幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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マルケス・フォウ・サンドゥバル(オリキャラ)
190cm/115kg
マルケスの父親が家督を継ぐ時に領地の広さは伴わないものの機体作りを応用した幅広いメカニック技術が認められ男爵位を手にした極貧男爵家サンドゥバル家の次男
巨漢だが争い事が苦手の癒し系で男付き合いは悪くない
自身もサンドゥバル家の血は争えず高いメカニック技術を持ちアルフォンソに度々協力している
アルフォンソとは数年来の友人で数少ないアルフォンソの素を知る人間の一人
決闘には一度も参加していないが実は機体性能、操縦技術もトップクラスのものを持つ


第五話『この学園面倒な連中しかおらんのか?』

 持ってこられたマウス型の盗撮盗聴メカことネズミくんを見る俺とマルケス、その空間は静寂だった。

 

「なあマル君よ……」

 

 その静寂を破ったのは、それを一から百まで全て見終わった俺からであった。

 

「ど、どうしたんだよ」

 

「いやな……この学園面倒な連中しかおらんのか?」

 

「……だよねぇ」

 

 映像とボイスを聴いた俺は怒りと呆れでこめかみを抑えねばこのやり様の無い感情が暴発しかねなかった。

 マルケスは……そこまでとはいかないものの色々と俺の心労やストレス、置かれている状況なんかを傍で見てきたせいで察しが良くなってしまっていた。

 まあコイツ自身この学園や世界の理不尽さを肌身で感じているだろう男爵家の中でも最下層のランクのとこだからそう言った面には余計思うところもあったのかも知れない。

 

 ところで件の映像とボイスだが、何が映っていたかと言うと……

 

『アンジェリカ様の邪魔をするからいけないのよ……』

 

『そうよ! だからこれは正当な行い……警告なんだから』

 

「いくら何でもマリーのカバンと教科書燃やした犯人がアンジェリカさんの取り巻き連中とか話めちゃくちゃややこしいって……! バレたら話が更に拗れるんだってそういうのはさ……!」

 

 そう、マリーの私物が燃やされた一件、その犯人がアンジェリカの取り巻きの女共により行われていたというアホみたいな事実だった。

 いや本当にまずいんだってそういうのは……勝手に取り巻いていて本人の知る由のないとことはいえアンジェリカの管轄内と認識されるところで行われていたと言われれば言い返す事も出来なくなる。

 

 アホなんかアイツら。

 なんでよりにもよって自分がコバンザメしてる相手の首絞めんのよ、自爆テロか、自爆テロでもしたいのかと小一時間問い詰めたい。

 原作知ってるからと言ってもこんな細かいとこまで覚えてねえんだよこっちは、リオンとは違ってゲームは直接触ってないんだぞ。

 

「で、でも幸い周りに人はいなかったから彼女たちがやった事がバレてるって可能性は限りなく低いと思うよ?」

 

 その言葉に少しホッと息を吐く。

 バレでもしたら下手したらリオンの雀の涙程の大義名分なんてものが今度こそ0になってしまう、それは避けねばならない。

 

「なら良いが……これが万が一でも俺とマル以外の誰かにバレてみろ……アンジェリカさんは追放ってレベルじゃ済まされないパターンすら出てくるぞ……この映像と音声、厳重に金庫に入れてロックしておけ、勿論サンドゥバル家産の金庫だぞ良いな?」

 

「わ、分かった……って、削除しないって事は使うの、これ?」

 

「当たり前だ……明日はパーティーがあるだろ? あの取り巻き連中が意図しなくても殿下達と接触する確率は高い、後は分かるだろ?」

 

「……か、彼女たちが思わず喋る可能性……!」

 

「そういうこった、だから釘を差しに行く。勿論『素の俺』でな」

 

「大丈夫なの……? この学園でアルの素を知ってるの僕とマリエさんだけだと思うんだけど……というかあの取り巻きの人達も相当な家の出なんじゃ……」

 

「なーに心配すんな、そこはそれこそ位だけは無駄にある殿下の名前さえ出せば下手な事してバレた時のリスクくらい分かるだろうさ」

 

「うわぁアルが悪い顔になってるよ……」

 

 流石に控えめ演じてる猫被りアルフォンソで奴らを掌握なんぞ出来ないだろうからな、ここは切り札として素の俺と、後はポンコツだろうが何だろうが殿下である事に変わりはないアレを利用して脅せば問題無いだろう。

 

 クズ? 俺はマリーの為なら何だってするだけだが?

 

「とにかく明日俺が解錠の指示を出すまで絶対誰にも取られるなよ、何なら勘付かれるのもダメだからな。その分報酬は弾むぜ……」

 

「分かった、頑張るよ! これもマリエさんの為って事なんだよね?」

 

「ああ。それもあるが単純にアンジェリカさんが不憫で仕方ない」

 

「確かに……」

 

「ま、何にせよこの学園で現状唯一の友人はマルだけなんだ。頼りにしてるぞ」

 

「任せて!」

 

 マルにはいつも協力して貰いっぱなしだな。

 その分報酬も出してるし悩み相談やら何やら逆にマルへやれる事は惜しまずやってるから損はさせてないはずだが、今回は負担が大き過ぎるからな。

 今度庶民街でたらふく美味いもん食わせてやるかね。

 コイツも俺と同じ庶民舌らしいし、その辺の好みも合いそうだ。

 

 

 

 

 

「さてと……」

 

 翌日、放課後。

 マルケスは律儀にも超厳重な、プロでも開けられない様な、それでいて小さくバレにくい金庫に入れてくれていたお陰で誰一人に悟られる事なく隠し通せていた。

 そんな訳でパーティー直前の今呼び出した取り巻き連中と共にマルケスの部屋まで来ていた。

 

「何なのですか、話があるとの事でしたが……」

 

「何が目的であってもパーティーあるんだから早めに終わらせてよねー」

 

「お手数お掛けして申し訳ありません。すぐ終わりますのでお入りください……マル」

 

「あ、うん! ちょっと待ってね……はい、どうぞ入れるよ」

 

 女共は訝しむ様子は見せども後である事無い事報告してやれば良いとか思ってるんだろうな、余裕の澄まし顔だ。

 いつまでその顔が保っていられるか見ものだな。

 

「マル、例のものは?」

 

「もう取り出してあるよ」

 

「……そんじゃドアのロック、最大で閉めとけ」

 

「……うん」

 

「は!?」

 

「監禁!? ふざけてるの!?」

 

 部屋にノコノコと入ってきたところをこれまたマルケスがドアに追加で付けた取り外し可能な強化ロックシステムの最大値までロックを強めて閉じ込める。

 これで防音性能も施錠強度も強固な城が完成した。

 

 そして俺はマルケスの方から取り巻き連中の方へ身体を向ける。

 

「よう、アンジェリカさんと仲良い令嬢の皆様?」

 

「……貴方、そっちが素なの?」

 

「ああそうさ、俺はまだ変な連中に目ェ付けられる訳にはいかねえから猫被ってたってワケ」

 

「な、何が目的なのよ!」

 

 おーおー動揺してやがる。

 俺はただ口調を控えめで頼りなさそうなのからいつものに戻しただけだってのにビビり過ぎじゃないかね。

 

 まあ良い、本題に移ろう。

 

「そう慌てなさんな。マル」

 

「準備OKだよ!」

 

「さーて御二方、俺の情報によるとマリエの私物燃やしたのアンタららしいじゃねえか、ん?」

 

「……知らないわ」

 

「そ、そうよ! 勝手に決めつけないで!」

 

「……ああ、そうっすか。ま、白状してもしなくても証拠はあるんでね。マル始めろ」

 

「ポチッとな」

 

 シラを切る連中……まあ奴らが口を割らないのなんて前提で話を進めてたからどうでも良いがここまで来て証拠が無いと思い込んでるのは相当頭が弱いか脳内お花畑かの二択だろう。

 

 そんなアホ共には容赦なく証拠映像を叩き付けるに限る。

 

「こ、これは……どこで……それを……」

 

「わ、わ、私じゃないわよ!」

 

 

 そんな反応されたら私ですよと白状してるのと同じなんだけどなあ、気付かないのかねえ。

 しかしここは流して良い、本題はこれからだ。

 

「別にこれを公表しようって訳じゃない、だからこれをやったのが本当にお前らなのかだけ確認しときたい」

 

「……本当に言わないのかしら?」

 

「どうだか……」

 

「ではこうしよう、俺が話したら俺のこの素の事と今ここで会った事は全てバラして良い。正直今バレると面倒な事にしかならないし俺にとってメリットは0だ、これでどうだ」

 

「わ……分かったわ、それで手を打ちましょう」

 

「ちょ、良いの!?」

 

「こうしてバレた以上他にバラされたら制裁を受けるのは私達だけではなくアンジェリカ様にも及ぶのよ……諦めなさい」

 

「うぐ……」

 

 コイツらは聞き分けが良い様だな、原作でどうだったかはさておき手間が掛からなくて助かる。

 っと、ここで俺が黙ってるメリットの方も話しておかないとな。

 

「聞き分けが良くて助かる。ま、俺としてもアンタらの所業がバレたらアンジェリカさんは問答無用で追放だろうしそれは俺にとって都合が悪い……」

 

「え?」

 

「な、なんの都合が悪いのよ」

 

「このまま行けば恐らくパーティーかその直後数日以内にアンジェリカさんが殿下の浮気に耐えられなくなりマリエに対して決闘を申し込む。そこで殿下達……俺除く五人は率先してマリエを庇って代理人として決闘に乗り込む、まあ俺も代理人になるが。アンジェリカさんにとってそこは殿下に意見を通す最初で最後の場だが、俺にとってはアンジェリカさんの代理人が誰かはさておきあの五人の内誰かでもやられてくれればそれだけマリエ争奪戦のライバルが減るんだ、これの都合が良くないんだとしたら何なんだ?」

 

 あの人の怒りや悲しみ、不甲斐なさと言った感情はこの取り巻き達が一番知ってるだろうしこのまま行った場合決闘で雌雄を決する流れになるのも想定しているだろう。

 俺としては舞台装置でしか無いが……さっきも言った通りアンジェリカさんの意見を通す最初で最後のチャンスを後押ししてやれるならそれも次いでの報酬としては悪くない。

 

「貴方、そこまで計算して……」

 

「でもアンジェリカさんの代理人が勝てなかったら……」

 

「ああ、そこも心配しなくて良い。この学園には俺と同じくらい、殿下達五人を心の底から嫌ってる『恐ろしいくらい腕の立つ冒険家』がいるのを知ってるんでね……そいつが立候補するのも想定内だ」

 

「一体、貴方は……」

 

「さてね。だが一つ……」

 

 戦々恐々と言った様子で見つめる取り巻き達。

 俺はそれに向かって〆の一言告げる。

 

「無責任な発言だとは思うが、せめてアンタらくらいは、最後までアンジェリカさんの傍にいてやれ……」

 

 原作でどんな気持ちで裏切ったか、それは分からない。

 分からないが、やり直すチャンスくらい与えても良いだろうと、そう思って。

 

「さあ今夜はパーティーだ、楽しい夜にしてやろうじゃないか」

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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