タンクトッパーイズク   作:規律式足

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第105話

 

 さて大成功に終わった一年A組のライブ。 

 その後の二日間もそのクオリティを維持して校外にも高い評価を得た。ヒーローになるために音楽関係の道を諦めた耳郎さんだけど、今回のライブにて音楽の才能もまた大きく評価されることになる。副業が当たり前なヒーロー社会、本人の決意はともかくとして彼女にとって悪いことではないだろう。ぶっちゃけあのエンデヴァーですらヒーロー活動以外のイベントやコマーシャルに出演しているのだから。

 ヒーローという周囲に大きく知られる存在は下手なアイドルやら著名人より影響力や経済効果があるため、自分からの依頼より相手側からの要請もあるのだ。

 ちなみに今回のライブの映像は経営科が撮影管理していて、いずれ一年A組の誰かがトップヒーローになったら売り出すつもりだとか。

 ライブ終了後に詰め込み過ぎな著作権大丈夫なB組の劇を皆で見に行ったり、先程勧められた屋台を巡ったりした。焼きそばのあまりの美味しさに美麺ーンと上鳴君がリアクションとったり、たこ焼きの安さと美味さに驚いたり、焼きそばを薄焼き卵で巻いた巻そばとか、お好み焼きに焼きトウモロコシの薄切り揚げを混ぜるのも美味しかったな。八斎が企画するイベントは今後もチェックしておこうと思いました。

 さて二日目、今日は勝己の冬美さんとの護衛という名のデート日。

 一部女性陣がトラブルを起こしそうだけど意外なことにその気配はなかった。

 文化祭デートなんて自分達もしたいだろうが、寮生活にて自分達は勝己と接点が増えたのに対して、教職かつ轟家にて女手として家事もこなす冬美さんは勝己と会うことすら困難だ。だから今回は邪魔しないで我慢しようと決めたみたいだ。

 うん、勝己のインターン時の土日の宿泊先が轟家なのは黙っておこう。

 出し物以外の時間は冬美さんと文化祭を巡った勝己は周囲の視線に胃をやられたりしたが楽しく過ごせたみたいだね、勝己好み服装とか冬美さんの相談にのった甲斐があったよ。僕もクラスの皆やメリッサ達と他クラスの出し物を楽しんだ、普通科のお化け屋敷クオリティ凄い。一日終わってその後勝己がその日何もしなかった僕をやはり渡我被身子かと襲いかかってきたのだけど返り討ちにしてやった。

 あと等身大峰田君フィギュアが謎の大男のような人物に売れたり、上鳴君が普通科の女子生徒に告白されたりした、万偶数羽生子さんが忘れられない彼は断ったらしいけど。

 そして三日目、文化祭最終日。

 とりあえず見るべきは雄英高校ミスコンとヒーロー神輿だ。二日間もグランドにて行われたヒーロー神輿はテレビ放送もあって卒業後にデビューする三年生の先輩方の知名度に大きな助けになりそうだ、交代してるとはいえ一日中神輿を担ぐタンクトップ同好会の体力とインパクトある格好も注目されたけど。そして最終日である今日こそはメイン、雄英高校ビッグ3とオールマイトとそのサイドキック達の日だ、オールマイト達には嫌な予感するけど。

 ミスコン本番。

 一年ヒーロー科参加者である拳藤さんの手刀などの演武を活かしたアピール、板を叩き割る実力に流れる動きは見事だけどアレを普段からくらってる物間君の首って頑丈だね。あと勝己を見つけたからといって手を振ったら駄目でしょ、嫉妬の視線がネビルレーザーみたいに勝己を突き刺してるよ(本人は笑顔で吐血)今ので大分投票が減るだろうから彼女の優勝は厳しいね。アイドルは特定の誰かを注目したら駄目なのよ。グランプリ連覇中の絢爛崎 美々美先輩の出番、これは凄かった。

 サポート科であることを最大限に活用した絢爛豪華の極み、

 

「波動先輩が勝てないのも納得だね、やはり優勝はあの人か」

 

「お前ってインパクトの有無が割と基準だよな」

 

 ミスコンの判定じゃないだろとクラスの皆に突っ込まれた。いやだって僕の周囲ってインパクトある人だらけだし。

 そして既に結果は見えているが波動先輩の番。

 だがその予想はあっさりと覆えされた。

 インターンで一緒だった麗日さんに梅雨ちゃん、そしてビッグ3で親友であるミリオ先輩(服は着ている)も顔をビックリさせている、知っている彼女の知らない彼女らしさ。

 

「こうして見ると、本当に波動さんは純真無垢な妖精のようだ」

 

 天喰先輩、良い顔で良いこと言っているけど両脇の御二方のせいで満員のミスコン会場が円形脱毛症みたいな空間できているの。発言に嫉妬して顔面ベロベロされてますよ貴方。

 幻想的な宙の舞にこの僕ですら目を奪われた。

 これは優勝がわからなくなったね。

 結果発表は夕方5時、シメのイベントだ。

 さて僕はどうするか、勝己は拳藤さんにしないとヤバそうだけど。

 最後にビッグ3とオールマイト達によるヒーロー神輿だけど。

 うん、酷い修羅場だったよアレ。

 オールマイトの隣を争うオッサン二人が最終的に喧嘩神輿をおっ始めやがりました。

 オールマイトお面を顔と胴体に両肩と装着したサー・ナイトアイクライマックスフォームと、オールマイトの着ぐるみみたいなバトルスーツに乗り込むシールド博士の一大決戦。

 凄まじい戦いにグランドは大盛りあがりだけど、サポート科のパワーローダー先生とオールマイトが口から血を垂らして瀕死になってた。いやのせられてぶつかり合うタンクトップ同好会も問題だけどね。

 結果は最後の力を振り絞ったオールマイトによる両者鎮圧だけど、今回の件でまた一段と老け込んだねオールマイト。

 

 なおミスコン優勝者は波動先輩でした。

 美しさだけで無い彼女らしさが決め手だった。

 誰もが納得のそんな結果。

 王冠をかぶる彼女の笑顔もまた喜びの涙を流す友人と共に輝いていた。

 来年はどうなるかな、メリッサにA組女子がでないなら拳藤さん一強になるかも。

 

 色々あった文化祭はこうして幕を下ろした。

 日常を彩る、日常の中の非日常。

 平和な日々の中で穏やかかつスリリングな時間を過ごせたのだ。

 雄英高校文化祭は、荒れる社会の中で笑顔を溢れさせたのだった。

 皆笑った、僕も笑った。

 こんな素敵なイベントが来年もあれと笑いあった。

 

 けど僕はうっすらと予感していた。

 まだ戦いはあると、それこそ世界の命運をかけた一大決戦が。

 日常を甘受しつつも牙を研ごう。

 こんな日々皆とずっと過ごすために。

 

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