幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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1ヶ月半振りくらいに日間入ったらしい
正直もう日間入るの無理だと思ってたから嬉しい


第六十一話『俺の運命は複雑怪奇』

 休む事小一時間、俺のいない世界線の話ではそもそもリオンの占い途中で寝ていたが何故か結構ピンピンしているおばあちゃんの話が聞けるのだとしたらこれ以上無い、特に俺自身の謎に付いても聞けるかも知れないというのは恐らくここでしか有り得ない。

 何でも良い、今後のヒントに、俺のヒントになるならそれに縋りたい。

 

「皆様お待たせ致しました、里長が大丈夫そうなので再開します」

 

「いえ、わざわざありがとうございます」

 

「アル、どっちから聞くよ?」

 

「そうだな……出来れば俺が先に聞いてみたい」

 

「珍しいな。ま、良いや。それじゃコイツからお願いします」

 

「分かりました。聖女様の旦那様からですね」

 

 だから俺は少し強引ながらも、ワガママを言わせてもらった。

 ワンチャンリオンの時みたく途中で寝られたら後悔してもしきれない、何ならリオンみたく叫びかねないくらい悩まされてるんだから。

 

「貴方の運命は……どうやらあまりにも複雑怪奇過ぎて、鮮明には見えないそうです。何重にも折り重なった線と線が雁字搦めの様に、貴方に纏わり付いて様々なビジョンが見えると」

 

「何重にも、ねぇ……三重とかの量では無いと?」

 

 大方前前世と前世と今世で混線状態になってる……と思いたいが、三重なら『何重にも折り重なった線』なんて言い方はしないのだろう、どういう意味なのか震えそうな声を抑えながら尋ねる。

 

「……里長曰く太い線が五重、細い線は無数だと仰っております」

 

「五重……? うーん……」

 

 四重、と言われた方がまだ色んな意味で割り切れた。

 前前世、前世、ループ前、今ならあれが現実だったのは死ぬ程認めたくないが合点は行く。

 だが五重は意味が分からない、俺は二回逆行しているか何処かで重要な転生を一回挟んでる事になるからだ。

 この世界に必要な運命として五回目の人生だとするなら残りの一回を必ず見つけないといけない、恐らくそこが帝国と平和的に終わり『モブせか』としての終着点に辿り着く為のラストピースに他ならない。

 

「そして、鮮明には見えなかったものの貴方には様々な悪い運命を良い方向に導ける力を感じます。既に幾つもの運命を変えている、と里長は仰っています」

 

「……アタシの運命も、その中に入るのかな」

 

 ボソッと呟くマリーに俺は内心呟く。

 本来お前はカイル含む六股を掛けて内五人を超絶ダメ男にした上でギャグ補正があったとはいえ相当めちゃくちゃにされた人生を送らないと行けなくなるんだぞと。

 お前自身の性格も今とは比べ物にならないくらいポンコツで可愛いと言えば可愛いが今程好きになれてたかと言えばノーコメントを貫きたくなる性格だったと。

 

 全て俺が変えてしまったから入る入らないの枠どころか変えた運命のド本命としか言い様が無いのである。

 

「そして貴方は近い将来、大きな事を成し遂げるでしょう。それが何かまでは見えませんでしたが……必ず、貴方の国の為になる事です」

 

「なるほどね」

 

 これは恐らく共和国との事だろう、二年に上がれば留学と称してあっちに行き、俺の大本命である帝国との戦争を引き起こさせない為に聖樹の暴走を止めるからだ。

 これさえ無くなれば文字通り帝国編で散っていった王国軍、帝国軍……後は、戦争さえ無ければ仲良く出来たかも知れないヘリングや、皇帝バルトルトも救えるかも知れない。

 ただ問題は、共和国編が原作Web版の共和国自体がリオンの敵として認識されて殲滅されるルートか、書籍版の方の追加で出てきたキャラがいたり学園での留学生としての生活やラブコメが中心となった和やかな場面が多いルートかによってまた色々と対応も変わってくるからどちらなのか早目に見極めて動きたいところではある。

 

 続けておばあちゃんの言葉に耳を傾ける。

 

「ですが貴方は自分を犠牲にし過ぎてしまいます。今までもそう言った事があったかと思いますが、これからはそれを自重しながら行動した方が良いです」

 

「……いやはや、痛いお言葉ですよ」

 

「ほんとよ、アンタ無茶し過ぎなんだから」

 

「あー……決闘の時思い出して腹痛してきたわ……」

 

 自己犠牲が強過ぎる、か。

 確かに痛い言葉ではあるがそれでマリーや周りのみんなを守る事が出来るなら俺はこれからも躊躇無くその身を呈して行く腹積もりだ。

 これはこの学園に入学する時に本格的に決心した固い想い、この世界を呆れるくらい笑えるギャグだらけみたいな平和な世界に変える為に、マリーが一生笑って過ごせる世界にする為に、やれる事があるならなんでもすると誓った事なのだ。

 忠告は胸の中にしまい込むが、最悪分かっていても俺の身を犠牲にして世界が守れると分かれば俺は躊躇わない。

 

「最後になりますが、近い将来貴方はまだ見ぬ『予想外の存在』とタッグを組む事になるでしょう。その存在こそ、貴方の偉業に欠かせない最後のピースです。どうかお忘れなき様」

 

「予想外の存在……ええ、覚えておきます。ありがとうございました」

 

 へぇ……俺、これでもかなり本来の運命から外れた連中と仲間になってきたけどまだいるのか。

 しかも予想外の存在と来たか、これは誰になるかも注目しておかないといけないな。

 

 俺はおばあちゃんや通訳のエルフに礼を言って一歩下がる……リオンの占いはどこまで聞けるんだろうか。

 

「では最後にそこの貴方ですね」

 

「よろしくお願いしま~す……てか大丈夫ですか里長?」

 

 少し休んだとはいえ、やはり高齢とあり疲れてる様子だが……姿勢を正し佇まいを整えているところを見るに大丈夫と言いたいのだろう。

 息を整え、喋り出す。

 

「この里を救っていただきありがとうございます。貴方様はとても優しい方のようだ」

 

「どうもどうも」

 

 リオンは褒められて嬉しいご様子だが複雑そうな顔付きなのは両王女。

 まあ戦争第一弾で一番暴れてたのこの人だからね、仕方ないね。

 残忍さで言ったら俺の方が印象に強かったんだろうがそこはラウダ王女を助けた事で一気にラウダ王女本人からは少なくとも逆転してるらしいしな。

 

「私の占いでも、貴方様の未来は見通せません。ただ、貴方様はいずれ――過酷な選択を迫られる事になるでしょう。貴方様のポリシーさえも……崩さなくてはならない程の選択を。次に……近い将来、貴方様は大事な人の、知られたくない秘密を知る事になるでしょう。その時取る選択次第で未来も大きく変わります」

 

「中々ハードな未来だな……はぁ……でも後者の話は大丈夫だろ、俺こう見えても一番大事な事は外さない自信あるし」

 

 いや多分後者の話は俺の前前世の話だから大丈夫じゃないんだよ。

 はぁ……いつかは知られるんだろうけれど出来れば一生秘密で居たいんだがなあ。

 だってどうリアクションして良いか分からないでしょ、自分が実は大切な人から見たら創作世界の人物だったとか。

 嫌すぎるだろ普通に。

 

「そしてその選択をどうしたとしても、大切なものを……失う……未来、そして、過酷な……ぐぅ」

 

「おばあちゃん? おばあちゃん!? 嘘だろ!? ここまで聞かされて最後だけ聞けないとかある!? しかも俺だけ!?」

 

「……申し訳ありません、どうやら限界だった様です」

 

「リオン、仕方ない。ここは諦めるしかあるまい」

 

「そうですよ、お年寄りは大切にしないといけませんから」

 

「と、トホホ……」

 

 案の定寝てんじゃねえかおばあちゃん……

 これ俺先に聞いといて良かったパターンだな、聞く順番入れ替わってたら『予想外の存在とタッグを組む』というところがめちゃくちゃ中途半端に聞かされてた可能性が高いからな。

 そうなったらこっちが叫びたい気分だっただろう。

 

 済まないリオン、許せ。

 

「まぁ、ある程度は聞けたんだし良いんじゃない?」

 

「そうね、それに良いオチが付いたんじゃないかしら?」

 

「あらアンタ気が合うわね」

 

「そっちこそ」

 

 何かマリーとルーデ王女は二人して気が合うのか軽く話してるし。

 今日飛行船で来た時はマリーへの印象かなり悪く見てたはずだろうに、何だかんだ歳が近い同性だと波長が合うのかね。

 

「さて、そんじゃ帰りますかね……リオン」

 

「ああ。村長の処罰とかは全部そちらに任せます。……ですが、その代わりに頂きたいものがあります」

 

 俺はリオンに目配せする。

 お互い話し合ってはいない……いないが、お互い状況は全て把握している、ならばやる事は一つだ。

 

「なんでしょう。我々は村の者とは違い金品類は……」

 

「いえ、俺が頂きたいのは……ユメリアさんです」

 

「え!?」

 

「か、母さんを?」

 

「……ふむ、話を聞きましょう」

 

「ユメリアさんは元々村ではあまり待遇が良くなかったそうで、それに加えて息子……カイルと離れ離れで過ごしてるなんてあんまりじゃないですか。だって二人は親子ですよ?」 

 

「そ。だから……金品とか村の処遇とか何も貰わないししません、全てそちらのしきたりにお任せする、その代わりにユメリアさんだけカイルと共に生活する為に頂きたい。……俺の嫁であるマリーにライフル向けて殺そうとした村長の村の連中なんて全員殺しても殺し足りない中でここで譲歩したいと言う事です。悪い取引ではないと思いますが」

 

 少し脅し気味になってしまうが、ここで強気に出ないとどれだけ村長が俺の逆鱗に触れたか理解するには難しいだろうし許してもらいたい。

 リオンは情に訴える言い回しで二人でエルフの思考能力をロックする、何かしら文句や代案があったとしても言わせない言えない様に誘導する。

 前世から二人してイジメ加害者に報復した後、その家族に文句を言われた時に言いくるめたり屈服させたりする為に使っていたコンビ芸がここで活きる事になるとはな。

 

「うっわぁ……相変わらずやる事がえげつないわね二人とも……」

 

 それを間近で見てきた当のマリーはすっかり平常運転でドン引きしていた、前世でも中学二年途中くらいからは加害者家族に若干同情するくらいの余裕というか、そういうものがあったから仕方ないが。

 

「……良いでしょう。村を潰されては我等エルフの存続自体が危ぶまれます。ユメリア、カイルと仲良くやるのですよ」

 

「……は、はいっ」

 

「母さん……俺……感謝してるから。優しい母さんに育ててもらった事。だから……ありがとう。アル様とバルトファルト子爵も、ありがとうございます」

 

「カイル……ううん、私の方こそ優しい子に育ってくれてありがとう。お二人も……本当にありがとうございます。なんとお礼を言って良いか……」

 

「まあ、仲良さそうだったしアルが村を壊滅させない為の良い口実にもなりましたから」

 

「本当は潰しても良かったけど、それよりカイルとユメリアさんが近くで暮らしてる方が俺にとって得だったんでね。それではこれにて本当に失礼させていただきますよ」

 

 これだけ仲が良いなら尚更近くで過ごさせてあげたいと思っちゃうからな。

 

 さて……取り敢えず帰ったら早速この親子の為に『計画』を実行しますかね。

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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