幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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第六十四話『多分逮捕されるのでその前に色々やっておくⅠ』

 エルフの島から帰ってきた翌日、特別授業だった為一日休みを貰った我がクラスに乗じて丁度良いと思った俺はヘルシャーク隊とクリスとコンタクトを取る事にした。

 理由としては、フランプトン侯爵派の動きが活発化してきており、且つ公国襲撃第一弾では俺が迅速に発見、ほぼ死者を出さずに撃退している為反フランプトン派閥に警戒され始めたからだ。

 それが何故この行動に繋がるかと言うと、ミレーヌ様と近々コンタクトを取る事になっているのだがそこでの提案で一旦逮捕され投獄される可能性が高いからだ。

 

 この世界線じゃミオルがどう動くかは別として他の獣人やエルフ奴隷は間違いなく敵だし、そうなると逮捕されるのはほぼ間違いない。

 ならば動けなくなる間で少しでも王国に死者が出るのは避けたい。

 そうなったので『万が一の指揮権系統』に付いての話としてコイツらに事前に話を通して代理として動いてもらう事にしたのだ。

 

「頭領、どうしやした我々を集めて」

 

「グリシャム艦長だけならまだしも俺もですかい?」

 

「それを言うなら私はもっと場違いだと思うのだが」

 

 で、集めたのがグリシャム、レディック、クリスの三人だ。

 

「あーいや、こうして落ち着ける日もそんなに無かったからさ、万が一俺が何かしらの都合で指揮権握れない時の代理を三人に話しておこうと思ってな」

 

「この二人は分かるが私もなのか?」

 

「ああ、順番に話してくからまあ待て。まず、俺が不在時にどうしても艦隊を動かすってなった時全指揮権を最優先でグリシャムに与える。元ウイングシャーク頭領としての力を存分に振るってほしい」

 

「分かりやした! お任せください!」

 

「そんで、グリシャム自体が出撃する様な戦況になった時の代理の代理をレディック、お前に与えたい。良いか?」

 

「お、俺に?」

 

「レディックは判断良く動けて分隊長としての指揮官経験もある、部下にも慕われてたしそういうとこじゃ一番信用してるからな」

 

「そこまで言われちゃ断れねえ! 頭領、俺も万が一の時は任せてください!」

 

 グリシャムは言わずもがな空賊とはいえリーダーとして結構地頭良く行動出来ていたという評価を下している。

 全体的なパラメーターもモブとしてはかなり上の見方で判断してるし、まず間違いない。

 レディックはグリシャムの切り札である鎧での出撃の際代理の代理として、俺が一番信用を置いてる部下としてこの権限を与えたかった。

 指揮官としての実力も判断力の良さを見るに信用出来るしな。

 

「そんでクリスだが……有事の際はクロカゲの代理パイロットになってほしい」

 

「なっ!? 私がか!? だが私に銃撃戦は……」

 

「そう言うと思って近接戦が出来る様にブレード数本バックパックに追加しといたし、それが全部無くなってもビリビリネットミサイルは全自動追尾ミサイルだからそれだけばら蒔いとくだけでも良いからさ」

 

「ならば別の人間を乗らせた方が良いのではないのか? それこそ銃撃戦と言えばジルクの腕は良いぞ」

 

「腕とかじゃなくて誰が乗るかが俺の中では重要なんだよ。だから権力があって俺やリオンの近親じゃなくて、尚且つ俺目線一番信用出来るお前を乗せたい」

 

 そう、クリスを呼んだ理由はクロカゲの代理パイロットとしてだった。

 リオンのアロガンツ、及びパルトナーは『ロストアイテムとして危険視されたから』回収されたのであって俺のクロカゲはただの旧時代の技術とマルケスの技術が融合したハチャメチャにピーキーな機体という見方しかされていない。

 ならば没収してもしなくても影の薄いクロカゲはそもそも王宮の重鎮達の記憶に残ってるかすら怪しい。

 

 つまり、 没収されないなら誰かが乗れば使えるという意味でもある。

 

 そこで誰を乗せるか考えたのだが、まずヴェンや親父、リオンの親類だとそっちに矛先が向けられかねないので無し。

 同じ理由でヘルシャーク隊やマルケスもアウト。

 そうなると身内でもなく権力もあって周りを黙らせられる馬鹿五人衆の中から決めるのが安牌だが、ここでジルクかクリスかは少し悩んだ。

 銃撃戦の得意なジルクか一番信用出来るクリスか……しかし想像してみて、ジルクを乗せるのはどうしても何か信用出来ないと思いクリスという答えに着地したのだ。

 

「……そこまで信用されているとはな」

 

「夏休みの時の事、覚えてるか?」

 

「夏休み、か?」

 

「ああ。決闘の事でやり過ぎたって土下座した時、真っ先に許してくれたのはクリスだった。そんで変わろうと一番してくれてたのもクリスだった。そんでその後も変わろうと特訓してるお前を見てきた。だから修学旅行の時、増援決めるのをお前に託せたし、今も万が一の時にはクロカゲを託したいって思えたんだよ」

 

「ディーンハイツ……いや、アルフォンソ」

 

 アルフォンソ、と呼ばれて身が少し硬直するのを感じた。

 馬鹿五人衆はあの土下座の時以来俺の事を名前で呼ぶのを辞め、関係を0からやり直すという名目で名字で呼んでいた。

 それはクリスも同じだった。

 

「俺の事、名前で呼んでくれるのか?」

 

「もう、その程度の関係にまではなったのでは無いかと私は思ったのだが。ダメだったか?」

 

「いんや、俺としてもそろそろクリスには呼んでもらえる頃合いかと思ってたんでね。つー訳でクロカゲの事、代理になったら宜しく頼んで良い?」

 

「引き受けよう。ディーンハイツ家の魂を代理でも引き受けられるのは光栄な事だ」

 

 ガシッと握手を交わす。

 これで一応引き継ぎは完了だな。

 

 次は……今の内にリオンにアルトリーベの話しとくかなあ。

 

 

 

 

 

「ま、そんな訳で久しぶりに暇になったので今の内にリオンの知らないアルトリーベの話しとこうって訳になったんですけどもね」

 

「俺の……知らない話? いや、話も何も公国との戦争に勝てば終わりだろ?」

 

「兄貴……やっぱり知らないのね」

 

 お昼過ぎ、三人共やる事が無いとの事で集まる事に成功。

 これが終われば後はラウダ王女から貰った信頼度で真実の話をして、週末にカイルの父親の元を訪れれば完遂だし逮捕される前にやれる事全部やり切れそうで良かった。

 

「非常にリオン君にとっては残念なお話をしないといけません」

 

「兄貴、その……兄貴が死んでからの話だから知らないのは当然なんだけど……アルトリーベはシリーズ化されてるのよ」

 

「……はい?」

 

「リオン、お前ヘルトラウダ王女の存在に違和感持たなかったか?」

 

「……確かに持ったな。ヘルトルーデ王女に妹なんていたか? って」

 

「ヘルトラウダ王女はね、第三作目のラスボスなのよ……」

 

 悲報リオン脳みそがバグってしまう。

 表情が完全に宇宙猫である、確かに一度にヘルトラウダ王女の正体と『少なくとも第三作まである』という二つを聞かされては俺でもリオンの立場ならこうなるだろう。

 

「じゃ、じゃあ……公国撃破後は……」

 

「ヘルトラウダ王女も一緒に救済したなら第一作と第三作の話は完結って事で良いだろうが……」

 

「間違いなく第二作目の話が始まるわね」

 

「そ、そんな馬鹿な……じゃあ俺ののんびりライフは……」

 

「少なくとも共和国編終わらせないとどうにもならんだろうな、何せ二作目は聖樹の暴走だからこの世界が終わりかねん」

 

 何なら暴走させたらその時点で正史通り止めたとしてもこっちも詰むから何としてでも止めないといけない超ハードモードだけどな。

 ほんとあの国さえちゃんとしてればと恨まずにはいられない。

 

「はっ! と、ところで今聖樹とか言ったよな!? 舞台はどこなんだ!?」

 

「アルゼル共和国よ、聞き覚えくらいあるでしょ」

 

「聞き覚えだけはあるがほぼ知らん。どんな国だよ」

 

「大陸は遠目に一つに見えるけど、七つの大陸が中央の聖樹によって繋がっているわ。貴族共和制とは言っているけど、国が七つ繋がっている感じだった気がするわ……合ってるわよねアル?」

 

「概ねそれで間違いない。あとそんな訳だから七つの国全てが政治的繋がり以外はあまり深い繋がりが無く、結構対立もあるとか言ってたな。現段階で気を付けるべきは悪役のフェーベル家と攻略対象に監禁エンドがあるバリエル家だな」

 

「うわーこの段階で警戒すべき連中の目星が付いてんのは助かるわ……流石アル」

 

「面倒になる芽は早めに摘むに越した事は無いからな」

 

 まあ本来はそんな雑魚共よりイデアル、エミール、レリアを対処するか抹殺するかしないと帝国編が開幕して完全に詰んでしまうからそっちがメインなんだが……イデアルもエミールもゲーム内では無害でレリアに関してはゲーム内には登場しない上に転生者という『俺達枠』。

 俺が二重転生者とバレたくないから敢えて言ってないのにそれを言って面倒な事になるのは御免だしそっちは俺で何とか対処しよう。

 主にエミールの心のケアとレリアに喝入れるのとでイデアルは……まあ、やりたくないが『アレ』をやるしかないだろうな。

 

「てかそうなるとヘルトラウダの魔笛も破壊出来たら良かったんだが……」

 

「流石に二本とも破壊すると上から何言われるか分からんからなあ、でも幸いな事にラウダ王女は何故か俺に信用を置いてくれている。個人的にも光栄な事だとは思うけど。それよりも俺の言葉で冒険に行きたいと目を輝かせながら語る、生きる事に前向きなあの子が使ったら死ぬ様な魔笛を使えるとはどうしても思えない。だから大丈夫だと思ってる」

 

 事実ラウダ王女は何となくだがあの昨日のエルフの島の一件があってからすっかり懐いてしまったのか、朝もわざわざ俺の部屋まで来ては雑談に花を咲かせていた。

 流石にミレーヌ様も止められないと察したかセミエンとマルケスを護衛に付けて……だが。

 俺としてもあそこまで懐かれると妹がもう一人出来たみたいな気持ちになって心地良い、機会があればアリシアに会わせてやりたいくらいだ。

 

 ま、そんな訳でラウダ王女が魔笛を使うとは思えないって事だ。

 

「なら良いが……」

 

「あんまり仲良くし過ぎないでよ?」

 

「分かってる分かってる、あくまであの子は妹みたいな感覚だ。そんで今日この後両王女に公国の真実とやらの話を一応しに行くからそこで使わせない決定打にさせる。因みに資料はミレーヌ様に土下座して用意してもらった」

 

「唐突にとんでもない事言うなよ!? お前はメンタルが強いのか弱いのか分かんねーよ」

 

「……アルの言葉なら信じたい、聞いてみたいって言ってくれたものね」

 

「そういう事だ。それならあの二人を守る為にも俺が矢面に立ってやる。今後のファンオースの為にも、俺の為にも」

 

 そしてこの上述した話で魔笛を使用させない決定打とする。

 嫌われたって良い、殴られても良い、それでも少しだけでもこれを信じてくれるなら、それで二人の命が守られるなら。

 

(本編ではラウダ王女が、マリエルートではルーデ王女が死んで両生存ルートは存在しない。ならば……俺が両方生存させてやる。その為に二重転生者という立ち位置の俺がいるはずなんだ。リオンでも救えない存在を救う為にな……)

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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