幼馴染はどうやら転生しても続くらしい 作:ぶり大根(元・孤高の牛)
「あ〜疲れた疲れた、ったく俺はチート持ちじゃないってのに」
「あ、アル!大丈夫?怪我とか無い?」
「大丈夫大丈夫、疲れはしたけど怪我するような相手じゃねーよ。それよりマリー達こそ大丈夫か?見てたけどミサイル撃ち込まれただろ?」
「平気よ、それにしてもさっきリオンが『アロガンツ、今すぐ取り戻してやるからな』とか『ジャリエール、お前の野望はここで俺が止める!』なんて言ったけれど大丈夫なの?――相手の末路」
「うんまあなんとかなるだろ、リオンは手加減下手だからもしかしたら再起不能になるかもしれないけどうん、まあ、うん」
「おいちょっと待てバカ夫」
時間が出来たしと決闘場に来てみると客席は若干黒煙が上がってるしアロガンツは暴走してるしジャリエールは「この僕様が共和国の支配者となる!!全員僕様の下僕となるんだ!!アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」なんて言ってるし客席は王国組以外全員動揺してるしでカオスな状況になっていた。
だがここまでも全て想定済み、ルクシオンがジャリエールの声真似をして暴走させたように装いとんでもない事を口走らせ、リオンが正義の味方みたいな三文芝居を打ってそれを打破する。あまりにも茶番劇過ぎて笑うしかないが共和国の何も知らない連中はそれはそれはリオンが凄く映るだろうな。
まあ王国組からしてみればまたゲスいことしてるな程度だが。
「バカ夫とは失礼な、まあマリーだから許すけど」
「はぁほんと、一応相手は共和国の皇族で言ってみればフェーヴェルの第一王子よ?いくら救いようの無いクズとは言っても殺したりなんかしたら大問題なんだから」
「大丈夫でしょ、だって相手はアロガンツに搭乗してんだから無様に負けたとして死ぬような事は無いって、多分」
「だから最後で説得力落とすのやめなさいよバカ」
いくらリオンの手加減が手加減になってないとはいってもさすがに相当なポンコツでもない限り死ぬという事は無いだろう。
明らかにジャリエールより無能で弱かった原作ピエールですら死なずに済んだんだから自爆とかでもしないなら死にはしない、再起不能にはしてもおかしくないけど。
さて、そんな言い合いをしてる間もアロガンツinジャリエールvsリオンの決闘は続いている。
「ジャリエール!いい加減にしなさい!これ以上の決闘続行は認められないわ。立会人の権限を以て、この決闘を中止とします!」
「あひゃ!やってみるといいさ、そうしたら僕様はこいつを殺して聖樹の苗木を2本とも奪うだけさ!もう何人足りとも僕様を止める事は叶わない!!」
「あんた……聖樹の誓いをなんだと思って……」
俺はこの状況に心底同情している――勿論ジャリエールの方に。
何せ今喋ってるのは声を模したルクシオンの方、つまり今搭乗してる奴の声は一切鎧から漏れ出ていない。
今頃きっと
『何故だ!?何故僕様の声が勝手に変換されているんだ!?』
『無能AI!!早く僕様をサポートしろ!!』
『違う!!僕様はミサイルなど放っていない!!そんなはずが無い!!』
なんて叫んでいるのだろう、哀れしかしその言葉はルクシオン以外に届くことはない上にルクシオンが仕えているのはリオンにだけなので届いたところで何がある訳でもない。論破でもされて狼狽えているんじゃないだろうか。
「リオンくん、早く逃げて!」
「もう遅いよ、僕様に逆らった事をあの世で後悔すると良い」
「来いよジャリエール!!これで……終わりだ!」
なんと芸術的な演技だろうか、わざとらしく叫んだリオンはアロガンツから繰り出される大鎌の一撃サッと避けたと思えばそのまま掌底を打ち込み……アロガンツが吹っ飛んでいた、ちなみに勿論だがこれは全て演技であり事前に仕込んで打ち合わせをしているので実際にやればビクともしない。
だがその演技はまるで前々世で見ていた某ガン〇ムシリーズに出てきた東方〇敗を彷彿とさせる名演だ、直でリアルに……まあ目の中に映る光景全部二次元だけど、リアルに東〇不敗じみたモノを見られるのは男子としては感慨深いものを覚える。
男の子は誰だって生身でガ〇ダムを倒すジジイキャラが大好きなんだ。え?そんなキャラ1人しかいない?
「ぼ、僕様を愚弄したな!!これで勝ったと……ガハッ」
ちなみに決闘はリオンがコックピットを開けてジャリエールを引きずり出して顔面にフルスイングのパンチを喰らわせていた、やっとアイツの歪んだ顔が見られて俺は最高に嬉しいよ、この顔だけで食欲が増進されるくらいだ。
「よう、鎧vs生身で鎧から引きずり出された気分はどうだ?クズが」
「ふざけるなよ……!!」
「さあお楽しみはこれからだぜ、ジャリエールくん?ここからは生身と生身でやり合おうじゃあないか」
「く、クソが!!クズはどっちだ!!僕様をコケにしたさん流国家のクズ騎士の分際で!!聖樹に選ばれ、フェーヴェル家の次期当主であるこの僕様に歯向かい侮辱したらどうなるか思い知らせて――ゴホッ!?」
リオンは少し喋らせたかと思うと聞き終わる前に腹パンしていた、多分三下みたいな話し方が面白かったから喋らせたら思ったより長く喋りすぎたから黙らせたんだろう。
悶絶してくの字になった奴の髪を引っ張り上げ顔面にも一発殴り付ける、あっ歯と鼻折れたなアレ。可哀想に、あのリオンのグローブは何かを殴ったところで痛くならないように作られたチート武器の一つだからどれだけ殴っても拳を痛めたりするような事は無いのだ。つまり体力が続くなら一生でも殴り続けられる。
「あぁっ!?僕様の顔が、顔がぁぁぁ!!」
「安心しろよ、お前がボコボコにしてくれたブラッドも治癒魔法さえあれば元通りになる、治癒魔法って凄いよなあ?だからね、お前の顔もちょっとやそっとぐちゃぐちゃにしても問題無い訳、全部全部決闘の範囲内?分かる?」
奴は恐怖なのか怒りなのかプルプルと震えている、さっきまでの余裕綽々な態度とは全くの別人だな。
しかも手の甲を見てギリギリと奥歯を噛み締めている、聖樹の加護を使いたくても一度使わないと誓ってしまってるだけに使えずに後悔でもしているんだろう、無様だとしか言えない。
そもそも今回俺は露払いみたいな事で別のとこにいたが、俺が決闘していても軽く勝っていただろう。何せルクシオンが演技してくれるし。
「ククク、さすがに紋章を使えない事には気が付いてるみたいだな」
「ちぃ!どこまでも卑怯な真似を……」
「卑怯もらっきょうも褒め言葉なんでね、それじゃあこれからお前にはたっぷりと仕返しをするわけだが、簡単に負けを認めるなよ?こっちにゃお前を殴る理由がごまんとあるんだ」
「ぼ、僕様を殴るというのか!?このフェーヴェル家次期当主の僕様をか!?そ、そんな事してみろ!お前も、お前の家族も、故郷も、全て根絶やしにしてやる!共和国を牛耳る一家のフェーヴェル家の力を甘く見るなよ三下が!!」
「おー怖い怖い」
確かに王国で当てはめるとアレは第一王子のランクにいるっちゃいるが、喧嘩を売ってきたのもあっちで更に言えば『6人いる内の1人の第一王子』に過ぎないのでユリウスと比べると権力は実のところ割とショボい。
それにバカだし人の嫁まだ未練がましく狙ってるような王子とはいえユリウスは反省も努力も出来る奴ではあるからな。アレと一緒にするのは可哀想だ。
「負けそうになったら実家頼りって情けなくないのかしら」
「鎧に乗って生身の人間を襲ったのに返り討ちって、そりゃねーよ」
「ここまでして負けるって、威張り散らかしてたのが滑稽に見えるな」
「次期当主もピエールの方が相応しいんじゃない?」
「ピエールは俺達平民とも肩を組んでくれる優しい人だし、頭も良い」
「格闘も共和国内じゃ飛び抜けてるしな。文武両道なら間違いない」
しかしここまで人望が無いとは、分かってたと言っても笑うしかないだろうよ。
それに皮肉にも原作でボロカス言われてたピエールが次期当主に推されている始末、こんなに言われてはプライドはズタズタだな。
「ふざけるなよウジ虫の分際で!!誰のお陰で共和国でのうのうと生きていけていると思っている!?この僕様のような!!崇高な六大貴族あってこそだろう!?なのに誰も恩を感じていない!?それどころかあまつさえ僕様の悪口を!!平然と並び立てる!!貴様ら、その言葉万死に値する――」
「うるせえよボケが」
言いたくても言えなかった抑圧されてきた不満文句を噴出させる観客相手に罵詈雑言を浴びせるジャリエール……と、相変わらず話している途中で殴り掛かるリオン。
既に歯も鼻も折れて醜悪になっていた顔から更に血と歯が飛び出してくるその姿は正に滑稽そのもの。まあやった所業考えれば当然なんだけど。
「困るんだよなあ、決闘中によそ見されると。それから俺は一応こう見えて優しい人間を自負してはいるが、悪いな。敵対する人間には容赦しないことにしてるんだ」
「な、何を……ふぎゃっ!」
……ほんと、リオンとだけはマル以上に敵対したくないわ。
俺から見ても卑劣で容赦が無くて手加減も無いような人間誰が敵に回したいんだよ、見てるだけでこえーよ。
「ほうらどうしたよ、抵抗してみせろよ」
「わ、分かっぎゃ!じ、実家の力は使わないから、だ、だからもうやめぼぇっ!?」
「……アタシ、一歩間違えてたらアレと敵対することになってたって事よね」
思わず呟いたのはステファニーだった。
空賊関連で危うく敵対するところをマルがどうしてもと言うから全力で止めて今があるが、あのまま止めてなかったら容赦なくあのレベルの惨事になっていた。
「リオンと敵対した上で末路は多分アレより酷いことになってたと思うぞ。やってたことシンプルに国家反逆罪だし」
「そう……よね」
「でもほら!そこはもうステフは無罪になってるからね!?も、もう大丈夫だからね!?」
「え、ええ……アンタ達には感謝してもしきれないわ……特にマルには」
マルが慌ててフォローしている、本当に噛み締めて感謝してくれ。俺はあの時普通に切り捨てて原作通りにしてもらう算段だったし。
それが今や聖女親衛隊騎士の嫁候補だぞ、アレとは違って人に恵まれたことを心から味わってもらいたい。じゃないと助けた意味が無い。
「私も、本当に感謝していますよ。じゃなきゃこうしてまともに生きる事は出来ませんでしたから」
「……アンタにもあの時とか、色々悪かったわね」
「いえ、もう終わった事ですし。それにこうして隣合って座っていられるという事が答えだと思いますから」
「そ。ありがと」
……ま、今のを見られただけでも助けた意味はあったな。
最早決闘になってない一方的なリンチを眺めながら、かつて最悪の関係性だった、今は隣合って座っている2人の様子をジッと見守るのだった。
【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?
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大丈夫だ、問題無い
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無理
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アルマリでイチャイチャしろ