幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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第九十三話『レッツダンジョンアタック!I』

「やっぱネズミくんがあると便利で良いな〜、これが無いと1年間リビア、アンジェ、クラリスとは手紙のやり取りでしか会えないと思ったら背筋が凍る思いだ……」

 

「背筋が凍るついでに浮気の誤解も解けてなかっただろうな。だから言ったんだ主語と述語は怠けずしっかり誤解されないように丁寧過ぎるくらい丁寧に伝えないといけないって。これで手紙だったらほぼ1年間ずっと王国での渾名は浮気野郎だったな」

 

「ひぃ!怖い事言うなよぉ!俺はあの3人に頭が上がんないんだよ!好きだけど!大好きだけど!それとこれとは話が違うんだ!」

 

「だったら次からはちゃーんとやれよ」

 

「わ、分かってるって……」

 

 計画は最終段階に入った。ジャリエールにアインホルンとルクシオンを奪わせて1週間程が経過した。この日俺とリオンはブラッド含む五人衆の内何人かと学院教師を連れてダンジョンアタックをすると決めている。

 計画の全容を知っているのは先にも話した通り俺、リオン、ブラッドの3人のみでありブラッド以外に連れていく奴に関しても計画は知らせない。マリーにすら伝えないのだから当たり前である。

 

 なお、現在話は本来ならリオンが一方その頃で浮気を疑われている頃合いだったがそこはネズミくん、国際通話も何のそのだった。

 登録してあるネズミ同士であるなら宇宙と地上でもラグが少々ある程度で済むらしいと言うのだからマルはやはり稀代の天才だろう。いやほんとどっからコイツ湧いて来たの?モブせか本編にいなくて転生者でもなくてここにいるの意味分かんないよ?

 

 一方俺も家族と中継を繋いで久々に話していた。特にアリシアは俺の事が大好きだからか一番長く話していたように思える、本当に可愛い妹だとほっこりしたもんだ。

 

「で、この後だがブラッドと……多分ユリウスとクリスになると思うが俺ら含めたこの5人と学院教師――ああ、リオンは知ってるよな。『ナルシス・カルセ・グランジュ』、あの人なら共和国各地のダンジョンに詳しいし冒険者じみた事は好きだから引き受けてくれるだろうさ」

 

「ま、そうなるよな。早速集めるのか?」

 

「あんまり派手に動きたくないから学院に行くのは俺とリオンだけになるが、その前に人員は集めておく。交渉を成立させたらすぐにでも行きたい――だろ?」

 

「さすがだな、良く分かってるじゃないか」

 

 ちなみに俺の方はシェリーとノワの方にも連絡を入れていた。親衛隊が全員出払っている為アンジェ達を守る存在が相当数減っている、更に言えばクラリス先輩の取り巻きの方々はそこそこ強力ではあるが俺が信頼を置いているのはどちらかと言えばシェリーとノワの方だ。ネズミを渡しているのも2人の方だけだ。

 そうなればとこっそり中継を繋いでアンジェの警護の方を念押しで頼んでおいた、最近は新入生の取り巻きも出来たみたいでアンジェも勢力を取り戻してるしな。取りまとめ役として騎士爵のある2人は分かりやすい功績持ちだった。

 

「よし、そんじゃ俺はブラッド呼んでくるから。あとの2人は頼んだ」

 

「あいよ、手早く済まそうか」

 

「だな」

 

 さて、そうして回想している内に着いたのはリオンの方の屋敷。ここで予定としてはさっき話した3人を連れてくる事になるが、ブラッド以外は別段予定がズレても良いとは伝えてある。

 

「ブラッド」

 

「アルフォンソか、わざわざこっちの屋敷に来て呼び出してくるってことは……『そういう事』かな?」

 

「ご名答、リオンがあと2人連れてくるから広間に集まるぞ」

 

「分かった。その2人に計画は話してない、という認識は間違ってないよね?」

 

「その認識で間違いない。作戦を知ってるのは変わらず俺ら3人だけ、仲間にも全容を明かさず動くのは当初から予定変更無し、気取られるのもよろしくないからそこを頼んだぞ」

 

「任せてくれ、この僕の美しい顔に傷を付けた連中にはうんと仕返しをしてやらないと気が済まないんでね」

 

 ブラッドを確保し認識の最終確認を擦り合わせ済ませ素早く広間へと移動、タイミング良くリオンも同じように来たのが見えた。

 

「ユリウスとクリスになったか」

 

「ちょうど近くにいたからな」

 

「ダンジョンへ行くんだろう?久々に剣が振るえると思うと気分が高揚してくる。存分に役に立とう」

 

「俺としてはバルトファルトの一件で王国の顔に泥を塗られた、という認識もあるからあまり無闇に出歩くのは得策ではないと思ったが……バルトファルトとディーンハイツなら何かしら打開策があるのだろう。気分転換になるのであれば行かせてもらう」

 

「2人とも了承済み、と。今回行くダンジョンには幻の秘宝が眠ってると専ら噂だ。それに加え金目の魔石と金属も豊富にある――自力で生きていかないと厳しいお前らにとってはこれ以上無い『オマケ』だろ?」

 

 ブラッドはさておき2人を焚き付ける文言としてこれを用意してきた、クリスは既に乗り気だったから良いがユリウスを焚き付けるのにはこうかはばつぐんだ!

 

「剣の実戦鍛錬にもなり、更に稼ぎも得られる……素晴らしいな」

 

「確かに今の俺達では金を稼ぐ方法をあまり知らない。ここは乗っておくのが良いか」

 

「僕は怪我してて最近動けていなかったからね、リハビリがてら金稼ぎなら都合が良い」

 

「決まりだな。クリスは短剣も装備しといた方が良いぞー」

 

「ああ、準備しておくさ」

 

 割と大人数な気がしないでもないが、ここに引率教員のナルシスと……リオンにも言ってないがここにノエルも加える。

 あの子に関しては現在レリアと揉めたとかいうことでこの屋敷にいる。ナルシスを引き連れてこっちにもう一度戻ってきた時偶然という事で連れて行こう。元はと言えばノエルが聖樹の巫女なんだからなんか良い事あるでしょ、多分、きっと、めいびー。

 

 

 

 

 

 

 

 

「――なるほど、内政干渉になってしまうと」

 

「うん。心苦しいけどさっきも言った通り、ジャリエールのやった事については本当に申し訳ないと思っているんだ。ただ、ここアルゼルは知っての通り七つの国の集まりだ、実質的にそれぞれが独立した国家みたいなものだからそれぞれの代表に連なる血縁者は王族みたいなものでね……おいそれと口出し出来ないんだ」

 

 現在ナルシス先生と交渉中、ここに来るまでにルイーゼに会ったりナルシス先生への紹介をしてもらったりと地味にイベントがあり今に至る。

 結論から言うと予想通りの展開である。この人ほんと共和国貴族の中でも良識派なんだよな、絶望的に教師に向いてないだけで。

 

「分かりました、ジャリエールの方は俺達で何とかします。それより、もう1つの件の方ですけど」

 

「レスピナス領のダンジョンの事だよね、私としては嬉しいのだけれど本当に大丈夫なのかい?あそこはとても危険だよ?」

 

「問題ありませんね」

 

「右に同じく」

 

「あまり危険な事はしないでほしいんだけどね……自信があるみたいだけど過信は禁物よ?」

 

 しかしルイーゼ、この人はなんて素晴らしいんだろう。

 王国でも中々にヤバい連中ばかりだったがこの国の酷さを目の当たりにしてしまったせいで女神に見えてくる、実際リオンはあまりの感激で泣いている。

 

「ちょ、ど、どうして泣いてるのリオンくん!?」

 

「いえ、優しい言葉を掛けてくれる女性の素晴らしさを噛み締めていたんですよ……」

 

 俺も噛み締めています。

 この国の貴族も軍人もヤバいのばかりでもう付き合いきれないってなってる中で僅かな光が眩しすぎる。イレギュラーがあったからこれでもまだ味方が多い方だが原作はこれより酷かったってマジかよ。

 

「ごほん、それでナルシス先生……引き受けていただけませんか?」

 

「分かった、案内役を引き受けよう。ただし、約束した報酬はちゃんと貰うよ。最近はとある研究に熱中していてついつい予算オーバーしてしまって、足りなくなるところだったんだ」

 

「ええ、安心してください。俺達はこう見えて子爵と伯爵ですから、この地位に誓って約束は違えませんよ」

 

「そりゃ頼もしい」

 

 よし、引率教員も確保完了。原作同様しっかりと六大貴族の血筋に連なる教師を付けられた、これで少なくともダンジョンに潜ってる間俺達に下手にちょっかい掛けてくる連中はいなくなるはずだ。ちょっかいを出せば、ナルシス先生の言っていたように王族に対する行動として処理をされるのだから。

 

「んじゃま、準備揃ったし行くか!」

 

「え?」

 

「先生……俺達は『今から』ダンジョンに潜ります。なのでナルシス先生にも着いてきて貰うことになります、今から」

 

「今から!?お、王国民って言うのはこうも即断即決なのかい……?」

 

「いえ、俺とリオンの思考回路が常に未来を歩いているだけです」

 

 先生はドン引きしていた、そりゃまあ日常的に見てきたはずの王国民ですらドン引きしていたのだから当然だが。

 ククク……さあ、レッツダンジョンアタックと行こうじゃないか!!

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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