幼馴染はどうやら転生しても続くらしい 作:ぶり大根(元・孤高の牛)
※本当はもっとストック書いてから投稿したかったけどいつまで経っても投稿出来なさそうだから投稿しとくやつ
第八十二話『俺まで騙される必要あった?』
「婚約?」
「ああ、婚約式が数日後の入学式の後に行われるからお前も準備をしておけ」
「もしかして姉貴?」
「ジェナは駄目だ。母ちゃんが言うには、まともに家事も出来ないから嫁にも出せないってよ。今は男を見下す女性貴族の方が少なくなってきているからな。ジェナを嫁がせようと思えば、準男爵家以下の家柄だな。今はミオルとユメリアさんにゼロから扱かれてるところだ」
バルトファルト宅、そこでは春休みの帰省として実家に帰っていたリオン、そしてリオンを呼び出していた当主バルカスがいた。
現状この家は公国襲撃時に戦った報酬で格上げされ、逆に公国襲撃に逃走したザラ、メルセ、ルトアート達はそれ以外にも紆余曲折あり離縁されせびられる事も無くなり自力での生活も出来る程度の財力を持てる程になっていた。
「ふーん、結婚じゃないんだ?」
「色々と事情があるからな。バタバタしていて悪いが、留学先に行く前にお前も参加して貰う」
「分かった、問題無いよ」
「そうか、なら準備をしておいてくれ」
そんな中切り出された婚約の話、リオンとしては『姉の話でないなら兄のニックスだろう』と決め付けた上で話を進めてしまった。
バルカスは一言も『兄の婚約』とは言っていないのにも関わらずだ。
これが親友の罠だったと知るのは数日後である――
「……という訳で、先日もお話させてもらった通り共和国への留学に伴って一年離れ離れになる前にリオンとオリヴィア、アンジェリカ様、クラリス嬢との婚約式を挙げてしまおう作戦の話になりますが」
「ええ、準備は出来てるわよ。よ……三人もノリノリだし各家への根回しもバッチリ」
「ありがとうございます。アイツには沢山恩がありますし、王国としてもリオン程の昇進して学生の身分にして伯爵になった人間を繋ぎ止めるのにこれ以上の舞台は無いと思いましたしね」
「本当に頭が回るわねアルフォンソくんは」
「それ程でもありませんよ」
春休みも残り一日と入学式、始業式が差し迫った日。
俺は前回会った時に事前に話した『例の話』をしやすくする為に王妃様に呼び出されるという形を作って今の場を作り出していた。
そう、例の話とは……リオンの婚約式だ。
原作ではまだ心が決まっていない段階でやったから一騒動起きたが今回は俺が企画でもしないと起きすらしないと思った為立案したのだ。
丁度王国としてもあの爆速昇進核爆弾のリードを繋いでおくには都合が良かったのか、ミレーヌ様もローランドも、レッドグレイブ家やアトリー家含む上層部もかなり乗り気らしい。
全く、話が分かる人達はこれだから最高だ。
「それじゃあ後は流れ通りやらせてもらうわね」
「ええ、お願い致します」
「あなたの方の準備もちゃんとしておくのよ?」
「親友の晴れ舞台ですからね、怠りませんよ」
最後の一言だけちょっと違和感があったが気のせいだろう。
さーてリオンの驚く顔が今から楽しみだ。
この時俺は、俺も一緒に騙されているという事に一切気付く事は無かったのだった――
「よ、リオン。随分と豪華な服着込んでるな」
「アル……いやおかしくない? 今日は兄貴の婚約式だろ? なんで俺の方が目立って……いや待てなんでお前も豪華な服着てんだ?」
「まぁ『お前が言うにはニックスさんの婚約式』だからな。親友の親族をお祝いするにはもう少し控えめでも良いって言ったんだがどうにもマリーが気合い入れすぎて……」
「ちょっと伯爵になったからっておかしいよな?」
婚約式当日。
リオンにバレない様にニヤニヤを抑えながら教会に来たのは良いが、何故かマリーが俺にも気合い入れたスーツを着せて来たのだけ不思議だった。
まぁ大方リオンだけ浮かせるとバレかねないからって理由だろうけど、そこまでしなくても鈍感なリオンの事だから気付かないと思うんだがなあ。
「ま、親族の凄さをちょっとでも目立たせておきたいんだろ。俺だけ関係無いんだけどな」
「お前のは……マリエが暴走したって事で良いんじゃね? アイツお前の事呆れるくらい好きだからな」
「へへへ、いやぁ照れるな」
「アル……久々に話せたと思ったらすげぇムカつくな? ん?」
「いやそれは俺にだって色々用事というものがあってだな?」
実際用事があったのは事実だ嘘は付いてない。
ただわざと疎遠にしていた事は嘘ではなく話してないだけだ、所謂某魔法少女アニメの白いアレみたいなもんだからセーフだ、セーフ。
「兄ちゃんもアルフォンソさんも服凄いな! キラキラしてる!」
「リオンはともかく俺がキラキラしててもなあ、まあ褒められたら嬉しいけど」
リオンの弟コリン君は純粋そうな目で俺達二人を見ている。
主役はリオンだけなんだからもっとそっち見てあげて?
「兄貴もリオンさんに負けず劣らずイケてるじゃん」
「アル兄様が着て似合わない服なんて無いんだから」
「……なあ、なんでヴェンとアリシアもいる訳? というか母さんと親父もさっき見たんだけど……なあルクシオン……これ……」
それはそうとなんかおかしい。
何故かヴェンとアリシアがいる、更に言えばさっきは気のせいだろと流したが親父と母さんの姿も一瞬見た気がするんだがこの二人がいるお陰でどうにも気のせいとは思えなくなってしまっていた。
「アル、きっと子息同士仲の良い家柄の婚約式だから来ているだけでしょう」
「……そ、そっか」
「いやそっかで済ませんなよ、つーか相手の親族とかの挨拶は良いのかよ」
「そういう段取りだから。全部終わったら挨拶するから気にするな」
だがルクシオンの話を信じよう何せ俺は仕掛け人だ騙す方なんだから何も問題は無い、うんそうだそうだとも。
だからなんか俺が騙されてそうとかリオンと同じ状態じゃないのかってのは全部勘違いだ気のせいだ。
「そろそろだな。よし、いくぞ。リオンと……」
「アル兄様はこっちです!」
「いや、ちょ、待っ……」
「オイ俺がそっち側行くのは話にはなくない!? アリシア? アリシア!? ヴェン!? どういう事だオイ!?」
「……済まないな兄貴、これは全て兄貴もターゲットで開催されてるんだ」
気のせいだと……そう……思いたかった……んだがなあ……
「オイ親父、これはどういう事だ……!? 俺は仕掛け人のはずだろ!?」
「いやあ、本来はそうだったんだがな……王宮上層部の方々から『リオンがやるなら数年後同じ立場になるアルフォンソもやっとけば良くない?』と言われてなあ、折角だからお前の晴れ姿とマリエちゃんの花嫁姿を拝ませてもらおうと思ったのさ」
「マリーも仕掛け人だったか……!! 道理で妙に気合い入れて俺の服選んでた訳だよ……」
見渡す限り俺が王宮上層部とセレクトした教会だ。
間違いなくここで俺は親友の晴れ姿を見てニヤニヤしながら婚約式を見守る、それで何も問題無かったはずだった。
なのにどうして俺自身がその当事者として巻き込まれなければならないのか……こんなはずでは……
「なんだ? お前はマリエちゃんの花嫁姿を見たくないのか?」
「超見たいに決まってるだろ寧ろここまで来て見せてもらえなかったら暴れ散らかすぞ」
だが男というのは現金な生き物だ。
惚れた女の花嫁姿を引き合いに出されては何も言い返せなかった。
「だろうと思ったよ。後婚約式はリオン君が先だからアルがニヤニヤしながら見るというのは強ち間違いではないぞ」
「んな状態でニヤニヤなんて出来るかよ!?」
「ああ、後王様から伝言を預かってるんだ……ほら」
「リオンじゃなくて俺の方に送り付けて来んのかよ……なになに?」
『よう、仕掛け人だと思ったらターゲットだった時の気持ちはどう?今どんな気持ち? どうやっても表情一つ動かさないお前の鼻を明かす為に全力でリオン共々この場を作ってやった。精々感謝しておけよ次期伯爵様☆by有能な王様』
「ちくしょうが!!!」
クソ、こうなったら腹を括るしかないか。
しかしリオンは原作と違って割と決断した状態で来てるしどうなるかね。
「唐突過ぎて心の準備も何もあったもんじゃないしめちゃくちゃ緊張はしてる……が、何れ遅かれ早かれ心を決めないといけない事ではあったからな。こうなったら三人ともちゃんと娶る覚悟持ってやるよ……リビア、アンジェ、クラリス……これからまだまだヘタレるかもしれないけれど三人の事心の底から大好きだからさ……これからの人生を俺と過ごしてくれ」
「リオンさん……その言葉を待ってたんですよ。えへへ、幸せになりましょうね。絶対離しませんから」
「そんなヘタレなリオンだから好きになったんだ。こちらこそ……末永く宜しく頼む」
「夢じゃない……んだよね……? リオンくん、ずっと、ずっと、一緒だからね……」
めっちゃ感動的だった。
覚悟決めたリオンだからヘタレと言いつつ逃げる素振り0だし真正面からプロポーズしてるしで眩し過ぎる。
しかもその勢いでキスしてるし、これは予想外過ぎる。
各家のお父さん達ボロ泣きしてるし、クラリスさんとこの取り巻きの方々に至ってはもう号泣している。
え? この後に俺がやんの?
「で、何でリオン達は残って見てる訳?」
「そりゃあ親友の婚約式だし俺はお前に騙されたんだからな。ちょっとしたお返しだよ」
「……ったく、俺まで騙す必要あったかね……」
そんなこんなで俺の番が回ってきた訳だがリオン御一行は残っていた。
これじゃ俺だけ騙されたみたいじゃねえかよ。
「良いだろ? マリエの花嫁姿見れるんだから」
「楽しみですね、マリーの花嫁姿!」
「そうだな」
「絶対可愛いよね」
それを言われるとやはり反論出来ないのが悔しい。
だって絶対可愛いじゃんマリーの花嫁姿とか。
「アル、来るぞ」
「っと、分かった」
色々言いたい事はあるがそれより今はマリーの晴れ姿に注目しないとな。
ノース男爵がドアを開けて入場してくる……そしてその後ろには……
「…………マリー」
真紅のウェディングドレスを身に纏った、この世で誰よりも綺麗で、ずっとずっとこの姿を見たいと前世含め四十年弱恋焦がれてきた最愛の花嫁がいた。
最早騙されたとかそんな事はどうでも良かった。
「どう……かな?」
「ああ……綺麗だ……本当に……俺の、世界一の花嫁だよ……」
「……ごめんね、騙して」
「んな事、問題無い。この姿を見られただけで、俺は世界一の幸せ者だよ」
「ありがと……アルも、カッコイイわよ」
「ま、お前が選んでくれたからな」
今は二人だけの世界に浸っていたいと思ってしまう。
色々と思う事はある、後ろめたい事もある
だが今だけは全てを忘れて世界に浸りたいと思うそれくらい、長年想い続けた最愛の人のこのウェディングドレス姿はあまりにも美しいものだった。
「ねえ……キスして?」
「勿論だ」
そっと目を閉じるマリー。
今までも何回もしてきたが、今日は特別なキスになるだろう。
口付けは、いつもより甘い味がしたのだった――
開幕からゲロ甘である
ここまでのキャラ達の変化一覧
アルフォンソ・フォウ・ディーンハイツ→アルフォンソ・フィア・ディーンハイツ
・爵位
子爵嫡男から1年で四位上子爵+宮廷貴族へ、そして学園卒業後には伯爵への昇進が確定
明らかに予想外な昇進に計算が狂ったと頭を抱えているとかいないとか
・婚約者
マリエを無事婚約者として勝ち取り正式な婚約式も執り行った
但しアル曰く「本気で愛す資格は無い」らしい
・友人関係
マルケスの他にセミエンが加わり、馬鹿レンジャー達とも何だかんだ良く連む
リオンとはわざと距離を取るが親友という根底は覆せていないもよう
マリエ・フォウ・ラーファン→マリエ・フォウ・ノース
・爵位
新たな家族、ノース男爵家から次期当主への推薦を受け承諾。次期女男爵が確定
・婚約者
アルフォンソと正式な婚約を交わしラブラブに拍車が掛かる
あまりにも甘過ぎて砂糖のテロと呼ばれているとかいないとか
・友人関係
オリヴィア、アンジェリカ、クラリスとは親友関係
ヘルトルーデとも気が合うらしい、ヘルトラウダとアリシアは妹の様な、カイルとヴェンは弟の様な存在
その他アルフォンソの友人とはそれなりに気兼ねなく話せる仲
マルケス・フォウ・サンドゥバル→マルケス・フィア・サンドゥバル(オリジナルキャラ)
・爵位
公国撃退時の主要格+公国殿下ヘルトラウダの救出+発明品の功績で五位上男爵+宮廷貴族へ
・女性関係
元伯爵令嬢ステファニーがメイドになった他、ヘルトラウダと仲が良い
二人ともかなり異性としてマルケスを意識している
・友人関係
アルフォンソの他にセミエンとは親友
リオン周りともそこそこ話している仲
セミエン・フォウ・ルブロイ(オリジナルキャラ)
・爵位
公国撃退時に騎士爵を貰い、その後実は公国との戦争完全終結時にマリーの護衛として活躍した為準男爵位に昇進
・友人関係
アルフォンソ、マルケスとは親友
リオン周りともそこそこ良好な仲
ヘルトラウダ・セラ・ファンオース
・原作との差異
公国戦争において戦死→魔笛破壊により戦死理由消失、アルフォンソとの信頼関係構築で盲信解除、マルケスに救われた事をキッカケに急接近中
ステファニー・フォウ・オフリー→ステファニー
・原作との差異
国家反逆罪により行方不明(恐らく死罪)→国家反逆罪になる前に未然に防いだ為ギリギリ無罪も兄ロイズの国家反逆でオフリー家は取り壊し家名を失いマルケスのメイドとして働いている、マルケスには大恩を感じておりまた異性としても満更では無い様子
ヘルトルーデ・セラ・ファンオース
・原作との差異
最後まで王国に立ち向かってくる敵→盲信解除、アルフォンソとのある程度の信頼関係構築、リオンへの恋心芽生える
クリス・フィア・アークライト
・原作との差異
五馬鹿→全員改善されるも一人だけ改善速度が早く既にマリエへの恋愛感情は諦めている、また五馬鹿中アルフォンソと一番仲が良い
その他四馬鹿
・原作との差異
五馬鹿→ある程度の改善と成長あり、アルフォンソと友人関係
カイル
・原作との差異
生意気ショタ→マリエとアルフォンソの恋路を応援する良き弟分
カーラ・フォウ・フェイン
・原作との差異
実家追放→ロイズが手引きをし脅していた為実家やオリヴィア達と円満和解、マリー信仰者
ミオル
・原作との差異
ジェナの専属奴隷、裏切って処刑される→懐柔成功でリオンサイドへ、???の記憶もち
【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?
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大丈夫だ、問題無い
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無理
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アルマリでイチャイチャしろ