男女に分かれて行動するのも良いよなみたいな流れとなり別行動を取る事となった。

 あの四人だと積もる話もあるだろうと俺もリオンも賛成したのもあるが……

 

「さて、早めに御守り屋と合流するか」

 

「サプライズプレゼントには持ってこいだし、何より付加能力が最高だ」

 

「御守りに妙な能力付いてるからって全部買いしようとするとかお前はパワープレーが過ぎるんだよ」

 

「し、仕方ないだろ! 欲しかったんだから……」

 

「まあ生き残る為にはそういうのも必要なのは分かる」

 

 そう、本題は御守りだ。

 時間はしっかりと見て回る時間を確保した上での時間を伝えてあるが、そろそろ行き時でもあったので自然とサプライズプレゼントになる事となったのはラッキーだった。

 因みにお買い上げする御守りの色は白二つ、黒二つ、それと赤、緑が一つずつ。

 ばあちゃんから買うのが所謂無骨な黒い御守り、その孫の青年から買うのがお洒落なその他となる。

 内訳としては回復魔法に適性があるマリーとリビアが白、炎魔法に適性があるアンジェに赤、風魔法に適性があるクラリス先輩に緑。全てその魔法へのバフが掛かる物になる。

 そして俺達は身体能力底上げのバフが掛かる黒を選択して予約したという事だ。

 効力は思った以上にあるらしく、だからこそ必死になってでもリオンが買い漁ろうとしていた経緯があるのも多少は頷けてしまう。

 

 勿論、事前予約だから歩き売りの分とは別の在庫から出ている為他の客が買えないなんて事態にもならない優良客だから安心。

 

「特に黒は魔力上昇が無い分純粋な身体的ポテンシャルの上がり幅がえげつない、鎧戦闘中でも反射神経や耐性の大きな底上げになるからそれこそ他の色より有能ってのがアルトリーベ有識者の見解だった」

 

「何がどれを上げるかは知ってたけどまさか黒が最強だったとは……そんな効力聞かされたらそりゃ買いたくもなるわ。つー訳で俺に感謝してくれよな~?」

 

「正直めちゃくちゃ感謝してる。お前は最高の弟分であり親友だよ」

 

「そんなところでそれを言われても生々しいだけだがな」

 

 しかしモブせかでもアルトリーベでもそこまで深くは知らなかった御守りだがそんな設定があったとは。

 この浮島ってもしかしてホルファート王国の中でもトップクラスに超絶有能なのでは無いだろうか。

 

 久々にリオンと二人きりで歩いていると……見えてきた。

 待ち合わせ場所の神社だ、唯一はっきり分かりやすい場所としてここを指定していたのだ。

 

「あ、お貴族様! お待ちしておりましたよ!」

 

「悪い悪い、待たせちゃったかな?」

 

「いえいえ、孫も私も今着いたばかりなものですから何も問題ありませんよ」

 

「ね、念願の御守り……!」

 

「そこのお貴族様は我々の御守りの事をご存知だったんですか?」

 

 おうおうリオン早るんじゃないよ。

 あと御守り見てゲームだの何だのボロ出すんじゃないだろうなと少しヒヤヒヤする、大丈夫だとは思うけどな。

 

「俺の連れは前々からこの浮島に興味を持ってたんですよ。だから俺も事前に情報を知れて、御守りの事も行けたら是非買いたいと前々から話していたんですよ。な、リオン?」

 

「そ、そうなんですよ! この浮島特有の浴衣や食、御守りが他のところとは完全に違う独自文化なのに凄く惹かれてしまって……だからこの御守りにも憧れがあったんですよ!」

 

「それはそれは、有り難い事です! 私の祖母や先祖が守り受け継いできた文化がこうして評価されるのはとても嬉しいです!」

 

「ホッホッホッ、そうだねえ。こうしてお貴族様に面と向かって評価されたのは初めてかも知れないねえ」

 

 誤魔化してるとは言っても嘘は言ってないからセーフ。

 実際何度も言ってるが浴衣に和食、お祭りに建造物や雰囲気まで全て古き良き日本そのもの。

 元日本人転生者ならそりゃ惹かれるでしょうよ、どういう流れでこの文化が現れたのか知らないけど。

 

「あ、それより御守りでしたね! 僕からは白二つと赤と緑のを!」

 

「私からは、黒二つをお渡しします」

 

「お、おお!! これが御守り……!! えーっと……これ、代金だけど物凄く感激したんで多めに持ってってくれ!」

 

「良いのか? 俺は出さなくても?」

 

「良いんだよ、アルが事前に予約してくれなかったら買えなかった可能性もあるんだからその礼も込みだ」

 

「こ、こんなに沢山……!?」

 

 俺も出そうと思ってたがリオンが凄くキラキラした顔で白金貨を出すもんだからここは譲ろう。

 リオンなりの最大の礼の仕方だろうしな。

 こんだけ嬉しそうにしてるこの人見るのも珍しいってのもあるけど。

 

「おやおや済まないねえお貴族様」

 

「俺に出来るお礼の仕方ってのがこういうのしか無いと思ったからさ。受け取ってもらえると嬉しいぜ」

 

「そ、それじゃあ有り難く受け取ります! ありがとうございました!」

 

「お貴族様達の恋愛が上手く行くのを、祈っていますよ」

 

「だってよリオン」

 

「お前もじゃないのか?」

 

「俺は上手く行くの確定だからな」

 

「相手がマリエな事を除けば羨ましい限りなんだがな」

 

 御守りを受け取ってホクホク顔のリオン、ばあちゃんに恋愛の事を言われて少し顔が赤らんでるが今のこの人じゃあ恋愛より御守りなんだろうなあ……何とも勿体ない。

 行く末を考えればお前にはあと何人か嫁候補……と言う名の確定嫁が増えるんだがどう対処するつもりか見ものだな。

 俺? 俺は何があってもマリー一筋だからハーレムなんて興味無いね。

 

「マリーは俺にとって世界一の嫁だから良いんだよ」

 

「ま、あのじゃじゃ馬にもお前がいるんだと思うと一安心するよ」

 

「そりゃどうも。……そういや、まだ一時間には時間余るよな?」

 

「そうだな。今後の話するんだろ? 少し人の少ないとこで話すか」

 

 何だかんだ言って妹にもちゃんとした夫が出来る事嬉しい癖に。

 顔が隠せてないんだよなあ、ホッとした様な顔しちゃって。

 

 そんな話をしている俺達だが、時間のある内に今後の話をしたいと伝えていたのでこの際に話してしまおうと言う事になった。

 真面目な話ではあるが、重苦しく話すのも気が引けるからこの機会に話せるなら好都合だ。

 適当なベンチに腰を降ろして二人して飲み物を片手に話は始まる。

 

「俺の見解だけどな、オフリー家があれだけ暴走したとなるとまず間違いなく公国と組んでると見て良い」

 

「つまり、近い内に襲撃があるって事か?」

 

「ああ。更に言えば比較的手薄な時期を狙うだろうから……来るなら修学旅行の帰り、俺達をターゲットに来る可能性が高い」

 

「……マジか」

 

 話は初手から公国の話となった。

 俺はモブせかを知ってるからこの流れが分かってて話しているが確かにリオンにとっては衝撃の展開になるだろうな。

 だがゲーム脳を切り離せば、既に二年中盤の空賊が一年秋に来ているから深く突き詰めていけばこの隙になる修学旅行は絶好の襲撃日和となる訳だ。

 

 流石公国汚い。

 

「特にオフリー兄のロイズが怪し過ぎる。アイツが直々に手引きをしてると面倒になりそうだ」

 

「アイツは潰せるなら早々に潰しときたいんだけどな……今は査問会の結果報告待ちだったか」

 

「修学旅行から帰ってきたら報告が来るらしいけど……襲撃する連中の中にいたら簡単には仕留められないだろうな。少しでもその襲撃を楽に撃退する為に護衛にウイングシャークを仕込んだんだけどな」

 

「お前が護衛にアイツら付けたのそういう意味だったのか……」

 

「勿論セキュリティガバガバだったのもあるけどな」

 

「あー……俺のエアバイクが最大戦力になりかねなかったからなあ」

 

 殺したくないと言えど戦争は戦争、公国の兵士が死んでも少し罪悪感は覚えるがそれより王国の奴らが死ぬ方が余程気に食わない。

 勿論最優先はマリー、二番目に相棒のリオン、三番目に家族と友人達だがいつもいつも俺に罵詈雑言浴びせたり嫌ってる連中でも実際に罵倒し合ったり煽ったり、結局のところ対話してしまってる時点で『優先順位』の中に入ってしまっているんだ。

『好きの反対は嫌いではない』の通りで、そんなウザい連中でも死なれると非常にムカつくのだ。

 奴らには生きて俺に悔しがる姿を晒しとけば良いんだ。

 そんな連中が『無関心な連中』に殺されるのはどうあっても俺が許さない。

 

 大事な人達の次いでに奴らも必ず守って少なくともこの学生生活中ずっと俺にプギャーされる平穏な日々を守る為なら公国の兵士なんていくらでも殺してやる。

 

 あと、リオンが甘いからダメとは言わないが、リオンが甘い分俺がその利点もシワ寄せも捌くって面もある。

 敵にも慈悲を見せるリオンの後処理は俺がやる。

 その為の相棒なんだからな。

 

「ま、何にせよ一番覚悟すべきは公国との戦争でどう足掻いても戦果が挙がるだろうからどこまで昇進するか、だけどな」

 

「うへぇ……で、でもすぐに五位上になれなかったんだから俺は大丈夫なはず……」

 

「いや流石に戦争で勝った上で戦果も挙がったら普通でも昇進あるからな?」

 

「……勘弁してくれよお……!!」

 

 ……俺にとって、最大の山場は今はまだリオンには話せないがアルトリーベシリーズ二作目の舞台であるアルゼル共和国だ。

 そもそも帝国との戦争が起きざるを得なかったのも原因はアルゼル共和国で出来てしまった。

 ならばそこを事前に叩けば『帝国と戦争が起こる』前提が無くなる。

 モブせか原作ラストは帝国との戦争だったから最大の盛り上がりポイントなんだろうがそんなの今ここで生きてる俺からしたら傍迷惑が過ぎるだけだ。

 悪いが俺達の物語は共和国編で終幕とさせてもらう。

 その為にも心を鬼にして殺しても良い奴らは殺るしかない。

 

 俺はもう、ただのガキじゃない。

 リオンとは違ってチートも無い。

 ちょっと強いだけで、男爵位になって、部下が出来て、その命を託される。

 

 全てはこの王国を守る為に、大切な人達を、マリーを守る為に。

 

 チートが無い俺は全力で邪魔者は抹殺する。

 俺が生き残る為に、死なないとならない命がある可能性を見なくてはならない。

 

 俺は頭を抱えるリオンを尻目に、握り締める手にグッと力が入るのを感じリオンにバレない様に一つ、息を吐き出した。

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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