自作ガンプラ見せびらかすだけの筈が……
「ジムおじさん……せめて主役機出してよ……ジムに負けるの結構悔しいンゴ……」
「おじさんは凄く楽しいんだけどなー♪」
音符付きと来やがった。ほんとこの人タチ悪い。
「どれ、貸してみな。肩の補修やり方教えちゃる」
ガンプラバトルでは機体が破損する。実際ガンプラをプラフスキー粒子で動かすのだから当たり前ではあるが、今ではこの破損後の修復が嫌でガンプラバトルから離れてしまう子供も多い。
「G30thだろ? フォーエバーガンダムのキットにそいつ用の肩パーツが入ってて余るんだよ。ほれ、これ使いな!」
「え? おっちゃん良いのか!」
「バンダイに部品発注掛けてもこのご時世じゃな……いつになるか分からんだろ?」
そもそもこのジムおじ、職業としては回路検査・修理技師である。直すのは得意中の得意。予備パーツのストックも多い。
「あんた、修理できるところをわざわざ狙ったね?」
「なんだ若造、よく見てるな」
「甘いよ、バトルに変な情入れんなや!」
「おいおい、ガンプラバトルが下火になったらメンテナンス契約切られるだろーが。紳士的に遊べよ」
「ガチでイケるかい? 粘流のおっさん」
青年はカタりと自機を置く。
「何だこれ? 胸ライオンの勇者系?」
「……次元……いや、タイ捨流か……」
「おっちゃん、これも古流ガンプラなん? 雑ミキシングに見えるンゴ?」
「技法は新しいの取り入れてるけど、作法は古いな。ザクレロ頭はガンダムマーカーか」
「ウッソでしょ。これクリア噴いてツヤテカにしてるじゃん。ガンマカじゃ溶けちゃうでしょ」
「下手にやればな。溶けるのが問題なら水性アクリルの上にクリア噴けないだろ?」
「だから普通やらないじゃん」
「そう、上手くやれば出来るが、普通は下手だからやらん」
「お褒めに預かり恐縮だ。あんたもヤるねぇ」
「俺は手を抜くためにテクを使っただけだ。お前はテクで有利を稼ぐ系だな。さてはペインに破門されたな」
「こっちから出て行ったさ。あのジジイ俺を邪道と言いやがった!」
「そらそーよ。ガンプラバトルで勝ちだけ拾いに行くやつがあるか」
「ジジイの知り合いか。ならばイオリ模型の『ドラゴン』を知らないか?」
「ドラゴン? あのエポパテ作例の? あれは……」
「ひ・み・つ・☆ じゃあザクレロきちんと塗ってから来い。このGM Crazyが相手をしてやろう。勝ったら教えちゃる」
「1週間だ。来週またここに来る! どんな機体か楽しみにしてるぞ!」
え? なんでこんな展開に?
反応にビビって風雲急を告げた。